品質・味に妥協しない商品作りで
愛され続ける良寛ブランドへ
「良寛牛乳」でおなじみの牛乳・乳製品メーカー良寛。2021年に発売したコーヒー味のソフトクリームは一躍人気商品となり、その後も続々と新商品をリリース。展開の背景には明確なコンセプト設計と将来を見据えた戦略があった。

社長室長 新山田 仁 氏
「今年はクラウドファンディングも行いながら本社敷地内にアイス工場を建設する予定です。自然豊かな出雲崎で、カフェを備えたアミューズメント性のある工場にして、たくさんの人に来てもらいたいですね。」
(写真左から 諸橋社長、新山田氏)
牛乳離れが進むなかで
新商品開発で活路を拓く
県内で唯一「低温殺菌牛乳」を製造販売し、プリンなどの乳製品も展開する良寛。低温殺菌牛乳は時間をかけて加熱殺菌し、生乳本来のうま味、コクを表現したこだわりの商品だ。しかし、牛乳消費が減少するなか、将来の事業の柱をつくる打開策が求められていた。「牛乳を原料とした利益率の高い商品の開発が急務でした。ソフトクリームは利益率も高く、ある程度市場が見込めるとして注目し、どこにもない味と品質で差別化しようと、“珈琲好きが納得するソフトクリーム”をコンセプトに開発を始めました」と新山田氏は話す。
試行錯誤を経て誕生した
「食べる珈琲」ソフトクリーム
2021年4月発売に向け、乳飲料・良寛コーヒーにちなんだ「良寛コーヒーソフトクリーム」の開発に着手した。目指したのはターゲットである珈琲好きが認める味わい。「カフェオレ味は全国にありますが、それではお客様に深く刺さるものになりません。美味しさと良寛ならではの特長を出し、一過性ではなく長く愛される商品にしたい。まるで『食べる珈琲』のような、珈琲好きも納得する、どこにもなかった味わいを目指しました」。
専門性を要する開発は、ノウハウを持つ鈴木コーヒーと共同で進めた。納得できる味や舌ざわりにたどり着くまで、珈琲抽出液の濃度や材料の配合バランスを変えながら、100通り以上の組み合わせを試食した。「予定より2カ月遅れ、6月の発売となりましたが、味や食感を妥協せず差別化を重視した結果です」と新山田氏。道の駅「越後出雲崎天領の里」で発売すると月1万個以上が売れる人気商品となった。
滑らかな食感と、絶妙なバランスの苦みが特長。後味は珈琲を飲んだ時のような風味も楽しめる。
独自の「5倍濃縮珈琲」がおいしさの決め手。釜で5時間掛けて丁寧に煮出している。
“日本の良寛牛乳”を目指し
前進していく
さらに、7月には低温殺菌牛乳を70%使用した「そのまんま牛乳アイス」を発売。こちらも好評で、8月は月間5,000個を売り上げた。価格はご当地アイスとしてはお手頃な270円。全国区で販売するブランドアイスを指標に、そこに負けない美味しさと品質で勝負する。
商品展開とともにメディア発信も強化。社員が個々の得意分野を活かしつつ、ブログやSNSの運用、音楽グループ「ひなた」とのスポンサー契約、CM放送などを積極的に展開する。「私たちが目指すのは“日本の良寛牛乳”です。そのゴールに向けて今年はアイス工場を建設予定で、生産体制を強化してスーパーのPB商品等もさらに前進させます」と新山田氏。マーケットが求めるものからヒントを得て、コラボ商品も続々と計画が進んでいる。


企業情報
株式会社良寛
〒949-4352 出雲崎町大門260-1
TEL.0258-78-3105
FAX.0258-78-3117
URL https://ryoukan-milk.com/