シモダ産業株式会社

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2022年02月01日
NICOpress180号新商品・新技術開発

雪国で育む“越後バナーナ”
循環をテーマに地域貢献

産業廃棄物処理事業を行うシモダ産業は、焼却施設の排熱を利用した国内初のバナナ栽培に挑戦。その背景には「雪国から美味しいバナナを届けたい」という思いと、バナナを通して柏崎に環境・社会・経済の循環を生み出し、活性化に繋げたいという目標があった。

常務取締役 営業企画部 部長 霜田 真紀子 氏
常務取締役 営業企画部 部長 

霜田 真紀子 氏

「私たちの取組に興味を持ってくださった販売代理店とは、初収穫前から取引が決まりました。新潟で栽培するバナナという希少性、そして私たちが大切に育てているという点を評価していただいたと思っています」。

社長の熱い思いを受け
新潟初のバナナ栽培を決意

鋳物資材製造業と鋳物砂の再生事業を手掛けてきたシモダ産業は、2018年に設立した産業廃棄物焼却施設の排熱をハウスの温度管理に利用し、バナナ栽培をスタートさせた。

「社長がフィリピンで食べた完熟バナナの美味しさに感動し、日本のみなさんにも食べてほしいと強く思ったことがきっかけです。当初はイチゴやトマトの栽培を提案しましたが、社長はバナナ一択。それならやるしかないと思い、苗を探すことから始めました」と霜田常務。国内業者から海外の商社まで問い合わせ、ようやく辿り着いたのが岡山県でバナナ栽培をしている農業法人だった。「一度は絶滅しかけたグロスミッチェルという品種で、とても美味しいバナナを育てていました。日本の環境でも育つように品種改良された苗を販売していたので、そこから購入することに決めました」。

栽培責任者の猪股さんは、岡山の農業法人で3ヵ月間研修し栽培方法を学んだ。農薬や化学肥料は使わず、花摘み、水まき、収穫など全てスタッフの手作業。手間暇かけて育てることで、越後バナーナならではの味を生み出している。

 

濃厚な甘みが特徴
皮まで食べられる

2019年にシモダファームを立ち上げ、2棟のビニールハウスに200株の苗を定植。翌年8月に初収穫し、「越後バナーナ」としてお披露目された。「岡山と新潟では気候や日照時間も違うので、10ヵ月で収穫できる予定だったのが1年かかりました」。グロスミッチェルはもともと糖度が高く、皮も薄い品種だが、越後バナーナは完熟ギリギリまで樹上で熟成させてから収穫することで濃厚な甘みになり、さらに皮が薄くなる。農薬不使用のため皮も食べることができるが、その分、手間もかかるという。

「まずは地域に根差したバナナにしたい」と、現在は県内の百貨店や高級青果店で販売。さらに、柏崎市のふるさと納税返礼品に採用され、地域の新たな特産品として期待が高まっている。

濃厚な甘みと、皮まで香りが高い「越後バナーナ」。贈答品、ふるさと納税返礼品としても人気が高く、「こんなに美味しいバナナは初めて」という感想が県外からも寄せられている。

 

柏崎に循環型社会を生み出す

シモダファームでは、越後バナーナを通したさまざまな「循環」の取組を行っている。規格外の小さいバナナは地域の菓子店の商品に利用されることで、食品ロスを低減。収穫後の古株は、高柳の門出和紙で「バナナ和紙」として生まれ変わる。また、小・中学生を対象にした総合学習支援にも力を入れており、「ファームを通して環境や循環を学ぶことが、将来の地域を支える子どもたちのためになり、企業のためにもなる」と話す。

2021年にはビニールハウス2棟を増設。収穫量も増えることから首都圏への販売に踏み出す予定だ。「シモダファームの循環の取組を可視化して、首都圏の方々に知っていただくことから始めたい。そうすることで越後バナーナの価値を感じてもらい、長く愛してもらえることに繋がると思っています」。

焼却炉から発生する温水を循環させることで、真冬でもハウス内の温度を24度以上に保つ。

 

ここがポイント

  • 排熱を利用し前例のないバナナ栽培農園を実現
  • 循環をテーマに高付加価値商品として、地域ブランド化を図る

 

企業情報

シモダ産業株式会社

〒945-0011 柏崎市松波2-6-43
TEL.0257-23-5240
FAX.0257-23-7800
URL https://www.shimoda-sangyou.co.jp/

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