江戸時代から続く酒造りを承継し、新たな販路を開拓

第三者承継 製造業 上越酒造株式会社 様

上越酒造株式会社様は、文化元年(1804年)創業で、「越後美人」「越の若竹」の銘柄で知られる老舗造り酒屋です。後継者の不在についてご相談を受け、事業承継・引継ぎ支援センターのネットワークを活用して引継ぎ候補者を紹介させていただきました。

事例概要

事業内容 清酒製造・販売
従業員数 2名
所在地 上越市大字飯田508
支援内容 第三者承継(M&A)のマッチング支援
事業を譲り渡した人 上越酒造株式会社 代表取締役 飯野美徳さん
事業を引き継いだ人 日本トーター株式会社 代表取締役
事業承継までの期間 約6か月

後継者不在で、廃業も視野に入れた第三者承継の相談でした

上越酒造株式会社様は、江戸時代から約200年続いた造り酒屋で、代表の飯野美徳さんは6代目でした。後継者がいなかったことから廃業も視野に入れていましたが、関東信越国税局酒税担当官からの情報提供をきっかけに、新潟県事業承継・引継ぎ支援センターにご相談をいただきました。

新潟県内外から複数の譲り受け希望会社が名乗りを上げる

新潟県内外から複数の譲り受け希望会社が名乗りを上げた中、公営競技の企画運営を全国展開する日本トーター株式会社は、六次産業への事業展開の検討において日本酒の製造に強い関心を示していました。コロナ禍の影響もあり、両社はメールや電話、WEB面談でのコンタクトが中心でしたが、交渉は開始当初から前向きに進展。様々な課題に直面しながらも、事業承継・引継ぎ支援センターのサポートのもと、最終的には無事に株式譲渡契約を締結することができました。

伝統を活かしながら、新たな酒造りへ挑戦

事業の承継後すぐに、新設備として小型のサーマルタンクを導入。従来の年1回の醸造から、通年で醸造する「四季醸造」へ生産体制を切り替え、少量多品種の製造へ移行しました。また、親会社である日本トーターのノベルティグッズとしての売り上げなど、販路の拡大にも取り組んでいます。さらには、地元の卸売業者との企画商品の販売も検討するなど、伝統を活かしながら、新たな酒造りへの挑戦をしています。

担当者からのコメント

今回は、仲介業者を入れず、当センターが両社をサポートしながら進めた案件でした。士業専門家のアドバイスなどを受けながら課題を解決して成約に至りました。

事業承継までの流れ

2020年3月
関東信越国税局酒税担当官からの情報提供により新潟県事業承継・引継ぎ支援センターに相談
2020年11月
譲受け候補社として日本トーター株式会社を紹介
2021年3月
第1回トップ面談実施
2021年4月
第2回トップ面談実施、基本合意書締結
2021年8月
株式譲渡契約締結