新潟が誇る「一生ものの道具」でお出迎え
「日本酒は味わってみないとお客様に説明ができないように、道具もメーカーや職人を訪ね、実際に使ってみないと良さを伝えられない。それを一つひとつ、地道に続けていくしかありません」と髙村社長。「非効率と笑われるかもしれませんが、我々にとっては必要な、健全な非効率です」。
キッチン用品を中心に上質な暮らしの道具を一堂に
「新潟自慢をする企画集団」をコンセプトに創業し、今年35年目を迎える株式会社レルヒ。スキー場などリゾート地にあるショップのプロデュースを経て、1995年に「ぽんしゅ館越後湯沢店」、2015年に新潟駅店、2017年に長岡駅店をオープンした。そして今年4月、新潟駅の大規模リニューアルに合わせて「ぽんしゅ館クラフトマンシップ」が誕生した。メイドイン新潟の上質な調理道具や生活雑貨など、約30社の選りすぐりの品々を扱う。
「売り上手」よりも「見せ方・伝え方」の向上を目指す
「日本酒や食品以上に、道具を売るのは相当難しい。ですが、調べれば調べるほど興味が深まる世界です」と髙村社長は目を輝かせる。今の時代、機能と価格だけを求めるならスーパーやホームセンターでも十分良いものが手に入る。しかし、特別な品を使うことで叶えられる暮らしの豊かさを思い描いた時、私たちは熟練の職人が手掛けた逸品や、ワンランク上の品物が欲しくなり、大切な人にも贈りたいと思うだろう。同店はそうした価値を発信する。
「スタッフには『売り子ではなくメッセンジャーとしての誇りを持て』と伝えています」と髙村社長。品物を仕入れてからお客様に手渡すまでの間に、「商品の価値」を「暮らしの豊かさ」にどう変換し、伝えるかが重要。商品価値を熟知し、お客様に説明・提案できるスタッフの育成に力を入れている。
職人も足を運び刺激を受けるクラフトマンのための空間
店内には「クラフトマン専用」と銘打った大きな革張りのテーブルが鎮座する。メーカーや職人の方が店を訪れた際、打合せや勉強会をするための席だが、パーテーションなどは一切なく、売り場にいるお客様の様子も見えるようになっている。メーカー側は、丹精込めた製品がどんな風にディスプレイされ、どんなお客様が手にとっているかリアルに観察でき、お客様は作り手の顔やものづくりの一端が垣間見えるという点で非常に斬新だ。
「まったく売り上げがないのに、売り場面積を侵食している」と笑いながらも、「益はなくても意味はある」と力強く言い切る。独自の手法でオンリーワンの世界観を醸成し始めた同店。その熱量に今後も注目したい。
会社情報
株式会社レルヒ
〒949-6102 湯沢町神立1003
TEL.025-785-5671
FAX.025-784-4515
URL http://www.leruhi.com/