社員が働き続けたい会社になるために
新潟県が推進するハッピーパートナー企業、イクメン応援宣言企業、にいがた子育て応援企業にも登録・認定されている同社。「私も別業種の会社員時代、辛い残業が続く日々を経験しました。残業を減らすことは、子育て世代のワンオペ防止にも必要だと思っています」と話す渡辺社長。
残業を減らしていくことは経営者としての義務
トラックを主とする大型車両の整備・修理やボディー製作を行っている株式会社弘新機工。リフトやウイングの開閉などに必要な油圧装置の取り付け・メンテナンスを得意とするほか、県内でも珍しいゴミ収集車のレンタル事業も手掛けている。
同社は渡辺社長夫妻に従業員16名という体制。社員の大半が子育て世代の20代、30代ということもあり、残業時間を減らす取り組みや、社員に急な休みが必要になったときも対応できる環境づくりを推進。渡辺社長は「社員が定時に退社できるようにしていくのが経営者の義務だと思って取り組んでいます」と話す。
ひとり多い人員配置にしてフォローし合える職場に
事務所を担当する女性社員に設けたのは「ママシャイニング制度」。「事務所は3人いれば仕事がこなせるところを4名体制にしています。子どもの急な病気や行事のときでも、社員が休みやすくするためですね。その代わり、彼女たちには売り上げ目標を課しています。働きやすい環境は自分たちで作ってもらうということです」。
事務所メンバーはゴミ収集車のレンタルや、部品パーツの注文販売などを担当し、売上も件数も年々伸ばしている。渡辺社長は「女性が少ない業界ですが、丁寧な接客、正確かつ迅速な納品で信頼してもらえるようになったことが大きい」と評価する。
残業減のために考案した「みなし残業」制度
効率化という点では、社員から「ミーティングが多すぎて仕事が進まない」という意見を踏まえ、ビジネスチャット「LINE WORKS」で情報共有するように改善。また、進捗状況の確認などで現場作業中に呼び出されると、その分仕事が遅れるため、社員皆がインカムを装着して、スムーズに連絡を取り合えるようにしている。
さらに今年から独自の「みなし残業」制度を開始。社員が月の目標残業時間を設定し、その月が黒字の場合、仮に残業が目標より少なくても、目標時間分の残業代を支払うというものだ。もちろん残業時間を超えた場合はその分も支払う。
また、事務所も工場も、全員がどの仕事にも対応できる多能工化を進め、仕事内容も共有。これによって、誰かが休んでも他のメンバーがスムーズにフォローできる体制を作り上げている。「社員の家族からも、他社からも評価してもらえて、社員が働き続けたいと感じてもらえる会社にしていきたい」と語る社長の信念が、業界の常識を変えていく原動力になっているようだ。
新たな仕事依頼は、事務所が車の写真と共にLINE WORKSにアップし、工場にいるメンバーもすぐに情報共有できるようになっている。
会社情報
株式会社弘新機工
〒957-0071 新発田市曽根278
TEL.0254-27-2441
FAX.0254-27-5474
URL http://www.koshin-kikou.jp/