世界中の優れたものを楽しむ次代へ向けて、日本発の次代の美しさを持つ道具類を提案します。工業的進化のなかで、よりシンプルな美しさを目指すモダンデザインが誕生し発展してきました。しかし同時に、道具と工芸の間に距離が生じてきました。また、道具への発想も固定化してきた感があります。大量生産の中で、道具のあり方を普段に問い直す創造的なプロセスが弱まっているのではないでしょうか。

日本の道具類は江戸時代から、大量に作る技術基盤の上に精緻な仕上げや固有性、物語性を与える工芸を組み合わせて道具を創り出してきました。このような日本の道具への美意識・価値観をもう一度大切にしたいと考えます。

道具は工芸の持つ精緻さや遊び心、人間的な感触を忘れてはなりません。また道具を創り出す人間の心の豊かさも忘れてはなりません。

日本発の次代の美しさとして、百年物語は、人の心の豊かさと知恵を原点に、工業技術と工芸の価値を融合させた、百年持ちたい、使いたい、次代へ伝えていきたい道具類を提案します。