株式会社内山藤三郎商店【出展ごとに得られる気付きを次の改善に繋げ、販路開拓・ブランド構築・商品力向上を実現。】

2026年02月17日
NICOpress204号マッチング支援商品評価・ブラッシュアップ販路開拓(国内)

出展ごとに得られる気付きを次の改善に繋げ、販路開拓・ブランド構築・商品力向上を実現。

豆菓子、ナッツ、ドライフルーツ類を製造販売する老舗として115年の歴史を持つ内山藤三郎商店。業務用豆菓子を米菓メーカーなどに提供するも、中国産との価格競争をきっかけに自社ブランドの商品開発に注力。SMTSに継続出展し、商品力・営業力を向上させている。

代表取締役社長 内山芳郎 氏/営業課長 滝沢諭 氏
代表取締役社長 内山芳郎 氏
営業課長 滝沢諭 氏

「展示会は他社メーカーのブースを見て刺激をもらういい機会。これからもおいしさ・見た目・ストーリーの三拍子をそろえた商品作りを進めていきます」(内山社長/写真右)。「接客・商談時間が限られる会場では、お話の内容や相手が興味・関心を示した商品を記録しておき、後日メール等であらためてお伝えすることで、商談をよりスムーズに進められるようにしています」(滝沢課長/写真左)。

「展示会は無名メーカーにこそ必ずメリットがある」

1911年創業の老舗、内山藤三郎商店はそら豆を油で揚げた花豆や塩豆の製造からスタートした。業務用バターピーナッツの製造で躍進したが、平成に入ると中国との価格競争が激化し、撤退を余儀なくされる。その後、ピーナッツを核としてサクサクの生地部分をまとわせる「粉巻き」の技術を活かし、味のアレンジをつける豆菓子に軸足を置くようになる。現在ではナッツ、ドライフルーツ、クッキーなど素朴で飽きのこないお菓子やおつまみを開発している。

初めてSMTSに出展したのは2008年。取引先である東京の問屋の誘いを受け、大手菓子メーカーなども含めた共同ブースで出展した。幅1.2メートルほどのスペースで、出展料は45万円。経費を含めると70万円程度の費用がかかることに悩んだが、思い切って参加した。「今振り返ると恥ずかしいぐらいの商品力で、透明な包材に表シールを貼っただけの地味なパッケージでした」と内山社長。ブースを訪れた問屋に何度も言われたのは「お菓子がおいしいのは当たり前。売れるものがほしいんだ」という言葉。20枚ほど名刺交換し、後日商談に出向いたが、思うような成果は得られなかった。しかしSMTSに参加して、少しでも商品を気に留めてくれる人がいたこと、そして共同出展に誘ってくれた問屋の商品部長から言われた「展示会は無名メーカーにこそ必ずメリットがある」という言葉が、その後も出展活動を続ける大きな励みになったという。

SMTSのような大規模展示会は、例えるなら生け簀で釣りをするようなもの。飛び込み営業とは違って自社商品に興味のある人が立ち止まるため、商談につながる可能性が格段にアップするメリットがある。

豆に粉を巻き付ける「粉巻き」は職人の熟練技が必要

豆に粉を巻き付ける「粉巻き」は職人の熟練技が必要。最新のロースターや検査装置を備えた生産体制で大小ロットに対応し、菓子メーカー等に業務用原料も供給する。

 

卸関係者かバイヤーか ターゲットを絞り商談

「2009年に地方銀行フードセレクション、2010年にFOODEX JAPANにも参加しましたが、特にFOODEXは輸出関係の案件が多く、国内の取引を増やしたい当社にはSMTSが一番合っていると感じました」と内山社長。2012年以降はNICO共同ブースでのSMTS出展に切り替えた。この頃は、スーパーのバイヤーが商品を気に入ってくれても、供給先卸との取引口座がないことがネックとなり話が流れるケースが相次いだ。そこでまずは来場者の中でも「青バッジ」を付けた卸関係者にターゲットを絞り、口座を整備し取引の土台を作ることに注力した。

