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新潟県大連レポートDALIAN REPORT

目次

           
2019年11月30日
新潟県産米の中国市場への売込みをスタート!
2019年10月31日
中国黒龍江省国際米フェスティバルに参加して
2019年9月30日
中国市場の窓口としての大連市の可能性
2019年8月31日
北東アジア博覧会「日本館」への出展 ~新潟県産業の技術力をPR~
2019年8月1日
中国のキャッシュレス事情について
2019年6月28日
大連の旅行社と新潟県が、新潟観光視察ツアーを共同実施
2019年5月31日
花角知事が北京・大連を訪問
2019年5月15日
「日本商品情報交流会」などでの新潟米PR
2019年3月29日
「日本食の魅力・日本酒の魅力・新潟の魅力」プロモーション開催
2019年2月28日
「湯沢町・十日町市スノーリゾート説明会(北京)」について
大連のスキー関係者が新潟県内のスキー場を視察
2019年1月31日
中国のコメ市場について
2018年12月13日
大連のスキー事情について
2018年10月29日
「2018中国第1回国際米フェスティバル」に参加して
2018年09月29日
2018(第10回)大連日本商品展覧会に出展して
2018年08月21日
大連自由貿易試験区に「日本館」がオープン
2018年06月29日
「ハルビン商談会」に出展して
2018年05月31日
「北前船寄港地フォーラムin大連」に参加して
2018年04月30日
「ABACE 2018」に参加して
各種商談会等の参加募集
2018年03月30日
2018年春節動向
2018年02月13日
中国で人気の「農家楽」
日本製品中国市場販売支援会の取組
2017年11月03日
各種商談会への出展
2017年08月31日
香港フード・エキスポに参加して
県内企業向け中国ビジネス支援を強化
2017年07月31日
大連婚活事情の一端
上越市代表団が吉林省琿春市を訪問
2017年06月30日
中国(遼寧)自由貿易試験区について
各種商談会等の参加募集
2017年04月12日
中国の就労許可制度が4月から改正
糸魚川産越後杉利用促進説明会開催
2017年01月22日
東北振興策に新たな展開
「日本製品中国市場販売支援会」の新潟訪問
2016年11月14日
微信等での観光・物産情報の発信
黒龍江省対日投資セミナーに参加して
2016年9月29日
糸魚川の高校生が体験した大連の夏
JALが新潟シティマラソンツアーを催行
「新潟県海外ビジネスコーディネーター」制度の活用
2016年7月29日
ハルビン商談会に参加して
伊藤忠(大連)を通じた東北三省でのビジネス支援
お詫び
2016年5月31日
各種商談会等の参加募集
着任の御挨拶(小玉邦夫)
2016年3月27日
事務所の業務を振り返って
離任のご挨拶(渡辺慎一)
2016年1月28日
中国東北部の経済成長減速
2015年12月30日
中国市場で「売れる」ということ
2015年11月23日
熱狂するネット商戦の一方で
湖南省との交流拡大に向けて
2015年10月28日   
留学生誘致の背後にある現状
2015年9月15日
対日投資に係る期待
「爆買い」の行く末
2015年7月28日
中国のメディアと情報受発信ツール
2015年6月24日
日中関係改善の動きと影響
2015年5月17日
大連に新潟県商品等紹介スペース設置
各種商談会等の参加募集
2015年3月31日
物産展から垣間見る消費行動
2015年2月27日
大連に「体験型アンテナショップ」開店
日本産木材の中国市場開拓の可能性
2015年1月31日
「代購」商品を取り巻く環境
宅配便サービス急増の背景
2014年12月3日
三菱商事(上海)中心に県展示スペース
天皇誕生日祝賀レセプションで県PR
2014年11月6日
大連日本商品展覧会に出展
北京で日中知事省長フォーラム参加
2014年9月15日
高齢者介護ビジネスに関すること
2014年8月25日
中国駐在3事務所長、セミナー開催
香港フードエキスポ、日本産品競争激化
2014年7月8日
日中間の観光客動向に関する転換点
2014年5月30日
大連長興島経済技術開発区を視察
各種商談会等の参加募集
2014年4月16日
北京「桜を見る会」で県産品PR
ハルビンスキークラブで県観光PR
2014年3月6日
上海華東交易会に出展
中国巡回新潟物産展の開催
2014年1月26日
靖国問題発生後に期待すること
2013年12月22日
昨今の日本製品への引き合い
「口コミ」を支えるツール「微信」
2013年11月18日
青島ジャパンデイで「新潟館」PR
2013年10月23日
「越後杉」中国輸出で販路拡大目指す
2013年9月24日
吉林省で2つの商談会に出展
県と伊藤忠大連でビジネス支援の包括協定
2013年8月25日
県省提携30周年「新潟フェア」開催
2013年8月18日
ハルビン大連高速鉄道利用の影響
香港FOOD EXPOに出展
2013年6月27日
各種商談会等の参加募集
日本商品の販売実態
2013年5月21日
「自働化・省人化」工場見学会を開催
2013年4月29日
関係機関へ挨拶まわり
大使着任レセプションで「新潟館」PR

新潟県大連レポート

2019.11.30〈№187〉

○新潟県産米の中国市場への売込みをスタート!

  11月15日に日本料理の老舗「北京なだ万」において、新潟県産米の販売促進を図る「新潟米PRレセプションin北京」が開催されました。昨年11月に解禁された新潟県産米の中国向け輸出の拡大を目指し、今年から中国での様々な販売促進の取組を本格的に実施していきます。
  PRレセプションでは、中国政府関係者や輸出事業者などに、日本一のコメどころである本県の米の魅力をプレゼンテーションし、理解を深めていただきました。また、会場では、県産米を中心にしたメニューが提供され、参加者から、大変美味しい、との感想が聞かれるなど充実したイベントになりました。

  北京なだ万でのイベントの様子         北京日系スーパーの米コーナー
      
北京の日系スーパーでは、日本産米が既に販売されていますが、新潟県産米はこれからです。
価格は、北海道産米(2kg178元)、富山県産米(2㎏148元)に対し、
中国産米(有機米)①(2.5㎏128元)、中国産米(店長お薦め)②(5㎏55.8元)です。


  中国では、経済発展の進展に伴い、食の安全・安心に対する意識が非常に高くなっています。特に、子どもが口にする食べ物の安全性に対する関心は高く、価格が高くても安心できるモノを求める傾向が強く、信頼のおける日本産品には根強いニーズがあります。
  現在、在中国日本大使館では、「地域の魅力海外発信支援事業」を実施しており、「匠心極致 日本美食」をテーマに、日本産食品を中心に食器、調理器具など、食に関連する日本製品の魅力の発信に取り組んでいます。
  12月9日には、中国で絶大な人気を誇る福原愛さんをゲストに招き、日本産品の魅力を発信するブースターイベントが北京で計画されており、当事務所からも参加する予定です。 現在、子育て真っ最中の福原さんに、新潟県産米の美味しさや食卓を彩るカトラリー・タンブラーなどの県産品の魅力に実際に触れていただき、中国向けのPRに繋げていければと考えています。
  大連経済事務所では、様々な機会を通じて、新潟県の魅力を中国国内で発信していきますので、何かありましたら、お気軽に御連絡願います。

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2019.10.31〈№186〉

○中国黒龍江省国際米フェスティバルに参加して
  10月10日から14日まで、黒龍江省ハルビン市で第2回中国黒龍江省国際米フェスティバルが開催されました。新潟県からもブースを出展し、昨年度から中国への輸出が解禁された新潟県産米の試食・PR等に取り組みました。
  中国では急速な経済発展に伴い、食生活に対する意識が年々高まり、安全・安心に加え、美味しいものへの関心が拡大しています。こうした意識変化を踏まえ、昨年から中国のお米の一大穀倉地帯でもある黒龍江省で「国際米フェスティバル」が始まったとのことです。
  今は「北大倉」と呼ばれる穀倉地帯が広がる黒龍江省ですが、かつては「北大荒」と呼ばれる不毛の大地でした。こうした大地を穀倉地帯に変えていくため、古くから新潟の技術者が土地改良事業への協力等を行ってきており、今では、中国有数のお米の産地になっています。新潟県と黒龍江省との友好県省提携は、こうした協力の積み重ねを踏まえて締結されたもので、今では様々な分野での相互交流を活発に行っています。
   国際米フェスティバルでは米の品評会も行われました。大変うれしいことに新潟県の魚沼産コシヒカリが、中国のブランド米である黒龍江省産の五常米とともに、2年連続で金賞に選ばれました。また、新潟県ブースに黒龍江省の王文涛省長が視察に訪れ、実際に新潟県産米を試食していただきました。(王省長を誘導する黒龍江省政府職員は何れも新潟に所縁のある方ばかりで、これまでの交流の賜物と実感しました。)
    
    新潟県ブースの様子                          黒龍江省 王文涛省長の視察
  今回の国際米フェスティバルには、中国最大のEコマース企業であるアリババグループの幹部も参加しており、フェスティバル終了後、事務局を通じて、同グループから魚沼産コシヒカリのサンプル提供等の依頼がありました。今後、どのような展開になるかはまだわかりませんが、中国における新潟県の知名度向上に繋がってほしいと期待しているところです。
  中国では、SNSとキャッシュレスの融合とその急速な普及により、インターネット通販等が急拡大しています。加えて、インターネットでの検索・閲覧履歴等を活用したマーケティングも積極的に行われています。(私も「日本製炊飯器」の検索を行ったところ、その後定期的に炊飯器のセール情報が届き、ネットでの的確なプロモーションに驚いています。)
  大連経済事務所では、様々な機会を通じて、新潟県の魅力を中国で発信していきますので、何かありましたら、お気軽に御連絡願います。

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2019.9.30〈№185〉

○中国市場の窓口としての大連市の可能性
  9月27日から29日までの3日間、「大連日本商品展覧会」が盛大に開催されました。11回目を数える今回の展覧会では、日本企業約350社が出展し、大連市民をターゲットとしたB2Cのテストマーケティング等が行われました(新潟からも18ブース、23社・団体が出展)。国慶節前の振替出勤日にも関わらず、会場には3日間で10万人を超える市民が来場しました。加えて、今年は新たにB2Bを想定した「遼寧省中日商談会」が同時開催されるなど、日本との経済交流の促進、貿易拡大を重視する中国側の姿勢が伺われました。                                                                            参考:遼寧省

大連日本商品展覧会の開催状況・出展ブースの賑わい

  現在、大連市を含む東北3省では中央政府主導による「東北振興」の取組が進められ、日本との連携強化を明確に打ち出しています。遼寧省が公表した経済貿易分野での25項目の重点事業のうち、半数以上の取組で日本との連携・協力を明示する等、日本への期待が大変高くなっています。
  また、JETROのレポート(※脚注参照)でも、上海と比較しても引けを取らない大連の魅力・優位性が紹介されています。例えば、日系企業数は上海の世界第1位に対し、大連も同3位に食い込むほか、人口100万人あたりの日本語能力テスト1級受験者数は大連が中国1位(上海は5位)など、大連の特徴が簡潔にまとめられています。
  このため、中国での市場開拓・販路拡大を検討している県内企業の皆様には、数多くのライバルがひしめき、その中に埋没しがちな上海ではなく、日本との親和性が高く、消費者に対し着実なプロモーションが可能な大連で、最初の取組を実施して頂ければと考えています。
  大連経済事務所では、大連をはじめ東北3省での商談会に限らず、中国各地での商談会等への出展支援も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
  参考:【中国・潮流】上海にも引けを取らない大連(JETRO大連・水田所長)
  https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/08799a32e5ec07ea.html

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2019.8.31〈№184〉

○北東アジア博覧会「日本館」への出展 ~新潟県産業の技術力をPR~
  2年に1回、吉林省長春市で開催される「北東アジア博覧会」に参加しました。8月23日から開催された博覧会には、中国内外から多くの企業・団体等が出展したことに加え、今回、新たに北東アジア地域の6カ国(日本、韓国、モンゴル、ロシア、北朝鮮、中国)がそれぞれ「国家館」を設け、各国の文化・産業などの魅力等を発信しました。新潟県からは県内関係企業2社が一般ブースに出展したほか、在瀋陽日本国総領事館からの要請に応え、「日本館」の中で、①金型加工技術((株)武田金型製作所)、②チタン発色技術((株)ホリエ)、③ステンレス黒染加工技術((株)テーエム)のPR展示品を配置し、新潟県産業の技術力の高さや製品の魅力等の発信に取り組みました。
    
    【日本館の展示状況】               【マスコミ取材】             【会場内の様子】
  吉林省を含む中国東北3省には、古くから多くの国営企業が立地していたことから、他地域に比べ、産業構造改革が遅れ、経済成長率も全国平均を下回る状況が近年続いています。現在、中国政府では東北地域の振興・経済発展に注力しているところであり、今回の博覧会を大変重視しているとのことでした。
   このため、本県産業の高い技術力は大変注目を集めることが出来ました。中国政府の副総理が自ら「日本館」を視察し、本県の展示品に直接触れ、技術力の高さを体感したほか、吉林省政府幹部からは、今後の企業交流の促進についての要請・提案等もいただきました。
  また、中国メディアの取材も10件以上寄せられ、CCTV(国営テレビ局)、新華社(国営通信社)等で記事が掲載されるなど、本県産業の技術力や製品の魅力を中国に向けて効果的に発信することが出来ました。一般来場者からは、率直に「大変素晴らしい」との反応でしたが、専門知識を待つ企業等の技術者からも、「この技術水準、加工精度は凄い」等の評価も出されました。
  今後も、新潟県産業の技術力や製品の魅力を発信するため、中国国内での展示会・イベント等での機会をとらえ、積極的に取り組んでまいります。中国に向けた取組を御検討されている企業等がありましたら、是非、大連経済事務所を活用くださるようお願いいたします。

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2019.8.1〈№183〉

○中国のキャッシュレス事情について
  現在、日本では様々な企業がキャッシュレスの導入に取り組んでおり、キャッシュレス化の普及・拡大が期待されています。一方、中国では既に『情報技術(IT)やテクノロジーの発展を背景に、インターネットをベースとする「新経済(ニューエコノミー)」が急成長』しており、中国で暮らす上で、キャッシュレスの活用が不可欠となっています。今回、大連経済事務所への赴任に合わせ、中国でのキャッシュレスの普及・活用状況を体感しているところであり、中国でのキャッシュレス社会の状況を報告します。

                                                                   参考:スマホ画面(アプリの状況)
  中国でのキャッシュレス利用には、中国での銀行口座の開設が不可欠であり、外国人にとって、口座開設が大きなボトルネックになっています。特に外国人旅行者には、開設のハードルが高く、この対策が求められています。

  その一方で、一度、「WeChat」、「支付宝」等のキャッシュレス機能を導入すれば、その機能を中心に、銀行口座、スマホ口座、タクシー等の手配、旅行予約、ネット販売、食事宅配などの多様なアプリとの連携が図られ、スマホのみであらゆる日常生活が可能となっています。

  実際、街中では老若男女を問わず、キャッシュレス決済が大半となっており、現金での決済はかなり減少していると感じています。

  また、中国でも銀行口座の開設、携帯電話の契約は実名登録が前提であり、こうしたアプリと個人情報が紐づけられることで、その当否は別として、生活の安全・安心の確保にも繋がっています。(アプリ等の活用履歴と町中の防犯カメラ等を組み合わせることで、財布・スマホ等をタクシー等に忘れても、持ち主に返ってくるとのこと。)

  更には、決済履歴や閲覧履歴等を活用したターゲットを絞り込んだマーケティング等も行われており、既に、こうした膨大な蓄積データを活用した様々な取組が日本を上回るスピードで改良を加えられながら行われているとのことです。

  中国には、これまでの1990年代後半、2000年代後半の2回滞在し、様々な経験をしてきました。今回の大連赴任後、まだ間もないですが、中国の生活環境は近年、飛躍的に向上しており、ビジネス環境等も大きく改善が図られていると実感しているところであり、多くの皆様に中国の今を直接に触れて欲しいと考えています。
参照:西村友作著「キャッシュレス国家-「中国新経済」の光と影-」文春文庫(2019年) 目次に戻る

2019.6.28〈№182〉

○大連の旅行社と新潟県が、新潟観光視察ツアーを共同実施
  花角知事が5月の訪中時に行った大連の旅行関係者との意見交換を踏まえ、大連の旅行社、航空会社、メディアなど7社12名の方々が、6月5日から10日までの間、県内の観光地等を視察しました。この視察ツアーは、東京、箱根、京都、大阪などを巡る「ゴールデンルート」以外の新たなデスティネーションを開拓したい大連の旅行社と、日本との交流が盛んな大連からの旅行者拡大を目指す新潟県とが共同実施したもので、佐渡、新潟、湯沢、十日町など本県のグリーンシーズンの観光資源や日本酒の酒蔵などを視察しました。
  今回の視察の特徴として、大連のメディア関係者の参加が多いことが挙げられます。これは、今後の旅行商品の造成、販売促進を見据え、新潟の知名度アップが不可欠という旅行社の提言を踏まえたもので、大連で最も影響力のあるテレビ局の娯楽番組ディレクターや有名な旅・グルメ番組の司会者などに加え、微信(日本のlineに相当)、tiktok(ショート動画アプリ)などのSNSに強みを持つメディア関係者も参加しました。一方で、参加者は、これまでの訪日回数は最多で15回、平均5回と比較的訪日歴が豊富な方が多かったものの、過去に新潟を訪れたことがある参加者はいませんでした。
  来訪前に新潟の印象を伺うと「お米がおいしい(4名、複数回答有、以下同じ)」、「雪が多い(2名)」のほか、残念ながら「知らなかった(2名)」との回答もありました。一方、視察後に一番印象に残ったことを確認したところ、「美食(米、日本酒、海鮮等、8名)」に次いで多かったのが「おもてなし・礼儀正しさ(5名)」という回答で、新潟県人として嬉しい限りでした。また「佐渡(3名)」、「宿根木(2名)」、「たらい船(1名)」など佐渡関連の回答が目立ちました。中でも佐渡相川の名勝地「尖閣湾(4名)」を挙げた方が多かったのが印象的でした。海中透視船から楽しめる透明度の高い海、カモメとの戯れ、そしてフィヨルドに例えられる美しい海岸線等の景色がSNS映えするとのコメントも多数見られました。
  今回の視察の様子は、既に当地のテレビ番組で2回(6/24現在・再放送含む、以下同じ)、ラジオ番組で2回(同左)放送されたほか、SNSでも計6回発信され、総閲覧数約220万回、「いいね」約3万回で、早くも旅行社へ新潟に関する問合せが入っているとのことです。
  今回の視察ツアーに参加した大連の旅行社は、「中国人の訪日旅行は、ゴールデンルート周遊型、一か所滞在型、文化体験等を通じより深く日本を楽しむ満足度優先型に大きく分けられるが、新潟は満足度優先ツアーの目的地に相応しい。料金の高さ、新潟の伝統文化を説明できる中国人ガイドの存在などの課題はあるが、8月からのツアー造成に向けて頑張りたい」と話してくれました。

  
              佐渡尖閣湾で                                    十日町清津峡渓谷トンネルで

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2019.5.31〈№181〉

○花角知事が北京・大連を訪問
  花角知事が5月23日から27日までの間、北京・大連を訪問しました。北京では、外交部(日本の外務省に相当)、海関総署(日本の税関に相当)などを訪問し、昨年11月の中国への新潟米の輸出解禁に対する謝意を伝えるとともに、コメ以外の県産食品の輸入規制の解除等を要請しました。知事から、2011年の福島第一原子力発電所の事故以後、県産食品の安全性についての検査を継続実施しており、ここ5年間、主要な食品からは放射性物質が検出されていないことなど、本県食品の安全性を具体的に説明し、中国側から一定の理解を得ることができたと考えております。
   
