株式会社山仙

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2015年04月03日
NICOpress122号

株式会社山仙(NICOクラブ会員)
代表取締役 小嶋 修 氏
専務取締役 小嶋 宏志 氏

全日本柔道連盟公認の柔道畳を製造・販売する企業として注目を集めている株式会社山仙。同社では昭和21年の創業以来、高品質な畳床を製造してきた技術をもとに、現代にマッチングした畳のスタイルを提案している。

新潟県初となる全日本柔道連盟公認の柔道畳を開発

柔道畳をもう一度畳屋のルートで販売したい

畳製造を主力に内装工事、融雪装置、薪ストーブやペレットストーブの施工、販売など多角的な事業を展開する株式会社山仙では、新潟県初となる全日本柔道連盟公認の柔道畳「けんしん」を開発。今年から本格的な販売に向けて動き出している。
開発に取り組んだ背景には、生活の洋式化に伴う畳需要の減少や畳の土台となる畳床の材料が稲わらから発泡ウレタンなどの新素材に変わるなど、畳の工業製品化が進んでいることへの危機感があった。「柔道畳も今は化成品のルートで製造され、スポーツ用品店に卸して販売されている。本来は畳屋が作ってきた製品なのにという悔しさもありました」と小嶋社長。さらに、「当社は畳床を作る技術を持っているので、既存の設備を使って柔道畳を生産し、もう一度畳屋のルートで販売していきたいと思ったのです」と小嶋専務も思いを語った。

安全性・耐久性・抗菌性に優れた製品が完成

公式試合で使用する公認畳として合格するには、全日本柔道連盟の審査基準にクリアする必要があり、同社では模索しながら研究開発を進めていった。「材質の研究をはじめ、その素材の調達方法や使用する素材の積層など、組み合わせ方などをかなり考えました」と小嶋専務。接着技術については、新潟県工業技術総合研究所に協力を求めたという。
こうして長年試行錯誤を重ねた結果、安全性・耐久性・抗菌性に優れ、へたりのない製品を作ることに成功。日本工業大学の研究室にサンプルを提出し、畳表のすべりや衝撃吸収性、硬さなどの試験を行ったところ審査基準をクリアし、日本海側で初、全国でも16ヵ所しかない全日本柔道連盟公認柔道畳の製造工場となった。

県立武道館や東京オリンピックでの採用を目指して

柔道畳「けんしん」は、2014年12月に「メイド・イン上越」に認証された。また、中学校の体育授業で武道が必修になったことから、柔道初心者でも安全なクッション性の高い「ソフト柔道畳」、設置や撤去作業がしやすい「最軽量柔道畳」を新たに開発。県内の教育機関への新規納入に加え、メンテナンスのニーズも期待されている。
「地元での実績づくりに力を入れ、上越市に建設予定の新潟県立武道館の柔道畳に採用されることが今の目標。ひいては東京オリンピックでの採用も願っています」と意気込む同社。今後もさまざまな場面に対応した畳製品の開発やメンテナンス、畳のレンタルシステムなど、柔軟な発想で事業の幅を広げながら、現代にマッチングした商品やスタイルの提案をしてゆく。

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ここがポイント

  • 培ってきた技術と既存の設備を活用
  • 柔軟な発想で事業の幅を広げる
  • 全国で16ヵ所しかない製造工場に認定

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「柔道を通して日本人に義の心、和の心を取り戻してほしいという思いから、公認柔道畳に上越に縁のある上杉謙信公の名を付けました」と語る小嶋社長(右)と小嶋専務(左)。
全日本柔道連盟公認柔道畳「けんしん」。芯材にあたる材質と畳表に工夫を加え、部材を積層することで耐久性が高く、へたりのない製品が完成した。
柔道畳は頸城工業団地内の本社工場で生産。創業から培われてきた技術力と、多量の受注に対応できる生産設備で、高品質な畳を製造している。

【企業情報】
株式会社山仙(NICOクラブ会員) URL http://www.yamasen.info/
〒942-0147 上越市頸城区西福島662-9
TEL.025-545-4280 FAX.025-545-4288

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