日程2024年2月20日(火)審査
会場朱鷺メッセ中会議室302
応募作品数73 点
応募社数55 社
受賞商品数12 点
入場者数
(一般公開) 名
会期日程①審査:2024年2月20日(火) ②発表・表彰3月26日(火)
システム
women farmers japan株式会社
■6次産業化により自立した収入を得ることを足掛かりとし、「なりたい自分」を考え直すワークショップを継続することで、「自己実現」への道筋をデザインした取り組み。そのプロセスは「マズローの欲求5段階説」に基づいており、理論的裏付けがある。 ■商品パッケージなど見せ方もレベルが高く、販売力の高さ(持続可能性の高さ)が伺える。 ■女性農家の自己実現に関する課題は、家族経営の企業などにも当てはまることが予想される。さまざまな社会課題の解決にあたり指針となり得る活動であることを評価した。
キッチンツール
株式会社山谷産業
■伝統建築技法である名栗加工と包丁を組み合わせるアイデアは新たな付加価値の提案。■取っ手の持ちやすさ、梨地加工の刃による食材の刃離れの良さが相まり、伝統美と使い勝手が両立している。■なにより素晴らしいのは、それらを3社が協力して成しえた事実。1社ではできないことを協力して達成するプロセスは、今後の新潟県の未来を作るために重要な指針となり得ると評価した。
ツール
株式会社アイガーツール
■シャーペンの芯サイズのヤスリとすることで、自分の使いやすいペンに差し替えて使えるところが非常に優れている。■初期セットのシャーペン本体も独特な赤色をしているが、作業場の中で目立ちやすいことを狙っていることが読み取れるデザインとなっている。■模型、プラモデル好きのユーザーにとっては「作業してみたくなる」気持ちをくすぐられる道具である。
システム
株式会社松井組
■きちんと休める除雪体制を維持するためには、冬期間の通常工事受注と、天候次第でコントロール不可能な除雪業務のバランスを取り、経営者から末端の社員までコンセンサスを得ることが重要。それをなし得るロジックがデザインできる人材は貴重である。■降雪地帯の除雪サービスを持続するため、必要となる取り組みの一つの方向性をデザインしたことを評価するとともに、本取り組みに共感する企業が増えることを期待する。
ツール
金井産業株式会社
■職人の作業には、柄が短く、手に馴染み、すっぽ抜けないハンマーが必要になるシーンも多い。それらを実現したものは市場に少なく、自分で柄を切り、削ることで本商品のような形状に加工し使用することもある。■上記を満たし、「肘までの長さが使いやすい」という原則どおりに作られた、現場をよく知り、見ている事業者にしか作れないデザイン。■ここからさらに自分好みに削れる太さも職人たちに刺さりそうであり、非常に練りこまれた商品である。
キッチンツール
オークス株式会社
■ぬか漬けエントリーモデルの要素が機能美として集約している。■負担感のある「ぬか床」の管理を、穴の空いた内側容器による水抜きにより簡易化。またその水抜きの状況、「ぬか」の状態が初心者にもわかりやすいよう、透明なトライタン樹脂で作ったことにも説得力がある。■本商品により廃材である「ぬか」の消費量が上がり、SDGsにつながることも期待する。
システム
合同会社旭商店
■生産効率の向上に限界がある「棚田米」。農業に経営学をきちんと持ち込み、Iターン移住者と地元の若者が協力することで、ストーリー性からパッケージ、販売方法にいたるまで「棚田米が適正な価格で評価される仕組み」をデザインしている。■棚田という素材をよりプラスに活かせるよう、「生産斜面ごとに変化する味」を説明するワインのブランド化事例なども参考にされ、持続可能性の向上を期待したい。
システム
株式会社吉兆楽
■精米時に発生する熱による米の劣化。当たり前に受け入れているその現象を、精米機ごと「雪で冷やす」ことにより解決するのは大胆な発想。■精米時に出るぬかも、近くに圧搾工場を隣接することで無駄なく「こめ油」として活用し、フードロス低減まで当初からデザインされている点も素晴らしい。■パッケージも訴求力が高く、この新しい製法による米を食べてみたいという気にさせられる。
キッチンツール
株式会社シゲル工業
■絶妙な切れ味だけでなく、その刃の曲線的な形状は剥いたあとの皮がすっと離れ、飛び散らないという特徴を実現している。■見た目のみならず、「使われ方」までデザインの観点が行き届いている。■また、「スムーズに皮が剥けるピーラー」からくる「スムーピー」という名称も、一度使った人にとっては覚えやすいものであり、販売上有利に働くポイントであることから評価したい。
システム
株式会社渡英商店
■昭和の頃はお餅といえばこの形。現在主流の個包装と比較しプラスチック使用量が50%に抑えられる点に改めて着目し、見せ方をリデザインした点が素晴らしい。■「ちょっと不便な」使い勝手については、裏表で異なる筋目を入れ、割るサイズを調整可能にするブラッシュアップで対応。■お米と餅を混ぜるという発想も食感の興味をそそられ、割るという体験を含め「食べてみたい」という気持ちが高まるパッケージである。
アウトドア
角利産業株式会社
■斧を不要とした非常に効率的な薪割り機構。ねじ止め式刃カバーも備え、全体の大きさ、重さが適切。見た目ほど危なくなく、初心者の着火用細薪割にもおすすめできる。■少ない力で割るために必要十分な設計と、屋内、外どちらでも使用できるコンパクトなデザインである。■見た目のスタイリッシュさだけでなく、斧を振り回しづらい日本での薪割りにちょうどいい設計になっているのが素晴らしい。
キッチンツール
一菱金属株式会社
■バネ材がもたらす「しなり」と、先の絶妙な「くぼみ」により、重いお肉料理から麺類まで、優しくしっかりと掴める特徴を実現している。■あらゆる料理に利用できる使い勝手を備えており、調理器具の分類としてはトングであるが、全く別の存在と言える調理器具としてデザインされている。■またそれらをこの素材で実現するために、従来品とは全く異なる製造工程を踏んでいることが伝わってくる。
生活市場へ向けた「新しい商品」、生活を支える「新しい仕組み」がニイガタにはたくさんあります。