第29回 ニイガタIDSデザインコンペティション 2019

企画意図

村斗シリーズは調理を楽しむ人のために、燕三条の職人が「つかいやすさ」と「切れ味の良さ」にこだわった包丁です。 オールステンレス製の包丁は衛生面、メンテナンスのしやすさで優れ人気があります。しかし、ハンドルが滑りやすい、握ると手がヒヤっと感じる、硬いものを切ると力が入りにくい、そのようなユーザーの声に耳を傾け、さらなる「つかいやすさ」と「切れ味の良さ」を追求しました。

デザイン・システム展開のポイント

・手にフィットするアーチラインとハンドル断面：3本のアーチラインをプレス加工でハンドル表面に施しました。握った際に指先がこのラインにフィットし、濡れた手でも滑らないようにしました。アーチラインの凹みは握った際のステンレスの冷たさを和らげます。また、従来のステンレス製包丁に多い楕円形の断面形状を、新たに三角の断面形状へ改善することで、安定して力が伝えやすくなります。 ・力を入れやすい柄元：柄元部分を薄くスリムな形状にしました。これにより手の小さい女性でも親指と人差し指の力が入りやすく、軽い力で切れるようになります。 ・切る、むくを両立：「軽すぎず、重すぎない」包丁の重量と重心のバランスを最適化しました。千切り、みじん切り、薄切りでは刀身の自重を活用しながら軽い力でスムーズに切れ、また皮むきでは包丁の重みで手首に負担がかからずラクにむくことができます。