第36回 ニイガタIDSデザインコンペティション 2026
総評

第36回 ニイガタIDSデザインコンペティション 2026

第36回 ニイガタIDSデザインコンペティション 2026総評

逆風下での進化と「モノ中心」への回帰 — 新潟ブランドの必然性を問う

【ニイガタIDSデザインコンペティションについて】

■36回目となるニイガタIDSデザインコンペティション2026は、金型代や資材価格の高騰という厳しい逆風の中での開催となりました。

■しかし、そうした環境制約に屈することなく、高度な工夫と創造力によってコストの壁を乗り越え、純粋な進化を遂げた力強い商品群が多数出品されたことは、審査委員長として非常に心強く感じました。全体を通じて「環境制約下での進化」という文脈が色濃く現れた意義深い回であったと評価しています。

 


【審査中の議論―「新潟ブランド」の可能性】

■今回の審査では、デザインの定義について原点に立ち返る本質的な議論を行いました。

■近年、機能的差別化の限界からストーリーや体験価値といった「コト」が重視される傾向にあります。しかし、多数のものづくり企業を抱える集積地である新潟には、モノの進化そのものをさらに押し上げる余地が十分にあります。

■そこで私たちは「あくまでモノを中心とし、ストーリーを兼備していれば尚良し」というベクトルで評価を行いました。また、「なぜ新潟のその企業が作るのか」という企業必然性と、自社の強みを明確に言語化し製品に一貫して落とし込めているかを重要な評価軸としました。


【モノのクオリティの高さがベースとなった受賞商品たち】

■その象徴とも言えるIDS大賞の「まちやま道具箱」は、図書館でプロ向け道工具を貸し出し、体験価値を提供するという類を見ない発想の仕組みです。一流のメーカー群が集まる当地だからこそ実現できたものであり、優れたモノをベースにコトが高次元で融合した、地域性と総合力を体現する見事なソーシャルデザインでした。

■準大賞の「GLOBAL-PRO」は、既存の高いブランド力というハードルを超え、圧倒的な製品クオリティでモノの力を改めて提示しました。

■また、県外の課題を新潟のデザイン力で解決した「ねこから目線」など、外向きの展開の可能性を示す好例も目立ちました。

 


【むすびに】

■本コンペは、一時的な評価にとどまらず、産業として根付くことを重視した「産業創造型コンペ」です。今後も参加企業の皆様が自らの強みを自覚・言語化し、市場で選ばれる必然性を持った「新潟発ブランド」として力強く展開されることを大いに期待しています。

審査委員長
村田 智明

ニイガタ発の商品を見つける

生活市場へ向けた「新しい商品」、生活を支える「新しい仕組み」がニイガタにはたくさんあります。

開催年
カテゴリー