合名会社渡辺酒造店

2015年04月02日
NICOpress121号

合名会社渡辺酒造店
代表社員 渡辺 吉樹 氏

合名会社渡辺酒造店は、ワインのようにその土地の気候風土や土壌を反映させた日本酒を生み出している蔵元。酒蔵のある根知谷で米作りから酒造りまで手掛け、日本酒の新しい価値と魅力を追求している。

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米作りから酒造りまで行うドメーヌ・スタイルを確立

地元農業の危機感から原料米の自社栽培を決断

糸魚川市の中山間地・根知谷にある合名会社渡辺酒造店では、酒造りに必要な米を蔵元自身がその土地で生産する、ワインでいう「ドメーヌ・スタイル」を確立している。
同社が原料米の自社栽培を始めたのは2003年。きっかけは、それまで原料米の生産を契約していた地元農家の高齢化や後継者の不在によって、米作りそのものの危機感を感じたことだった。そこで同社の渡辺代表は、社員とともに1枚の田んぼから米作りをスタート。現在は68枚、12.6ヘクタールの自社田で、新潟県を代表する酒造好適米「五百万石」と「越淡麗」を栽培し、根知谷産米100%の酒造りを実現させた。

新しい価値を作り上げた「Nechi」ブランド

「米作りから行う最大のメリットは、必要な数量を確保できることと、品質の高い原料米を手に入れられること。そして社員自ら作った米を、自分たちで酒にするのですから当然愛着が湧く。どうすればいい米ができて、それがどういう酒になるかというのが分かることです」と語る渡辺代表。酒造りを技術に頼るのではなく、「品質の高い米を使えば、品質の高い酒ができる」ということを確信したという。
ワインではぶどうの産地・品種・品質で、その味や魅力が決まる。それと同じように根知谷の風土や米の品種、品質をより強く打ち出したのが、特約店限定販売の「Nechi」ブランドだ。ワインのようにビンテージ(年号)を表示した「Nechi」は、その年の米の出来具合がストレートに反映された日本酒で、2010年には「Nechi2008」がIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門でチャンピオンを受賞。以来、海外からも注目を集めるようになり、ワイン関係者との繋がりが多くなったという。

根知谷が生き残れる形を作り、若い世代に繋げたい

同社はNICOを通じて、昨年10月に国から「地域産業資源活用事業計画」の認定を取得。「Nechi」ブランドの中でも、より限定色を強くした最高品質の製品を作り上げ、さらに付加価値を高めることで、海外も含めた新たな取引先とのビジネスを慎重に進めていきたいという。「最大の目的は、根知谷という土地が生き残っていける形を作ること。そのために、私たちの取り組みが一つのモデルとして成立するということを見える形にし、少しでも多くのみなさんに知っていただくことが大事だと思っています」。
過疎化が進む根知谷を価値のある土地として確立し、若い世代を定着させる。そのための経済活動として付加価値の高い酒造りを行い、若い人たちの雇用の場を作っていきたいという渡辺代表。これからも日本酒を通して、根知谷の風土や魅力を発信していく。

ここがポイント

◆ 米作りと酒造りの一貫体制を構築
◆ 新たな価値を提案するブランドづくり
◆ 地域資源を活用し雇用の場を創出

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「酒造りをテクニックだけで語るのではなく、その背景にあるストーリーを語ることで価値を生み出していくことが必要」と語る渡辺代表。
根知谷は四方を深い山と川に囲まれ、土壌、日照時間、気温・寒暖の差、水、風通りと、酒造好適米の産地として高いポテンシャルを秘めている土地。その根知谷の田んぼで、社員自ら五百万石と越淡麗を栽培。この酒米と、やわらかな仕込み水で酒が醸される。
海外での評価も高い「Nechi」ブランドの製品。最高品質を誇る「日ノ詰」は、根知谷の日ノ詰地区限定栽培の五百万石100%で作られている。

【企業情報】
合名会社渡辺酒造店 http://www.nechiotokoyama.jp/
〒949-0536 糸魚川市根小屋1197-1
TEL.025-558-2006 FAX.025-558-2273

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