  中国共産党中央対外連絡部訪問         中糧集団訪問(ショールーム視察)
  また、北京の有名スキークラブやスキー専門旅行社の幹部などと、スキーなどの冬季観光の誘客拡大についての意見交換を行いました。中国側出席者からは、2022年北京冬季オリンピックに向け、中国のウィンタースポーツ人口が急増しているところであり、中国から近く、スキー場の施設が充実し、適度な柔らかさで良好な雪質の日本は人気であることが報告されました。その一方、スノーリゾート新潟の知名度の更なる向上の必要性が指摘されるなど、1時間の予定を大幅に超過する活発な意見交換となりました。
  大連では、当地最大のイベントである「大連アカシア祭り」の30周年を併せて開催された「2019中日文化観光大連交流大会」で、知事が「スノーリゾート新潟」をテーマとする基調講演を行いました。講演では大連など東北三省から参加した旅行社約100社に、県内スキー場や「越後妻有雪花火」、「小千谷風船一揆」など、新潟の冬の魅力に的を絞ったプレゼンテーションを行ったほか、大連の大手旅行社などとの個別意見交換も実施しました。
  翌6月5日から10日に、この旅行社が中心となり、新潟、十日町、佐渡などを視察することが正式に決定しました。新潟での視察状況を踏まえ、今年9月頃に新潟旅行商品の造成が計画されており、新潟への観光誘客の拡大に向け、当事務所でも積極的に支援してまいります。

      
        大連市長との面談                        中日文化観光大連交流大会での講演

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2019.5.15〈№180〉

○「日本商品情報交流会」などでの新潟米PR
  さる5月5日、中国国際貿易促進委員会大連市分会が開催した「日本商品情報交流会」に当事務所も参加し、新潟米のPRなどを行いました。この情報交流会は、高品質の日本産品を大連のバイヤーなどに知ってもらうため企画されたものです。大連側からは貿易会社や食品会社など55社、日本側からは当事務所のほか、和歌山県、山梨県の企業関係者などが参加し、日本酒やワイン、醤油、水産品、漆器、木製品等をPRするとともに、大連側参加企業などと個別商談を行いました。
  当事務所のプレゼンテーションでは、まず、新潟米を使用したおにぎりを、来場者約80名に試食していただきながら、新潟の豊富で清涼な水、夏の寒暖差などにより、米の旨味が増すことや、生産者の高い技術、最新鋭の農業システムなどをPRしました。プレゼンテーション後の情報交換では、面談した7社のうち3社から是非輸入したいとの意向を聞いたほか、米栽培についての技術協力の要望もいただくなど、新潟米への関心の強さを改めて実感しました。
  
               情報交流会の会場                                大連企業との情報交換の様子
  翌5月6日に在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所が開催した「天皇陛下御即位祝賀レセプション」でも、新潟米を使用したおにぎりを振る舞い、新潟の食の魅力をアピールすることができました。レセプションには、和歌山県産梅酒、山梨県産ワインなども用意されましたが、旧知の大連の参加者達から、お世辞まじりに「新潟米のおにぎりが一番目立っていたよ」とお褒めの言葉をいただき、感激した次第です。
  県では、米以外の県産食品の輸入規制解除に向け、中国政府などの関係機関への働きかけを行っているところであり、引き続き、当事務所でも、様々な機会を捉え、新潟米をはじめ本県の魅力発信を行ってまいります。


天皇陛下御即位祝賀レセプションでのブース出展(右端が新潟県)

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2019.3.29〈№179〉

○「日本食の魅力・日本酒の魅力・新潟の魅力」プロモーション開催
  ここ大連は、上海、バンコクに次ぐ1,550社もの日系企業が進出し、人口に占める日本語人材の割合は中国第一位(100万人あたりの2017年日本語能力試験一級受験者数1,037人、ジェトロ大連事務所)とされるなど、日本との交流が非常に活発な土地柄で、日本食レストランも約3,500店舗あると言われております。そんな日本びいきの大連で、3月13日、在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所との共催で「日本食の魅力・日本酒の魅力・新潟の魅力」プロモーション・レセプションを開催いたしました。
  当日は、大連市政府、食品・流通・観光の関連企業、日本料理店、メディア等約100名の関係者にご出席いただき、第一部のプロモーションイベントでは、まず在大連領事事務所から日本政府が推進する日本食・日本酒の普及や観光促進についての説明がありました。また、「改革開放40年がもたらした日本料理の発展」と題し、大連日本調理師協会会長の高霖様から、大連における日本料理店の歴史や今後の展望、食材の発展状況等について発表がありました。当事務所からは、本県が、日本最大級の外国人向け日本情報サイト「ガイジンポット」で、2018年に外国人が日本で訪れるべき場所第1位に選ばれたこと、新潟の四季の魅力等を紹介しました。そして最後に、「2019年ミス日本酒新潟」準グランプリの佐藤満里鈴さんが、日本酒の魅力や、新潟の郷土料理の素晴らしさ等について、中国語でプレゼンテーションを行いました。
   第二部のレセプションでは、主催者を代表して在大連領事事務所丸山浩一所長が「大連は日本との交流が盛んで、日本の農産物、日本酒、日本の食文化の普及、また訪日観光を含む人の交流の発展に非常に有利な条件を有している。本日のイベントをきっかけに、大連市と日本の相互交流が更に拡大・深化していくことを祈念したい」と挨拶を述べられました。その後、大連の有名日本料理店の板前が腕をふるった「鰈の煮付け」「河豚の唐揚げ」等の日本食が提供されましたが、何といっても当日の主役は「新潟産米」を使ったご飯と巻き寿司で、板前さんによる巻き寿司のデモンストレーションでは、握った寿司があっという間になくなってしまうほど好評でした。件の板前さんは、新潟米の感想を「ツヤがあって、お客さんの食欲をそそる」と話してくれました。一方、出席された別の日本料理店経営者からサンプル米提供の要望を受け、お譲りしたところ「常連客にお寿司として出したら、非常に好評だった。ただ2貫で30元(約500円)以上とお客さんに話したら、中々気軽には食べられないねと言われた」とおっしゃっていました。出席された日系商社総経理からは「まずは日本びいきの大連で普及を図り、その実績を携えて上海や北京に出ていくのも一法」とアドバイスをいただきました。
                 

レセプションの様子                                            新潟米を使った巻き寿司のデモンストレーション

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2019.2.28〈№178〉

○「湯沢町・十日町市スノーリゾート説明会(北京)」について
  2022年の北京冬季五輪の開催に向けてスノースポーツ人口の増加が期待される中国等をターゲットとした観光庁の「スノーリゾート活性化モデル事業」の一環として、2月14日、北京で「湯沢町・十日町市スノーリゾート説明会」が開催されました。当日は、アルペンスキーワールドカップ2020の開催地であり、世界的にも知名度の高いスキー場が集積する湯沢町と、同町に近接し、大地の芸術祭、友禅染の着物体験、雪祭り等の観光コンテンツが充実している十日町市の関係者が、北京のスキークラブ主宰者、メディアのスキー担当編集者、スキーツアーを扱う旅行社等27名の参加者に、両地区のスキー事情に加え、地域の歴史や食、四季の魅力等を幅広くプレゼンテーションしました。
  プレゼンテーション後の質疑応答では、参加者から「東京からのアクセスは便利だが、ホテルの予約が取りづらい」、「ターゲットは家族連れか上級者か?」、「文化や観光コンテンツも理解できたので、一層スキーに行きたくなった」等の声に加え、「来年のユーミン(松任谷由実)の苗場コンサートの日程は決まったか?」との質問まで出るなど、質疑終了を躊躇するほど盛り上がりました。
  日中双方のスキー事情に詳しい出席者からは「スキーツアーに関しては、ターゲットをスキー愛好家に絞り、情報を発信し続けるしかない。また、スキー愛好家のSNSサイトで『どうやって中部国際空港から白馬への直行バスを予約するか』という記事の閲覧者が5万人を超えた。これは中国人スキーヤーの、空港からスキー場への直行バスの需要の高さを物語っており、有効な施策の実施と、施策情報の提供チャンネルの確保が重要」との御指摘をいただきました。一方、現地メディア編集者からは「家族連れにとって、スキーオンリーでは物足りない。今冬、白馬での家族向けイベントの有無について問い合わせを多く受けた。新潟はスキーツアーに関しても文化面を全面的にPRしたらどうか」とのアドバイスもいただきました。中国では北京冬季五輪に向けてスキー人口の裾野が益々広がることが予想され、今後、スキー上級者向けツアーとファミリー向けツアーの二極化が進んでいき、それぞれの対応が必要になってくると感じました。
○大連のスキー関係者が新潟県内のスキー場を視察
  大連からのスキーツアー誘致に向けて、県は2月11日から16日まで、当地のスキークラブ主宰者や、スキーツアーに強い旅行社幹部等3名を招聘し、妙高地区や湯沢地区のスキー場を視察してもらいました。大連でスキーショップを経営するとともに、スキークラブも運営し、毎年多くのスキーヤーを日本に送客しているK氏に帰国直後に感想を伺うと、練達のスキーヤーならではの視点で、各スキー場やホテルの印象を述べた上で、「新潟訪問は2度目だが、食の素晴らしさに改めて感銘を受けた。ただ、宿泊費は相対的に高いと感じる。」と話されていました。そのうえで、「今後はVIP向けに新潟ツアーを造成することも検討したい。先ずは3月に親子連れ7泊8日のツアーを催行する予定」と抱負を語ってくれました。
  今回の招聘事業を通して、大連から多くの方々が本県でスキーを楽しんでいただけるよう積極的にサポートして参ります。

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2019.1.31〈№177〉

中国のコメ市場について
  昨年11月、中国政府は東京電力福島第1原発事故後から行っていた新潟県産米に対する輸入停止措置を7年ぶりに解除し、これを受けJA全農は、1月9日に解禁後第1号となる新潟県産米を横浜港から出荷し、今後上海でテスト販売すると発表しました。報道によると今回出荷したのは県産コシヒカリ1トンで、2キロ入りパックで販売し、中国の消費者の反応を見た上で出荷量の増加も検討するとのことです。
  全人口約14億人のおよそ65%が米を主食とする中国の2016年米生産量は約1億4500万トンで、世界全体の生産量の3割を占め、2位のインドに約3800万トン差、10位日本(778万トン)の約18倍でダントツの1位となっています(東方財富網「2017年中国米市場予測研究報告」)。主要産地は東北部の黒龍江省、揚子江中下流域の湖北省、江西省等で、特に黒龍江省の「五常米」は有名です。一方、同報告書によれば、中国は2016年の米輸入量も約353万トンで世界全体の1割強を占め首位となっています。8割方は隣接するベトナム、タイの安価な米と思われますが、中国で不足している高級米の一部品種をベトナム、タイからの輸入で補充しているとの調査結果もあるそうです。また、日本からの輸入は金額ベースで0.2%程度(2015年)とのことです(農林水産省「中国の食糧安全保障政策と食糧輸入」)。以上のこと等から、今後新潟米と競合するのは中国産高級米、ベトナム・タイ等の高級輸入米及び先行する他の日本産輸入米と思われます。
  大連市内の高級百貨店の食品売り場では、中国産米8商品のうち6商品は黒龍江省五常産でした(他の2種類は黒龍江省寧安市、吉林省通化市)。また8商品中4商品が香り米(玄米に香りを持つ品種)、3商品が有機米でした。平均店頭価格は355円/kg程度で、最も高かったのは東北の吉林省産有機米で約640円/kgでした。一方タイ産輸入米は3商品置いてあり、平均約393円/kgで最も高かったのは580円/kgでした。気になる日本産米は産地は表示されていませんでしたが、「にこまる」、「こしひかり」、「ちほみのり」等の品種5商品が1パック2kgで販売されており、平均単価は1,439円/kgでした。販売状況を伺ったところ、メインの売り上げは中国国産米で、日本米は週20~30パックの売れ行きとのことでした。こちらの百貨店の責任者の方に、新潟産コシヒカリの今後の中国での販売についてアドバイスを伺うと「中国の所謂中流以上の方は新潟のお米が美味しいということは御存知」とその知名度の高さに太鼓判を押しつつ「近年、中国では一人暮らしが増えていること、外食の時間が取れない等の事情でHMR(食事を家庭内で作らなくていいよう惣菜等調理済のものを提供すること)の取組が進んでおり、当店でも中国東北米を使ったおにぎりが良く売れている。袋売りに加え、惣菜やパックご飯として売っていくのも良いのでは」と御提案いただきました。
  大連で日本食品等を専門に扱っている小売店の責任者の方は、やはり「新潟のコシヒカリは日本美食の代名詞」とその知名度の高さを指摘した上で「(一般貿易に比べ関税が安い)越境ECでも販売すればより多くの方に買ってもらえるだろう」と話されていました。
  かつて中国で日本米の販促に関わった知人は「消費者はどうしても安価な方を選ぶ。また他の日本米との差別化も重要。米単独で売るだけでなく、例えば中国人に田植え・収穫体験をしてもらい、そのお米を納品するといった、新たな体験とのセットで売る等の取組も重要」と話していました。美味しさに加え、「便利さ」、「今までにない体験」等といった付加価値をつけていく取組の必要性を改めて実感しました。

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2018.12.13〈№176〉

大連のスキー事情について
  今年もスキーシーズンがやってまいりました。ここ大連でも12月7日に市内のスキー場が今季のゲレンデオープンを迎えました。当地のスキー関係者によりますと、現在大連には3つのスキー場があるものの、全て人工雪スキー場で、年間利用者は合計で延べ15万人とのこと。「歓楽雪世界」というスキー場では、例年12月初旬から2月まで営業し、料金は昼間(8:30~17:00)170元(約2,700円)、夜間(17:00~20:30)120元(約2,000円)、レッスン料は一時間当たり200~240元(約3,000~4,000円)、滑走コースは100~500mまで4本あり、利用者の割合は20~40代が65%、子供25%、50代以上10%とのことでした。
  大連に営業拠点を有するスキーウェアメーカーさんによると、中国のスキー用品販売店は、スキー用品の販売だけでなく、スキーヤーにとって貴重な情報交換の場となっており、ほとんどのショップは販売促進や顧客確保に向けスキーツアーの造成も行っているそうです。
  2004年開店の、大連で最も長い歴史を持つスキー専門店の中国人オーナーK氏によると、中国の天然雪スキー場は大連から遠く、かなり寒いこともあり、海外スキーツアーの需要が高く、Kさんのショップでも08年以降、会員を対象とした日本、欧米、ニュージーランド等へのスキーツアーを催行しているとのこと。中でも大連から近くて、サービスも良く、価格もお手頃な日本ツアーが一番人気で、冬季オリンピック開催地として知名度の高い北海道や長野、また最近では中国人向け数次ビザ発給対象エリアの山形県蔵王、岩手県安比高原等も人気があるそうです。ツアー参加者は、40~50代の会社経営者や金融・政府関係者等比較的高収入の方が多いのだとか。K氏によると、スキーヤー間の横の繋がりは非常に密接で、海外のスキー場の良し悪しについて熱心に意見交換し、他のスキー仲間に情報を拡散させていく傾向が強いそうなので、今後中国人スキーヤーへのより効果的な情報提供の必要性を実感いたしました。
  中国は、2022年北京冬季オリンピック開催に向けて、スキー等ウィンタースポーツ人口全体の底上げを国策としており、2016年には大連が属する遼寧省や吉林省等東北地方を中心に、「冬季スポーツ管理センター」という組織をそれぞれ立ち上げ、選手やボランティア等の人材育成や、各種イベントや関連施設整備を通じた一般への普及さらには冬季観光の一層の振興などに国を挙げて取り組んでいます。こういった状況を踏まえ、一般のスキーツアーに加え、今後若年層やボランティアの育成等を目的とした日本へのスキーツアー増加を予測する大連の旅行社もいます。日本スキー発祥地であり、2020年にはアルペンスキーワールドカップが開催される本県としても、北京冬季オリンピック成功・中国のウィンタースポーツ振興に向けてWin-Winの協力が出来ればと思います。

  
大連の人工雪スキー場                                 K氏のスキーショップ

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2018.10.29〈№175〉

「2018中国第1回国際米フェスティバル」に参加して
  今年、本県との友好提携35周年を迎えた黒龍江省は、中国の「米どころ」としても有名で、2016年の米生産量は、中国全体の10.9%を占めています(中国統計年鑑2017)。中でも、省都ハルビン市の五常で生産されている「五常米」は、中国一の高級米として知られ、「中国のコシヒカリ」とも呼ばれています。10月9日~10日、この中国屈指の米どころ黒龍江省ハルビンで「2018中国第1回国際米フェスティバル」が開催され、中国国内の主要産地に加え、日本、韓国、マレーシア、タイ、インド等主な稲作国のブランド米も出展されました。日本からは主催者である黒龍江省政府の招待で山形県とともに本県もブース出展し、コシヒカリや新ブランド米「新之助」、米菓等のPRを行ってまいりました。
  開会式で挨拶した黒龍江省 王文濤省長は、今回のフェスティバルを「米にも良し悪しがあり、良き米とは何かということを消費者にしっかりと説明しなければならない。世界の米を一つに集め、各国の専門家が同一基準で品評する米のプラットフォーム」と位置づけ、「世界一の黒土地帯である当省の米の生産量は7年連続で全国首位。良き土、良き水、良き心で作った黒龍江省のお米をPRしたい。」と述べられた後、「良い米と言えばコシヒカリ!真面目に繊細に栽培し、包装も素晴らしい」と発言されました。
   このフェスティバルのメインイベントは、世界中から集められた150品種のうち、予選で選ばれた24産地・品種の品評会でした。審査委員長を務められた新潟薬科大学教授で農学博士の大坪研一氏によると、この品評会は各国の専門家30人が、産地・品種名を伏せられた状態で実際に食してみて、「外観」、「香り」、「味」、「食感」、「冷めた時の食感」および「総合評価」の6項目について、標準品種と比較しながら評価するという、非常に厳格な審査を行ったということです。そして第1回大会の栄えある金賞には、当県が誇る日本コシヒカリ(新潟コシヒカリ)と黒龍江省産の五常米が選ばれました。大坪博士は、「タイやフィリピン等各国によって好みは違うはずだが、審査員全員がしっかりと審査してくれたおかげで、妥当な結果に落ち着いて良かった。コシヒカリは短粒で艶があり、食感が柔らかく、甘味がある。一方の五常米は長粒で香りと光沢があり、コシヒカリと比べると多少粘りが少ないが、一味違った美味しさがある」と解説してくれました。
  現在本県は、2011年3月の福島第1原発事故を受けて、米を含むすべての食品の中国への輸出が禁止されている10都県に含まれていますが、10月26日に北京で開かれた安倍首相と李克強首相による日中首脳会談で、中国側からは「科学的評価に基づき、輸入規制を緩和することを積極的に考えたい」旨表明があり、早期解決を図ることで一致したということです。
  多くの中国人から、コシヒカリや新之助、米菓等「うまさぎっしり」の新潟の食を味わってもらえる日が早く訪れることを心から期待しています。

           
表彰式に登壇した新潟県農業総合
研究所原澤所長(左端)                                     会場で地元メディアの取材を受ける県担当者

2018.09.29〈№174〉

○2018(第10回)大連日本商品展覧会に出展して
  大連の2016年の対日輸出額は60.7億ドル、日本からの輸入額は43.4億ドルで、輸出入 ともに、日本はEU、アセアン、米国を抑え首位となっています(大連統計年鑑より)。また、大連に進出する日系企業数は1,550社で、これは上海、バンコクに次いで多い数字となっています(2017年10月1日現在、外務省海外在留邦人数統計より)。このように、大連にとって日本は最も重要なビジネスパートナーといっても過言ではありません 。
  今回で10回目の開催となる「大連日本商品展覧会」は、日本を最大の「お得意様」とする大連を象徴するように、中国でも稀な日本商品に特化した総合見本市で、276社の日系企業が出展し、9月21日~23日の会期中68,500人もの来場者で賑わいました。本県からは初参加11社・団体を含む19社・団体が出展しました。出展者からは「連日来場者が2万人を超えるイベントは稀。一般消費者向けPRには最適」、「消費者の声を聴くという市場調査の観点からは5段階評価の5」、「今年は特に消費者のニーズ変化を感じた。今後ニーズの移り変わりをしっかり分析し、商品拡充を図っていきたい」、「現地販売代理店に卸した商品と、今回のテスト販売での売れ筋商品が違っていたので、ラインナップを見直したい」等々一般消費者向けPR、市場調査の面では概ね高評価をいただきました。
  一方、「主催者による事前マッチング以外の商談は少なかった」、「一般消費者とバイヤーが混在しており、分かりにくい」等B2Bの面では物足りなかったという御指摘も複数いただきました。これについて、会期中行われた主催者(中国国際貿易促進委員会大連市分会)と主な出展団体との意見交換会で、日本側より「3日間の会期中、バイヤー向けの日と消費者向けの日を分ける」等の改善策が提案され、主催者からは「次回に向けて提案を前向きに検討するとともに、今後は大連だけでなく、遼寧省全体ひいては東北三省からも広くバイヤーを招請するなどB2Bを充実させていきたい」との力強い回答がありました。
  今回初出展の企業の方から「賑やかしで用意した小物が完売して、一般来場者が来なくなってから、関連業者が多数来訪するようになり本格的な商談が出来た」と示唆に富んだコメントをいただきました。出展の目的を明確化し、それに合わせたブース仕様が重要と改めて考えさせられた次第です。

