自社の強みと問題点を整理し
お客様が得られるメリットを提案
不等ピッチメタルソーの加工サービスは、一度利用してもらうことでリピートに繋げるという戦略でアプローチしています。今後も実績を積み重ねながら、この技術を使って他の展開もしていきたいですね。
新しい視点を得るため
専門家と問題点を整理
幅広い製造分野で使用される切削工具、機械刃物の再研磨と製造を主力事業とする加藤研削工業では、メタルソー(丸鋸)の刃を不等ピッチに加工する「不等ピッチメタルソー」に注力。通常は等間隔の丸鋸の刃をあえて不等にすることで、切断性能が向上する不等ピッチメタルソーの加工は、競争力の高い技術サービスとして強みとなっていることから、これまで展示会をはじめ各媒体を通してアピールしてきた。
「この技術とサービスの優位性などを10年以上考え続け、お客様に発信してきましたが、長期間一人で考えていると新しい切り口が見えてこなくなります。第三者から指摘されないと、新しい視点が持てないと感じていました」と加藤社長。そこでNICOの「技術提案力向上支援事業」を活用し、専門家の後藤淳氏とともに、自社の強みや問題点の整理から始めた。
今年3月に開催された「機械要素技術展」ではNICOブースで出展。お客様のメリットだけを書いたシンプルな看板に改善し、インパクトを出すようにした。展示会の来場案内DMにマンガチラシなどを同封して関心を高め、来場数や問合せ数のアップにつなげている。
マンガを使った動画や、加工する前後の切削音の違いで効果を分かりやすく伝える動画も活用。NICOの令和3年度「オンライン営業力強化支援事業」を活用し、営業用動画の作成方法も習得した。
使用シーンを絞り込み
顧客目線のアプローチに
「例えば、数年前に作った資料と最近作った資料で、数字や表現に違いがあると、お客様の信頼を損ねることに繋がります。そうした表現のブレが多少あるという指摘を後藤さんから受けました」。そこで販促ツールに使う言葉や表現方法などを細かく見直し。以前は「不等ピッチメタルソー再研削サービス」としていた表現も、「再研削を越えた品質に仕上がっているのでは」という指摘を受けて「加工サービス」に変更するなど、技術の優位性を明確にした。
さらに、取引先の業種別に不等ピッチメタルソーの使用シーンを絞り込み、ターゲットに合わせて刺さるプレゼン資料を作成。アピールするポイントも「工具寿命の延長」「切削バリ低減」など作り手目線ではなく、「従来比1.5倍~4倍の生産性向上」「切削の安定によるバリ抑制で後工程のコスト削減」など、顧客が得られるメリットをエビデンスとともに表現するようにした。
表現方法の改善や新しい提案内容を各媒体に反映させたことで、新規成約を獲得するなど成果が表れている。今後も展示会やWeb、動画、DMなど複合的な情報発信で、付加価値の高い技術力を提案していく。
「”再研削”は新品とほぼ同様の状態に戻すという印象。元の状態以上の品質に仕上がるなら、”加工”にしたほうがいい」というアドバイスを受け、不等ピッチメタルソーの販促ツールの表現を”加工”サービスに変更した。
企業情報
株式会社加藤研削工業NICOクラブ会員
新潟市東区岡山1282
TEL.025-271-7144
URL https://www.kato-kk.net