ウエノテックス株式会社

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2019年05月31日
NICOpress164号新商品・新技術開発補助金

廃棄物処理の未来型 AI搭載のゴミ自動選別ロボット

ウエノテックス株式会社  営業技術本部 技術開発室 課長 水澤 貴彦 氏
営業技術本部 技術開発室 課長 水澤 貴彦 氏

「選別ロボットは他の業界でも使われていますが、廃棄物は形状が壊れていたり汚れているものもあるので材質の選別が難しい。赤外線データまで取っているロボットというのは聞いたことがありません」と話す水澤課長。

目指したのは廃棄物選別の省力化・省人化

廃棄物処理用の破砕機、粉砕機の製造販売を主力とするウエノテックスでは、人工知能(AI)を搭載した廃棄物自動選別ロボット「URANOS(ウラノス)」を開発した。
「当社製品の裾野を広げたいという思いと、廃棄物の選別が手作業での作業環境により、就労者が不足しているというユーザーの声を聞いたことが、開発のきっかけでした」と水澤課長。そこで3年前に新潟県工業技術総合研究所と共同研究を開始。AIを扱う初の開発ということもあり、当初は試行錯誤を繰り返したが、最新テクノロジーを専門とするグループ会社・Rita Technologyの協力により、AIソフトの開発は基より自動選別機完成への道筋も見えてきた。そこで、1年前にNICOの「イノベーション推進助成金」を活用し、製品開発を加速化させた。

URANOS(ウラノス)

URANOSはカメラやセンサーを集約したセンシングユニットと、廃棄物を選別するロボットで構成。選別対象に合わせてロボットを増設できる。
スタイリッシュな外観は長岡造形大学出身の社員がデザイン。

 

AIで材質や形状を判断 自社開発のハンドで選別

URANOSは、ラインに流れてきた廃棄物をカメラや近赤外線センサーで情報収集し、AIが材質や形状を判断。それをもとに自社開発のハンド及びパッドを搭載した多関節ロボットやパラレルリンクロボットが自動で選別する。廃棄物の材質や形状をデータとして蓄積し、AIに学習させていくことで精度が高まるという。
現在は、遠隔地からタブレットなどで操作して選別作業を行うシステムを開発中だ。また、主に建築廃材の選別作業向けとして開発したが、今後はペットボトルなど一般廃棄物の選別にも応用する予定だ。

自社開発した2種類のハンドでピッキング

コンクリートやプラスチックなど凹凸や球面形状のものを掴むハンド、段ボールや壁材など平らなものを吸着するパッド、自社開発した2種類のハンドでピッキング。

 

展示会出展で反響 物流の分野にも活かす

今年3月に開催された「2019NEW環境展」で初号機を公開すると、問い合わせやユーザーからのテスト依頼等、反響は大きく、手応えを感じているという。「実績を残しながら3年から5年くらいの間に、ロボット選別機のトップメーカーになっていたいと思います。かなり応用がきく技術を開発できたので、産廃業者さんに限らず他の分野にも提案していきたい。現に環境展に来られたユーザーから物流の選別に使いたいというお問い合わせをいただいています」。
国内の販路開拓をはじめ、海外展開も視野に入れている同社。これまで築いてきた環境設備、産業機械の技術と最新テクノロジーを駆使し、省力化・省人化の実現と環境保全に貢献してゆく。

2019NEW環境展

「2019NEW環境展」で初号機URS-01を発表。高速で建築廃材を選別する様子に、来場者から驚きの声が上がった。

 

NICO支援メニューコレを活用!

イノベーション推進助成金
新技術・新製品開発を通じて自社の付加価値向上と地域産業に貢献する企業の取り組みを支援する助成金。

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FAX.025-536-9836
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