3つのDX戦略を柱に営業活動を変革。
より高度なサービスを提供する
システムインテグレーターとして50年以上にわたりICT関連サービスの分野で顧客の課題解決に貢献してきたキザシオは、新潟県内の企業で4番目にDX認定を取得。「営業活動の高度化」「デジタルマーケティングによる営業活動変革」「生成AI技術の活用による生産性向上」の3つのDX推進戦略を掲げ、DXにより生み出された新たな価値を顧客に届けることを目指している。

営業企画開発室 室長 橘谷美則 氏
企業ソリューション営業部 副部長 山岸学 氏
「ウェビナーに参加してくれる人は増えてきていますが、そこからどうやって商談につなげていくのかが課題。リードナーチャリングという面では、さらなる工夫が必要だと思っています」(最上社長)「2020年にデジタルマーケティングを本格化し、Webを使った製品アピールにより、以前と比べて問合せ数が一気に5倍くらい増えました」(山岸副部長)「クラウドサービスは全国から問合せをいただけます」(橘谷室長)。(左から山岸副部長、橘谷室長、最上社長)
積み重ねてきた取組をベースにDX推進ビジョンを策定
企業や官公庁、教育機関を中心にICTシステムの構築・運用を行うシステムインテグレーションサービスをはじめ、データセンターサービス、ソフトウェア受託開発、システムサポートなどを手掛けるキザシオ。新潟県内有数のシステムインテグレーターとして培ったノウハウと、顧客の情報基盤に係る多くの技術者を強みに事業を展開している。
2022年にDX認定を取得したきっかけは昔から関係が深い企業からの働きかけだった。「自社が主催するソリューションフェア等を通じて、お客様にDX推進を勧めてきたので、当然社内でもDXの取組は行っていました。いち早くこの認定に着目していたNECさんから、一から始めなくてもこれまでの取組をまとめれば申請できるのではとの勧めもあり、取得に向けて動き出しました」と最上社長。申請書の作成についてもNECのサポートを受け、これまでの取組を3つの戦略に分けてDX推進ビジョンを策定した。
毎年好評の「ソリューションフェア」では、最新のICT技術・ソリューション、DX推進に役立つデジタル技術やサービスを紹介している。
同社では営業活動からシステムの販売サポートまで全ての業務の高度化、効率化を図り、取引先との接点を強化するために、デジタル活用の見直しを進めてきた。新システムでは営業・販売・顧客データを一元管理し、集約したデータの分析を元に戦略を立てていく。
営業体制の改革とサービス向上
DX戦略を軸にした新展開
1つめのDX戦略「営業活動の高度化」では、顧客接点の改革を進めるため新たなシステム基盤を構築した。「お客様をサポートするプロ集団となり、より付加価値の高い提案を行うために、まずは当社の基幹システムを新しく作る必要がありました」。新基幹システムでは、それまで個々に管理されていた受注情報や顧客のシステム導入・サポート履歴をデータベースにまとめ可視化。お客様にとって最適な提案をスピーディーに行うことを目指している。
2つめの「デジタルマーケティングによる営業活動変革」では、2020年に主力クラウドサービスのランディングページを開設したことを皮切りに、2021年からはオンラインでフェアとウェビナーを開催。そこで集めたリード(見込み客)に対してICT情報や商材情報をメルマガ等で提供していくリードナーチャリング(※)を実践。獲得したリードの行動情報はMA(マーケティングオートメーション)ツールに記録し、営業やマーケティング部門が共有することで、購買意欲の高い顧客にフォーカスした、より効率的な案件の開拓につなげている。
3つめの「生成AI技術の活用による生産性向上」では、自社内で積極的に生成AIの活用を進めるとともに、そこで得たノウハウを生かし、顧客向けに生成AI活用コンサルティングを展開。昨年のソリューションフェアでは、特設サイトで製品説明のAIチャットボットを稼働させ、参加者にアピールした。
こうした取組により県内外からの問合せや商談件数が増加するなど成果が表れている。一方、社内にDX推進の意識が根付いていない点は課題だという。「昨年DX認定の更新の際に、審査に必要な自己採点を行った結果、社員一人一人にDX戦略が浸透していないことが分かりました。社員が自社のDXを意識していない状況では、お客様に対して価値のある提案はできないため、さらに社員の理解を深める努力をしていきます」。
※リード(見込み客)の購買意欲を高め、商談・受注へと繋げるためのマーケティング活動。
「キザシオソリューションフェア」2023年開催時にはメタバース会場を導入。2024年開催ではリアル会場とオンライン配信を合わせて約650人が来場。2025年は7月3日に朱鷺メッセで開催予定。最新のサービスを実際に触れて体感できる。
幅広い業種に対応するソリューションを展開。各種クラウドメニューにはランディングページを設け、販売促進を強化する。
販売管理・倉庫管理・生成AIなどを徹底解説したオンデマンドウェビナーを配信。2024年2月から配信する、生成AIの活用法について(基礎編・応用編)のコンテンツは特に大きな反響があった。
DXは根本からの改革が重要。それをキザシオがサポートする
企業がDXを進めるためには対処療法ではなく、事業の根本から改革していく必要があると最上社長。「どの経営者もDXが必要というのは分かっています。ただこの先の状況が見えないから、大きな投資をせず、その時の問題の対処しかしていない。根本から改革するには試行錯誤が必要ですが、できるだけ効率よくDXを進められるシステム開発で、当社はお客様の力になりたいと考えています。
今年9月には新基幹システムの第二次開発が完了予定です。7月開催のソリューションフェアでは、より多くの来場者にお越しいただき、生成AIとDXの可能性をさらに感じていただきます。また、ビジネスの現場で役立つDX情報をオウンドメディアやメルマガ、ウェビナーを使って積極的に発信していきます。今まで以上にデジタルマーケティングに力を入れますが、セミナーやフェアを通じて、お客様とのリアルな接点の場も積極的に増やし、当社が持つノウハウや最新の技術をもっと多くの方に体験していただきたい。そして業績をもう一回り大きくし、さらに高度な技術やサービスを提供できる力をつけていきたいと思います」。
設立50周年を機に社名を変更し、今年4月から新たなスタートを切ったキザシオ。いち早く時代の変化の兆しを捉え、ビジネスの未来をデザインする企業として、次の50年へと力強く踏み出している。
2025年4月CEC新潟情報サービスからキザシオへ社名変更。キザシオのロゴは、英語でスマイルを表す顔文字を縦に2つ組み合わせ、「兆」(キザシ)をシンボル化した。
DXの情報を発信するオウンドメディア「デジデジ」。DX推進に役立つ記事を配信している。
企業情報NICOクラブ会員
株式会社キザシオ
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TEL.025-243-5101
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