    
(大連日本商品展覧会の新潟県ブースの様子)

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2018.08.21〈№173〉

○大連自由貿易試験区に「日本館」がオープン
  貿易、金融、サービス業の規制を緩和して、輸出入と海外企業の進出を促進するために2017年4月に開設された大連自由貿易試験区。この試験区内に今年8月、大連市政府のプロジェクトとして「日本館」がオープンしました。この日本館は、実際の運営等は大連市外郭団体「大連金普新区企業発展促進会」と、日本に詳しい「日本製品中国市場販売支援会」が行います。大連市側の要請を受け、この日本館運営会社の副責任者に就任した日本製品中国市場販売支援会の白石久充会長によると、日本館の主な目的は、ア)日本商品の常設展示等による中国企業とのビジネスマッチング、イ)一般貿易に比べ手続きの簡単な越境ECを活用した日本商品の販売支援、ウ)中国人旅行者にまだ知られていない日本の観光地等の紹介、エ)日本文化や自治体の紹介等による日中文化交流支援などだそうです。
  中国企業とのビジネスマッチングについては、期間限定の商談会と異なり、展示商品に中国語で説明するためのQRQRコードを添付した常設展示で、日本館と提携する中国19都市の約300社のバイヤー等にPRしていく予定とのことです。また、インバウンド支援に関しては、中国人にまだ良く知られていない観光地のモデルコース作成や、イベント・お祭りのPR、中国の旅行社とのマッチング、中国の子供向け体験学習ツアーや日本企業視察旅行の誘致等を積極的に進めていきたいということです。
  日本側の窓口となる白石氏によると「大連は、中国一親日的な都市で、日本製品・訪日旅行の需要が多い。数ある各国館の中で、大連市当局が最も期待しているのが日本館。オープンしたばかりなので、約200㎡の館内を如何様にも使っていただける。多くの日本企業に利用してほしい」とのこと。当事務所としても今後積極的に連携を進めていきたいと考えています。関心のある方は、上述の白石氏まで御連絡願います。(e-mail: shiraishi@e-trust.com.cn又はshiraishi@tios.co.jp(共に日本語可))

    
(大連自由貿易試験区の入口ゲート)           「日本館」が入っている自由貿易試験区輸入商品展示交易センター)

(日本館(約200㎡))

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2018.06.29〈№172〉

○「ハルビン商談会」に出展して
  今年も、本県の友好提携先である黒龍江省のハルビン市で6月15日~19日に開催された「ハルビン国際経済貿易商談会(通称「ハルビン商談会」)に出展しました。この商談会は、中国東北部で最も歴史ある商談会で、29回目となる今年は、海外38カ国・地域から参加の489社を含む計1,454社が出展、期間中の来場者は延べ20万人で、本県からは厨房用品、日用雑貨、食品、化粧品等の業種で、初参加2社を含む7社が出展し、売れ筋を探るためのテスト販売、バイヤーとの商談、今後販売予定の新商品のPR等を行いました。以下、出展者の方々のコメントを一部御紹介いたします。
  先ず、昨年に引続き参加された厨房用品を扱う代理店の方からは「今年は、木蓋の付いた中華鍋が非常に人気。昨年の商談会にはなかった傾向で、木蓋により醸し出される和のテイストが中国の消費者に受けているようだ。」と最近のトレンドを分析されていました。同じく昨年に引続き参加の日用雑貨・キッチン小物等を扱うメーカーの方からは「一見して他とは違うと思わせるような、より特徴のある商品が売れるようになっている。キッチンツールでは、ステンレス製より木製が人気。商品の『見せ方』も大事。自社商品を使った実演も効果的では」等と話してくれました。また食品会社の方からは「地元ハルビンだけでなく、沿岸部の江蘇省や、韓国のバイヤーとも商談できて良かった。来年は新商品を携えて参加したい」と意気込みを語ってくれました。そして、今回初参加の美容品等を扱う企業の方からは「この度出展した美容マスクは、多くの中国人の意見も取り入れながら長年に亘って完成させたもの。旅先の日本のドラッグストア等で購入した商品に物足りなさを感じている中国人が対象。今後の販売を見据え、消費者や業界関係者の反応を確認するために参加したが、幅広い年齢層から今後の販売への期待感を感じた。業界関係者だけでなく、複数の若いネット通販経営者からも代理店契約を希望され、有益な情報収集ができた。中国経済が激変する中で、販路対策を改めて考える機会となった」と初出展の感想を述べてくれました。
  一方、主催者の黒龍江省会展事務局 李松華常務副局長に今年のハルビン商談会の特徴を伺ったところ、「省内中小企業育成に向け、それら企業の出展を促した。今回の商談会を通して、海外中小企業とのビジネスマッチングを期待している。」と答えてくれました。また、李事務局長からは「新潟らしさ」、「商品と企業とのストーリー性」が感じられるブース演出が重要との助言をいただきました。来年30回となる節目の開催に向け、新潟との直行便があるハルビンの旅行社と協力しながら本県の観光の魅力も積極的にPRする等、限られた予算の中で工夫していく必要があると感じました。
  また本県には、優れた商品や技術を持ちながら、海外の展示会場へサンプル商品を輸送する「小口物流」、通訳の問題等がネックとなり、中国の商談会への出展を見合わせている企業もあろうかと思います。このハルビン商談会を始め、当事務所が出展する各種商談会に、今後より多くの企業に御参加いただきたいと考えておりますので、お気軽に御相談いただければ幸いです。

(新潟県ブースの様子)

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2018.05.31〈№171〉

○「北前船寄港地フォーラムin大連」に参加して
  アカシアの街大連は、1989年から毎年、アカシアの花が咲く5月下旬に「大連アカシア祭り」を開催しており、約1週間の期間中ウオーキング、囲碁、馬術、海釣り、太極拳、書道等様々な分野の国際的なイベントを行ってきました。大連市政府は、この同市最大のイベントを単なるお祭りではなく、観光・文化交流のプラットホームと位置づけ、2016年からは大連の最大のビジネスパートナーである日本との交流拡大に向け、「中日観光大連ハイレベルフォーラム」を併催しています。第3回目となる今年は、社団法人北前船交流拡大機構と共催で、アカシア祭り期間中の5/27~28に「2018中日観光大連ハイレベルフォーラム及び北前船寄港地フォーラム大連大会」を開催しました。江戸時代から明治にかけて日本海側の物流の主役として活躍した北前船寄港地同士の連携による地域活性化を目的に、2007年から始まった寄港地フォーラムの海外初開催となりました。今回のフォーラムには、日本から各寄港地の関係者等約600人が大連を訪れ、新潟港、寺泊港、小木港等多くの寄港地を擁する本県からも、益田副知事、篠田新潟市長、水澤長岡市副市長、村山上越市長、入村妙高市長、三浦佐渡市長等総勢65名が参加し、譚作鈞(たんさくきん)大連市共産党委員会書記、譚成旭(たんせいきょく)大連市長等要人との会見、県観光説明・交流会等を行いました。会見では、5月上旬の李克強首相訪日を機に、観光、文化、経済等幅広い分野で一層交流を拡大していくこと、民間交流、特に若年層の交流の重要性などについて話し合われました。
  本県の観光説明・交流会では、参加いただいた現地旅行会社21社に、新潟が日中国交正常化を実現させた田中角栄元総理の故郷であること、中国から贈られた「トキ」が佐渡で日本初の人工繁殖に成功したこと等中国と非常に縁が深いことを紹介しました。また、上越新幹線・北陸新幹線による交通の利便性、今年開催の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、中国の富裕層にも人気の「泳ぐ宝石」錦鯉、「高田城百万人観桜会」、「長岡花火」、「佐渡砂金取り」、・妙高のスキー・温泉等の観光資源をPRしました。
  また、新潟、長岡、上越、妙高、佐渡の各市もそれぞれの観光の魅力を熱っぽく紹介され、来賓の于志龍(うしりゅう)大連市副秘書長からは、新潟-大連直行便への期待感が示されました。参加いただいた現地旅行社からは「インバウンドチャーター運航から始めたらどうか」、「HP掲載用の写真データを提供願いたい」、「大連との直行便がある富山-妙高-長野のコースが良い」等様々な御要望・御提案をいただきました。
  今回のフォーラムを機に、東京~箱根~関西等所謂「ゴールデンルート」だけではなく、本県等日本海側の「北前船寄港地ルート」にも注目が集まるよう、当事務所も積極的にPRしてまいります。

 
(新潟県観光説明・交流会で挨拶する新潟県観光協会野澤幸司副会長と、新潟県旅館ホテル組合の女将の皆様)

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2018.04.30〈№170〉

○「ABACE 2018」に参加して
  「ABACE」とは、アジアビジネスジェット商談・展示会の略称で、4月17日~19日、上海虹橋空港第1ターミナルで開催され、新潟空港関係者とともに、当事務所も初参加しました。
  国土交通省等によると、「ビジネスジェット」とは数人~十数人乗りの小型機で、個人の都合に合わせて目的地まで飛ぶ飛行機で、定期便と異なり、目的地までダイレクトに好きな時間に飛ぶことができるため、時間の大幅な節約、プライバシーの確保などのメリットがあり、欧米ではグローバルにビジネスを行うのに必須のツールとなっているそうです。また、ビジネスだけでなく、観光等にも幅広く利用されているとのことです。今回の商談会には、アジアを中心に約175の関連企業・団体・空港等が出展し、最新鋭の航空機材、サービス等が紹介され、私たちも新潟空港の拠点性、運用時間、ビジネスジェット2機が駐機できること、CIQ(税関、出入国管理、検疫)の常駐等を運航会社にPRしました。ある運航会社によると、中国の顧客は北京、上海、広州の三大都市に加え、当事務所がある遼寧省の省都瀋陽等富裕層が集中する都市に多く、主に日本やタイへの観光利用が多いそうです。運航会社が重視していたのが、CIQの動線等が、定期路線利用客と分かれているかということでした。これについて、新潟空港はビジネスジェット専用動線はないものの、定期便の離発着と重ならないよう柔軟な時間調整が可能であることをPRしました。
  一方、ある運航会社からは「日本では、大都市や有名観光地以外の地方都市は良く知られていない。更なる宣伝が必要」、「新潟のスキーは魅力的だが、冬場は積雪で駐機できないのが残念」等の指摘もありました。「空のタクシー」とも言えるビジネスジェットの普及は、地域空港活性化に向け大きな波及効果が期待されています。北海道にも負けないオールシーズンの新潟の魅力発信に向け、更なる努力が必要と実感しました。


○各種商談会等の参加募集
  当事務所では、今年度も中国各地の商談会等に出展する予定です。出展に係る費用負担は、出展料(ブース費用)・商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)・旅費等は出展企業御負担とさせていただきます。最大限のサポートを行って参りますので、お気軽に御相談ください。
  なお、商談会の詳細は当事務所ホームページ(http://www.nico.or.jp/dalian)に掲載しておりますので御覧ください。現段階での出展計画は以下のとおりです(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますので御注意ください)。
・6月15日(金)~18日(月) 第4回日本商品大連地区巡回展(遼寧省大連市)
・8月28日(火)~31日(金) 第12回中国延吉・図們江地域国際投資貿易商談会(吉林省延吉市)
・9月19日(水)         2018遼寧省中日商談会(遼寧省瀋陽市)
・9月21日(金)~23日(日) 第10回大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)

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2018.03.30〈№169〉

○2018年春節動向
  「春節」とは旧正月のことで、中国では新暦の正月よりも盛大にお祝いする。今年は2月15日~21日が春節休暇にあたり、多くの中国人が帰省、海外旅行等を楽しんだ。この春節期間中は例年消費が大幅に伸びる時期だが、2/22付け中国経済網によると、全国の小売・飲食業の売上は昨年同期比10.2%増の約9260億元(日本円で約15兆7千億円!)に達したという。同記事によると、バーゲンや市場、縁日、大みそかの晩さん、爆竹等春節ならではの伝統的な消費が依然として旺盛なうえ、オーダーメイド旅行、映画鑑賞、展示会廻りといった新たな消費傾向や、ネット・スマホを利用した新しいタイプの購入形態も売上増の大きな要因という。春節期間中に中国商務部が実施した全国各地での重点観測によると、有機穀物、有機野菜等健康食品の売上増が顕著で、江西省、青海省、山東省でそれぞれ27.5%、16%、12.7%増を記録したという。また、貴金属の販売も好調で、特に戌年に因んだアクセサリーが人気の的となっているとのこと。陝西省、貴州省、吉林省の貴金属企業の売上はそれぞれ43%、30.6%、17.8%増という。
  スマートテレビ、ロボット掃除機、浄水器、皿洗機等の家電も人気で、江西省、青海省、遼寧省でそれぞれ18.4%、15.2%、11.2%増だという。記事では、シンプル、エコといった消費理念が定着しつつあり、品質重視、個性重視、オーダーメイドの消費傾向が顕著に表れたと分析している。  一方で、大晦日の家族団欒の宴などは依然、春節市場の主役であり、各地で大晦日の食事の予約が立て込み、老舗飲食店での予約率は95%以上にも達したという。上海での大晦日の飲食業の売上は11%増となった。大晦日の宴の出前、シェフの出張サービスも新たなブームとなり、江蘇、浙江、広東等の飲食企業が連携し、飲食分野のアプリを利用し、大晦日の食事の宅配サービスを押し薦めており、上海の一部ホテルでは、「持ち帰り」サービスの提供や、自宅にいながらシェフのオーダーメードサービスをも受けられるという。天津の一部の飲食方面のアプリは需要がありすぎて、注文に対応しきれないところもあったそうである。春節期間中、遼寧、山東、山西、湖北、広西、海南各省での重点観測の結果、飲食業者の売上は前年同期比でそれぞれ約10%増となり、河北、福建、内モンゴルでもそれぞれの増加率は8.9%、8%、7.6%となったとのことである。
  一方、今年の春節期間中の中国人の海外旅行動向であるが、2/2付け中国経済網の予測記事によると、前年同期比5.7%増で、過去最多の650万人が68か国・700余りの都市へ海外旅行に出かける見込みで、最も遠い場所は南極(!)、最も長い日程で29日間(!)だそうである。団体旅行の割合は52%、個人旅行は48%で、5人に1人が海外旅行初体験とのことである。また、今年の春節海外旅行での消費額は一人当たり9,500元(日本円で約162千円)で過去最高となる見込みで、当然ながら国内旅行平均消費額3,500元(日本円で約6万円)を大きく上回ると予想している。最も高額な旅行地十傑は、順に南極、アルゼンチン、ブラジル、タヒチ、ノルウェイ、タンザニア、アイスランド、メキシコ、ニュージーランド、フィンランド。最も高額な南極旅行の一人当たり平均消費額は16万元(日本円で約270万円)に達するという。今年の春節における海外旅行の10大出発地は、順に上海、北京、広州、成都、深セン、南京、杭州、ハルビン、天津、武漢。新潟空港と定期路線で結ばれているハルビンが第8位と気を吐いている。一方海外旅行でお金をたくさん使ってくれるのはどこの都市住民であろうか?同記事では順に、蘇州、銀川、北京、上海、宜昌、無錫、杭州、瀋陽、鄭州、南京と予測している。当事務所がある遼寧省の省都瀋陽が8位にランクインしている。春節海外旅行先として人気の国はというと、順にタイ、日本、シンガポール、ベトナム、インドネシア、米、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、カンボジアと予測されている。タイは避暑地として、日本は雪見が流行となっている。昨年3位の韓国は圏外となっている。毎年人気のバリ島は火山噴火の影響で春節時の気温が下がり、その代替地としてベトナム、フィリピン、カンボジア等が人気の由。春節個人旅行で人気の都市は、香港、プーケット、大阪、マカオ、東京の順。記事は、春節海外旅行の主力は1970年代~80年代生まれの家族連れに加え、90年代生まれの1/3に相当する、帰省して親に結婚を勧められるのを避けたい「恐婚族」であると結んでいる。             (す、お)

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2018.02.13〈№168〉

○中国で人気の「農家楽」
  昨年12月、福建省で開催された某旅行業連合会の年次総会に招かれた際、この連合会の会長が冒頭の挨拶で、中国国内旅行の趨勢を説明してくれた。それによると、現在、中国の都市部では、マイカーの普及に伴う近郊へのドライブ旅行と、「農家楽」と呼ばれる農村旅行が人気を呼んでいるとのこと。強いストレスにさらされる都市部の住民にとって、週末に「古き良き中国」を多分に残す農村で、自然景観や農家料理、果物の収獲等をのんびり楽しむような小旅行が貴重な「癒し」となっているそうである。この農家楽とは、観光業と農業を結び付け、農村の自然・文化を観光資源とする農村観光事業で、中国型グリーンツーリズムと呼ばれるものだそうである。都市住民には気分転換を、農村側には三農問題(農業の低生産性、農村の荒廃、農民の貧困)改善の機会を提供するもので、全国的に週休二日制が導入された1995年頃から中国で本格的に展開されてきたとのこと(展鳳彬氏「中国の新型観光農家楽」より)。
  この農家楽、元々は内陸部の四川省成都が発祥らしいが、筆者が駐在する大連にも、三方を海に囲まれ、果物が豊富な大連の土地柄を反映した農家楽ツアーがたくさん販売されている。最も多いのはサクランボやイチゴ狩り体験+温泉をメインにした日帰りのドライブ旅行で、日本円で2,000円~3,000円程度の商品が目に付く。また、無数の島々が散らばる大連らしく、一泊二日のドライブで離島の漁村で釣りやボートを楽しむといったもの、旅順の史跡巡りを絡めた商品等も多く、筆者も、もう少し暖かい季節になったら是非農家楽を楽しんでみたいものである。
  さて、中国人の農家楽への関心の高さは必ずしも国内旅行に限ったものではなく、海外旅行でも同様ではないだろうか。実際、観光庁「訪日外国人消費動向調査H28年次報告書」の2016年調査結果によると、中国人観光客の訪日旅行における関心事項の中で、「自然体験ツアー・農漁村体験」は、訪日前の期待値は4.1%と低かったものの、「次の訪日でしたいこと」では13.8%と、約10%も増加しており、中国人訪日リピーターの関心の高まり度は「四季の体感」、「スキー・スノボ」に次いで大きい。中国人訪日観光客のリピーター率は近年急増し、上述の調査では33.3%に達したということなので、日本での農家楽も更なる需要が期待できるのではないか。そういえば、一昨年11月、大連の旅行関連の社長さん御一行の佐渡視察を手配したことがあり、筆者は良かれと思い、佐渡島内でもトップクラスのホテルを御紹介したのだが、一行の帰国後の感想を伺うと「次回は是非民宿に宿泊し、地元の方々とゆっくり交流したい」とのことであった。当時は当方の認識不足のため意外に感じられたが、自然の美しさだけでなく、食や治安、住環境等において安心安全清潔な、おもてなしの心に満ちた日本の「田舎」の良さを理解しておられたのだろう。因みにこの御一行の推薦で、現在本県への個人旅行商品造成が計画中なので、新潟の「田舎」の良さを活かしてもらえるよう全面的に協力して参りたい。  (こ)
○日本製品中国市場販売支援会の取組
  自社製品を中国で販売したいが、やり方が分からないという日本企業と、優れた日本製品を購入したいが類似商品が多く、何を購入すれば良いか分からないという中国企業とのビジネスマッチングを目的として「日本製品中国市場販売支援会」が大連に設立されたのは2013年11月のこと。大連で貿易会社を営む日本人、日本で生活経験のある大連の中国人経営者等日中双方に精通するメンバーが揃っている。主な支援内容は、中国の実店舗等を利用した小規模なテスト販売。テストしたい商品を日本国内の指定場所へ送ると、同支援会のメンバー企業がコンテナで大連へ送り、現地の実店舗で主に現地企業向けに展示販売するとともに、中国のネット販売サイトにも掲載し、販売状況やアドバイスを依頼主に送るというもので、依頼主は日本国内の輸送費のみ負担し、販売した商品に関しては、その卸価格を依頼主にお支払するというもの。他にも、現地政府関連団体と連携し、「日本商品消費専門委員会」を設立し、中国国内のバイヤーと日本企業との専用ビジネスマッチングを年4回開催する等の支援も行う予定。関心のある方は、同支援会の白石会長まで御連絡願いたい。(e-mail:shiraishi@e-trust.com.cn)   (こ)

