小柳メリヤス/G.F.G.S.
代表 小柳 雄一郎 氏
厳選したこだわりの素材を使い、完全受注生産でカットソーを販売する加茂市発のファクトリーブランド「G.F.G.S.」。ブランドの創設者である小柳メリヤスの代表、小柳雄一郎氏にこれまでの経緯やモノづくりへの思いを伺った。
完全受注生産のカットソーを届けるファクトリーブランド
リーマンショックを機に メーカーへの転身を図る
G.F.G.S.は、ピュアオーガニックコットン100%のボーダーカットソーを製造販売するファクトリーブランド。日本有数のニット産地、新潟県加茂市で50年以上続く縫製業の小柳メリヤス代表、小柳雄一郎さんが立ち上げたブランドである。
リーマンショック後の不景気で、それまで請け負っていたOEM生産だけでは限界があると感じた小柳代表は、父親から会社を引き継ぎ、メーカーとして生まれ変わることを決意。平成24年度の国の創業補助金(第二創業)を活用し、G.F.G.S.を主力事業として打ち出すとともに、新たにデザインラボを開設した。
「新しいメーカーを立ち上げたつもりなので、ベンチャー企業という意識が常にある。毎年勝負だと思ってチャレンジしていきます」と語る小柳代表。
ニット産地での「町内生産」が 高品質の製品を生む
「OEM生産ではどこのブランドの服なのか、どこに届くのかも分からずに作っている。そのことに物足りなさを感じていたので、最初から完全受注生産にしようと思っていました」と小柳代表が語るように、G.F.G.S.の特徴は完全受注生産で一点一点手作りということ。まず顧客が生地タイプ、ボディタイプ、袖丈、ボーダー幅、カラーを選定。そのオーダーを受けてから生地の編み立て、洗い、裁断、縫製を行い、オリジナルのボーダーカットソーが出来上がる。これらの工程を担っているのが、加茂市内と近郊にある協力工場だ。「父親が50年以上ここで縫製業を営み、長い付き合いがあったからこそ、どこの工場も仕事を引き受けてくれた。それはすごく助かりました」。まさに“町内生産”で経験豊富な職人たちが協力してくれることが、高品質の製品を生む強みとなっている。
オーガニックコットン100%の生地は、厚地で柔らかなCLASSICと高密度で質感のあるPLAYの2タイプ。写真のPLAYは鮮やかな発色のオリジナルカラーも魅力。
デザインラボを拠点に さまざまな思いを形にする
加茂駅前の商店街、老舗ベーカリーの2階に構えたデザインラボは、縫製・検品・出荷などを行う製造現場であり、週1回はショップとしてオープン。さらに、ここを編集室にして「G.F.G.S. MAGAZINE」というオリジナルの本を制作するなど、服だけではなくさまざまな思いやアイデアを形にする拠点となっている。
昨年からは、全国各地の店舗から依頼を受けて「オーダーボーダー会」と名付けた受注会を開催。お客様が直に製品を手にし、オーダーできるとあって好評を得ている。また、ファッションブランドとのコラボ商品も展開するなど、G.F.G.S.のモノづくりに共感する人々が着実に増えてきた。「メジャーになりたいとは思わないので、いつまでもチャレンジして、新しい出会いを求めていきたい。“最近落ちついてきたよね”と言われないように進んでいきたいと思います」。カテゴリーにとらわれず、さまざまなジャンルに挑戦するG.F.G.S.。次はどういうものを発信してくれるのか期待がかかる。
一着一着、丁寧できめ細かい縫製をすることで、着心地の良さはもちろん丈夫で長持ちする製品が生まれる。
ここがポイント
- ファクトリーブランドを主力事業に
- カテゴリーにとらわれないモノづくり
- 地元工場との協力体制で完全受注生産を実現
企業情報
小柳メリヤス/G.F.G.S.
〒959-1378 加茂市駅前3-5 2F
TEL/FAX.0256-46-8798
URL http://www.gfgs.net/