プロ人材によるAI活用で事業を強化・効率化
社員との協働イノベーションで成長を促す

取締役 経営戦略室担当 遠藤 俊一 氏(写真中央)
営業部 主任 斎藤 正大 氏(写真右)
「プロ人材の方は企業の第一線で働いているため、常に新鮮な情報をいただけることも大きな利点です」(戸川取締役)。「プロ人材の採用は期待値以上の効果が出ているので、必要があれば活用する機会も増えると思います」(遠藤取締役)。「今進めている開発が、今後の当社の強みとなってほしいという思いで取り組んでいます」(斎藤主任)。
AIの知見・実務経験を持つ
副業・兼業人材と契約
デジタル航空測量や航空レーザによる三次元空間データ計測・解析をはじめ、地理情報システム(GIS)の企画・開発・保守サポートを行うナカノアイシステム。常に測量技術の最先端を追求する同社は、2024年度「プロフェッショナル人材紹介事業」を活用し、首都圏の情報通信業に勤務する30代男性を副業・兼業人材として採用した。「事業の効率化や今後の成長のためにもAIを各分野で活用したいと考えていたのですが、AIに精通した社員がいないため、外部から専門の人材を招聘する必要がありました。副業のプロ人材を紹介してくれる事業がNICOにあると聞き、ご相談しました」と遠藤取締役。「AIを活用して今後の収益につながる研究開発を進めていく上で、我々がどういう動きをすれば目指すゴールに辿り着けるのか、方向性を探り、アドバイスを得る目的もありました」と戸川取締役は話す。
サービスの一例
「森林資源解析」サービスでは、航空レーザや3次元レーザスキャナで3次元データを取得し、森林資源の分布を解析。目視で確認していた業務を、AI画像解析で効率化する。また、官公庁向け地理情報システム(GIS)の導入実績は県内トップを誇る。
プロ人材から得た知識を吸収
社員の成長にも貢献
同社は2024年9月にAIプロジェクトを立ち上げ、2つの研究開発に着手した。1つは、人が行っていた作業をAI解析で自動化するなど、業務の強化・効率化につなげるAI活用。もう1つは、社内の情報を集約し活用する専用ChatGPTの開発だ。「AIの知見を持つ人材がチームに加わることでプロジェクトは予定通りに進んでいます。ChatGPTの開発は若手社員と協力して取り組んでおり、週1回テレビ会議で打合せをしながら進行。新たな知識を吸収できるため、社員のモチベーションも上がってきています」と、プロジェクトリーダーを務める斎藤主任。社内人材と外部人材の能力を集め、イノベーションを起こすことで、今まで実現できなかった開発にチャレンジできる仕組みを作れたことも、今回の支援事業を活用した効果の一つだという。
「今後も新卒・キャリアともに定期採用に取り組む予定ですが、測量事業は技術革新がスピーディーに進む世界。人口減少で人材確保が困難な中、社内で全てを行うことは無理なので、パートナーシップ企業や、新たなプロ人材の協力を得て対応していくことも想定しています」と遠藤取締役。新たな研究開発に挑戦し、若手含め社員が活躍できるステージをいくつも作ることで、社員が個々の能力を発揮し、組織として前進・成長できるような環境づくりに力を注いでいる。
AIプロジェクトでは定期的にチームメンバーによるミーティングを実施。その他にも開発担当者とプロ人材がマンツーマンで打合せを行い、ノウハウを蓄積している。プロ人材は、同社がAI活用の可能性を広げていく上でのファシリテーターとしての役割も大きい。
企業情報
株式会社ナカノアイシステム
新潟市中央区鳥屋野432
TEL.025-284-2100
URL https://www.nais21.co.jp/