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2017.11.03〈№167〉

○各種商談会への出展
  9月から11月にかけて、中国各地の様々な商談会に、県内企業の皆様と参加してきた。「第11回北東アジア博覧会(長春、9/1~5)」、「遼寧省中日商談会(瀋陽、9/13)」、「第9回大連日本商品展(大連、9/15~17)」、「FBC上海2017ものづくり商談会(上海、9/21~23)」、「第3回日本商品大連地区巡回展(大連、10/27~30)」、「2017中国国際福祉機器産業・サービス博覧会(北京、11/1~3)」等々。開催地は東北、北京、上海。形式はB to Bのものから、B to C的要素も混じったものまで。内容的には、日本商品に特化したもの、福祉等特定分野に絞ったもの、総合見本市等。更には長い歴史のあるものから初開催のものまで、それぞれに特色ある商談会であった。その中で、当事務所主体で出展した商談会の様子を二つ御紹介する。
  遼寧省中日商談会は、今年が初開催の遼寧省企業と日系企業とのB toB商談会である。主催はジェトロ大連事務所、遼寧省商務庁、中国銀行遼寧省分行、日本の地銀等で、当事務所等日本の自治体事務所も協力機関として、参加企業募集等のお手伝いをさせていただいた。この商談会の目的は、遼寧省側では日系企業との取引拡大・誘致促進により省経済のテコ入れを図ること。日本サイドとしては、これまで同省では大連中心に商談会が行われていたため、大連以外での販路開拓が中々進まないとの日系企業の声を踏まえ、省都瀋陽での開催により大連や瀋陽の他、営口、撫順等省内各市の中国企業も参加しやすい機会を設け、日系企業の中国内販拡大を図るとの狙いがあった。
(遼寧省中日商談会の様子)
  初開催にも関わらず、日系企業約100社(うち本県企業9社)、中国企業約500社が出展し、予想以上に大規模な商談会となった。本県企業からは「スケールメリットがあった」「特に、中国銀行の紹介で出展した中国企業が良かった」「来年も出展したい」等肯定的な意見が多く聞かれた一方、「関連のない企業との商談もあった」「すぐまとまりそうな商談は少なかった」等の声も寄せられた。
  一方、今回で8回目となる大連日本商品展は、中国でも稀な、日本商品に特化したB to C的要素も含む総合見本市で、約200社の日系企業が出展し、3日間の会期中61,000人もの来場者で終始人波が絶えなかった。貿易も投資も日本が首位を占め、日本びいきの土地柄である大連ならではの商品展と言える。本県からは初参加3社を含む7社が出展した。食品を現地生産・販売している初出展の企業社長は「新商品の試食・テスト販売を行った。消費者と直に接して、添加物の有無を確認する等安全な食を求めていること、日本商品への信用の高さを実感した。会期中12社と契約し、4社に納入した」と手応えを語ってくれた。また2回目の出展となる園芸商品の現地販売を行う会社総経理は「消費者の生の反応を見られるのが良い。自社商品ながら、こんな使い方もあったのかと驚かされた」と感じたそうだ。一方、初出展のスキーウェア会社総経理は「これだけの来場者がいるのだから、スキーも含めた冬の新潟観光も一緒にPRし、新潟ファンを増やす取り組みも大事」と語ってくれた。その他「毎年、同じ時期、同じ場所に出てるのに売れ筋が全然違う。トレンドを確認するという意味では出展する価値がある」「もっと良いブース位置を確保してほしい」「東北だけでなく、中国内陸部の商談会への出展も希望」等の御意見もいただいたので、今後に活かしたい。(以下は大連日本商品展で商品の使用法を確認する来場者)

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2017.08.31〈№166〉

○香港フード・エキスポに参加して
  アジア最大級の総合食品見本市「香港FOOD EXPO 2017」が8月17日から21日まで香港コンベンション&エキシビションセンターで開催された。
  今回の見本市は、主催者発表では26の国・地域から過去最多の1,500社以上の企業が参加し、来館者は延べ50万人、うち2万1千人ものバイヤーが来館したという。日本からは36都道府県の331企業・団体が出展した。本県は、会場内にジェトロが設置した「ジャパン・パビリオン」に、NICOが「新潟県(NICO)ブース」を出展し、日本酒や調味料、乾麺、おかゆ等を扱う県内企業5社が参加、筆者も初めて出展支援のため同行した。
(新潟県ブースの様子)
  香港人は、日本人ほど自宅で料理を作らず、朝食も屋台やデリバリー、フードコート等で食べるのが一般的だという。また、日本のように昼食にお弁当持参などという人は皆無で、皆で時間をかけて飲茶を楽しむ人が多いとか。このような食習慣から、中華はもとより和食、西洋料理からエスニックに至るまで、様々な外食産業が高度に発展し、俗に「食い倒れの街・香港」と言われる土地柄だけあり、会場は立錐の余地もない超満員で、改めて香港人の食へのこだわりを感じた・・・と言いたいところだが、しかし、会場内を見渡すと、日本ブース以外は、出展者が所在なさげにしている様子も目に付いた。日本ブース大賑わいの要因は、その中核となったジェトロ・ジャパンパビリオンの存在が大きい。同パビリオンには本県企業を含む213社・団体が参加したが、量だけでなく、来館者を惹きつける様々な工夫が施されていた。例えば、旅行好きな香港人の特性にも鑑み、地方自治体等と連携し「インバウンドコーナー」を新設し、食のみならず日本各地の観光資源も来場者にPRしたこと。また、有名シェフによる出展者からの提供食材を用いての料理デモの実施、食に関連する茶器や陶磁器等も展示することで、広く「日本食文化」をPRしたこと等も効果的だった。
  このようなジェトロの取組に加え、そもそも香港人は日本及び日本食が大好きなのだと改めて感じた。ある調査では、香港人がよく行く旅行先は、タイ、台湾に次いで日本が多いとか(Ecom中国語通信より)。また、観光庁「2016年訪日外国人消費動向調査」によると、香港人が訪日前に期待していたことは「日本食」で77.7%と最も多く、2位の「ショッピング」(68.4%)を大きく上回っており、日本への関心の中核に「食」があることが分かる。この日本食への関心の高さは、中国人(63.9%)、韓国人(65.2%)、台湾人(68.3%)等他の近隣国・地域の人々に比べても際立っている。嘗て香港に長年駐在し、今回の見本市にも同行したNICOの事業コーディネーターT氏は、このような香港人の日本・日本食に寄せる好意・信頼について、香港人の本物志向・安心安全信仰の表れと分析してくれた。T氏の観察では、即売も行った最終日、新潟県ブースにおいても展示商品はあっという間に完売したが、多くの来館者は安価というだけで購入するのではなく、しっかりと試飲・試食を行い、味覚だけでなく使用原料も丁寧に確認しており、改めて新商品販促戦術として、如何に効果的に試飲・試食を行ってもらうかが重要と再認識したという。今回、駐香港日本総領事館からは、洋食器等新潟の食にまつわる特産品や観光と絡めた幅広いPRが必要との御助言をいただいた。また、当県ブースのお隣は神戸市だったが、出展者は皆黒スーツで統一する等、「港街神戸」を意識して、おしゃれな雰囲気をうまく醸し出していた。次回出展に際し、自然・文化を含め、如何に新潟らしさを演出するかも課題と感じた次第である。(こ)
○県内企業向け中国ビジネス支援を強化
  新潟県は、今年度から上海等中国全土を対象に、県内企業の販路開拓、海外展開支援のため、コンサルティング会社㈱マイツと委託契約しました。 <マイツ連絡先>日本:03-6261-5323(事業企画部)中国:+86-21-6445-0029(新潟県用専用回線) e-mail:niigata@myts-cn.com(新潟県用専用mail) 御関心のある方は、お気軽に御相談ください。(こ)

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2017.07.31〈№165〉

○大連婚活事情の一端
  毎週土曜日の朝、大連市内最大の総合公園「労働公園」をジョギングしていると、園内の一角で、地面に置かれたり、木の幹に貼られている多くの紙片を熱心に覗き込んでいる中高年の一群を目にする。紙片を首に下げたり、胸の前に掲げ持つ人達もいる。最初は、イベントか遺失物の情報でも書いてあるのかと思ったが、後日、現地の知人に聞いたところ、未婚の子を持つ親御さんが、我が子の履歴情報を記載し、結婚相手を募集しているのだという。この、親御さんによる代理婚活(?)は、600万都市大連でもこの労働公園のみ、それも土日限定で行われる活動とのことである。
(労働公園で子供の結婚相手を探す人達)
  地面に並ぶ紙片を拾い読みすると、男性よりも女性の「履歴書」の方が多い気がする。年齢は男女とも30代前半から50代半ばといったところか。 特に、女性に高学歴・高収入の方が目立つ。例えば「女、1985年生まれ、身長164cm、大卒で教育学専攻、職業は公立学校教師、持ち家・自家用車有り、離婚歴有り、年齢・学歴・職業が自分に相応しい男性を求む、連絡先〇〇〇」等々。紙片を覗いている年配の女性に聞くと「37歳の未婚の娘を持つ母親。娘には内緒で、彼女の結婚相手を探しに来た。もしここで相応しい相手が見つかっても、娘の面子を立て、彼女には”友達の紹介”と言う」等と答えてくれた。労働公園で毎週末会員募集を行う結婚紹介所の経営者によると、一日当たり、多い時で約200人がここで会員登録するという。また、会員の6割以上は女性で、登録はその親・親戚が行うケースが大半とのこと。女性が多い理由は、大連の男性は外地の大学に進学すると、卒業後も大連には戻らず、より給料の高い大都市で就職する傾向があるため、同郷男性との結婚を望む大連の女性が、結婚相手を探すのは大変なのだとか。そして、結婚相手を探すに当たって最も重視される条件は、学歴、収入、持ち家の有無、次に車、容姿等だそうだ。なお、「履歴書」を置くだけなら登録の必要はなく費用も掛らないが、詐欺に遭うリスクもあり成婚率は低いという。
  この経営者から「うちの会員の成婚率は80%。結婚まで色々な相談に乗るし、結婚式の手配も行う。是非、日本で仕事をしている中国人男性を紹介してくれ」と頼まれたが、丁重にお断りした。
  因みに、地元紙新商報の本年2月12日付け報道によると、2016年の大連市の離婚率は31%で、中国国内で8番目の高さだという。(こ)
○上越市代表団が吉林省琿春市を訪問
  7月27日~29日、土橋均上越市副市長を団長とする同市代表団7名が、友好交流都市の吉林省琿春市を訪問し、筆者も同行した。上越市と琿春市及び韓国浦項市は、1996年の「国際経済・文化交流 共同宣言」以降、産業・文化・スポーツ等幅広い分野で相互交流と友好親善を積み重ね、昨年上越市で行われた「共同宣言20周年3市会談」で、今後も持続可能で発展的な相互交流の実現を目指すことを確認したという。今回の訪問目的は、琿春市が開催する「第1回北東アジア文化観光グルメ祭り」に出展し、上越市の観光・特産品等のPRを行うこと。実はこの「グルメ祭り」、昨年上越市を訪れた琿春市共産党委員会の高玉龍書記が、「越後・謙信SAKEまつり」に感銘を受け、是非琿春でもこのようなイベントを実施したいということで、初開催が実現したとの由。27日夜の開幕式には全人口の1/4にあたる5万人以上もの市民が会場を訪れ、日、中、韓、露、モンゴルのグルメ等を堪能した。「日本三大夜桜」で有名な上越市は、春・満開の桜をイメージしたブースで、抹茶と和菓子のおもてなし、和服を羽織っての写真撮影等を行い、上越での花見気分を満喫してもらった。2011年の原発事故以降、本県産食品は中国へ輸出できないため、自慢の地酒の試飲・販売等は行えなかったが、最も人出の多いブースとなり、改めて文化の吸引力というものを実感した。(こ)

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2017.06.30〈№164〉

○中国(遼寧)自由貿易試験区について
  米山新潟県知事は、就任後初の海外視察で、6月13日~17日まで、ソウル経由で中国ハルビン、大連を訪れた。ここ大連では譚作鈞(たんさくきん)大連市共産党委員会書記を始め、大連市、遼寧省の要人と相次いで会見した。譚書記は会見の中で、昨年新設が決まった中国(遼寧)自由貿易試験区に言及し、この東北地区唯一の試験区の牽引役を大連市が果たすこと、試験区を通じ大連の未来が見えてくる等と話されたのが印象に残った。
(前列向かって左が米山知事、右が譚作鈞書記)
  自由貿易試験区(以下、試験区)は、投資・貿易・金融の規制緩和や手続の利便化等を梃子にした対外開放の一層の推進を目的に、2013年に上海で設立されたのを皮切りに、翌2014年には天津市、広東省等、2017年には遼寧省を始め、浙江省、河南省、重慶市等で新設され、現在中国で11か所を数える。遼寧省の試験区は、大連を含む三つのエリアから成り、総面積の半分を占める大連エリアは約60k㎡で、2014年に新設された金普新区(経済技術開発区、保税区を含む)に位置している。
  主な特徴は、公表された投資禁止分野以外なら、原則として国内外の企業が自由に参入できること(投資の自由化)、貿易の窓口一本化や通関の効率化(貿易の利便化)、海外とのお金のやり取りがスムーズに行えること(金融の国際化)等で、先行する上海の試験区を参考にするという。
  試験区を管轄する大連金普新区商務局によると、税制優遇措置ではなく、徹底した行政簡素化による先進国並みの規制緩和や貿易の利便化を追求することで金融、医療等の各種サービス業を始めとした外資を呼び込みたいという。そして、地理的に近接する日本、韓国との協力を一層緊密にしたい意向で、特に日本商品の人気が中国国内で高いこと等もあり、輸入規制がある農産品や医薬品、化粧品等についても積極的に輸入したいとのことであった。また、試験区の保税機能と越境ECをからめた日本からの輸入品展示販売館の建設も目指しているという。
  自由貿易試験区に関しては、金普新区商務局は、直接北京の中央政府と意見交換が出来る仕組みとなっており、担当者は「先進国並みのビジネス環境を目指して、北京からダメと言わるまで現場の声を届けていく。日本の自治体とも協力し、要望等があれば北京にも伝える」と話してくれたので、当事務所としても、今後一層連携していきたい。 先行する上海の試験区は、設置以来累計で4万社以上の企業が設立され、うち外資は8千社以上(2017年2月時点、China Tax and Business Advisoryより引用)、貨物の入国・出国に要する時間も全国平均よりそれぞれ78.5%、31.7%短縮(同上)される等一定の成果を挙げているという。  
  大連の試験区は、これから3年をかけて政策を実施していくというが、その成果・課題については試験区内に既に進出している県内企業のお話も伺いながら順次レポートしていきたい。(こ)
○各種商談会等の参加募集
  当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地で開催される各種商談会等に出展する予定です。出展に係る費用負担は、これまで同様、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業御負担とさせていただきます。最大限のサポートを行って参りますので、参加を検討される企業の皆様におかれては、お気軽に御相談ください。なお、商談会の詳細は当事務所ホームページに掲載しておりますので御覧いただき、参加を希望する企業の皆様には申込書を直接送付させていただきますので、お気軽に御請求ください。現段階での出展計画は以下のとおりです(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますので御注意ください)。
・9月1日(金)~5日(火)    中国-北東アジア博覧会(吉林省長春市)
・9月15日(金)~17日(日)  大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)

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2017.04.12〈№163〉

○中国の就労許可制度が4月から改正
  従来、中国で我々外国人が就労許可を受ける際は、「各地で制度が違う」、「複数部門による管理」、「多重審査」、「審査基準が曖昧」、「時間がかかる」等の煩わしさがあった。また、中国経済の高度化に伴う「ハイレベル人材」の需要の高まり、外国人労働者急増による中国人の就職難・不法滞在者増加等による「ローレベル人材」制限の必要性等が生じてきた。これらを背景に、昨年10月からの北京、上海等10地区での試行期間を経て、4月から新たな外国人就労許可制度が中国全土で施行されることとなり、3月21日に大連でも在大連領事事務所、大連日本商工会、ジェトロ大連共催で「就労許可制度改正の概要」をテーマにセミナーが開催された。当日は約150人の出席者で会場は満員となり、今回の制度改正に対する日系企業の関心の高さが覗えた。
  同セミナーによると、今次改正のポイントは、ア)外国人就労者をA、B、Cのカテゴリーに分類、イ)A類(ハイレベル人材)に対する手続上の優遇措置(審査時間短縮、全てインターネット手続可等)、ウ)申請資料簡略化、エ)2種類の許可証の統合、 オ)統合された許可証に対し、生涯不変の個人番号を付与 等々。特に注目されるのが外国人就労者の分類で、A(ハイレベル人材)、B(専門人材)、C(普通人材)の種別毎に分類基準が明記され、基準の一つとして、中国での年間給与、学歴、中国語能力等を点数化した評価制が導入されたことである。
  A類は中国の発展に必要なノーベル賞受賞者や「世界500企業」本社の高級管理職、35歳以下で世界上位200大学の博士、評価制度で85点以上(最高は120点)の者等今後積極的な誘致対象となる人材。B類は60歳未満を前提に、学士号以上の学歴と2年以上の勤務歴を有する役職者、60点以上の者等で、日系企業に勤務する方々の多くはこのB類に該当すると思われる。C類は60歳未満を前提に、臨時的、季節的、非技術的、サービス的な業務等に従事する者で、就労が認められるのは特殊ケースのみという。少なくともB類に該当しないと就労許可は下りないため、60歳以上の更新、役職のない若年層の駐在・現地採用の際は注意が必要との助言があった。60歳の年齢制限に関しては、後日開催の大連市政府説明会で、実投資額50 万元を超える企業の経営者は年齢・学歴制限なし、それ以下の企業の総経理(場合により副総経理)は65歳未満なら可と口頭で説明があった由である。
  4月6日現在、遼寧省では依然として旧来のまま対応している市もあり、本県の友好都市である黒龍江省の省都ハルビン市も7月以降施行予定とのことで、相変わらず各地で扱いが異なっている。
  巷では「点数のみでカテゴリーが決定される?(実際は点数は基準の一つに過ぎない)」「点数が低ければCランク?(点数が低くとも他の基準を満たせばB)」「駐在員は自動的にB?(基準の一つを必ず満たす必要あり)」等の誤解が広く生じているとのことで、新制度の要求事項をしっかり理解する必要がありそうだ。(こ)
○糸魚川産越後杉利用促進説明会開催
  面積の約9割を森林が占める糸魚川市は、豊富な木材資源を有効活用するため、2013年から官民で中国への杉材輸出に取り組んでいる。これまで主に大連で、商談会出展、高級家具センターでのサンプル常設展示、現地設計士向け説明会等を行い、糸魚川産越後杉のリラックス効果、保温調湿効果、疾病予防効果、省エネ効果等をPRしてきた。
  中国の建築用材は、くるみやオールナット、チークといった固い木材が主流で、比較的柔かい杉の認知度は低く、高価格なのがネックだが、現地設計士にサンプルを送る等の地道な努力が実を結びつつあり、既に大連で7名の設計士が糸魚川産越後杉を使っており、その中には同市で五指に入る高名な設計士も含まれているという。 
  2月17日、大連市内で糸魚川市・ジェトロ大連共催で開催された第2回説明会では、越後杉の伐採・製材の模様、日本での建築事例に加え、北京のヨガ教室、大連のワイナリー・一般住宅等中国での建築事例も次々と映像で紹介された。当日出席した約20名の設計士からは、越後杉の特性、産地、単価等について真剣な質問が相次ぎ、糸魚川市代表団も手ごたえを感じた様子であった。決して安くない価格帯、輸出量に限りがあること、他の用材との兼ね合い等から富裕層向け住宅や高級レストラン等用途は限られるが、多くの中国人にその肌触り、香り、色合いを味わってほしい。(こ)

