英語とコミュニケーション力で上越と世界をつなぐ存在に

共にインバウンドコーディネーターの資格を持つ笹川氏(写真右)と林氏(写真左)。「海外から上越に戻ったとき一面に広がる緑の田んぼを見て、なんて素敵なんだろうと感動しました。改めて知っていくと、上越には外国人にアピールできる魅力がたくさんあることに気づきました」。
起業支援策の存在を知りゼロから会社立ち上げへ
平成30年9月に創業したトランスは「上越から世界に橋を架ける」をモットーに、上越市を訪れる訪日外国人に関わるインバウンド支援事業を手掛けている。
メンバーの笹川氏と林氏は10年前に英会話教室の同僚として出会い、その後海外へ渡った笹川氏が帰国した際に再会。生命保険会社で再び同僚として働いていた。ある時、飛込営業に入った会社社長から「英語が好きなら、それを活かすべき」とアドバイスされた直後に、旅行会社からインバウンド事業の誘いを受けた。「“これだ!”と直感してふたりとも仕事を辞めたのですが、事情があって入社が白紙に。どうしようかと思っていたときに、アドバイスをうけた社長から“ふたりで事業を始めたらいい”と背中を押され、NICOの起業チャレンジ奨励事業(助成金)も教えていただきました」。
上越に外国人を呼び込みたい ニーズがあることも実感
笹川氏は「助成金があると知ったことも踏み出すきっかけ。やるしかない、と覚悟を決めることができたのは、この支援があったからです」と振り返る。上越商工会議所のサポートを受けながら事業内容や今後3年間の事業計画、申請書類を作り上げていった。
林氏は「国内はインバウンド客が増加していますが上越を訪れる外国人はまだ少ない。けれど、上越に外国人を呼び込みたいと思っている人はたくさんいることも分かりました。私たちがお手伝いできることはあると感じています」と語る。まずは上越の魅力を伝えようとSNSで「Discover Joetsu」として英語で発信。SNSについてはNICOの専門家派遣を通じて戦略的な活用を学んだほか、広報相談会も利用した。
ビジネスマッチングに参加し地元企業とのコラボも進行中
最初の仕事は上越市の寿司店の英語表記メニュー製作だった。その後、地元新聞社に事業が取り上げられたのをきっかけに、外国人向けのガイドや翻訳などの依頼が舞い込むようになる。一方で、上越に暮らす外国人のサポートにもニーズを感じ、外国人オーナーの宿泊施設で予約代行や施設整備時の通訳なども手掛けている。近く、ビジネスマッチングで出会った企業と、海外旅行や出張時に利用できる通信機器のインフラ(SIMカード)の提供も事業化する計画だ。「まずは収益を上げる体制を整えながら、多くの外国人が上越を訪れてくれるように、私たちにできることを増やしていきたい」と語るふたり。大好きな英語で地元・上越を盛り上げたいという思いを胸に、挑戦を始めている。
会社情報
TRANS(トランス) インバウンド支援事業
〒943-0822 上越市新町159
TEL.050-5436-9768
URL https://trans-j.jp/