第28回 ニイガタIDSデザインコンペティション 2018
総評

第28回 ニイガタIDSデザインコンペティション 2018

第28回 ニイガタIDSデザインコンペティション 2018総評

第1回目のデザインコンペティションからこの審査に関わらせて頂いており、今年で28 回目になります。今回はお世辞抜きで、最もレベルの高い審査を行うことができました。出品された作品の完成度、デザイン的な視点、問題解決能力がしっかりしていて、非常に良く考えられているものが多く、全体のレベルが上がったことを実感いたしました。

個人的に、数年前から日本全国の地場産業を取材する機会が沢山ありました。いろんな地域を回ってみて感じたのは、未だに日本の地場産業の多くが、基本的なものづくりの考え方において、プロダクトアウトになっていると
いうこと。つまり「良いものを作っていれば売れるだろう」という、そういう発想で終わってしまっていることが目に付くのです。ところが新潟県はそうした他の自治体とは異なり、一歩進んだ視点が根付いており、デザインの重要性を理解して、ものづくりをされている企業が多いのではないかと思います。

こうした状況に至るようになった要因として、この28 年間のデザインコンペティションをはじめ、最初にコンセプトワークを立ち上げられた黒川総合プロデューサーの存在、そして長岡造形大学という素晴らしい教育機関など
があることで、地域の中でデザインへの意識が高まっていることが大きいのではないでしょうか。つまり、県全体がデザインの重要性を考えているということは、他の地域より、一歩アドバンテージを持っているのではない
かという気がいたします。

今回受賞された皆さんに申し上げたいのは、賞をもらって、これですぐ商品が売れるわけではないということ。次は皆さん自身で、自分たちの商品の魅力や特長をもう一度再確認してください。今マーケットで求められ
ているのは、我々の生活における様々な不便とか、ムダだとか、そういうものを、それぞれの商品がどれだけ解決できているのかという製品の特長です。その特長を判りやすく、自分たちの力でも発信し続けて行くことが
大切だと思います。SNS やWEB など、自分たちで商品やシステムをリコメンドする時代ですから、そういう発信を是非続けて頂いて、その情報発信が次のものづくりに繋がっていけばいいのではないかと思っております。

明日からまた2019 年度のデザインコンペティションに向かっての開発が始まることでしょう。是非また来年ここで、皆さんにお会いできるように祈念しております。

審査委員長
(株)ワールドフォトプレス編集局長 土居 輝彦

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