NICOPress158
2/12

SSERPOC IN 多くの企業が抱える人手不足の問題。特に地方では、首都圏への人口流出もあり状況は深刻化しています。そうした中、限られた人員で生産性をどう高めるか。ブランディング戦略により商品の付加価値や企業の競争力を高めるといった攻めの展開に打って出ることも大切ですが、まずは実務面の重要な取り組みとして、現在行っている仕事の目的や必要性を見直し、業務改善を図ることがあります。どんな企業も「今までやっていたから」「前任者から引き継いだから」と、慣例的にやり続けている仕事は案外多いものです。なぜその業務を行うのか。本当になくてはならないの一般社団法人日本能率協会経営・人材革新センター ソリューション事業担当か。根本の意味や目的に立ち返らないと、仕事は知らず知らずのうちに膨らんでしまいます。本来必要な資料とは別の「念のため」の資料、情報発信、確認作業…。皆さんの会社でも思い当たることはないでしょうか。「そもそもその仕事の目的は何か」というあるべき姿を見直し、必要ないものは取り除いていくことがまず必要です。 まずは現状の業務量を把握し、量と中身を「見える化」することが基本となります。そして数ある業務の中で、どこに課題がありそうか見当をつけます。すべての業務を洗い出してもいいのですが、その作業自体で忙殺されては本末転倒。従業員へのヒアリングやアンケート調査で、課題のありそうなものを浮き彫りにし、議論の場に上げます。その際は「どの業務に無駄があると思うか」といPROFILE技術コンサルティング会社を経て、一般社団法人日本能率協会に入職。業務改善(業務プロセス改革、組織・分野別業務量調査)、働き方改革支援、組織風土改革、女性活躍推進支援(業務の可視化、ワークショップ型課題発見・解決)を主に担当し、業務の「見える化」を通じて、数々のソリューションを提供している。う後ろ向きな表現よりも、「どの業務を改善したらより効率よく仕事が進むと思うか」という前向きな呼びかけが良いと思います。第三者が入って改善する例もありますが、確かな答えは現場の皆さんが持っています。 大多数の企業から課題として出てくるのが「会議」です。回数が多い、時間が長い、資料を作成する負担が大きい…など。社内用の会議資料なので内容が分かれば十分。過剰に時間をかけて仕上げるのは、オーバースペックということもあります。東京オリンピック招致で「おもてなし」という言葉が流行しました。その心がけ自体はもちろん素晴らしいですが、サービス業では得られる対価に関わらず「手間暇をかけるほど良い」と一括りにされやすい傾向があります。従業員の仕事量や給料に見合っているか、得られる対価を大幅に超えて過剰になっていないかなども、見直していく必要があります。02労働力人口が減少するなか生産性を維持、向上することは一筋縄ではいかない課題だ。「働き方改革」という言葉はともすると残業時間削減ばかりに目が向きやすいが、将来を見据えた改善は、多様な働き方を可能にして企業の競争力・価値を高めることにもつながる。ここでは、「各社に合った働き方改革」の支援活動を進めてきた日本能率協会の岡氏に、今、働き方の改善に取り組む意義を伺った。その業務は必要か、慣習ゆえか根本の意味や目的に立ち返るまずは仕事の「見える化」を。オーバースペックの可能性も岡 正樹 氏働き方を変える取り組みは、企業の未来を映す「鏡」となる

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る