黄金色に色付いた田園風景の中に鮮やかな紫色が見えます。それが食用菊・かきのもとの畑です。盛夏から晩秋にかけては露地物が最盛期を迎え、今回お話を伺った本間さんも朝5時ごろから収穫を始められるとのこと。畝と畝との間にカゴを乗せた一輪車を置き、花を摘みながら進んでいきます。一輪車の持ち手には短く切られた麻ひもの束が結ばれていて、これで優良な花を咲かせる株に目印を付けます。選別された株は株分けされ、差し木をして翌年以降も大切に育てられます。食用菊の歴史は改良の歴史であり、生産者がいい株を見つけてはそれを増やし、これを連綿と繰り返してきて現在へとつながっています。かきのもとの鮮やかな色、食感、甘み、香りは生産者たちの努力のたまものです。

かきのもとはガクを取って花びらを水で洗い、熱湯でさっと湯がいて(20秒くらい)おひたしなどにして食べるのが一般的。熱湯に塩と酢を少量加えることで色が一層鮮やかに
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