少しずつ成果が出始めたのは2013年頃。2014年には全国展開する高級スーパーとの直接取引も始まった。当時の商品群は300円台が中心だったが、取引先の要望により500~600円台の商品を開発。中でも、ドライフルーツとナッツを混ぜてテトラパックにした商品は、ヘルシー志向もありヒット。現在も売れ筋商品だという。

その後は、ターゲットを卸関係者から「赤バッジ」を付けた小売バイヤーに移行。会場で卸関係者がバイヤーをアテンドして回っている場面では特に積極的に声をかけ、確実に商談につなげるスタイルを確立していった。

2023年からSMTSの出展を担当する滝沢課長は「来場者と対面できる時間は本当に短いため、必要な情報をコンパクトに伝えることが重要です。卸関係者なら販売先や求める商品、バイヤーなら問屋の情報や、卸か直接取引かなどの話を聞きとります。また、展示商品の種類も、売りたい商品や売れ筋商品に絞り込んでいます」と話す。

ドライフルーツとナッツなどの素材を組み合わせた自社商品

ドライフルーツとナッツなどの素材を組み合わせる商品規格にも柔軟に対応。カシューナッツを抹茶などの多彩なフレーバーで包んだ「四季彩花」は、訪日観光客向けに賞味期限300日を確保した。

 

出展で得た経験から既存商品をリニューアル

出展を重ねる中で大きく変化したのが、商品の見た目に対する意識だという。「おいしいのは当たり前。いかに手に取ってもらうか考えるようになった」と内山社長。外部デザイナーの協力を得ながら、徐々にデザインを工夫した包材を増やしていった。

パッケージのみならず、商品名やデザインコンセプトから一新したのが「ごまパンダ」だ。「豆菓子を始めた頃に職人が遊び心で作ったもので、もともとの商品名は“ごま&胡麻”。売り上げは低空飛行ながら、味が良く、ファンがいるので簡単にやめられない、なんとも中途半端な商品でした」と内山社長。NICOの「商品ブラッシュアップコース」に参加し、田中アドバイザー(2、3ページ巻頭インタビュー)の「白い生地の部分と黒胡麻がパンダみたい」という一言がきっかけで、商品名からパッケージまで全面リニューアル。パンダの可愛らしさを全面に出したキャッチーなデザインは、2025年のSMTSで注目を集めた。「すごく反応が良くて、目に留めてもらい、試食してもらう機会が増えました。ごまパンダの集客力が他の商品にも波及し、全体的に動きが出てきています」と滝沢課長は話す。

20年近くSMTSへの出展を続ける内山社長はこう話す。「SMTSを中心とした展示会は、当社にとって販路開拓の場を超えた存在。ブランド発信、商品力の飛躍的向上、営業手法の革新など、すべてが展示会出展から生まれた成果です。特にSMTSは、今後もずっと出続けたいと思うくらい愛着があります」。展示会で得た知見を活かし、商品展開や取引先の拡大などの成果につなげてきた内山藤三郎商店。今後もさらなる挑戦を続けていく。

自社商品「ごまパンダ」

自社商品「ごまパンダ」

自社商品「ごまパンダ」

NICO商品開発・改良事業
「商品ブラッシュアップコース」活用

商品名やパッケージだけでなく、取扱店や購買ユーザーを再定義し、内容量と価格設定も見直した「ごまパンダ」。高級スーパーとの取引につながった。

 

自社商品「なつかし豆」

自社商品「なつかし豆」

定番品の「なつかし豆」は、老舗を感じさせる「創業明治44年」を打ち出したパッケージにリニューアルしたことで、小売店での取り扱いが拡大した。

 

SMTS2025の様子

SMTS2025の様子

SMTS2025では「ごまパンダ」をメインに据え、スタッフは商品名をアピールするTシャツを着用。展示する商品数も売り込みたいアイテムに絞った。展示会での反応や取引先のニーズをヒントにデザインに配慮した包材を増やし、商品力を磨いている。

 

POINT

  • 継続出展により販路開拓だけでなくブランド発信、商品力向上、営業力アップを実現。
  • 卸関係の口座開設から小売バイヤーとの商談など、出展ごとに目的を変えながら取引先との関係性を徐々に構築。
  • 既存商品のリニューアルによる注目度アップが、他の商品の取引拡大にも波及。

 

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