NICOプレス Vol.154
8/12

SSERPOC IN平成29年度「ベンチャー企業創出助成金」を活用し、従来機器より軽量・低価格の「めまい診断システム」を開発した。関連する展示会や学会への出展、発表により、多くの関心が寄せられている。 同社が現在、取り組んでいるのが「視線解析システム」。カメラと視線を追うソフトがセットになった製品で、たとえばドライバーモニタリングや、作業のマニュアル化を図る際に作業者の目線を追う動画、病院の看護師の新人教育用の動画ツールなどに使える。分野は多岐に渡っており、自動車メーカーからも引き合いが来ているそうだ。 もう一つが、めまいを観察する耳鼻科向けの「ジャイロ・フレンツェル眼鏡(めまい診断システム)」。ゴーグルの中に近赤外線カメラが入っていて、瞳孔の位置を検出して縦方向、横方向の震えを観察する。これを分析することで初期段階の脳卒中を発見し、治療に繋げようというものだ。すでにサンプル販売を行っている。 「今後も、画像処理デバイスという方向は崩さず、将来的にはジャイロ・フレンツェル眼鏡を、AIを取り込んで自動診断システムのようなものにしていきたい。医療機器は医師の要望を取り込む必要があり、今は数名の先生と一緒に進めています」と、金田社長は話す。現在、営業スタッフがいないため、新規の顧客獲得は展示会や学会、ウェブからが多いという。今後は従来品より低価格を目指し、海外展開も考えている。 同社が取り組む技術は、さまざまな分野に応用できるのも魅力。可能性は計り知れない。NICOの    を活用!コレ08「補助金の活用は申請書が面倒というイメージがありましたが、やってみると意外に簡単だった。これを機に、どんどん活用していきたい」と、金田社長。コストの高い試作が必要な同社にとって、補助金は欠かせない。カメラを使って眼球の縦と横、回転方向の運動を波形で表し、これを解析してめまいが良性か悪性かを診断。命にも関わる病を発見し、治療に繋げることが可能になる。「ジャイロ・フレンツェル眼鏡」(右)と「視線解析システム」(左)。どちらも、同社が得意とするハードとソフトが一体になった画像処理デバイスだ。NICO支援策活用企業に聞く! パスポートリーダーや液晶リーダーのような機器の中に組み込まれるUSBカメラと画像処理ソフトを柱に、事業を展開する株式会社ガゾウ。ハードとソフト、どちらか一方という会社が多い中、同社は両方の一貫した開発力が強みだ。これまではカメラとソフト、別々に販売することが多かったが、最近は画像処理デバイスとして一体となったものを手がけている。 開発には多額の資金が必要になる。部材費が高く、試作のたびに百万円単位の費用がかかるからだ。また、医療機器として認証されるまで時間がかかるため、その間の諸費用も考えなくてはならない。そのため、「開発スピードを速めることでなるべく短期間で資金を回収し、次の開発に当てることを考えています。だからNICOの補助金はありがたい。安心して試作に取り組める」と、金田社長は話す。画像処理技術を応用した検査装置、画像処理ソフトの開発・販売を行う株式会社ガゾウは、幅広い分野での活用が可能な画像処理デバイスに取り組んでいる。最新の商品開発について、今後のビジョンなどを伺った。株式会社ガゾウ代表取締役社長 金田 篤幸 氏〒950-0915 新潟市中央区鐙西1-11-1 新潟起業化センター201号TEL.025-282-7212 FAX.025-282-7215URL http://www.gazo.co.jp多分野に展開できるシステムと医療機器の開発が進行中 低価格化と海外展開他分野への応用を模索ハードとソフトを一体化させた画像処理デバイスを開発開発のスピードを速め得た資金で次の開発に挑むNEXT STAGE

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る