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2017.01.22〈№162〉

○東北振興策に新たな展開
  東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)の景気低迷が言われて久しい。昨春大連に赴任したばかりの筆者の目には、東北の玄関口に相応しい活気に満ちた街と映るが、地元の方々からは「デパートでの買物客が随分少なくなった。春節前の歳末商戦の時期でも寂しい限り」、「外資企業の縮小・撤退で失業者が大勢出ている」といった声が聞かれる。実際、高級百貨店の大連久光百貨が昨年9月に閉店、また県の調査では2005年に大連等遼寧省に進出していた県内企業は20社あったが、2015年は約1/3の7社にまで減っている。相次ぐ汚職事件に加え、1月17日には遼寧省長が過去の統計データに水増しがあったことを公式に認める等、遼寧省を始め厳しい状況にあるのは事実である。
  東北三省のGDP成長率は、2014年以降全国平均を下回っており、2016年上半期は、全国31省・自治区等のうち吉林省6.7%(26位)、黒龍江省5.7%(29位)、遼寧省-1.0%(31位)という状況である。低迷の原因として、所謂「重厚長大型産業」への依存が生産過剰、市場価格低迷、地下資源の枯渇等を招いていること、サービス業が弱いため景気を支える力が弱いこと、国有企業の割合が高く地域経済活性化・市場機能高度化を妨げていること、人材の流出、高齢化に伴う社会負担増等が指摘されている。中国政府も、50~60年代に重工業地帯として中国経済を牽引し、現在でも食糧・エネルギー生産基地として全国的にも非常に重要な地域である東北三省の経済低迷を重視しており、昨年4月「東北の旧工業基地の全面的振興を推進することの重要性・緊急性を十分理解し、断固としてこの壮大な事業を新たな段階に押し上げる」と宣言し、国有企業改革、日露韓等との連携強化、ハイテク製造・電子・バイオ医薬・新材料等新興産業の育成、観光・養老・健康・レジャー産業の強化、農業の高度化、イノベーション・起業支援、都市インフラ・公共サービス整備等の民生保障などを重点取組とする所謂「東北振興策」の新たなガイドラインを発表した。次いで8月には、2016~2018年の3年間に東北振興に向けて実施する127件のプロジェクト、11月には東北振興に係る14の具体的実施措置を立て続けに制定した。上述の127プロジェクトの投資総額は、推計で日本円にして約24兆円とも言われ、中国政府の本気度が伺われる。プロジェクト内容は一部しか公表されていないが、各省幹部の発言等から、遼寧省はハイエンド設備製造業・ロボット・インテリジェントプラント・バイオ医薬・光電子・宇宙飛行産業・電子商取引等、吉林省は現主要産業である自動車・石油化学・農産品加工の高度化に加え、医薬健康・設備製造・電子情報・観光業の育成発展、黒龍江省は食品加工・農牧畜業・観光・介護健康等の育成発展に注力していくと考えられる。
  昨年11月発表の東北振興に係る具体的措置でユニークに感じたのが、四川震災復興の原動力として高く評価される「対口支援(マンツーマン支援)」の導入である。遼寧省と江蘇省、吉林省と浙江省、黒龍江省と広東省を1対1で連携させるとともに、遼寧省瀋陽市と北京市、同大連市と上海市、吉林省長春市と天津市、黒龍江省ハルビン市と広東省深セン市を組ませ、幹部の相互派遣等を通じ先進地のノウハウや資金の東北移入を狙う。
  さて、新たな展開を見せつつある東北振興策だが、今後本県とどう関わって来るのだろうか?本県と友好提携を結ぶ黒龍江省の陸省長は、昨年6月の中国日本商工会・日中経済協会との会談で「食品加工」、「グリーンエコ農業」、「観光・養老・ヘルスケア」等での日本との提携強化に言及したという。食品加工や農業、観光は本県の強みでもあり、これまでの交流実績をバネに、新たなビジネスチャンス創出の可能性ありと考える。また2月1日、現遼寧省外事弁公室主任の孫大剛氏が駐新潟総領事に就任される。今後本県と東北三省との経済交流の一層の拡大が期待される。 (ぎ、こ)
○「日本製品中国市場販売支援会」の新潟訪問
  日本に詳しい大連の貿易、旅行会社の総経理で構成される上記支援会のメンバー3名が、昨年11月11~13日に新潟市、佐渡市を視察した。今回の目的は、中国市場でヒットしそうな県産品、新規旅行コースの開拓。白石会長は「トップダウンの中国では、総経理が自身の目で見るのが一番。無名異焼は中国でも売れそう。先ずは今夏、佐渡への富裕層送客から始めたい。」と語ってくれた。 また視察メンバーの一人は、来夏の新潟港、両津港へのクルーズ船寄港も検討中とのこと。(こ)

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2016.11.14〈№161〉

○微信等での観光・物産情報の発信
   10月26日~29日、県及び新潟市の空港・観光担当者等が、上海の航空会社、旅行代理店、市政府等を訪れ、新潟-上海便の利用促進、本県への送客等について意見交換を行い、筆者も同席した。
   その際、中国側が度々言及したのが、新潟の更なる認知度向上の必要性であった。曰く、「テレビの旅番組や、上海の繁華街での観光PR、旅行商談会への出展等を通した宣伝がもっと必要」、「スノーリゾートというと、多くの中国人は北海道に行ってしまう。日中国交正常化を実現させた田中角栄、日中友好のシンボル朱鷺の故郷でもある新潟には是非頑張ってほしい」等々。中国での本県PRを業務とする当方は恐縮しきりであった。
   勿論、県はこれまでも中国での認知度向上による中国人観光客誘致に向け、近県・関係市町村とも連携し、旅行誌、テレビ、著名ブロガー等の中国メディア招聘を行うとともに、現地旅行誌への記事掲載等にも積極的に取り組んで来た。県が独自に行っている外国人宿泊調査の直近の結果(H27.4~H28.3)では、中国(香港含む)からの宿泊数は、対前年度比81.5%増の46,835人泊で、台湾を抜き第1位となる等一定の成果を挙げている。
   一方、当事務所独自の情報発信としては、H25年3月から、中国版ツイッターと称され情報拡散性が高く、認知・関心を高めることに優れた「微博(Weibo)」によって「日本新潟県」の名称で観光情報等を発信しており、11月7日現在、更新記事数1,238本、フォロワー数7,423名となっている。
   最近アクセス数の多かった話題としては、県のゆるキャラ「トッキッキ」、「弥彦菊まつり」、「新潟春節祭」、「北方文化博物館」等である。
   今後更なるフォロワーの獲得・情報拡散によるアクセス数向上が課題となっており、微博IDをお持ちの方は是非とも下記のQRコードで御登録いただき、御家族・御友人にも記事を転送願いたい。
   また、当事務所では本年3月から中国版Line「微信(Wechat)」による観光・物産情報発信も開始した。微信は中国内のユーザー数7億人、中国人の 日常メッセージの殆どはこのアプリを利用していると言われる世界最大規模のメッセージアプリであり、年収の高い世帯ほど、訪日旅行を計画する際に、前述の微博やこの微信といったSNSも活用しているとの調査結果もある(野村総研(上海)有限公司「中国人訪日旅行者の実態とニーズ②」)。
   11月7日現在、当事務所の微信での更新記事数は28本、総アクセス数2,802件、「いいね」95件にとどまっており、取組を開始して間もないこともあるが、十分な水準には至っていない。これまででアクセスが多かった話題は、「新潟グルメの旅」、「紅葉の秋」、「錦鯉・泳ぐ宝石」、「分水花魁道中」、「日本三大芸妓・新潟古町芸妓」等々。今後も中国人目線を意識しながら話題をチョイスし、より頻繁に更新を行っていくので、読者の皆様からも「ネタ」を御提供いただけると大変ありがたい次第である。また、微博ともどもこの微信についても登録・拡散につき読者の皆様の御協力をお願いいたします。(こ)

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○黒龍江省対日投資セミナーに参加して
   9月21日、黒龍江省ハルビンで、ジェトロ大連事務所が同省では初めて対日投資セミナーを開催し、日本側は同省と友好提携を結ぶ本県や北海道等、同省からは食品、農業、福祉等の54団体が参加した。同事務所によれば、近年中国の対日投資は急速に拡大し、ジェトロが協力し成功した対日投資プロジェクトの約1割が中国案件で、米国に次ぐ多さであるという。しかし残念ながら、投資先の約95%は首都圏、大阪、愛知等の大都市圏で、地方への投資は5%程度とのこと。
   本県からは外資誘致の窓口となる産業立地課長が登壇し、両県省の友好の歴史、週3便の新潟-ハルビン線等充実した交通網、豊富で安価なエネルギー資源、食品・金属製品など特色ある産業クラスターの存在、事務所設置時の補助制度等本県の強みをPRした。地方への外資誘致は一朝一夕には進まないが、本年4月にハルビンの旅行社が新潟市内に支店を開設した実績もあり、当事務所としても引き続き、これまでの友好関係を活かしつつ本県の強みをPRして参りたい。(こ)

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2016.9.29〈№160〉

○糸魚川の高校生が体験した大連の夏
   夏真っ盛りの8月4日、「第13回中国夏休み国際交流スクール」に参加している糸魚川市内の6名の高校生が、研修の一環として当事務所を訪れた。このスクールは、地域の若者が将来世界に羽ばたくきっかけになればと、地元経済界などで構成される糸魚川国際交流推進委員会(糸魚川商工会議所内)が、毎年大連で実施しているもので、今年で第13回目だそうである。
   今回は8月3日~10日までの7泊8日の日程で、当地の名門東北財経大学でみっちり中国語研修を受けるとともに、太極拳を受講したり、近代史上有名な旅順203高地を見学したり、ショッピングの研修をしたりと、語学だけでなく中国の歴史や文化、一般市民の日常生活に触れる機会も多々あったと聞いている。当事務所訪問の際には、筆者より大連市の概況、本県と大連市との関わり、当事務所の活動内容などについて、1時間ほどクイズ形式で説明させていただいた。拙いレクにも関わらず、真剣な表情でメモを取ったり、回答する様子に恐縮した次第である。
   参加生の研修報告の中で、「この研修で特に感じたのは言葉の力のすごさ。自分の言葉で伝えられず通訳してもらわねばならないということが苦痛だった。また相手に何と言われているのか分からないのが怖かった。中国人をもっと理解するために、また自分の考えを中国人に伝えられるようこれからも中国語を学び続けたい」との感想を読み、非常に心強く感じた。過去の参加生の中には、既に中国に留学したり、対中ビジネスに従事している先輩もいると聞いているが、是非今年の参加生も、将来日本と中国の懸け橋となってくれることを期待している。(こ)
○JALが新潟シティマラソンツアーを催行
   中国人の訪日観光というと、東京・箱根・京都・大阪等のいわゆるゴールデンルートを周遊し、「爆買い」と称されるショッピングを楽しむものというのは今は昔。専門家の指摘によると、今後の中国人の訪日観光の傾向として、「爆買い」は既にピークを越え、これからは未だ見ぬ土地で体験を楽しむ「コト消費」を目的とした訪日リピーターの増加が予想されるのだとか・・・。       
  そんな中、日本航空の中国国内各支店が共同で中国各地の市民ランナー等を対象に、10月9日開催の新潟シティマラソン参加ツアー(10/7~10/12)を企画・実行することとなった。同マラソンには、広州から23名、当地大連から8名、上海、香港から各2名の、総勢35名もの健脚が参加予定である。また、このツアーでは、マラソンには出場しないが新潟観光を楽しみたいという方も募集しており、多くの中国人に新潟の自然・美味を堪能していただく良い機会であると期待している。
 この度のツアーについて、日本航空大連支店の大久保宜政氏は、「ゴールデンルートではない地方都市を舞台に、比較的容易に参加できるマラソンというスポーツを切り口にした特徴ある商品を造成することで、多くの中国人にこれまでとは一味違った日本体験をしていただければ」と語ってくれた。是非、日本一の大河信濃川河畔や国の重要文化財「萬代橋」を走り、レース後は新潟県産こしひかりや日本海の海の幸を御賞味いただいて、本県リピーターとなってほしいものである。
 また新潟と言えば、何と言ってもスキーであろう。来たるべきシーズンに向け、当事務所としても日本有数のスキーリゾートである本県の魅力を雑誌・ラジオ等のメディアや、観光イベントなどを活用してPRして参りたい。(こ)
○「新潟県海外ビジネスコーディネーター」制度の活用
  公益財団法人にいがた産業創造機構(NICO)では、県内の企業・商工団体・市町村・学術機関等による中国での事業展開を支援するため、ハルビン、大連、瀋陽、北京、上海、天津、香港の7都市に海外ビジネスコーディネーターを配置しております。主な支援内容は以下のとおりです。
    ア)現地企業・機関への訪問等のアレンジ
    イ)訪問先への同行・通訳等現地でのアテンド
    ウ)現地事情のレクチャー
    エ)現地情報の収集・提供
    オ)見本市・商談会の出展支援
  原則として、これらの支援に対する費用はかかりません。興味をお持ちの県内企業・団体の皆様は、お気軽に御相談ください。(こ)       

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2016.7.29〈№159〉

○ハルビン商談会に参加して
 本県が1983年に友好議定書を締結した黒龍江省は、中国最北部に位置し、面積約47.3万㎢(ほぼスウェーデンに相当)、人口約3,812万人(2015年末現在、ほぼポーランドに相当)の、国家並みと言っても過言ではない巨大な友人である。
  同省政府が最重視する経済イベント「ハルビン国際経済貿易商談会」(通称「ハルビン商談会」)は、中国東北部で最も歴史ある商談会である。27回目となる今年は、6月15~19日まで省都ハルビンで開かれ、筆者も21年ぶりに参加した。今回の商談会は、主催者発表では総展示面積8.6万㎡、総展示数2,410ブース、総来場者数延べ20万人、出展企業数1,527社(うち海外企業312社)、バイヤー来場者数は5,182人(うち海外44か国1,368人)で、業種としては新素材関連(約24%)、食品(約11%)が多かったそうである。また、フォーチュン誌が選ぶ世界トップ500社のうち18社、多国籍企業61社もこの商談会を視察したという。
 今年のハルビン商談会の特徴は、「中国国際新素材産業博覧会」との併催のため、先述のバイヤーの業種もそうだが、先進の鉄鋼素材、非鉄金属素材、石化素材等を展示する新素材関連産業ブースが全体の約4割を占めたこと。そして、日本との経済貿易協力重視の方針から、同省政府の要請で、日本の大手商社・銀行・メーカー等総勢約50名のビジネス交流ミッションが、開催期間中初めてハルビンを訪れ、陸昊省長との会見、省側企業・団体との個別商談等を行ったことである。陸省長からは、直近にあった習近平国家主席による同省視察、同省産業の優位性、日本との協力可能性等について熱のこもった説明があり、会見は大幅に予定時間を超過したという。
 筆者は上記の会見に同席することはできなかったが、商談会初日に開催された「黒龍江国際友好都市交流大会」に出席し、全国最年少で省長に就任した陸氏の講演を拝聴することができた。同氏は、省概況に関するプレゼンの冒頭で、特に新潟市-ハルビン市の友好関係を例示し、海外自治体との更なる友好交流強化の必要性を強調されたことは新潟県人として光栄であった。また、同省産業の強みは、豊富な鉱物・生態資源に加え、近代的な農業基盤に基づく農業、牧畜業及び食品加工業等であり、この分野で海外との協力を一層推進したいと述べた。加えて、昨年の省外(海外を含む)からの同省訪問者数は、少なく見ても延べ4,000万人と推定されるとし、しかも対前年比30%増と、更なる成長が見込まれることから、今後はへルスケアや文化産業、生態資源と融合した観光業に注力する旨力説した。陸省長のプレゼンを聞き、農業や食品加工に強く、新潟-ハルビンの定期航空路線を持つ本県との連携可能性は、同省の12姉妹都市の中でも最も大きいと改めて感じた。
 さて、今年の商談会には、家庭用調理器具等を扱う県内企業5社が出展し、商談・売上額は速報値で対前年比16%増の5,460千円と、まずまずの結果だったという。増加の理由としては、昨年は開催時期が国慶節の大型連休後で、開催期間も1日短かったこと等もあるが、出展者が現地生産した新製品が好評だったことも大きいと考える。
 中国東北部では最大級の商談会なので、今後もこれをビジネスチャンスと捉え、より多くの業種の企業に御参加いただけるよう、当事務所では開催期間中はもとより、事後の中国企業とのつなぎ役も果たす等、支援体制を整えて参りたい。(こ)
○伊藤忠(大連)を通じた東北三省でのビジネス支援
 新潟県では、県内企業の中国東北三省でのビジネス活動を支援するため、伊藤忠商事㈱の中国東北部における拠点である伊藤忠(大連)有限公司と包括協定を締結しております。同社が有するネットワーク(伊藤忠ハルビン、伊藤忠長春等)を活用し、中国東北部における県内企業と中国企業とのマッチング支援等を行っておりますので、興味をお持ちの県内企業・団体の皆様は、お気軽に御相談ください。(こ)
○お詫び
 2016年5月31日付け第158号の当レポートに、平成28年熊本地震被災者の皆様への配慮に欠けた記事があるとの御指摘を読者の方からいただき、当該記事を7月15日にホームページから削除いたしました。被災者の皆様に不快な思いをさせましたことを心よりお詫び申し上げます。新潟県大連経済事務所長 小玉邦夫
※「お詫び」掲載にいたる経緯などについて(2018年2月27日追記) 2016年7月15日に削除した記事の内容などについて質問がございましたので御説明いたします。
2016年6月2日:大連新潟県人会恒例の花見会で、県人会役員が決定したという内容の大連レポート(2016年5月31日号)を事務所ホームページに掲載しました。
〃 7月7日:熊本地震で被災者が大変な思いをされている時期に、県関連機関のHPに花見の話題を掲載するのは不適切などとのメールをいただきました。
〃 7月10日:レポートでは熊本地震には触れていないものの、不快な思いをされたことへのお詫びのメールを投稿された方にお送りいたしましたが、改めて、内容が不適切であり、被災者のお気持ちを理解していないなどとの御指摘をいただきました。
〃 7月15日:再度の御指摘を踏まえ、レポートの該当箇所を削除し、その旨を投稿された方にお詫びとともに御報告しました。
〃 7月29日:大連レポート(2016年7月29日号)に「お詫び」を掲載しました。

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2016.5.31〈№158〉

○各種商談会等の参加募集
 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地で開催される各種商談会等に出展する予定です。出展に係る費用負担は、これまで同様、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業御負担とさせていただきます。当事務所として最大限のサポートを行って参りますので、参加を検討される企業の皆様におかれては、お気軽に御相談ください。
 なお、参加申込書等の詳細は、近日中に当事務所ホームページに掲載するとともに、希望する企業の皆様には直接送付させていただきますので、お気軽に御請求ください。
 現段階での出展計画は以下のとおりです(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますので御注意ください)。
・8月28日(日)~31日(水)   延吉国際投資貿易商談会(吉林省延吉市)
・9月15日(木)~19日(月)     中国-北東アジア博覧会商品展(吉林省長春市)
・9月23日(金)~25日(日)  大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)(こ)
(昨年の長春の商品展での新潟県ブースの様子)
○着任の御挨拶(小玉邦夫)
 御挨拶が遅れましたが、4月1日付けで新潟県大連経済事務所に着任いたしました小玉と申します。微力ではございますが、関係諸機関と連携しながら、多くの県民の皆様方の対中経済・観光・文化交流などをサポートさせていただきたいと考えておりますので、何卒宜しくお願い致します。

