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ペーパーレス化で書類を9割削減SSERPOC IN特集 「働き方」と「生産性」どうやって変えていく? 課題がありそうな業務を浮き彫りにしたら、例えばそれが慣例でやっていたもので、取り除いても大丈夫そうなら一度外してみる。別の方法に置き換えるなど、仕事の流れを再設計しながら柔軟に「あるべき姿」を探りましょう。仕事の流れで言うと「業務の受け渡し」の場面には、多くの課題が潜んでいます。 また、手順を誰でもわかるように共有することもポイントです。「自分にしかできない仕事をやっているんだ」という強い意識を持つ人からの反発や、標準化しにくい業務もあるでしょう。ただ、他の人が手出しできない聖域になってしまうと、その人が仕事を抱え込み、改善のメスを入れられなくなってしまいます。業務を簡素化するというのではなく、その人のノウハウやコツを手順書などに落とし込み、目で見える形で共有するとよりよく仕事ができる環境になります。 生産性向上のための手段として、AIや新技術による省力化はもちろん有効ですが気をつけたいのが、実際に業務を行うのは人間なので、社員のモチベーションをコントロールすることも重要とい管理者の「働き方改革」に対する意識アンケートより  対象/日本能率協会が主催する管理者向け研修の参加者(回答者数143人)2018年5月実施う点です。やみくもに業務をカットしたり「よそでやっているから」と単にシステムを導入するだけでは、押し付けになり反発を生みやすい。ノー残業デーを行っているとしても、重要なのはそれが有効に機能しているかどうかです。社員は「働きやすいと感じているか、働きがいを持つことができているのか」検証する必要があります。ただ残業時間が少なくなったという話ではなく、やりがいを持てるか。多様な人が働ける職場となっているかというのも大切なテーマです。 「業務や働き方を見直したいが余裕がない」という経営者の方も多いでしょう。しかし働き方改革関連法が成立した今、一過性の台風として過ぎ去るのを待つというわけにはいきません。罰則を理由に残業削減を呼びかけるのと、「このままではいけない」と経営者が自ら気づいて対策を講じるのとでは大きな差があります。会社の将来を見据え、トップが「号令」を出すことが非常に重要です。 これは採用や人材確保にも大きく影響します。学生はSNS等を活用し相対的に企業を見て判断しますから、何もしなければ、その時点で競争力が落ちていると言わざるを得ません。社員にとっても働きやすく、お客様からも支持され、さらには社会全体から見た企業価値を高めることが重要になっていくと思います。 「限られた人員での改善」「人が来ない」というピンチは、目指す企業像を今一度考えるチャンスともいえます。どんな企業を目指し、従業員にどんな人生を送ってほしいのか。難しい課題ですが知恵を絞り、取り組み始める中小企業も増えています。皆さんの会社は、どうされるでしょうか。■会議・打合せの時間短縮■福利厚生の充実化■研究・開発・生産・営業への積極的なリソースの投入■業務へのIT技術(RPAやAIなど)の活用■構造改革への取り組みグループウェア活用朝礼は基本無し。会議そのものをチャットに置き換えて情報共有。管理職と職員はグループチャットで課題を共有し、進捗も確認する。POINT「働き方改革=残業時間削減」だけではない。「社員(人)」が「働きがい」を感じ、多様な「人材」が働ける職場へ。POINT仕事の量と中身を「見える化」し、慣例に縛られずに課題を見つける。POINT採用に悩む企業ほど働き方を見直す価値あり。学生にも社会からも選ばれる企業を目指す。POINTどんな企業でありたいのか今一度考え、目的を持って改善する。■働く喜びの実感■部下のモチベーション向上■部下への公正な評価小さな打合せスペースを増設予約不要で使用できるのでタイミングを逃さずにコミュニケーションができる。事前申請で時差出勤ができる介護や子育て、プライベート等状況に応じて活用できる。「進んでいない」として回答が多かったもの『時間と場所にとらわれない』 日本能率協会のオフィスリニューアル・業務改善ポイント事例フリーアドレス制導入他部門との垣根が低くなり、コミュニケーションが取りやすくなった。シェアオフィスの契約出張時でも提携先のシェアオフィスで仕事ができる。貴社の働き方改革の取組みによる変化について「今後の課題」として回答が多かったもの03その取り組みは有効に機能しているか確認を人材採用にも大きく関係。状況はもはや「待ったなし」

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