株式会社明間印刷所
代表取締役 明間 隆三 氏
自社商品の開発、発信に力を入れている株式会社明間印刷所。同社がNICOの支援を受けて開発した外国人向けのインテリア雑貨2商品が、「おみやげグランプリ2015」でダブル受賞に輝き、注目を集めている。
自社開発のインテリア雑貨がおみやげGPでダブル受賞
立体の技術を応用し 新たな自社商品に挑戦
一般印刷をはじめ書籍、レーザー加工アイテム、立体カードなど幅広い製品を手掛ける株式会社明間印刷所は、今年1月に開催された「ふるさと祭り東京2015」のイベントの一環「おみやげグランプリ2015」に自社開発商品を出品。「玉響 雅(たまゆら みやび)」が準グランプリ、「玉響 紙匠(たまゆら ししょう)」がクールジャパン賞を受賞した。
「印刷業は価格競争の世界。次の世代に繋げるためにも、自社発信できる商品が欲しいと思ってきました」と明間社長が語るように、同社は5年程前から自社商品開発に取り組み、折りたためる立体教材を開発。この立体技術を応用して新たに挑戦したのが、今回の「外国人観光客向けの折りたたみ式インテリア雑貨」だった。
「当社のような中小のモノづくり企業が生き残るためには、大企業が敬遠する“手で作る商品”を発信していかないといけない」と語る明間社長。
アドバイスを受けながら 改良を重ねて完成へ
「玉響」2商品の開発には、NICOの高付加価値化サポート助成金を活用。商品開発の専門家からアドバイスを受けながら、形や素材、デザイン、機能性などを試行錯誤し、改良を重ねていったという。「今まで気付かなかったパッケージの重要性など、女性の視点で買う側の立場になって、アドバイスしてくれたことが勉強になりました」。
こうして完成した「雅」は、磁石を利用して平面から立体にワンタッチで組み立てられるのが特徴。展開図のまま額に入れてインテリアに、立体にしてキーケースや芳香剤カバー、ランプシェードにするなど、いろいろな使い方が可能。パッケージはLPレコードをイメージし、バッグに入るサイズにした。また、屏風をヒントにした「紙匠」は日本の伝統、芸能、技、風景、建物などを立体的に表現。ポストカードほどの紙を広げると、立体の絵が飛び出す仕組みになっている。
「玉響 雅」はLEDライトを入れると幻想的な照明に。「玉響」とは勾玉が触れ合う時のほのかでかすかな響きのこと。三条の長野遺跡から出土したヒスイにもあやかった。
地域の観光資源を利用した モノづくりをしたい
当初は外国人を意識した商品だったが、「雅」は五角形の各面に風景や名所の写真を入れることで、観光地向けの土産品としても展開。また、結婚式や七五三などの写真を入れれば、記念のインテリアになると、結婚式場やフォトスタジオからの引き合いも来ている。
さらに、土産品シリーズの第2弾として、朱鷺をモチーフにしたペーパークラフトを発表。4月に就航した直江津~小木航路の高速カーフェリー「あかね」の船内で販売している。「次は地域の観光資源を利用したモノづくりを行い、その技術を他の分野にも応用したい」と意気込む明間社長。今後もさまざまなアイデアを形にし、スピーディーに展開しながら、同社ならではの強みをさらに増やしていく。
準グランプリの「玉響 雅」とクールジャパン賞の「玉響 紙匠」。おみやげグランプリのグッズ・ノベルティ部門で1社が2商品を受賞するのは国内初。
NICOのコレを活用!
平成25年度の「高付加価値化サポート助成金」を活用し、外国人観光客向けの折りたたみ式インテリア雑貨を開発しました。
企業情報
株式会社明間印刷所
〒955-0803 三条市月岡1丁目26-39
TEL.0256-32-3090 FAX.0256-34-7139
URL http://www.akema-p.jp/