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2016.3.27〈№157〉

○事務所の業務を振り返って
 「環境の変化に対応できない者はやがて淘汰されていく・・・」ダーウインが残した有名な一節は、現在でも様々な業界で通用する名言でもある。当事務所は、新潟県が経済界及び関係自治体の協力を得て設置した中国で唯一の代表事務所で、1997年3月以来、来年で開設20年を迎える。開設当時の関係資料を見直すと、大連は、東北3省の交通・物流の要衝として、「経済技術開発区」による対外開放をいち早く進め、当時の薄大連市長の強い指導力を背景に、日系企業の投資環境の優位性を前面に打ち出し、大連市全体が熱心に日系企業の誘致活動を展開、西暦2020年までに東北アジア経済圏の金融、貿易等の中心となる目標を掲げ、将来的には開発区全体を自由貿易地域として「北の香港」にするという壮大な構想をもっていた。そして現在、海上輸送の利便性を活かした加工貿易を目的とする製造工場が集積する大連進出の日系企業は、本社及び日系顧客向けの販売を主流とする企業も多く、近年の人件費高騰や為替変動の影響を受けて苦境に立ち、体制の見直しを余儀なくされ、すでに様々な影響が出ている。このように開設当時からの劇的な経済環境の変化を見るにつけ、まさに隔世の感を禁じ得ない。
 さて、開設当時から現在に至るまで、県関係企業のビジネス支援は、当事務所の主要業務と位置付けていることは変わっていないが、中国経済を取り巻く環境の変化に応じて、企業支援の内容にも質的に大きな変化を遂げてきている。90年代から2000年代初頭にかけて、県関係企業の中国投資・進出及び委託加工への支援ニーズが高く、中国の経済発展と歩調を合わせる形で企業進出は増え、その前段として、県からの数多くの企業視察団に当事務所が対応してきた時代があったが、近年は、経済環境の変化とともに、これら要望は衰退の一途をたどっている。
 先般、中国商務部は、「2015年の社会消費財小売総額が30兆1千億元に達して、前年比10.7%増加し、社会経済の成長に対する消費の貢献度は66.4%になり、これまでの投資と対外貿易の拡大を中心とした経済成長モデルから国内需要を中心としたモデルへ、とりわけ消費を中心とした経済成長モデルへの重大な転換の実現に成功した」と説明した。2015年の出国者数は1億2千万人、海外での消費額は1兆5千億元で、このうち少なくとも7千億元から8千億元が買い物に充てられたという。このような経済情勢の変化に対応して、当事務所の業務内容も、中国の巨大マーケットを地方経済の活性化に取り込むため、日本へのインバウンド観光客の誘致、地域特産品の輸出促進等の販路開拓といった経済活動にも軸足を置くようになり、事務所設置当時にはあまり想定していなかった業務のボリュームが増えてきている。
 また、すでに進出済みの県関係企業の現地活動支援へのニーズも潜在的に高く、当事務所の業務として、これらニーズをいかに掘り起し、主体的に取り組んでいくか、その成果が問われる時代に入っている。具体的な業務の中では、新たな販路拡大を目指したビジネスマッチング、組織運営等を含めた法的対応、外資企業に対する突然の政策変更に対する対応、商習慣が異なる地域におけるマーケティングなど、当事務所のような自治体職員では対応しきれない専門的な相談内容に対して、日頃から培ってきたネットワークをフルに活用して、様々なプレーヤーをコーディネートできる力が強く求められるようになったと感じている。広大な中国を活動範囲に、変化し続ける経済環境において、企業ニーズも刻々と変化し、当事務所に寄せられる相談や要望も変化し続ける中、情報や人を繋いでいくことの大切さについて、日々の業務を追うごとに、繰り返し実感し続ける駐在員生活であったと振り返っている。(わ)
○離任のご挨拶(渡辺慎一)
 このたび、3月末をもって新潟県大連経済事務所の所長を離任し、4月1日付けで新潟県知事政策局国際課中国室長に異動します。2013年4月からの3年間の任期中(前回任期と合わせて6年間の駐在期間中)、大変にお世話になりました。4月より、後任の新所長には新潟県庁から小玉邦夫が赴任いたしますので、当事務所の活動につき、これまで同様、変わらぬご支援とご協力を賜りますようによろしくお願いします。
 末筆になりますが、これからの皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、離任のご挨拶とさせていただきます。(わ)

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2016.1.28〈№156〉

○中国東北部の経済成長減速
 1月14日から3日間の日程で、泉田知事を団長とする新潟県代表団が友好提携先である黒龍江省を訪問、黒龍江省の陸昊省長と会談し、今後の交流について意見交換した。陸昊省長といえば、北京副市長、共青団第一書記を歴任し、2013年に全国最年少で省長に就任した逸材で、地方政府での経験をステップに将来の中央政府幹部の有力候補と目されている。知事との会談の中で、両地域の特性を活かした共同プロジェクトの立上げが提案され、省の経済発展に直接繋がる事業の推進を強く希望していた。これは省長就任以来、省の経済成長率は中国各省の中で下位に低迷し続けている中、日本の地方政府との経済交流により、両県省が持つ潜在的な優位性を活かし、地域経済の発展に結びつけたいという強い意欲が感じられた。
(泉田知事と陸昊省長との会談の様子)
 さて、肝心の中国経済、年初からの株価急落など経済成長の減速に関する報道が目立っている。中国国家統計局が今月19日に発表した2015年の国内総生産(GDP)は対前年比で6.9%増(物価変動の影響を除いた実質ベース)となり、政府目標の7%に迫る水準に着地した。この数字、先進諸国の経済成長率と比較すれば、依然高い水準である。ただし、かの有名な「克強指数」(李克強首相がGDPよりも重視する経済指標。発電量・鉄道輸送量・貸付総額の3つの統計項目)の直近統計数字の2項目を見てみると、中国国家統計局発表の2015年の総発電量は5兆6,180億キロワット時、対前年比0.2%減で、通年の減少は1968年以来初めて。さらに、中国国家発展改革委員会発表の2015年の鉄道貨物輸送量は対前年比11.9%減の33億6千万トン、過去最大の減少となった。発電量や貨物輸送量の落ち込みは中国の実体経済をより反映した数字として見る向きがあり、実際には減速傾向が色濃いと捉える専門家が多い。
 大連から吉林省や黒龍江省への出張で頻繁に利用する高速鉄道、そのたびに眺める車窓からの風景は私にとって既にお馴染みの風景となっている。まずは市内の密集した集合住宅地から始まり、しばらくすると郊外の新興住宅地が見え、やがて、広大な農地や丘陵地が広がる風景へと変わっていく。その郊外には地方政府主導の都市開発プロジェクトのビル群が出現するが、開発途中で工事が進んでいない区域、車やひと気のない高層住宅が散見され、何度見ても寒々とした気持ちにさせられる。都市部から離れた郊外のこのような風景、実は中国国内の多くの場所で見ることができる。これは、数年前から中国各地で進められてきた「都市化」政策がその背景にある。大都市圏の経済減速を補うように、その周辺地域や郊外に広がる農村地域を「都市化」して新たな経済発展に繋げていこうとする考え方で、高度経済成長を強力に牽引し続けると信じられてきた。しかし、実際には過剰投資、過剰供給に陥っている開発プロジェクトが実に多い。強権を持った政府が先行投資して開発、これに実需が追いつく限り問題はなかったが、多くの地域でいよいよ過剰投資のゆがみが顕著になってきた。まず始めに大きな箱を作って、後から中身を埋める的な発想から来る投資と開発は、その多くが限界に来ている証左であろう。
 経済成長を決する3つの要素である消費、投資、輸出入の中で中国経済は消費がGDPの約半分を占めており、中国政府は、消費主導型の成長への移行を目指している。折しも、春節直前で消費が最も集中する時期、都市部の繁華街はイルミネーションが光輝く賑やかな季節となったが、今後どのように消費を拡大させていくのだろうか?このほど、遼寧省は観光業の発展と消費拡大を促すため、「週休2.5日制」を奨励すると発表したところ。遼寧省といえば、かつて、李克強氏が省書記時代に推進した五点一線計画に代表される投資主導型の経済モデルを基礎とした中国東北部の先進地域、しかし現在ではそのモデルは瓦解し、各省別の経済成長率で最下位グループに転落した地域であり、まさに「苦肉の策」の様相を呈している。(わ)

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2015.12.30〈№155〉

○中国市場で「売れる」ということ
 12月は業務の巡り合わせから、ハルビン、長沙、南京、上海の旅行社を数多く訪問する貴重な機会を得た。周知のとおり、訪日観光客の急増は、地域ごとにその増加幅に違いはあるものの、どこも共通した現象であり、海外旅行を取扱う旅行社にとって、訪日旅行商品は、まさに「売れる」看板商品となっている。折しも、春節用の商品募集の時期と重なり、どこの社も活気に満ちた雰囲気に包まれており、収益機会をしっかり確保しようとする積極的な姿勢が感じられた。
 特に印象に残っていることは、12月14日に湯沢町観光プロモーションの一環で南京を訪問した際、地元旅行社向けの説明会終了後に開催された懇親会の席上、来賓参加していた駐新潟総領事館の前総領事(現江蘇省僑務弁公室主任)の王華氏からいただいた応援あいさつ。程永華駐日中国大使が毎年のように好んで訪れた湯沢町のスキー場でのエピソード、日中友好の象徴「朱鷺」に関係する佐渡のPR、東日本大震災発生時に多くの中国人を新潟経由で緊急帰国させたときに寄せられた県人との友情、さらには未来志向で目指す日中友好への熱い思いが語られ、参加する旅行社の方々から自然発生的に拍手が湧き起こり、日中双方の多くの参加者の心を強く打ち、私自身も実に感慨深く、同時に爽やかな気持ちにもなった。
(王華氏を囲む湯沢町長ほか訪問団の一行)
 一般に、訪日観光客向けの旅行説明会は、地元観光地に精通した日本人担当者が「売りたい」観光スポットや自慢の郷土料理等のセールスポイントを工夫しながら説明することが基本となるが、一方で、当該観光地を熟知している中国の方から、その人の視点で、中国市場において「売れる」観光地の魅力を自分の言葉で語ってもらうことほど説得力のある言葉はなく、最大級の応援をいただいたものだと今さらながら痛感している。
 そして、その次の週、別のミッションで上海の旅行社を数社訪問したときのこと、新潟への送客実績でトップクラスの某旅行社の担当者から、「新潟県の招聘事業で、今年の夏に県内の観光地などを幾つか紹介してもらったが、残念ながら、長岡の花火以外はほとんど印象に残っていない。冬の新潟の魅力を体験できる場所やイベントを紹介してほしい」との辛辣な意見を耳にした。もちろん、この意見は当該旅行社の担当者の一人が感じていることに過ぎず、けっして招聘した全ての参加者の意見を代表した内容ではないが・・・。同時にその発言を聞いていて「またか」という感覚を抱く、日本側が「売りたい」と思うものと中国側が「売れる」と感じているものとのギャップ。
 実は、中国市場で日本の商品を販路開拓しようとするビジネスの世界で宣伝活動をする現場で、たびたび同じような場面に遭遇する。中国で自社の商品を「売りたい」、この熱心な姿勢は、ややもすると、自分の商品を「売る」ことばかりに頭が一杯となり、何が中国市場で「売れる」のかを分析し、中国の商売人がどんな条件で何を欲しがっているのかを研究する姿勢が往々にして後回しになってしまう。誰しも「売りたい」とは思うが、「売れる」とは限らない。日本の商品は安心安全で高級なイメージがあり、物珍しさもあるため、多少の販売実績は出てくるかもしれない。しかし、本当の意味で利益を生み出すほどの事業規模にするには高いハードルが待ちかまえているのが現実。実際、中国の商売人に「売れる」と認めてもらえるような商材であれば、日方が黙っていても、自らが持つ人脈や経験をフルに活かして、必死に販路を開拓する努力をしてくれるだろう。そもそも、中国の流通経路や商習慣はとても複雑で、外国人の手に負えるものではなく、日本人が単独で入っていけるようなものでもない。主役である中国の商売人たちに本気になってもらい、彼らにたくさん儲けてもらう、これが中国市場開拓の原点であり、その儲けの一部を日本側にも分けてもらうぐらいの発想を持つこと、中国という他人の庭でビジネスをする以上、それぐらいの姿勢で臨むことが大前提・・・まさに言い得て妙、知り合いのビジネスマンから聞いた一言を思い出した。(わ)

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2015.11.23〈№154〉

○熱狂するネット商戦の一方で
 中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日、近年この日は、ネット上で通販サイト各社が一斉に特売をする日として定着し、すでに春節商戦に匹敵するイベントに拡大、今年も昨年の売上記録を大幅に上回り、その莫大な販売額と熱狂ぶりは国内外で大きく報道されていた。安さが売りのネット販売は、都市部だけではなく農村部まで利用者が徐々に拡大しており、近隣にまともな商店街がない場所でもスマートフォン一つで買い物ができる便利さとお手軽感により、通販サイトの消費は今後さらに増えていくだろう。
  しかしこの現象、中国経済の一部分を投影したに過ぎず、とても浮かれている状況にはない。先日、大連の繁華街で人民路沿い高級ホテル隣のテナントビルに久々に立ち寄るとその光景に愕然、夕方6時過ぎの退社時間にもかかわらず、人はまばら、各階のテナントは空き放題、以前多かったファッション関連のショップは減り、飲食店が各階ごとに何のコンセプトもなく軒を連ねている様子でその様変わりに驚かされた。さらに別の場所を見ると、今年の春先に大連駅近くの市街地にオープンした大型ショッピングモール、オープン当初は賑やかだったものの、数か月が過ぎ、来場者は随分少なくなっている印象、かろうじて一部の飲食店に幾分活気がある程度であった。近隣に住宅用マンションが集積するエリアということもあり、相当の集客を期待しているはずだが・・・、「(モール内は)天気や空気の汚染に左右されない絶好の散歩コース」との皮肉めいた声を聞いたことがある。そして、大連市政府に面した人民広場に隣接するオリンピック広場に総面積約22万㎡の超大型ショッピングモールが近々にオープン予定、このような状況で果たしてテナントは順調に入っていくのか?生活実感からかけ離れた無秩序な開発計画は、今の中国の地方都市の現状でもあろう。
 統計によれば、北京、上海をはじめ中国各地で、都市部だけではなく、市街地から離れた郊外も含めて大型ショッピングモールの新規オープンが増え続けているという。高騰したテナント料の関係から、客足に応じて入れ替わりが激しく、特に若年層のファッション関係の実店舗は、ネット通販に押される形で売上不振となり撤退するケースが多く、これらスペースを埋めるように飲食店が入居、大型モールに占める飲食店の割合が拡大し、日本と比べその割合は比較的高いように感じる。閑散としたブランドショップ店、対照的に賑わいを見せる大衆飲食店という光景は、中国の大都市圏に共通した現象になりつつあるようだ。「中国飲食産業発展報告(2015)」によれば、景気低迷やぜいたく禁止令による高級店の不振にもかかわらず、2014年の全国の飲食収入は、対前年比9.7%増の伸びを見せ、厚みを増す中所得者による大衆的な飲食店への需要が消費を強力に牽引していることが裏付けられている。一方、中国国内の高級ブランド専門店の閉店が加速しており、某有名ブランド専門店は最盛期の約半分まで店舗数が減少したという。その背景には、反腐敗運動、代購(海外商品の代理購入)の拡大、中国人の海外旅行者の増加等が影響しているものと考えられる。(わ)
○湖南省との交流拡大に向けて
 11月12日から4日間の日程で、森副知事を団長とする県訪問団の一員として、上海及び湖南省を訪問した。湖南省出身の駐新潟中国総領事館の何平総領事の支援もあり、これまでにも新発田市、南魚沼市、県マスコミ関係者の湖南省訪問が実現した一方、常徳市や郴州市の訪問団が来県するなど、すでに両県省の往来は活発化している。
(森副知事と何報翔 湖南副省長との会談の様子)
 今回の訪問の中で、両県省とも米の一大産地である特徴を活かした農業交流、世界遺産である張家界を筆頭とする魅力ある観光資源を活かした交流、さらには、今年2月に新潟で開催し来年も開催予定の「春節祭」への参加など、更なる交流拡大に向けた具体的な項目について意見交換した。(わ)

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2015.10.28〈№153〉

○留学生誘致の背後にある現状
 先月下旬、大連大学で日本語専攻の4年生を対象に県内企業系列の大学院大学への留学生募集を目的とした特別講義が開講され、「新潟県と中国との交流」と題して講演を行った。大学4年生、つまり、1990年以降に生まれた「90後」世代の学生、家族の愛情を一身に受け、裕福な環境で育ったデジタル世代、スマートフォンを自在に操り、自己の判断基準を大事にする個性派の若者と期待したが、会場からの質問はなく、随分おとなしい真面目な学生の集まりという印象を持った。
 中国人留学生の募集誘致に係る支援は、当事務所に寄せられる相談として、毎年、一定の件数があり、その期待感は強い。少子化が進行し、日本の高等教育機関(大学、短大、高等専門学校等)は自国の学生以外に、外国からの留学生を広く集めることは今後とも大変重要になってくる。優秀な人材をできるだけ多く取り込みたいニーズもさることながら、外国からの留学生で一定の学生数を確保したいとする学校経営上の理由も透けて見える。中国人留学生は、アジアの中で経済的に比較的余裕がある富裕層の学生が多く、日本の受入教育機関にとっては安定した“お客様”となるケースが多い。アルバイトしながらの苦学生といった一昔前の中国人留学生のイメージとは程遠い学生像、すなわち、親からの仕送りでアルバイトなしで経済的にゆとりのある留学生も多いと聞く。
 さて、これら中国人留学生の中国での就職戦線はどうなっているのか?日本語人材の豊富な大連、ここ数年の日系企業の景気後退等の影響で、日本語人材の募集人数は減少の一途、完全な供給過剰となり、少ない募集人数に高学歴の日本留学経験者が殺到するような状況になっている。海外の大学を卒業して帰国する、いわゆる「海亀族」は、海外各国の留学生に対する大学卒業後の在留条件が厳しくなる中で、今では大量に帰国してくる事態、一昔前の引く手あまたの状況が一変し、いわゆる「海帯族(波に漂う昆布のように、厳しい就職戦線で右往左往する海外帰国組)」と揶揄される現状にあるとの報道が印象に残っている。
 高い経済成長にも減速が見え始め、毎年増加し続ける中国の大学生の就職難は年々厳しさを増している。その根本原因として大学生の数の増加が著しいことが挙げられる。先般、「新潟杯」日本語演劇大会と銘打ち、黒龍江省内20の大学から日本語専門の学生が集まり、工夫を凝らした素晴らしいイベントとなったが、その会場となるハルビン師範大学の広いキャンパスには大変驚かされた。
 
同大学、もともと以前は、市内の別の場所に小じんまり立地していたが、郊外(松花江北)移転の上、広い敷地面積を有する規模に拡大していた。大連でも、既に多くの大学が郊外移転により規模拡大しており、中国各地でこのような大学の大規模化が進んでいる。計画経済時代の中国の大学生は国家の幹部候補生、学費や生活費は無料で、国からの手当が交付される学生もいたとか。今の大学は国家機関に変わりはないが、授業料徴収が普通で、大学の運営上、国からの補助金以外の足りない部分を大学自らの工夫で運営資金を集める必要があり、学生からの授業料収入や大学自身のビジネスにも依存し、学費の値上げとともに学生数の増加は避けて通れない構造に陥っている。2015年の大学卒業生は昨年より22万人増加で過去最多の749万人、1998年との比較で実に7倍までの増加、日本の大学新卒者が60万人程度であることを考えれば、その多さが想像できる。産業構造の変化により第三次産業就業者数が増加傾向にあるとはいえ、社会的に必要とされる大卒者の数にも限界があり、とても吸収できていない。インターネット関連大手の百度(バイドウ)は社員数約5万人、今月から従業員に「中途採用の停止」を通知、アリババは社員数約3万人、毎年3千人程度を新卒採用してきたが来年からは400名程度にするとの発表があったとのこと。インターネット事業の急激な拡大にも一段落の兆しが見られる中、ますます悪化する就職難、これに伴う就職浪人の増加に歯止めがかからないと危惧されており、社会の不安定要素として浮上している。(わ)

