日程2025年2月18日(火)審査
会場朱鷺メッセ中会議室302
応募作品数80 点
応募社数65 社
受賞商品数12 点
入場者数
(一般公開) 名
会期日程①審査:2025年2月18日(火) ②発表・表彰3月6日(木)
システム
株式会社玉垣製麺所
■へぎそばのつなぎである「布のり」の減少、資源高騰という逆境のなかで取り組んだリブランディング。■70年前の設立時から貫く「美味しい物を安く」を今一度ビジョンに据え、まずは徹底的なマーケティング調査により「自社の商流に適した販売単価」を決定。「へぎそばらしさ」を維持しつつ、布のり依存から脱却できる新つなぎを成分レベルで研究。またその新つなぎは製造工程の簡略化へも寄与。素材と作業リソースが最適化されたことで、持続可能性が高い状態で「美味しくて安い」新ブランド商品が成立した。■そば本体のみならず、パッケージの色・文言も、店頭・EC販売で有利になるよう設計されている。■広義のデザイン(設計、最適化)、狭義のデザイン(色彩、文言)、両面で繊細に計画されたリブランディングである。
ツール
株式会社ナカヤ
■新築時、2階や柱の水平調整に使う「屋起こし」という作業を簡易化する旧商品をリブランディングしたもの。■旧商品の販売から数十年、ユーザーから「もっと短く折りたためないか」という声があったが、数百キロの負荷が掛かりうる道具であり、開発は難航。基礎技術の積み重ねにより、1段伸縮から2段伸縮への構造変更を実現。他社がこれから開発しても十分な売上が取れない、ニッチトップ市場の継続的なグリップを狙った商品である。■特許技術でないがゆえに簡単には真似できない、基礎技術の組み合わせの妙、短くなったことによるさまざまな機能向上(近年の職人が乗る軽バンへの積載。リフォームへの使用が容易に。通信販売での発送が可能なサイズに。)を実現しながら、スタイリッシュな意匠も両立していることを評価した。
システム
古町セッション
■ファンの個人名で、しっかりとおすすめポイントが書いてあり透明性が高い。出版物として、もっともシンプルで純粋な動機、「良いと思った情報を、広く伝えたい」という感情が中心にある。■企画、情報の集め方から、見た目のみならず、使われ方まで意識した誌面のデザイン、資金調達を含むスキームまで、ストーリーがしっかりしていて良い。■ファンによる、今後ファンになり得る人のための、貴重な情報の結晶である。
キッチンツール
株式会社燕三条キッチン研究所
■長年存在するツールにおいて、手の自然な動きを見直して新しい形を導き出したことは新鮮。ここまで効果的になべ底まで残さず掬えるレードルは、今までにないデザイン。■既存ブランドラインナップと共通する「四角」をベースとすることで、形態のユニークさを生み出すだけでなく、このような機能追加になるのかと驚かされた。■シリコン製であることも、市場シェアの高いコーティング鍋を傷つけずに使えてよい。
ツール
シンワ測定株式会社
■水平を出すために使われるレーザー墨出し器を、屋外でも使える光量にパワーアップ。あわせて受光機を不要とした仕様は、現場の需要を捉えている。■ニッチな市場に、これほどまでに浸透し、現場を把握していること。そしてそのニーズを、妥協なく、デザイン性高く実現するメーカーが新潟にあることに感嘆を覚える。■これからも更なるバージョンアップがなされることに期待したい。
テーブルウェア
株式会社諏訪田製作所
■「アイスを溶かすスプーン」は他社製品も多いが、使えばわかる、圧倒的な溶けやすさである。■熱伝導率の高い銅の採用に加え、自社が得意とする鍛造を用いることでグリップの体積を上げ、よりアイスが溶けやすいデザインにしている。既存ブランドのつめ切りとのつながりを感じる曲線美も良い。■メッキ塗装も高級感を上げている。体験型消費、インバウンドなど様々な切口での販売が期待される。
キッチンツール
株式会社近藤製作所
■重くなりがちな鉄フライパンを、バランスの妙で「あれ?見た目より軽い?」と感じるまでに作り上げた技術とデザインが素晴らしい。■ハンドルは華奢な見た目から想像するよりも持ちやすい。底の絶妙な深さも良い。■「現代の野鍛冶」というキャッチコピーは心地よく伝わる。この素朴さと、商品の佇まいから感じる「いい意味の野生味」をブランドコンセプトとした、今後の事業、商品展開が楽しみである。
ツール
シンワ測定株式会社
■木材、コンクリート、石膏ボード、金属面…あらゆる素材で発色する性能を担保しながら、今まで無かった色まで実現させた点で、コロンブスの卵である。特に「白」の発色は秀逸。■色数が増えたことにより、職人たちの仕事に個性が生まれ、現場がシンプルに楽しくなる光景が目に浮かぶ。■目印に引いた線を消す作業など、現場にはまだまだ隠れた負担と解決ニーズがある。今後も心地よい作業につながる道具を作ってほしい。
ツール
有限会社栄工業
■「捕獲から保護へ」。動物保護団体との連携による視点の切り替えが、製品細部にまで行きわたる好プロジェクト。■しかけ部分の磁石使用が秀逸。猫を傷つける心配が減るうえ、使い方により子猫の保護も可能な特徴を生んでいる。災害時など、家族である飼い猫保護に役立つ。■光沢や色を変え金属感をなくす、ゴムで消音するなど、よりストレスが減る可能性も見出せる。「保護」というコンセプトで、さらなるブランド化を期待する。
キッチンツール
株式会社燕三条キッチン研究所
■「洗米の手間」、「味が追求しづらい」という少量炊飯のちょっとした不満を、デザインで解決する意欲的な商品。■「振るだけ」という洗米。甘味を引き出す「冷蔵庫での浸水」時に、スペースを圧迫しないサイズ感と形状。まだ市場認知の低い、甘味を引き出す「蒸気による炊飯」を採用するなど、すべてが新しく、使ってみたいと思わせる。■健康な食生活を育むデザインを、新しい切口で発信する挑戦を応援したい。
システム
新和メッキ工業株式会社
■薬品を使うチタン発色で「移動できる工場見学」というコンセプトを実現したことにより、小学校など、ワークショップの活動範囲が広がった点が素晴らしい。■一般販売している商品と連動し、売上確保まで事業性を高めている点も良い。■「教える・教わる」ことで、人材育成、採用までつながるような地域産業のコンテンツ化は、今後の日本に必要不可欠。本活動が持続し、さらなる広がりを見せることを期待したい。
インテリア
長岡スプリング株式会社
■機能美という言葉が似合う商品。■OEM受注で「ばね材」の加工技術を培ってきた職人たちの技術と、国産素材の活用により、「これ以上は構造を削れない」というところまでシンプルさを追求した、というストーリーも味わい深い。ライフスタイルショップ、インバウンドなど、幅広い販路が想定される。■パッケージ、ロゴなど「この価格になった理由」に納得いただくためのブラッシュアップを重ね、飛躍されることを期待したい。
生活市場へ向けた「新しい商品」、生活を支える「新しい仕組み」がニイガタにはたくさんあります。