オープンフロアの新社屋が会社に新風を吹き込む
「社員のライフスタイルの変化を応援していくのは当たり前。個人の権利は尊重すべきだと思います。男性の育児休業も、最初は本当に可能なのかと思っていましたが、やってみたらちゃんとできた。そうした経験や、新オフィスで生まれた効果もお客様に伝えていきたい」と語る田中社長。
会社の財産である社員の人生に寄り添える企業に
宮大工にルーツを持つ総合建設業者の株式会社田中組。旧新潟税関庁舎を始めとする重要文化財の改修からビル建築まで幅広い仕事を手掛けている。同社では2010年ごろから職場環境の改善や、会社のブランディングに力を入れてきた。田中社長は「建設業者として、地域から親しまれる会社であると同時に、会社の財産である社員に対して、気持ちよく働ける環境を整えていきたい」と語る。
上下階で部署ごとに分断されていた前社屋から、話す機会の創出と、お客様も社員もワクワク過ごせる空間を創りたい。その想いから創られたのが、昨年完成した新社屋「タ・フィス」。“宮大工という原点が分かること”“社員のコミュニケーションが図れるワンフロアにすること”“お客様や地域の人も訪れやすい場所にすること”という3つのコンセプトを形にした。もとの倉庫の鉄骨を活かしながら、これまでの建設業のイメージを刷新した開放感のあるフロアにリノベーションしたオフィスだ。
社内コミュニケーション人材採用活用にも効果が
全社員が集まるオフィスはフリーアドレスで、毎朝くじを引いて場所を決める。以前の社屋では顔を合わせる機会がほとんどなかった別部署の人とも隣になり、社員同士の交流が活発になった。普段の様子と違う新入社員に気付いた社員が、新人直属の上司にケアをアドバイスしたり、気軽に声を掛け合うことで社員ブログの内容が充実してきたなど、さまざまな形で効果が表れている。フリーアドレスは、毎日退社時に机を片づけることが負担にも思えるが、逆に毎朝オフィスがきれいであることで、やる気も湧くそうだ。
さらに、最も大きな効果が、採用に苦労しなくなったこと。「会社にとって新卒採用が最大の課題で、新社屋やブランディングもそれを一番に意識していました。説明会に来てくれる人数が全く変わりましたね」
自社の職場改革の経験をお客様にも伝えていきたい
変化していくことに対して、田中社長は「まずやってみる。ダメなら立ち止まって考える。」という考えで取り組む。背景にあるのは「建設業の枠を超えていきたい」という思いだ。
「もらった図面通り作って終わりではなく、お客様にそれ以上のものを提供していきたい。自分たちが抱えていた“社屋が不便”“採用できない”“知名度がない”といった問題を乗り越えてきた経験をもとに、同じような悩みを持っているお客様の相談に乗り、一緒に解決していける存在になれると思っています」。
3Kと言われ続けた建設業界の働き方を変え、社員と顧客の幸せを実現し、新しい建設業のスタイルを確立するため、田中組は変化を続けている。
採用ツール、ウェブサイト等広報も一新。遊び心を持たせ、若い方の興味をひくものに。
会社情報
株式会社田中組
〒951-8068 新潟市中央区上大川前通三番町25-7
TEL.025-224-1181
FAX.025-224-1186
URL http://n-tanakagumi.com/
ミーティングスペースの横にはカフェカウンターも設置。イベントスペース、モデルルームとしても役立っている。