五泉ニット工業協同組合

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2018年02月26日
NICOpress147号新事業展開

国内のニット業界は安価な海外製品に押され、今やマーケットの99%近くが輸入品だ。五泉もピーク時の売上げ802億円から115億円と激減。この閉塞感をどう打破するか。五泉ニット工業協同組合が総力を挙げて動き出した。

五泉ニット業界が結束 横編ニット国内No.1という産地力を発信

五泉ニット工業協同組合
理事長 髙橋 雅文氏

自分たちの強み、弱みを洗い出して武器にする

「五泉ニット」の品質や技術はニット先進地であるヨーロッパにも比肩する。実際に有名海外ブランドが製品を発注するほどだ。しかし、海外からの安価な製品の流入と、衣料価格の下落、国内アパレル業界の不振などから近年売上げが激減。組合数も40社まで落ち込んだ。

「この閉塞感を打破し、消費者はじめ国内外のアパレル業者や商社から『五泉といえばニット。ニットといえば日本の五泉』と認知される産地の確立を目指して、五泉ニットのブランド化事業の取り組みを始めました。幸いにも五泉は後継者たちの若い力が活動に生きています」と髙橋理事長。初年度に産地の長所短所を洗い出した結果、業者間の連携が強いこと、染色・整理・刺繍・プレスといった二次加工技術が集積しており、地域内で染色から製品の完成まで可能なことなど、国内で五泉にしかない「規模(インフラ)」という武器も見えてきた。

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「良いものは良いと見直される潮流がきっと来ます。各社の連携しやすさ、結束した技術力は五泉ニットの強み。産地全体の力を結集して取り組みたい」と話す髙橋理事長。

目標を達成し、課題を克服する実行部隊を組織

目標も具体的に立案。平成32年度に五泉市に完成予定の複合施設にニット展示場を確保し「国際ニット展示会」開催を目指す。ビジネスに結び付ける数値目標も掲げ、課題を克服する4つの分科会(人材育成、地域活性化、販路市場開拓、広報PR)を立ち上げた。今年2月には五泉ニットのブランドマークを発表。組合員の自主ブランドやアパレル企業向けの商品に活用していく。「このタグを付けた製品が国際展示会(IFF-MAGIC)でスペインのバイヤーの目に留まりました。春には家庭画報とのコラボ商品が各地の三越伊勢丹で販売されました。また、新潟三越伊勢丹の『越品』でも取扱い頂いた商品があります。少量ですが大きな一歩です。」

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五泉の五をモチーフに、編み地のパターンと糸が編まれる仕組みをシンボル化。認証委員会を設置して独自の品質基準をクリアーしなければタグを発行しない仕組みだ。

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国際展示会(IFF-MAGIC)に、「五泉ニット」として出展。大きな手応えをつかんだ。

次代の日本にニット業界を残すために

組合では次代に繋ぐための事業も行っている。工場見学ツアーの開催や、インターンシップで高校生を受け入れるなど若者がニットに触れる機会を設けた。2月10日の「ニットの日」には、「五泉市民でニットを着よう」と地域を巻き込み、行政や商店街の方々が参加した。

「運に頼るのではなく、何かしなければ発展的な進化は望めないです。国際トータルファッション専門学校にもお願いして、ニット科が設立されることになりました。五泉の工場でも学生を受け入れ実践的に学んでもらい、よりニットを豊かに表現できる人材を輩出したい。」と髙橋理事長。五泉のニットを未来に繋げる活動に期待が高まる。

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2月10日~12日に開催した「五泉ニットフェス」は工場見学やライブなどで盛り上がった。次回開催は平成30年2月9日~11日予定。

ここがポイント

  1. 実現に向けて4つの分科会を立ち上げ
  2. 平成32年度を節目とした明確な目標を掲げる
  3. ニット業界だけでなく地域も巻き込んだ展開

企業情報

五泉ニット工業協同組合
〒959-1824 五泉市吉沢1-1-10
TEL.0250-42-2156 FAX.0250-42-3153
URL http://www.gosenknit.or.jp

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