支援事業を活用し、技術開発の可能性を広げる
株式会社中野科学(NICOクラブ会員)
代表取締役 中野 信男氏
専務取締役 中野 俊介氏
NICOへの相談で課題解決の糸口が見える
金属の電解研磨、酸洗い、酸化発色や染色といった金属表面処理を専門としている株式会社中野科学。なかでも、ステンレスの酸化発色の色出しや、超鏡面処理を行うチタンの電解複合研磨は、世界レベルで突出した技術を持つ会社だ。
同社ではNICOの設立当初から、さまざまな支援策やセミナーを積極的に活用し、新しい技術の開発や、工場の大規模な設備投資などを実現。また多くの研究者と出会う機会を得ることができたという。
例えば、同社では平成26年度経営革新計画の承認を受け、「アルミニウムの電解研磨の実用化に向けた加工施設の拡張」に取り組んでいるが、この技術について共同研究を行ってきた新潟大学の教授は、平成20年に同社が取り組んだ「わざづくり支援事業」が縁で、今回のプロジェクトにつながったということだ。
中野社長は、「NICOは困ったことがあるときの相談先。親身になって話を聞いてもらえ、解決の糸口を教えてもらえる可能性が高いと感じています。技術開発の流れというものを教わったのも、以前、NICOの支援事業で経験したマグネシウムの研究の際でした」と語る。
ネプコンへの連続参加で全国的な認知度を高める
アジア最大級のエレクトロニクス関連展示会「ネプコンジャパン」には、NICOを通して毎年参加。それをきっかけに、顧客の地域や分野が広がっていると中野専務は話す。「展示会では、新しい技術を発表しますが、その場で即、受注につながることはまずありません。しかし、毎年継続して出展することで、『金属表面処理といえば、新潟に中野科学がある』と認知してもらえているようで、実際、1年後に声が掛かるといったケースもあります。また、お客様と話をすると、『それは難しい』 『さすがに無茶だ』と感じるような要望を聞くことが多いのですが、実はそれが次の開発のタネになることもあります。社内では絶対に出てこない発想をもらえるので、貴重な場だと思います」。
支援を得ることによって一歩踏み込んだ挑戦が可能に
常に、新たな技術開発に取り組んでいる同社だが、それはやはり時代に合わせて、会社も変化していかなければ生き残っていけないという思いからだ。また、自らも技術研究者である中野社長は、挑戦したいことが次々と出てきて、時間が足りないくらいだと話す。
「営業がお客様の声を聞いて感じてきたものを、技術力のプラスワンにしていく。それを重ねていくことが会社の強みになります。技術開発には手間とお金が掛かる訳ですが、公的支援を使い、自己負担額が減れば、その分、冒険をしてより高いレベルに挑戦してみようと思える。それが可能性を広げてくれていると思います」。
高みを目指す探究心が、会社を成長させてきた同社。その姿勢で、これからも新たな扉を次々と開いていくに違いない。
活用支援メニュー
- 専門家派遣事業
- ゆめわざもの助成金
- 経営革新計画
- ネプコンジャパン
「開発した技術の特許申請などで、専門家派遣や助成金といった支援策を活用しています」と語る中野社長(左)と中野専務(右)。
陽極酸化処理仕上げによって発色したマグネシウム合金のメガネケース。マグネシウムに関する技術開発をNICOの支援事業で行った。
NICOの支援を活用して設備導入をした、金属表面をナノレベルで磨く電解複合研磨。上が研磨前で下が研磨後。特にチタンの超鏡面研磨は中野科学にしかできない独自技術だ。
【企業情報】
株式会社中野科学(NICOクラブ会員) URL http://www.nakano-acl.co.jp/
〒959-1276 燕市小池5181-3
TEL.0256-62-2548 FAX.0256-62-3880