ID経営しませんか?

こんにちは。新潟県よろず支援拠点コーディネーターの鈴木です。

プロ野球が今年も無事開幕しました!

昨年は新潟アルビレックスBCで選手兼任監督をしていた高津監督率いる東京ヤクルトスワローズが2年連続最下位から20年ぶりに優勝しました。新潟にゆかりのある監督が率いるチームの優勝は、うれしいものですね。一方でヤクルトと言えば、私的には野村克也監督を強く思い出します。

皆さんは野村氏をご存知でしょうか?

野村氏はパ・リーグ初の三冠王達成、通算本塁打数歴代2位、など多くの記録を持つ名プレイヤーであり、また、監督としてもヤクルトを日本一に導くなど日本を大いに沸かせた名将でした。

野村氏と言えば「ID野球」でしょう。

IDは「Import data」の略で、経験や勘に頼ることなくデータを使って科学的に野球を行うという意味だそうです。ただし、単にデータを使うだけでなく、その体現のために人間性を磨くことも大切にしていたとのことです。

さて、皆さんの経営において、

・データは活用していますか?

・データを活用する従業員の人間性(意欲や能力)を高めていますか?

この2点は生産性向上に非常に重要な観点になります。

  • データの活用

そもそも生産性とはなんでしょう。

生産性は以下の式で表すことが出来ます。この式から、生産性を向上するためには、

・「得られる成果を拡大する」

・「投入する資源を減少させる」

という2つの課題に対応することが必要になります。データ活用により、この2つの課題を解決できる可能性が高まります。

「ID野球」を例にします。

・巨人のA投手はこういう配球パターンが多い

→ ヤクルトの選手のヒットの可能性アップ(成果拡大)

・巨人のB選手(打者)はこのパターンで投げると凡打が多い

→ ヤクルトの投手の投球数が減少(投入資源減少)

ここまでシンプルではないとは思いますが、考え方としてはこれが基本になると考えます。

当然、経営者の方々はID野球と同様にデータを活用しておられるかと思いますが、

・データの幅と深さは十分でしょうか?(データの種類、データの精度・量など)

・データを準備するために必要以上の労力を使っていないでしょうか?

データの幅と深さの確保、およびデータの取得・解析の労力を少なくするには、IT(Information Technology)が活用できます。

ITにより、①負荷をあまり掛けることなくデータ取得が可能となり、②自動的に統計化・見える化をすることができるため、業務のパターンや問題点の把握が容易になり、業務改善による生産性向上につなげることが可能となります。

  • 従業員の意欲や能力を高める

データ活用のためITを利用することが重要であると述べましたが、ITを利用して生産性を上げるためには従業員の意欲・能力を高めることも重要です。下の第2-2-40図は「中小企業白書2021年版」に記載された「デジタル化推進による業績への影響(デジタル化に対する社内の意識別)」のアンケート結果です。「デジタル化(IT化)に対して積極的な文化がある」と答えた75%以上の企業が「業績に対してプラスの影響を及ぼした」と回答しています。デジタル化に対して意欲のある社員が多ければデジタル化により業績を向上させる可能性が高くなると言えます。

図1

また、下の図211-2は「2018年版ものづくり白書」に記載された、「3年前と比べた労働生産性と人材育成の成果」のアンケート結果です。「生産性が向上している企業」の役65%が「人材育成の成果が上がっている企業」であり、生産性向上には人材育成も重要であるということがわかります。つまり、ITを活用して生産性を向上するためには、従業員の意欲や能力を高めることも重要な要素となります。

図2

いかがでしょうか。
是非皆様もITを利用してさらにデータを活用し、同時に従業員の意欲と能力を高め、「ID野球」ならぬ「ID経営」を行って生産性向上にチャレンジしてください。

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