NICOPress160
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▶ど真ん中よりズラした展示会を▶技術展よりソリューション展を▶来場者の数、属性データをチェック▶出展助成金・サポートのある展示会を近年、ターゲットに直接届く有効な販路開拓手法として展示会が活況を呈している。しかし、成果を上げている企業がある一方、費用対効果が低いという声も聞かれるのが実状だ。そこで、出展の効果を最大限に生かすために必要な項目について、『顧客は展示会で見つけなさい』(日刊工業新聞社)の著者で、製造業のマーケティングコンサルタントを手掛ける弓削氏に話を伺った。マーケティングコンサルタントPROFILE東京・浅草生まれ。法政大学法学部卒業。クリエイターとしてSONY、サントリー、オリンパスなどの商品開発、販促キャンペーンを成功させ、「製造業なら弓削」との評価を得る。現在は、中小製造業のためのコンサルタントとして活動。[ノートパソコン]の名付け親。復興庁・被災地先行事例収集監修委員、中小機構・震災復興支援アドバイザー、販路開拓コーディネーターを拝命。全国の商工会議所など、マーケティング関連の講演で500回以上登壇。むずかしくなりがちなマーケティングテーマを、明解な図式とキーワード 展示会は2008年のリーマンショックを底として、種類、回数、出展社数、来場者数とも増加してきています。また最近は共同出展が増加傾向にあります。自治体や商工会議所などが、販路開拓のサポートは展示会が早道だと認識し、舵を切っているということです。 販路開拓の手法は展示会のほか、人的営業やインターネット活用もあります。しかし、人的営業のテレアポや飛び込み営業は、売り込まれる方も売り込む方も辛い。ネットは様々なサイトが増え過ぎて、自社のランディングページを作っても砂漠に砂が一粒増えたぐらいのインパクトしか与えられないこともある。リスティング広告もコストが高くつく場合もあります。 そうした状況のなかで、“売り込まれることを想定して”人が集まってくる展示会がクローズアップされている訳です。自社の年間売上目標を、展示会を含めたどの販路開拓の手法で目標達成していくのかを計画し、1年進めて振り返り、また計画を立てる、という形で取り組んでいくことで、安定的な新規開拓の道が拓けてきます。 展示会に出展したことのない企業は、費用が高いとおっしゃいますが、最近は助成金が手厚くなっていますし、公的機関等が主催する総合展なら比較的安く出展できます。仮に初年度に数十万円のコストが掛かっても、そこで出会った取引先と長期の付き合いを通じて、売り上げが生まれれば赤字にはなりません。展示会は出展の仕方を失敗しなければ費用対効果は高く、無駄なコストをかけなければ損益分岐点も下がります。 失敗しないために重要なのは①ターゲットと売りを突き止める ②ターゲットが向こうから寄ってきてくれるメッセージを掲げる ③体験やモニターなどの誘引の仕掛けをするという3点です。来場者は「自社の課題を解決してくれるソリューションを持っている会社はどこなのか」という目で見ています。重要なのはそれに応える企画準備。いかに有効なメッセージを掲げ、無駄な声掛けをせずとも、向こうから見つけてきてくれる体制をとれるかどうかがポイントになります。POINT軒並み類似の展示ブース、大手企業の中で埋もれてしまいがち。ど真ん中の展示会に出展するならテーマをずらす。先進技術もよいが、課題解決してくれる具体策こそ貴重。商談カラーの強い展示会を選ぶ。同業者、学生、家族連れなど、商談の対象にならない来場者が見込まれないか確認する。共同出展など費用対効果の高い出展方法を模索する。共同出展も増加するなど展示会が注目を集めている費用対効果は思うより高い。成功のカギは企画準備にあり弓削 徹 氏展示会の選び方展示会ここが大事!1効果の高い販路開拓は叶う失敗しない出展をすれば、

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