パンの製造販売事業を従業員が承継
従業員承継 小売業 さどブレッド 山本博邦 様
廃止が予定されていた佐渡の拠点でしたが、従業員がその事業を承継することを決断しました。地元の商工会を通じて相談があり、従業員承継をお手伝いさせていただきました。
※写真は、事業を承継した山本さん(右)と、一緒にパンを作る本間さん(左)
事例概要
事業内容 | パンの製造販売 |
---|---|
従業員数 | 3 |
所在地 | 佐渡市猿八174-5 |
支援内容 | 従業員承継のサポート |
事業を譲り渡した人 | 合同会社 全粒粉パン工房ポッポのパン 代表社員 小林 辰美 さん |
事業を引き継いだ人 | さどブレッド 山本 博邦 さん |
事業承継までの期間 | 約5か月 |
佐渡市の拠点の承継を決断
合同会社全粒粉パン工房ポッポのパン様は、佐渡市と新潟市の2拠点でパンの製造・販売事業を展開されていましたが、諸般の事情により佐渡市の拠点は廃止することになりました。従業員だった山本博邦様が事業の承継を決意し、畑野商工会(現、佐渡国仲商工会)様に相談したことから、新潟県事業承継・引継ぎ支援センターにご相談いただきました。
※写真は豊かな自然につつまれた、さどブレッドの工房外観
まずは地元商工会に相談
約10年間パンの製造には携わってきたものの、経営については全く知識も経験もなかったことから、畑野商工会(当時)に相談しました。商工会では創業にかかわる手続きや、事業承継後の経営など、親身になって対応していただきました。事業承継にかかる契約等の手続きについては、新潟県事業承継・引継ぎ支援センターに相談して、専門家による契約書のチェックなどを行いました。
今後はお客様の声を直接聞きたい
事業を承継する際に、パン作りに必要な機械類は賃貸借契約とし、顧客情報や商品レシピ、製造工程表などは譲受しましたが、「ポッポのパン」の名称は使わないことが条件でした。そこで「さどブレッド」として事業をスタートすることにしました。
現在は60種類以上あるのパンの中から、季節に合わせて毎日15~16種類のパンを約300個作って、佐渡島内のAコープやコンビニなど、9か所ある販売店に配達しています。シンプルな材料でお客様から安心して食べていただけるパンを目指しています。委託販売になっているため、SNSでの情報発信も活用しながら、できるだけ返品を少なくするように心がけています。
創業以来順調に推移していますが、今後は直接お客様の声を聞きながらパンを焼きたいと考えています。
事業承継までの流れ
- 2023年11月
- 法人事業の一部を譲受することを決断し、畑野商工会(現、佐渡国仲商工会)に相談。
- 2024年1月
- 新潟県事業承継・引継ぎ支援センターのエリアコーディネーターと面談。
- 2024年3月
- 新潟県事業承継・引継ぎ支援センターの専門家相談を活用し、事業譲渡契約書等の契約書類を確認。
- 2024年3月
- 事業譲渡契約書を締結。
担当者からのコメント
今回は法人の事業の一部を従業員個人へ譲渡する案件でした。法人側の税理士等と相談しながら、一方で引き継ぐ側の従業員は新たに事業を始める創業者となるため、地元商工会やセンターの専門家相談など、支援機関の機能をフルに活用した案件でした。今後のご活躍に期待しています。