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2015.9.15〈№152〉

○対日投資に係る期待
 日本貿易振興機構によると、昨年から今年にかけ、対日投資の相談案件が増加傾向にあるという。日本政府に掲げる「日本再興戦略」の中で、対日投資促進は重点課題の一つとされ、2020年に対日投資残高を倍増(35兆円)させることが盛り込まれており、この目標達成には中国からの投資をいかに増やすかという要素が大変重要になってくることは疑いの余地がないだろう。
 このような動きを裏付けるかのように、当事務所へのビジネス相談の内容にも質的な変化を見せている。1997年の事務所開設以来、これまで寄せられてきた相談内容は、県関係企業の中国市場開拓支援、中国での拠点設置支援、近年減少傾向ながらも中国投資相談がその大多数であったが、その逆の流れとして、対日投資や日本での拠点設置に係る具体的な相談が徐々に出始めている。
 一例をあげると、新潟への送客実績でトップクラスの中国系旅行会社が新潟市内に事務所を設けたいという相談、さらには、新潟県産品を含む日本商品の中国国内代理店を手がける貿易会社が日本国内で事務所を設けたいという相談など。前者の相談の背景は、中国からの訪日観光客が右肩上がりの昨今、自社内でランドオペレーターの役割まで担い、より機動的に送客して利幅を取ろうとする意図があることが想像できる。また、後者の相談の背景は、伝統工芸品を中心とした高い技術を誇る日本商品、そのほとんどは、中小企業が担い手であり、それ故に海外への貿易取引をカバーする余力があまりない企業も多い。そこで、中国企業が日本国内に法人等自社の拠点を設置し、中国市場で知られていない良質な日本商品を掘り起し、拠点主導の日本国内取引により商品を仕入れ、自社グループ内で貿易取引を処理しようとする目的が透けて見える。これらの動きは決して中国企業に限ったことではない。例えば、中国に現地法人を持つ日系企業から、新潟県を含む地方都市への拠点設置を相談されたケースがあり、当県への企業進出に関する優遇措置等に係る資料を提供した実績もある。今後の中国経済を不安視する声が日増しに強まる中、急速に進んできた元高円安の水準を睨みながら、企業活動はその水面下で徐々に違った流れを見せ始めている。(わ)
○「爆買い」の行く末
中国商務部及び吉林省人民政府等の主催により、東北アジア博覧会(9月1日~6日、吉林省長春市)が開催され、当事務所取りまとめにより、県関係企業4社で出展した。全9館の1つである北東アジア展示館には、日本ブースのほか、韓国、モンゴル、ロシア、北朝鮮ブースが軒を連ね、多くの来場者で賑わった。日本ブースには当県出展のハウスウエアのほか、売れ筋の南部鉄器や陶器類、さらには保健食品や日用雑貨品など訪日観光客の「爆買い」アイテムが集められていた。

 さて、この「爆買い」、この先も続いていくのだろうか。日本の大手百貨店やショッピングモールは訪日観光客の消費が空前の伸びを見せているが、これとは対照的に、中国で多数の高級ブランドを抱える百貨店等の売上は伸び悩んでいるという。習近平政権の倹約令や反腐敗運動による高級品の消費の冷え込みも大きな要因だろう。いずれにしろ、中国政府は、膨らみ続ける海外消費をこのまま野放しにしておくはずはなく、国内消費に回帰させる内需拡大策を強力に推進してくる可能性がある。すでに今年6月、消費者ニーズの高い一部の外国製日用品を対象に輸入関税の引き下げが実施され、内外価格差の縮小に乗り出した。さらに、保税倉庫を活用した越境ECビジネスがこれから急速に拡大していくことが予想され、外国製品をより安く手軽に購入できる環境が整いつつある。また、今後、中国税関当局が海外から持ち込まれる手荷物や郵便物の検査を厳格化する規制に政策転換して、徹底的に抑止効果を狙うことも十分考えられる。元高円安で享受してきた「為替差益」がこれからも続くか否かは不透明で、「爆買い」は、為替変動に左右されない魅力ある商品を除き、今後とも長く続いていく保証はどこにもない。(わ)

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2015.7.28〈№151〉

○中国のメディアと情報受発信ツール
 6月28日から7月3日まで、中国駐新潟総領事館の呼びかけにより組織した新潟県マスコミ各社友好訪問団の一員として、北京及び湖南省を訪問した。中国外交部、中国対外友好協会等を訪問したほか、斬新なデザインの新社屋として有名な中国中央電視台(CCTV)、全国的に人気のバラエティー番組を手がける湖南電視台を視察するなど、大変貴重な機会をいただいた。
 
 周知のとおり、中国のテレビ局は、中央電視台のほか省や市レベルの地方ローカル局が多数あり、ケーブル放送及び衛星放送の普及によってすでに多チャンネル化の過当競争に突入している。中国のメディアは政府管理下による統制が強いとのイメージが先行している感があるが、実際は商業化が著しく進んでいて、収益を主に広告収入に依存している背景もあり、視聴率を尺度とした大競争時代に入っている。メディア全体の中でテレビ局の広告収入は既にトップから陥落している厳しい局面にあるとの中央電視台の説明は容易に理解できた。また、青少年及び女性をターゲットとした番組作りを戦略とし、日本を含む海外の娯楽番組を参考にしているという湖南電視台の現状は、テレビ離れへの歯止め、視聴率獲得という厳しい局面に立って番組制作をしている一端を垣間見ることができた。
 そのような状況を裏付けるように、「メディア青書・中国メディア産業発展報告(2015)」によれば、中国の昨年の広告売上高でインターネットが1500億元(約3兆円)超にのぼり、初めてテレビを上回り、一方で、新聞の広告収入は4年連続減少、その減少幅も15%に達したとの発表がある。中国のインターネット利用者は、2014年末で6億4900万人、その85.8%に当たる5億5700万人はスマートフォンを中心としたモバイル端末であるという。
 個人的な肌感覚で恐縮であるが、中国の都市部において、情報受発信ツールとしてのスマートフォンへの依存度が極めて高い。地下鉄の中、駅の待合室、レストラン、空港等あらゆる場所でスマートフォンを見ている人がとにかく多く、日本とは比較にならないほど多いという印象がある。例えば、中国の空港での搭乗待ち時間、おしゃべりをしている人以外、そのほとんどはスマホをいじっているという状況。たまに文庫本を静かに読んでいる人を見かけると、たいていは日本人である。(文庫本の文章が日本文なのですぐにわかる。搭乗後も引き続き読む人が多いと推察する)
 さて、中国の方々、スマートフォンで一体何をしているのか?一番人気は微信(英語名:WeChat)であろう。中国版LINEと表現すればわかりやすいが、実際にはFacebookとLINEの両方の機能を持つ。微信の最大の特徴は、自分が登録した仲間内だけで利用できる情報受発信機能があるソフトで、外部に広く公開する微博(中国版ツイッター)とはその点で大きく異なる。もともと、中国の方々はテレビや新聞を中心とした官製メディアよりも、身近で信頼できる方々からのクチコミ情報を好む傾向があり、微信を通して、クチコミ情報をネット上で手軽に交換できる機能は瞬く間に広がった。その内容は、個人的な日常の出来事、たわいもない自慢話など路地裏の世間話的なものが中心で、きめ細かくチェックするに値しない内容も多いが、一方で、生活上の便利情報、速報性のある特ダネ、政治的な内容も含む社会論評に至るまで、たまに貴重な情報がまぎれているので、結局は全く無視するわけにもいかず、地道に確認する毎日である。最近では、代購(代理購入ビジネス)、お店や商品の宣伝などビジネス目的での利用も多く、アポイントメントや業務上の資料・写真の送受信を微信経由で行うケースもあり、微信が仕事上で必要なツールとして利用せざるを得ない環境となっている。また、お金の支払いができる決済機能まで普及し、生活を便利にする必須ツールとして手放せなくなっており、気が付けば、日々微信に費やす時間は雪だるま式に増え、「微信疲れ」する毎日でもある。(わ)

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2015.6.24〈№150〉

○日中関係改善の動きと影響
 5月23日、人民大会堂での歓迎宴「日中観光交流の夕べ」に出席した。日本の訪問団総勢3千名が集まる大イベントで、当日夕方は、天安門広場の封鎖、附近地下鉄駅の利用禁止措置など中国側の徹底した対応ぶりには驚かされた。そして、最も驚いたのは、歓迎演説に登場した習近平国家主席の柔和な笑顔であった。日中友好の歴史や自らの体験を踏まえ、「中日友好の基盤は民間にあり、中日関係の前途は両国人民の手中にある」と未来志向で語られた日中友好へ期待は大変に心に響く内容であった。当然のことながら、マスコミ各社は政治家の発言として、表面上の意味よりも、その隠れた意図や国際情勢から来る裏事情などを競って分析しており、そのような側面があることも否定できないだろう。しかし、日中間を跨ぐ仕事をする関係者にとって、国家主席が日中関係重視の姿勢をここまで高らかに宣言したことは、日中関係改善の方向へ大きな前進、少なくとも日中関係のビジネス関係者にとって、今後の事業推進にプラスに働く要素として、大きな期待を抱かせる内容であった。
 
(「黒龍江省-日本経済貿易協力交流会」で演説する陸省長)
 このような動きは地方政府にも素早く波及、次世代の若きリーダーとして注目されている陸昊省長が自ら発案したという「黒龍江省-日本経済貿易協力交流会」が6月16日に北京にて開催され、黒龍江省政府幹部、現地有力企業及び日系企業関係者およそ350名が一堂に介する盛大な会合となった。陸省長の1時間にわたる熱のこもった演説、地元政府要人や省内有力企業幹部を集めてのビジネスマッチングなど官民挙げての大イベントの様相を呈していた。中国の地方政府幹部の海外渡航は厳しく制限されているものの、国有企業はもとより、中国各地で活躍し実力を持った民間企業のグローバルな活動が中国経済の大きな推進力となっており、その活力を日系企業、ひいては県関係企業が積極的に取り込んでいかなければならないことを改めて感じさせられた。
 折しも、今月13日から、大連市政府の全面バックアップのもと、「大連日本商品巡回展」が大連市中心部のオリンピック広場「野外特設エリア」で、9日間にわたって開催された。  
(「大連日本商品巡回展」の新潟県ブース)
 日本食品又は日本関連商品を扱う約50のブースが軒を連ね、新潟県からも2ブース出展、キッチン製品、ニット製品、水耕栽培設備など県企業関連商品の宣伝PR及び即売会を行った。連日の晴天と一定の集客力に支えられ、会場販売額は伸び、当初期待していなかった商談成約額も意外に伸びた。屋外催事で入場制限なしということで、幅広い所得者層が集まり、ワンプライスの百貨店とは異なり、厳しく価格交渉する客は数多かったが、販売コミッションが発生しない条件のため、割安感を感じた消費者も多かったことだろう。
 手軽なネット通販サイトや代購の売上急拡大、一方で、テナントの入り変わりが激しく、来場者も疎らな高級ショッピングモールが散見される中国消費市場を見るにつけ、溢れる商品を前に消費者からの細かい選別が行われる厳しい時代に入ったことを実感している。

(新潟県ブース内の商品・・・キッチン製品、ニット製品、水耕栽培設備)
 さらに、大連市内に「江戸小城」なる日本商品アウトレットモール設置計画が既にスタートしており、テナント募集、今年秋から試営業、来春には全面開業を目指した動きが本格化する。右肩上がりで伸びる購買力を背景に、更なる需要増が見込まれる日本商品、これに関係するビジネスチャンスを獲得する動きが急速に広がっている。

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2015.5.17〈№149〉

○大連に新潟県商品等紹介スペース設置
このたび、大連市内の喫茶店「扎西拉姆」(Coffee&Bar「安ちゃんの店」中山区万祥街6号伊家賓館1階、友好広場近接)の協力を得て、新潟県商品等紹介スペースを設置した。この喫茶店は、店内面積70㎡にカウンター席4席、テーブル席20席を有する独特の雰囲気を持つ店。日本語堪能な店主は、日本文化を理解し、日本商品にも高い信頼を寄せており、店内には日本の書籍や漫画等が並べられ、日本ゆかりの店であることを深く感じさせる工夫が施されている。最近の客層は7割中国人、3割日本人とのこと。本格ドリップコーヒーを提供する店として名高く、夜はショットバーとしても営業しており、流動客数も多い。

(店内カウンター席下の越後杉フローリング)
さて、店内を見渡すと、カウンター席下には、中国市場販路拡大を目指す糸魚川産越後杉のフローリングが敷きつめられ、店内中央には越後杉利用の特製タンスを設置、加えて、そのタンス上面のスペースに、中国人向け通販サイト「新潟館」商品を中心とする県産品が展示されている。
http://emall.chinapay.com/store/289254.html
(店内中央部に展示されている新潟県産品)
さらに、店の側面には新潟県観光ポスターが飾られ、店内の入口には、新潟県関係企業の中国現地法人が自ら開発し、現在、本格的に売込をかけている「水耕栽培設備」が設置され、店内の「癒しの空間」創出に一役買っている。

(店内入口に設置された「水耕栽培設備)
店の性質上、日本商品に高い関心を寄せる顧客が多いこともあり、商談につながる事例が次々と舞い込んでおり、今後とも、新潟県関係商品の情報発信拠点としての機能をさらに発揮していくものと期待している。
○各種商談会等の参加募集
当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等の参加企業を募集しています。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行います。現段階での計画は下記のとおり。
・9月1~6日 中国-北東アジア博覧会(吉林省長春市)
・9月25~27日 大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)
・11月開催予定  広東シルクロード国際博覧会(広東省広州市)
参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。なお、参加申込書等の詳細内容は、後日、当事務所ホームページにアップするとともに、希望する企業には直接送付する予定ですので、当事務所にお気軽に請求してください。 これまで同様、出展に係る費用負担は、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。

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2015.3.31〈№148〉

○物産展から垣間見る消費行動
 3月末日、年度末の東京株式市場は利益確定売りに押され日経平均株価が大幅反落する中、炊飯器・魔法瓶製造の某メーカーの株価は、前日比26.8%増のストップ高で取引を終えた。前日に第1四半期決算の大幅上方修正が発表され、この業績上振れのインパクトが主原因である。これには中国人観光客のインバウンド需要がとりわけ強い商品とされる炊飯器及び魔法瓶の爆発的売上が背景にあると見られている。実際、密封性及び保温性が極めて高い魔法瓶やスープジャーは、私が帰国のたびに頼まれる人気商品の一つである。そのほか、哺乳瓶等の子供用品、サプリメント等の健康食品、美容用フェイスパック等の化粧品など中国の友人や知人から頼まれる日本商品のお土産ラインアップは、今後の日本企業の業績を予想する上で大きなヒントとなる可能性を秘めている。
(瀋陽久光百貨店「ジャパンフェア」の新潟商品展)
 さて、今月開催した瀋陽久光百貨店「ジャパンフェア」の新潟商品展で、県産品の包丁の切れ味を商品ごとに細かく見定め、品質の違いを確認しつつ、意中の商品を購入する顧客を見かけた。そのほか、強火への耐久性があり焦げにくい鉄製フライパン、手動式みじん切り機なども中国で大人気の県産品である。 普段の生活を安全でより便利に快適なものにする道具を追求する中所得者層が急増する中国市場において、細部にわたり品質向上の努力を続けてきた日本商品に信頼を寄せ、理性的に消費行動する層が着実に増え、過度な贅沢品を避けつつ、機能や技術の高さにお金を払う余裕をもつ、成熟した消費行動が増えてきていると実感している。特に大都市圏の人々は、冷静な見方をしている人が多く、政治的摩擦や歴史問題といった世界とかけ離れたところに身を置き、自分自身の生活に根差した「日本観」を持っている人が大変多いことに気が付く。品質の高い日本製品を使った経験、快適だった訪日旅行での体験、周りの友人や知人から聞いた等身大の日本人の姿、そのほとんどが好意的で、驚きにも似た感想を持っている人々が多いのが実情であろう。
(新潟商品展で並ぶ鉄製フライパン、包丁)
 日本商品の多くは、「使ってみれば、その違いは誰にでもわかる」、ただし、過去を遡ると、価格が高いため、使ってもらうことが難しかった時代があり、現在では、所得水準の向上及び元高円安という経済環境の変化を背景に、商品の違いを理解できる中国の人々が増え、少なくとも都市部には巨大な市場が急浮上してきた。現状の日本商品に対する高い評価は、ブームに踊らされたものではなく、ブランドに依存した憧れでもなく、見栄えよいデザインだけに頼るわけでもなく、生活実感に基づいた高い品質を保証する真面目な態度が広く認知されてきた現象のように思えてならない。切れ味の良い包丁、安全安心で使いやすい鉄製フライパン、使い心地が良い手動式みじん切り機・・・。中国の人々の日本商品を見る「眼」の多くは、暮らしを便利で快適にする高品質な「お買い得」商品を冷静に判断できる水準にまでレベルアップしてきている。もともと中国の人々は、自分自身で見たもの、聞いたもの、経験したものを最優先に信じる現実派が多い。優れた日用品の特長そのもの一つ一つは些細なことかもしれないが、日常生活の中でこれら商品を活用する経験を通じて日本への信頼感を積み上げていく効果は大変大きいものと言えるだろう。(わ)

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2015.2.27〈№147〉

○大連に「体験型アンテナショップ」開店
 春節時期に急増した訪日観光客の「爆買い」は、高級百貨店、大型スーパー等の消費を激しく喚起し、日本ではテレビを中心にマスコミ各社一斉に春節商戦で賑わう中国人客の様子を報道したため、中国人マーケットの大きさと日本商品への信頼感を再認識した日本国民も多かったのではないかと想像する。90年代から2000年代初頭、中国への投資ブームに乗り、日本のビジネスマンが大挙して中国を視察訪問していた時代とは逆の動きであり、隔世の感がある。さて、かくも強い引き合いがある日本商品ではあるが、中国で日本商品を扱う常設実店舗のアンテナショップを運営するのは極めて難しい。立地条件の良い店舗には高い家賃がつきもの、高騰する人件費など維持運営に相当のコストがかかるため、売れ筋商品を常に確保しなければ維持管理で行き詰まる。信頼性が高い日本商品であれば簡単に売れるということは決してなく、むしろ、中国各地の現地事情を踏まえた市場調査やマーケティングへの取組はこれまでにも増して更に重要になってくると予想している。
 このような状況下、昨年12月に日本商品「体験型アンテナショップ」(日本製品中国市場販売支援会第1号店)が大連オリンピック広場の百盛デパート地下1階にオープンした。このショップの特長は、安価な費用でテスト販売ができる点、代理販売を希望する中国企業とのマッチングサポート、さらに、通販販売サイトへの誘導、具体的には、商品にQRコードを付加し、携帯端末で簡単にアクセスできる仕組みを順次構築していくとのこと。店内の半分に日本式パン屋及び喫茶コーナーが併設され、アンテナショップの維持管理の協力に充てる等、これまでのアンテナショップには見られなかった工夫が施されている。今年4月開業予定の地下鉄駅出入口のすぐ横という好立地条件を活かし、集客力アップにも期待したい。(わ)

(店頭には新潟県企業生産の米菓が並ぶ)
○日本産木材の中国市場開拓の可能性
 去る2月9日、糸魚川から越後杉販促を目的とした訪問団の来訪に合わせて、長興島輸入木材処理区の木材燻蒸施設を視察した。当該施設は昨年12月に国の専門機関の許可を受け、中国国内で3番目、中国東北地方では唯一の国家レベルの輸入木材処理区となっている。中国国内では既に木材伐採が原則禁止となる中、今後急拡大する木材需要に応えるため、木材加工処理も含めた大規模な木材集積地としての役割が期待されている。残念ながら、現段階では日本産原木は中国国内の木材燻蒸施設を活用することができないため、当該施設の活用(燻蒸前の丸太輸出)は中長期的な課題となっているが、これから大量に伐採期を迎える日本産木材の中国輸出量がどの程度見込まれるのか、今後の展開が鍵となってくる。
 さて、日本産木材の中国市場開拓について、すでに日本国内の他地域で取組事例は見られるものの、流通量はごくわずかで、杉やヒノキなど日本産木材の良さや特長はほとんど知られていない。中国は集合住宅中心で木造住宅は少なく、その木材需要は、構造材ではなく、床・壁等の内装や家具が中心となる。日本からの輸入木材となれば高級品に属するが、価格帯的には昨今の円安も追い風となり、その良さが理解できれば手が出ない金額ではなくなっている。今回、フローリング材として越後杉を選んだ新築住宅を視察したが、家主の奥さんが木の香りに敏感な人で、ナラ材など数ある木材から越後杉の香りを大変に気に入り、特別に選定した経緯があることがわかった。越後杉の色合いや温かみにも満足し、何よりも日本の品物は安全との家主のコメントが印象に残っている。杉の香りや木目、色彩等の特徴を活かした高級品市場を開拓していく際に、他の木とは違う越後杉の良さを前面に出した内装を、設計段階から現地の内装・設計業者と一緒になって宣伝開発していく地道な取組が必要であると考え、4月以降に設計業者を対象とした説明会を開く方向で準備を進めている。(わ)
(越後杉フローリング材使用の新築住宅一室)

