自社ブランド瓦用棟金具「棟ストップ」の開発
簡単に高さ調節が出来るのが特徴の「棟ストップ」。顧客からの要望で下り棟用製品も開発。生産効率アップのために自動プレス機も導入した。
オリジナル製品開発と特許申請に初挑戦
雪止めをはじめとする瓦屋根用資材の製造を手掛ける株式会社佐善。長年、県内での取引が中心だったが、売上向上を目指し、数年前から県外への販路拡大を意識してきた。
そのためには、競争力のある商品が必要と、初めて自社ブランド製品の開発を決意。注目したのが、OEMでの製造を請け負っていた棟の補強金具だった。
阪神淡路、中越地震では、屋根瓦の被害も多発。なかでも棟の補強が課題となり、市場では棟用の固定金具のニーズが高まっていた。「当社の主力の雪止めの需要は雪国だけですが、棟用金具なら全国で販売できるのもポイントでした」と佐野社長は話す。
開発にあたって重点を置いたのは、いかに他社との違いを出すか。そこで協力企業の金型会社と協力し、固定方法に独自性を盛り込んだ瓦用棟金具「棟ストップ」を開発。さらに、その協力企業から「ものづくり支援助成金」の情報を聞き、早速申請。助成金は製品の試作費用と特許申請費用に充てた。
棟ストップは、発売初年度から順調に売り上げ、東日本大震災が起きた平成23年度はそれを上回る。取引先も北関東を中心に80社と格段に増加。営業では公的支援を受けていることが、信用につながったという。この成功をステップに、次は瓦をカットする道具の開発に挑戦する予定だ。