積極的なIT活用で競争力の向上と働き方改革を推進
「当初、見積システムは社員が操作することを前提に考えましたが、お客様自身が操作したほうが時間を短縮できると分かり方針を変えたのです」と樋山課長(写真左)。小林取締役(写真右)は「お客様が入力してくれるさまざまな情報がデータベースとして残るので、その後の営業活動に活かすことができます」と語る。
社員の残業増加を改善すべく見積システムを開発
金属屋根部品の大手メーカーとして、国内トップシェアを誇る株式会社サカタ製作所は2017年、経済産業省「攻めのIT経営中小企業百選」に選定。積極的なIT投資を行い、成果を上げている企業として評価された。
同社が「攻め」のIT活用に取り組んだのは、東日本大震災の影響で太陽光発電の需要が増えたのがきっかけ。ソーラーパネルの取付金具の見積依頼が殺到したのだ。「見積りには3日以上かかるため、当時は設計や営業担当者の残業時間が激増していました」とITシステム課の樋山課長。そこで、顧客がwebサイトから利用できる快速見積システム「SaQS」を開発。屋根の設置条件など必要な情報を顧客が入力すると、わずか5分程で見積書や図面のダウンロードが可能に。さらにソーラーパネルは風や雪、塩害などの影響を受けるため、設置場所の気象情報も提供し、より最適な製品を提案できるようにした。こうした利便性が高く、データの裏付けという安心感もあるシステムの導入により顧客満足度が向上し、新規受注が増加。社員の残業時間も減少した。
社内SNSの導入でコミュニケーションが活性化
同社は社内の情報共有化を図るため、2012年にクラウド型グループウェア「Microsoft Office365」を導入している。営業状況をはじめ、現場での問題点や改善策などをOffice365のSNS機能を使って社員が投稿するようにしたところ、情報伝達のスピードが上がり、営業ノウハウの共有も加速化。社員同士や上司とのコミュニケーションも以前より多くなったほか、外出先や自宅でもスマートフォンで確認できるので、時間的なコスト削減に繋がったという。
各部署の改善相談に応じITで業務効率をサポート
2014年に「残業ゼロ宣言」を行った同社は、IT部門が業務の効率化にも取り組み、他の部署の改善相談に対してもITの力を使ってサポートする体勢をとっている。こうした活動によって社員の意識も変わり、生産性の向上に繋がっている。
「IT部門は会社全体をリードするイノベーティブなチームとして重要な役割を担ってくれている。次々と登場する新しいツールは遠慮せずにどんどん試し、十分比較検証した上で社員に広げて欲しい。ITを活用した働き方改革に取り組むことで、競合他社より一歩リードした企業の魅力につながると確信しています」と小林取締役。
IT活用で競争力と企業価値を高める同社の今後に、さらに注目が集まりそうだ。
会社情報
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