NICOプレス Vol.154
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INSSERPOC私たちの周りにも働くロボット特 集▲10.0▲20.0▲30.0▲40.0たとき、いなくなった人の代わりになるロボットというのは不可能です。そうではなく、残ったふたりで3人分の仕事ができるように、仕事の内容や分担を変えて、ロボットでサポートさせる、という考え方でないと、導入は上手くいきません。 また、人とロボットの仕事の分担、ラインの配置などが最も効率的になるように工夫する方が導入効果はより高くなります。そこはユーザーである企業と装置メーカーに加えて「システムインテグレータ」と呼ばれるロボットを取り扱う専門のエンジニアリング企業が一緒に知恵を出し合って、考えなければならない部分です。 ロボットを柵で囲うとかなりのスペースを取るので、柵を付けず、人が近づいても対策が取れるタイプのロボットの方が、中小・中堅企業には向いていると思います。その場合、対人安全性を確保するため、事前にリスクアセスメントを行い、必要な対策をとっておくことが重要です。メーカー側も万が一の時も、事故を回避するシステム開発に力を入れています。 ロボットはかなりのバリエーションがあり、単体で100万円以下のものもあれ20.010.00.0従業員数過不足DIとは今期の従業員数が「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不足」と答えた企業の割合(%)を引いたものⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣ08図A(DI)30.00910産業別従業員数過不足DI(今期の水準)の推移12111314(「過剰」−「不足」今期の水準)全産業建設業小売業製造業卸売業サービス業1516その他 23%クリーンルーム15%半導体実装7%樹脂成形 3%アーク溶接 7%スポット溶接 10%塗装3%組立8%電子部品実装 22%小売業▲11.6卸売業▲15.3全産業▲20.6製造業▲21.3サービス業▲22.6建設業▲33.4過剰不足17▶コストはロボット単体だけでなく、システム開発費用などが加わり、単体費用の3〜10倍となることに注意。▶ロボットは人の代わりにはなれない。人をサポートする働きで、生産効率を上げるように導入規模や生産ラインを考える。▶導入はロボットシステムインテグレータと共に、生産ラインの効率性を考えながら最適な自動化システムを設計する。ば、1,000万円のものもあります。そして、ロボット単体では仕事はできないので、ハンドの部分をカスタマイズしたり、プログラミングしたりと、システムインテグレータに依頼して実際に稼動するためのシステムを組むことになります。この費用を加えると、ロボット単体の3倍から10倍の投資が必要になります。実際の金額は、ロボットにどういう作業を、どこまでさせたいのか、ということによって変わってきます。 平成27年度から3年間実施された、経済産業省のロボット導入実証事業では、300件ほどの多彩な分野の事例が実証され、情報公開もされているので、それらからヒントを得ることもできるでしょう。 導入した側はロボットが入ると、自分のアシスタントが来たという感覚のようです。また、導入によって若い世代の社員の採用がしやすくなったという声もありました。ロボットが企業の魅力アップにもつながるようです。 ロボットの使い方の要望が多種多様になり、これまで以上のものを期待されていることは確かです。業界としてもそれに見合う技術革新、アプリケーションの開発が進むよう、我々工業会も力を尽くしていきたいと思います。出典:第150回 中小企業景況調査(2017年10−12月期)調査機関:独立行政法人 中小企業基盤整備機構出典:我が国のロボット産業 (産業用ロボット)統計、   メーカ等の状況 2017年8月/(一社)日本ロボット工業会03■ ロボットの用途別出荷割合(2016年)働くモチベーションや人材採用にも効果が導入・活用のポイントロボット

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