身近な商工会議所と連携、介護タクシー業を承継
第三者承継 サービス業 介護タクシー・光(ひかり) 池田 浩
池田さんは個人で介護タクシー業を開業して11年目になりました。年金受給まであと2年、少しゆとりのある働き方ができたらと思い、仕事量を減らしながら廃業を考えるようになりました。
事例概要
事業内容 | 介護タクシー事業 |
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従業員数 | 0人 |
所在地 | 新潟市江南区東本町5-4-28 |
支援内容 | 第三者承継の進め方、留意点についてのアドバイス |
事業を譲り渡した人 | 介護タクシー・光(ひかり) 池田 浩 |
事業を引き継いだ人 | 株式会社トーク&トーク |
事業承継までの期間 | 10カ月 |
廃業ではなく事業承継という選択肢もある
以前、地元の亀田商工会議所の山本事務局長から、「廃業ではなく事業承継という選択肢もある」と言われたことが記憶に残っていたので、同じ町内で面識がある介護事業所の株式会社トーク&トークの石本社長に介護タクシー事業の引受けを打診したところ、石本社長から「実は社内で介護タクシー事業の立上げを検討していたところです」と言われました。
株式会社トーク&トークは、地元の亀田地区を中心に在宅介護サービスを行う開設10年の会社です。ショートステイ、デイサービスを提供する中、急な病気、ケガなどのアクシデントでタクシーを利用することがありますが、介護タクシー事業を施設として直接手掛けることで利用者へのサービス拡充につなげたいと考えていました。
石本社長は12月までに介護タクシーに必要な二種運転免許を自ら取得し、令和7年5月に事業譲渡、6月に「トーク&トークかめだ福祉タクシー」をスタートさせました。現在も池田さんは「かめだ福祉タクシー」の運転手として働いています。池田さんは「これまで家族で泊まりの旅行ができませんでしたが、先日、何十年振りに旅行に行ってきたんですよ」と話し、笑みがこぼれます。これからも体と相談しながら、石本社長に協力したいとのことです。
現在も池田さん(左)は石本社長をサポートしながら介護タクシーの運転手を続けています。

亀田商工会議所の山本事務局長。商工会議所に相談したことで廃業ではなく事業承継につながりました。
事業承継までの流れ
- 2024年8月
- 亀田商工会議所に相談。
- 2024年8月
- 介護事業を行う株式会社トーク&トークの石本社長に相談、引き継いでもらう方向で進める。
- 2024年9月
- 事業承継・引継ぎ支援センターに相談。事業の進め方、留意点等の説明を受ける。
- 2024年12月
- 石本社長が介護タクシーに必要な二種運転免許を取得、新事業を立ち上げ。
- 2025年5月
- 介護タクシー車両について自動車売渡承諾書を交わし、事業譲渡。
担当者からのコメント
池田さんが、トーク&トークへの事業譲渡を打診した段階で、亀田商工会議所の山本事務局長から、当センターに相談がありました。当センタ―では、主に介護タクシー事業の許認可の移転や事業譲渡契約書についての質問や疑問点にお応えし対応させていただきました。最も身近な支援機関である商工団体のアドバイスがきっかけで事業承継につながったケースです。M&Aや第三者への承継は決して特別なことではなく、身近な支援機関の関与により事業承継への道が開けた好事例であると思います。