NICOPress162
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SSERPOC IN05 昨年12月に発表したばかりの「ハローライト」は、LEDとSIMが一体化し、電源やWi-Fi不要で照明の点灯、消灯の通信を行う、世界発の「IoT電球」です。点灯や消灯が24時間無い場合、通知がメールで来るシステムで、一人暮らしの高齢者の見守りツールとして不動産オーナーや親と離れて暮らす方などにニーズを見込んでいます。 最初のアイデアが浮かんだのは、ケアマネージャーさんの話を聞いた時。担当する高齢の方達の安否が心配になり、すごく忙しい中でも電話をしている。そこに電球が点いたかどうかで安否が分かれば、負担も減るのではと思った訳です。 開発には3年かかりました。最初はBluetoothを付けてスマホ経由でクラウドにつなげていましたが、手間が多く費用も高くなると悩んでいたとき、去年、新しいSIMが登場してシンプルなシステムが実現しました。 日々進歩する技術を活用して世の中を便利にする製品を作っていきたい。社会に貢献できて、人がやっていないことを我々は手掛けています。 私は人の行動をデジタル化する「人のIoT」という考え方も提起しています。例えば工場で人が行う検査業務も、タブレットやペンを使い、工場内での位置情報を整理すれば、行動が瞬時にデータ化されます。 行動データが取られるのは嫌だという人もいるかもしれませんが、私はそうは思わなくて、優秀な人ほどデータとして現れてくるので、作業を改善するポイントが明確になります。さらにデータが集まればAIも進化し、“最近、疲れていませんか”などを知らせることもできるので、リスクマネジメントにもなります。 IoTサービスは、手順を増やさず、便利にすることが大事。その方が違和感なく使えるからです。Putmenuは、今までなら注文のとき店員に声をかけたりする作業がスマホ1台で完結します。その時、なぜ人が変化のプロセスに進むかというと、そこに不満があるからです。レジに並ぶ、待つのは嫌だという場面に、もっと楽な道を作ってあげると人の行動が変わっていく。「不満」、「不便」という「世の中の『不』」がチャンスなんです。 IoTを導入する側は、業務の流れが変わるので面倒と思うかもしれない。しかし、確実に日本の人口が減っていくなかにあって、省力化、省人化のためにも、事業者は積極的にIoT技術を活用していくことが必要です。 私の祖父は浜松で評判のさつま芋や玉ねぎを作っていたのですが、その技術を承継しないまま亡くなって、誰も作れなくなってしまいました。つなぐ仕掛けがなかったことが残念なのですが、町工場も同じです。熟練の技術をデジタル化していくことは、その人がいなくなっても、事業を続けていけるきっかけになる。どこかに不便があったら、それをどうしたら便利になるのかを考え、チャレンジしていく姿勢を持つべきだと思います。家庭の照明器具をハローライトに取り替えるだけで、LED電球の中に内蔵したSIMを通じて、電球のON/OFFを検知できる見守りサービス。専用機器やWi-Fiの設定は不要で、月額150円で利用できる。※電球費用は別途世界初の注文0分・会計0分のIoTオーダーシステム。来店者のテーブル位置を特定する技術には世界初のIoTデバイス「PaperBea-con」を利用している。MCPC award 2017「総務大臣賞」を受賞。◆ユーザー視点を重視した開発◆新しい顧客体験(UX)を提供する◆世の中の不便・不満に注目する◆技術の進化に敏感である12言語に対応インバウンド対策にも注目が高まるIoT活用のポイント電球ひとつの交換だけで高齢者を見守るハローライト世の中の不便・不満にIoTで生み出せる解決の道を省力化・省人化・技術承継事業の課題とIoTは直結する

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