株式会社エヌプラス

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2015年04月03日
NICOpress123号助成金・広報相談会商品開発

株式会社エヌプラス
代表取締役 杉谷 清之 氏

昨年12月に初出荷された「とおかまち雪国温泉とらふぐ」は、海水魚のトラフグを温泉水で養殖することで話題になっている。新潟県初の事業に挑戦する株式会社エヌプラスの杉谷社長に、これまでの経緯や展望について伺った。

温泉を活用したトラフグ養殖で地域活性化に貢献

地域の新たな特産品を目指し新事業に着手

十日町市中里地域で、温泉水を使ったトラフグ養殖に取り組んでいる株式会社エヌプラス。「とおかまち雪国温泉とらふぐ」のブランド名で2014年12月から出荷し、地域の新たな特産品として注目を集めている。
養殖事業に取り組むきっかけは、十日町市の産業政策課が他県での成功事例に着目し、中里商工会に事業化を打診したのが始まりだった。商工会会長の杉谷社長が、全国初の温泉トラフグ養殖を手掛けた栃木県の株式会社夢創造を視察し、手ごたえを感じたことから共同出資者を募り同社を設立。夢創造から技術指導を受けながら養殖を行うことにした。

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温泉と遊休施設を活用し3,700匹の養殖を開始

養殖場は市の日帰り温泉施設「ミオンなかさと」の旧プール棟を利用。10トンと16トンの養殖水槽5基を設け、昨年8月から3,700匹の養殖を行っている。
「水温管理が一番難しいです」と杉谷社長。源泉が47度と低いため、水槽内を適温の20度~25度に保つために冬はバイオマスボイラーを使って水温を上げている。また、現場管理では、水温と水質を毎日細かくチェックし、フグの成長を妨げないよう細心の注意を払っている。

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事業を拡大し、地元の雇用を増やす一助になりたい

温泉養殖にはさまざまなメリットがある。例えば、海洋養殖では水温が下がる冬はフグの成長もにぶるが、ここでは水温を一定に保ち、塩分濃度を海水よりも低く調整することでフグにかかるストレスが減少。これにより成長が早くなり、通常は1年半かかるところを約1年で成魚になるという。また、完全閉鎖型循環式養殖のため、病気の侵入を防ぐことが可能。さらに養殖専用の餌を与えるので、毒が無いフグが育つのだ。
現在は、十日町市と津南町地域の飲食店や宿泊施設に販売。味、食感ともに天然物に負けていないと好評だ。「雪深い山の中でフグを養殖するという珍しさから、多くのメディアに取り上げていただき、需要も伸びています。当社の取り組みが近隣地域の若い経営者の刺激になってくれればと思いますし、地元の雇用を増やす一助になりたいというのも、会社を設立した目標の一つです」。今後は設備の拡大も視野に入れ、1万匹の養殖を目指したいと語る杉谷社長。地域活性化の一翼を担う同社の取り組みに、これからも注目したい。

NICOのコレを活用!

平成26年度の「高付加価値化サポート助成金」を活用し、温泉を利用したトラフグ養殖事業に取り組んでいます。

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「今は地元の特産品として定着させるのが目標。今後は他の地域からの需要にも応えていかなければと思っています」と語る杉谷社長。
循環させた温泉水で養殖。フグ毒の原因となる海洋性プランクトンではなく、養殖専用の餌を使用しているため無毒のトラフグが育つ。
出荷間近のトラフグ。味の良さはもちろん、雪深い里山で育つという話題性もあって、各地から取引きの問い合わせも増えているという。

【企業情報】
株式会社エヌプラス
〒949-8505 十日町市宮中己4197
TEL.025-755-5666 FAX.025-755-5667

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