しも町を元気にしたい。注目が集まる複合型カフェ

「今後どんなコンテンツに絞っていくか、お客様を見ながら検討したい」と宮原氏。かつて廓文化があったこの地域の歴史を伝えるため、学識経験者やマスコミなどと勉強会を開き、春に花魁行列を行う計画をしている。
「みんなの居場所を作りたい」とカフェをオープン
新潟市中央区本町通の商店街にある五徳屋十兵衛は、2017年1月にオープン。カフェとともに、こだわりの食材や雑貨小物の販売、レンタルスペース、スタジオ撮影、囲碁倶楽部やレンタサイクルなど、多彩なサービスを提供するコンバインド(複合型)カフェだ。
この地域で開業した理由について、「昔からこの町が好きというのが一番の理由です。しも町は近所のつながりが残っています。会社員時代から住み、私の子どもたちも近所の人たちにかわいがってもらいました」と語る宮原氏。今では居住者が減少し、高齢化が進むまちを盛り上げ、「みんなの居場所を作りたい」という思いから、空き家だったこの建物からできることを始めてみようとスタートした。


体験型観光の花魁撮影が海外メディアで話題に
FacebookやTwitterでニーズを探り、コンテンツを増やしてきた同店。その中でも注目されているのが着物の着付けやヘアメイク、撮影まで行う和装体験のプランだ。「昔ながらの路地や建物が残っているので、着物で街歩きをすると絵になるのです。InstagramやTwitterに上げると、世界中の人から反応がありますよ」。
今年から始めた「花魁スタジオ撮影」も外国人観光客に好評。台湾・香港でユーザー数ナンバー1の日本観光情報サイトのアンケートで、300コンテンツの中のトップ3に花魁体験が選ばれたことから、新潟県を通して同店を紹介させてほしいという依頼が来た。「同じようなサービスは他でもありますが、ここは一人ひとりに似合う着付けやヘアメイクをするので、クオリティーの高い写真が撮れることが評価されています。また、旅行者は時間がないので、その場で写真のデータをお渡ししているのも特徴です」。
YouTubeで町の魅力を発信。新潟観光の発展へ
商店街と協力したコスプレイベントの開催や、週末の夜は「男装カフェ&バー」として営業するなど画期的な試みを行うことで、しも町に新たな交流人口を生み出してきた同店。「2年弱でここまで動き出したのは、この町が必要とされているから。しも町だからできること、やれることはまだまだたくさんあると思っています」と宮原氏は話す。今後もYouTubeチャンネルを使って、しも町の歴史や魅力を世界に発信し、新たな街づくりや新潟観光の発展へと繋げてゆく。
会社情報
五徳屋十兵衛 合同会社五徳
〒951-8067 新潟市中央区本町通12番町2762
TEL.025-201-6896
URL http://www.gotokuya.com/