平成28年度:NICOコーディネーター 田辺良則の香港出張記

2017年01月17日

こんにちは!田辺です。11月~12月にかけて、NICOが新潟県内の企業や工房と協働で進めている国際ブランド「百年物語」の香港での展示会に参加しましたので、エピソードをご紹介したいと思います。

香港雑感

昨年11月28日~12月11日まで、香港GOOD DESIGN STOREでの「百年物語」展示会設営支援のために1年ぶりに香港を訪れました。
この展示会開催の経緯は、新潟発国際ブランド構築プロジェクトである「百年物語」が2006年に香港デザインセンターが主催するアジアデザインアワード大賞受賞後10周年にあたることから、これを記念し、感謝の気持ちを込めて開催に及んだものであり、9社約70商品の出展とレセプション付きのトークイベントを開催したものです。この目論見のみをもってしても、一地方自治体の中小企業支援実施機関がこのような事業を10年以上にわたり行っている事例は他に類を見ず、地域産業の活性化という面からはそれだけでも意義あるものと言えます。
また今回、このアワードの主催者である香港デザインセンターを表敬訪問しましたが、香港ではアジアにおけるデザインハブを狙った様々なイベントが行われており、日本のデザイン産業への関心も大変高いものがあります。
デザインというと、とかく欧米に目が向く中で、10年前にアジアデザインアワードに着目したことに対して大きな敬意を表したいと思います。現在このアワードには全世界から2,000件超の応募があるとかで、今ですと大賞受賞は?とつい思ったりしました。同センターでは、アシスタントディレクターの周詠賢氏が対応して下さり、同行されたNICO担当コーディネーターとの間で思い出話に花が咲いていました。

肝心の商品に対する来訪者の反応ですが、ご年輩から若者までほとんどの方々が磨き込まれたデザイン・機能に食い入るように見入っている姿が印象的でした。購入者もそこそこの数に上り、会場となった香港グッドデザインストアからも持参品の引取り希望が寄せられるほどでした。

実は同時期に、在香港日本国総領事館と地元コミュニティが協力して開催した「香港秋祭in香港」の個別イベントの一つとして、香港そごうで三回目となる燕三条展が開催されたのですが、初日の早い時間にお越しになったオバチャマがS社の試用ネイルニッパーを目ざとく見つけて、「試しに足の爪切っていい・・」と聞くや否や非常階段の方に持ち出し、しばらくして、「これ気に入った、頂戴!」とお戻りになられた姿には度肝は抜かれるやら、安堵するやら・・・。タフな香港オバチャマの御眼鏡に適ってよかったですが、切りくずはどうなったのでしょう。

ところで香港を代表する乗り物といえば、香港島の北側を走るトラム(路面電車)、中環(セントラル)と山頂(ピーク)を結ぶピークトラム、ビクトリアハーバーを横切って香港島と九龍を結ぶスターフェリーの三つが思い浮かぶ方は、かなりの香港通と言えるでしょう。地下鉄やKCR(九廣鉄道)がどちらかといえばビジネスユースであるのに比べると、これらの乗り物はコストより時間が大切という方には不向きですが、香港の歴史を感じさせてくれる上に料金も安く、香港を旅する上で欠かすことの出来ない乗り物と言ってよいでしょう。
取り分けトラムとスターフェリーは庶民にとっては手軽な足になっており、私が住んでいた20年前に比較するとトラムの料金は2倍(当時1香港㌦、現在2香港㌦)になっていますが、それでも地下鉄に比べると半額以下であり、停車場も多く、首尾よく目的地に近いところで下車すれば、目の前が訪問先のビルなんてこともあります。今回の出張でも移動の多かった香港島内の、銅羅湾(コーズウェイベイ)、湾仔(ワンチャイ)、中環(セントラル)と展示会場のある上環(ションワン)の移動にはずいぶんお世話になりました。

驚いたことに、29日は終日無料デーということで乗らなきゃソンソン、利用客が半端でなく多かったことも頷けます。それにしても、あの混雑した香港中心部を急発進・急停車でチョロQよろしくゴトゴト走り回る二階建てトラムの姿には、時代を超えたノスタルジーをことのほか強く感じます。このトラム、台風シーズンの雨嵐の日には窓を開け放して走るといわれています。

今、香港と言えば中国政府の管理・規制が強化されており、香港反対派との間で緊張が生じていますが、英国植民地下では規制・規則のほとんどない香港と、中央集権強化に躍起となっている中国政府との間には大きな意識の隔たりがあり、この点は管制下の自由の中で金融・貿易国家として繁栄を目指し、中国政府とも仲良くできるシンガポール政府との大きな差異でもあります。雑多な言葉が違和感なく飛び交い、無国籍の感がありながらも文化的には中国固有の伝統・風俗・習慣を守り続けている香港では、大陸では希薄になっている中国的なモノ・コトを実感することが多いのです。
私はこの自由でありながらも保守的なライフスタイルを大切にする香港の生活感が大好きで、いつもテレビのニュース報道の前で「頑張ろう 香港!」と思わず握りこぶしに力が入ってしまうのは、多少の判官贔屓はあるにせよ香港への愛情表現とお許しください。

この魅力あふれる香港の自由なビジネス環境と優遇税制(オフショア取引や配当所得への非課税、法人税率16.5%)を活用すれば、まだまだ成長が期待できるアジア市場へのゲートウェイとして、その存在意義が見いだせると思いますので是非検討して頂きたいものです。

香港グッドデザインストア
香港グッドデザインストア

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「百年物語」展示会風景

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香港そごうでの燕三条展

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街を走るトラム

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