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2015.1.31〈№146〉

○「代購」商品を取り巻く環境
 日本商品(日本製もしくは日本産商品、以下同じ)取扱の専門店、高級スーパーや百貨店で、日本商品の特設コーナーや催事を拡充する動きが目立っている。昨年来の急激な円安進行は、日本商品の仕入価格を押し下げる方向に寄与する一方、もともと高品質で高い信頼性を誇る日本商品は引き合いが強く、かつ、中国国内の所得水準の向上により中高所得者層が拡大する中、価格帯として買い求めやすい商品が増え、その市場規模も着実に大きくなってきている。

(天津伊勢丹 日本展「新潟物産展」開催)
 中国最大の通販サイト「淘宝網」等では、外国製品を販売するための「代購」(海外商品の代理購入サービス)サイトが非常に多い。その背景の一つに、「代購」を割の良いアルバイトとして、または、サイドビジネスとして荒稼ぎしている中国人留学生が、日本を含む世界各国に多く存在するという話を耳にする。実際、日本商品「代購」販売サイトで取り扱う商品は多種多様、時計バッグ等の有名ブランド品、化粧品、ベビー用品、美容家電、サプリメント、日用雑貨品まで、あらゆる人気商品がラインアップされている。「代購」の人気商品を見ると、中国人の嗜好や中国市場で不足のアイテムを知る上で良い参考となり興味深いが、驚くべきことは、その一部商品の価格の安さ。これにはカラクリがある。個人輸入であることに加え、なかには、知人や出張者など自らのネットワークを駆使して日本商品を中国大陸に持ち込んでしまう、いわゆる「運び屋」経由で仕入れた商品をネット経由で売りさばくケースも多いという。この場合、関税や送料の価格転嫁がないため、割安の販売価格が可能である。私の携帯電話にも「微信」(weixin)を通じて、毎日大量の「代購」商品が配信されてくる。人気が高い日本商品の「代購」販売量は莫大なものになっているものと思われる。
 昨年10月に訪日観光客向けの消費税免税制度が大幅拡充され、その取扱店も大きな広がりを見せる中、ビザ要件の緩和により訪日観光客の増加は今後弾みが付くことが予想され、関税や消費税を全てすり抜けて中国大陸で売買されていく商品も増えていくことだろう。大連で昨年オープンした日系大手ドラッグストアチェーンの店舗には日本で流行の化粧品や日用雑貨品が店頭に数多く並べられている。当然のことながら、その店舗内の外国商品は関税込の正規輸入商品であることから、一部に「代購」商品との価格差という面で非常に際立っている商品があり、昨今の「代購」商品の広がりは、実店舗の売上げを妨げる販路として無視できない存在になりつつあると聞く。恐らく、このような実店舗で実際の商品を手に取り、自分の目で確認した上で、「代購」経由で購入する消費者も数多いのだろうと容易に想像できる。今年の春節は2月18日から24日まで休日となるが、有名海外旅行サイトの旅行商品や予約データを見ると、2月14日から急上昇し24日を過ぎても多くの予約で埋まっている。どうやら、昨年実績を超える大量の訪日観光客が日本各地を訪れることは確実で、これら観光客が大量の免税商品を中国大陸に持ち込み、その商品の一部を「代購」市場に大量投入し売買することも又、確実なようだ。(わ)
○宅配便サービス急増の背景
 90年代終わりの中国留学時代、荷物の送付や受取のため、わざわざ郵便局まで出かける必要があったことを覚えている。その当時から15年余り、中国国内の物流状況は劇的に改善し、宅配便サービスの市場規模が爆発的に増えている。全国郵政管理業務会議によると、2014年の国内の宅配便の取扱個数は140億個に上り、前年比52%の高い伸びを示したという。実は、この市場拡大を支えているのが小売ネット通販市場の急成長である。「手切族」(ネット通販に熱中し過ぎて手を切り落として買い物できないようにするしかないと自嘲する人のこと)は最近の中国を象徴する流行語の一つ。昨年の「双11」(11月11日、中国最大のネット通販特売日)のたった1日で、主要通販サイトが受注した商品の宅配便が約5.1億個に達し、配送員を新たに25万人増員して配送に当たったという。まさに桁違いの数字だ。(わ)
      

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2014.12.3〈№145〉

○三菱商事(上海)中心に県展示スペース
 三菱商事(上海)中心は、三菱商事(上海)有限公司が上海マート(上海世貿商城)3階に設置している常設展示場で、上海市政府が高品質な輸入商品の展示等を通じた対外貿易促進を目的に国別の商品展示を進める中で、「日本商品中心」として批准を受けた施設でもある。同社の事業、関連商材を含む様々な商品を紹介するとともに、日本の先進技術や各地の伝統文化・行事・特産品などの紹介を行い、日中の経済文化交流の場を提供していく情報発信拠点の機能を有している。        
 2013年にオープンした第一期エリア(279㎡)に続き、今年4月に第二期エリア(580㎡)が正式オープンし、企業展示スペースのほか、日本各地の自治体と連携した展示スペースも順次設置中。新潟県展示スペースは当事務所により9月に設置、当初はポスター及び観光パンフレット展示のみであったが、11月には県特産品の展示を加えて、内容拡充を図っていた。折しも、11月19日~21日の新潟県上海訪問ミッションの中で、企業訪問団の方々に視察していただいた。
 なお、第二期エリアには、企業及び自治体展示スペースのほか、ビジネスプレゼンテーションに利用できる会議室、催事及びイベントに応じてカスタマイズできる展示スペースも設置され、幅広い用途に対応できるように施されており、利用価値の高い施設となっている。(わ)

(「三菱商事(上海)中心」新潟県展示スペースの様子)
○天皇誕生日祝賀レセプションで県PR
 11月27日、北京の日本大使公邸で天皇誕生日祝賀レセプションが開催され、中国政府や企業、大使館関係者など、約1千人の招待客が訪れ、大きな賑わいを見せていた。このレセプションには日系企業や自治体などを中心に展示PRブースが設置され、オールジャパンで日本の良さをアピールする内容になっている。当事務所も新潟県産品の宣伝(中国人向け通販サイト「新潟館」の販促http://emall.chinapay.com/store/289254.html )http://emall.chinapay.com/store/289254.html ) 及び県観光PR活動を行った。
(当県ブースで劉建超外務次官補に説明する様子)
 2年半ぶりに実現した日中首脳会談の直後ということもあり、友好的な雰囲気が非常に色濃く出ていた。中国側の主賓として出席した中国外務省の劉建超外務次官補をはじめ、複数の高官が出席していたとのこと。特に劉外務次官補は、中国外務省の日本部門を掌握し、対日交渉の窓口を担当する高官と目される人物。劉外務次官補が日本大使公邸の各展示スペースを一つ一つ丁寧に時間をかけて視察し自ら交流しようとする姿勢を見せていたことは、友好的な雰囲気を感じさせる象徴的な出来事であった。開幕式典終了後に足早に会場を後にしていた昨年までの中国政府関係者の様子とは大きく異なり、強く印象に残った。当県の展示ブースを訪れた際には、磨き屋24金仕上げ「ぐいのみ」を手に取り、絶賛してくださった。また、中国側招待客を中心にレセプション開始から終了予定時間が過ぎるまで客足がほとんど途切れることはなく、昨年とは様変わりの様相であった。
 これらのことをもって、日中政府関係の改善の兆しと見なすには少し拙速すぎるかもしれないが、近年冷え込んでいた両国政府関係に新しい風が吹き始めていることは間違えない。(わ)

        

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2014.11.6〈№144〉

○大連日本商品展覧会に出展
 10月16~17日の2日間の日程で、大連日本商品展覧会が開催され、当事務所の募集・取りまとめにより、県関係企業4社が出展した。昨年までの大連中日貿易投資展示商談会を改名して開催、過去の開催状況と比較して規模は変わらず、むしろ縮小の感はあったが、中国「内販」を目指す企業が日本各地から集まり、賑やかさを出していた。  さて、当県の出展企業の中に、県産杉で名高い「越後杉」の中国への販路拡大を目指して出展した企業があり、昨年に続いて2年連続の出展となった。ブース全体を使って子供部屋を再現、杉材を使った家具や調度品で趣向を凝らし、来客者から大きな注目を浴びていた。昨年は、中国でほとんど市場に流通していない杉そのものへの評判や反応を見ることがメインの出展であったが、今年は中国側のビジネスパートナーが前面に出て、価格交渉を含む具体的な商談を目的とした出展となった。すでに出展前から具体的な成約も出てきており、大連市内に「越後杉」のモデルハウスを建設する計画が進んでおり、今後の展開を大いに期待できる条件は整ってきている。

(大連日本商品展覧会の「越後杉」ブース出展の様子)
 中国木材需要の増加、中国国内伐採の制限、外国材の価格高騰、杉が本来持つ優位性(調湿効果、断熱性能、有害物質の除去等空気浄化作用等の健康面での効用等)に加え、元高円安の為替環境が価格決定で大きな追い風となることが予想される。
 10月31日の日本銀行の金融政策決定会合で、追加の金融緩和が決定された直後、円相場は1ドル112円前半まで円安が進み、およそ7年ぶりの円安水準に突入した。これを、人民元/円レートに着目すると、驚くべきことに気が付く。対ドルでは7年ぶりの円安水準であるが、対人民元は7年前の2007年の年次レート1元=15.5円と今年11月2日レート1元=18円前半と比較すれば、実に2割近くの元高円安水準、これは、対ドルで人民元高が進んできた結果でもある。最近で最も円高水準にあった2011年の年次レート1元=12.3円と比較すると、実に3年という短期間で約5割弱も元高円安方向に振れる為替環境の変化である。
 数年前までは、日本の杉の中国輸出は、外材との価格比較で非常に高かったため競争できない状況が続いていた。急速に進む円安は中国ビジネスの環境を劇的に変え、日本製品の中国輸出に係る新しい可能性を与える契機にもなっている。(わ)
○北京で日中知事省長フォーラム参加
 10月28日に中国人民対外友好協会、中日友好協会及び全国知事会の主催で第2回日中知事省長フォーラムが北京市で開催された。中国側は、李小林中国人民対外友好協会会長を始めとする省長〔省長(河北省、遼寧省、陝西省)、副省長(四川省、山東省、湖北省)、直轄市副市長(天津市)〕、日本側は、全国知事会会長である京都府の山田知事、当県の泉田知事を含む知事〔知事(京都府、新潟県、鳥取県、長野県、山口県、滋賀県)、副知事(広島県)〕が参加して、各地域の日中間における交流の現状や活動状況を発表し、その後、テーマ別(経済、観光等)に意見交換が行われた。
(フォーラム開催の様子。当県の泉田知事も参加)
 政治的な摩擦が燻る日中関係とは全く異なる友好的な雰囲気の中、両国で展開される地域間交流の歴史と現状、経済交流、観光交流、文化交流、人的交流など広範囲にわたる分野の中で、環境ビジネス、医療介護ビジネス、青少年交流、観光客の誘致など双方に利益をもたらす互恵関係に対する期待を再認識させる良い機会となった。(わ)
 

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2014.9.15〈№143〉

○高齢者介護ビジネスに関すること
 9月4日~5日、大連市政府関係機関等及びジェトロ大連事務所の主催により、日中高齢者産業交流会が開催された。この交流会は大連国際老齢産業博覧会との併催で、日中高齢者産業フォーラム兼個別商談会及び介護施設等視察で構成され、当該フォーラムには県関係企業を含む16の日系企業等約200名の出席者で賑わいを見せていた。
(日中高齢者産業フォーラム開催の様子)
 中国は2013年に60歳以上の高齢者が2億人を突破、今後も高齢者人口は増え続ける中、一人っ子政策等の影響で高齢化率が急速に高まっていく。一方、高齢化が先行して進む日本は、介護保険制度の運用等の政策面及び高齢者介護ビジネス等の産業面、この両面ともに先進地域であり、中国は日本に学び、かつ、日系企業の中国での事業展開に大いに期待している現状がある。
 中国の高齢化問題に関して、まずは固有の事情を理解する必要がある。「未富先老」、これは社会が経済的に豊かになる前に高齢化が進展する中国の現状を指す言葉であるが、経済発展と高齢化とが軸を一にしてきた日本と決定的に異なる点。さらに、都市と農村、東部沿海地方と西部地域など、経済発展の度合いが著しく異なる地域を抱えている国情もあり、課題解決は容易ではない。
 さて、現段階で、高齢者介護施設の利用者負担はどれくらいなのか?ジェトロ大連事務所の資料によれば、遼寧省の年金平均支給額(2013年)は月額1,849元、今回視察した介護施設は部屋代1,600元(公設)~、2,600元(私営)~、その他に食事代等の費用加算という現状。フォーラムの中で、「施設やベッド数を増やしても個人負担が高すぎて利用することができない」という現状が報告されていた。一般に、公営施設は三無老人(無収入、労働能力無、扶養者無)を中心に利用者が限られ、民営施設は高い費用が前提となり、施設利用者が広がりにくい背景がある。日本の介護保険制度に類する制度が中国では未整備という状況下、劇的な改善を望むことは難しいと言えよう。
 現状の中国政府の政策は、家族での介護機能の低下を前提に、高齢者介護サービスの強化を明確に打ち出している。具体的に言えば、在宅介護では支えきれない部分を「社区(一定地域内のコミュニティ)」のデイサービスやショートステイ、施設介護(老人ホーム等、公設と民営の併存)で補完していく方針を示している。現実には、高齢者の在宅志向は根強く、家政婦を頼んで高齢者の面倒を看るケースが増える中、介護の専門知識を持たない家政婦では、トラブルも多いという 。

(西崗区老人総合服務センター〔公設〕のパソコン室)
 最近数年の短期間に、法制度上、民間資本の参入促進策のルール明確化、外資系企業の独資設立許可等が規定され、中央政府レベルで、施設用地の優先取得や施設の建設・運営に関する補助金、各種税金の減免措置の拡充が示され、同時に、地方政府による高齢者産業の育成推進も急速に広がりを見せている。このような動きに対応し、大手介護サービス企業を含む日系企業の進出が数年前からすでに本格化している。介護施設の整備(土地所有含む)、介護サービスを担う人材育成、サービス運営ノウハウ、中国式収益モデルの確立など、高齢者産業への参入に関する課題は多く、これを日系企業単独の経営資源だけでカバーすることは著しく困難。加えて、各種の許認可を見据えた地元政府との関係構築は必要不可欠であるため、現地有力企業をパートナーとした事業展開が現実的な姿として想定される。(わ)

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2014.8.25〈№142〉

○中国駐在3事務所長、セミナー開催
 8月6日、クロスパルにいがた(新潟市中央区礎町通)にて、「最新中国事情セミナー」~北京・大連・上海 3所長が語る今の中国~を開催したところ、定員を超える申込をいただき、会場内ほぼ満席の参加者で賑わった。当セミナーでは、中国通の新潟日報社社長室の八木秘書主管を司会進行役に迎え、新潟市北京事務所の近藤所長、第四銀行上海駐在員事務所の土田所長そして新潟県大連経済事務所の渡辺の3名が、各事務所の活動内容及び経済事情や生活環境など各都市で若干異なる現地情報も併せて紹介させていただいた。
  3事務所とも県市関係企業の支援、特産品の販路拡大等のビジネスサポートは共通の活動内容。さらに、当県では新潟市、第四銀行、新潟県の中国の海外事務所が北京、上海、大連の3都市にバランスよく配置され、広い中国で事務所設置都市周辺の実情に通じた強みをそれぞれ補完し合う協力・連携体制を実際の業務の中で活かしてきた経緯がある。また、現任の3所長とも比較的長い中国駐在経験を持つという共通の特徴を持っていることも踏まえ、今回初めて実現した試みであった。
 会場からの質問では、高齢者介護ビジネスや一人っ子政策に関することが取り上げられ、中国が抱える社会問題に対しての関心の高さも伺われた。

(「最新中国事情セミナー」開催の様子)
 なお、中国の海外事務所という観点では、自治体事務所及び地方銀行駐在員事務所とも上海に拠点を構えるケースが圧倒的に多く、各々30超の設置数、その次に大連、香港が続いている。これは、ほぼ企業動向に比例する形、いわば経済交流の拠点の意味合いを強く反映した現状となっている。なお、自治体事務所の多くは、観光客誘致、航路航空路の利用促進等の業務も担っているほか、地方都市間で長年培った友好関係を活かす目的もあり、ハルビン(山形県)や瀋陽(佐賀県)に事務所を設置する動きが近年でも見られる。(わ)
○香港フードエキスポ、日本産品競争激化
 アジア最大級の食品見本市「香港フードエキスポ」(会期8月14~16日)が開催され、県関係企業5社(NICO募集取りまとめ、当該企業取扱商品:ラーメン、調味料、だし、日本酒、麺)を出展支援した。香港は、日本最大の農林水産物の輸出先で、全体輸出額の約23%を占める。今年は38都道府県252社と日本からの出展数では過去最大。
(香港フードエキスポで県関係企業出展の様子)
 香港では安心安全な日本産食品がすっかり定着し、日本食レストランも高級店から大衆向きまで数多い。フリートレードの香港とあって、日本からの出展商品は、和牛、米、ラーメン、スイーツ、お茶、野菜、果物など、幅広い食品が競うように並んでいた。これら商品は陳列試食だけでなく、料理方法や健康食品志向のライフスタイル提案まで付加価値を上げる仕掛けをセットにした売込みも目立った。また、「新鮮産地直送」「冷蔵デリバリー」等食品特有の物流体制、注文から最速翌日発送可能な「取り寄せ小口配送」の海外通販など、国境を感じさせない条件が既に揃っている。
 上海の期限切れ鶏肉問題がまだ記憶に新しい昨今、食の安全がクローズアップされるほど、安心安全な日本産食品への注目度も上がっていく現状、日本各地の特産品間での競争がさらに激化している。その証拠に、香港の高級百貨店や日系大型スーパーの品揃えは日本国内の小売店を凌ぐほどの豊富さ。そのような状況下、昨年の香港フードエキスポ出展の県関係企業の新潟産米が、他の日本産米よりも高い価格帯で、かつ、広い棚面積を占有して販売されている状況が目を引いた。(わ)
      

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2014.7.8〈№141〉

○日中間の観光客動向に関する転換点
 日本政府観光局(JNTO)によれば、2013年9月以降、中国からの訪日観光客(月別)が過去最高を更新し続け、2014年4月の中国からの訪日観光客は190.6千人、逆に、同年同月の日本からの訪中観光客は194.1千人(出典:中国国家旅遊局)まで落ち込み、ついに、訪日客数とほぼ同数の水準となり、日中間の観光客動向が転換点を迎えつつあることがわかった。日本からの訪中観光は強い逆風にさらされており、日中間の政治問題に加え、PM2.5大気汚染を筆頭とする環境問題、食の安全など、中国のイメージ悪化を助長させる要因が多分に影響しているといえよう。一方、中国からの訪日観光はビザ発給条件の段階的緩和、円安による割安感等のプラス要素が、日中間の政治的摩擦等のマイナス要素を上回る形で推移していることが容易に想像できる。近年の旅行形態は、一頃の団体旅行中心の時代から個人旅行にも裾野が広がり、東京、富士山、大阪、京都といった定番の観光地以外の多種多様な訪日観光を期待する層が着実に増えている。
 そのような中、先般の「北京国際観光博覧会」(6月27~29日)において、当県、福島県及び茨城県はクレア北京事務所と共同でブースを設け、日本海から太平洋に跨る広域観光ルートを提案した。当県を含む3県のほかにも、多数の自治体が競うように出展しており、ゆるキャラ登場、ノベルティーグッツの配布など、旺盛な訪日観光需要を取り込もうとする出展自治体のあの手この手のPR活動は、やや過熱感さえ感じさせる雰囲気を醸し出していた。
(太田国交大臣が博覧会で当県ブースを視察する様子)
 さて、個人的にここ数年で強く感じることは、中国の都市部若年層にとって、訪日観光が急速な勢いで身近になっているということ。中国版SNSの微博及び微信等により最新の情報が大量に配信され、興味があれば、携帯電話から即座に情報をキャッチできる時代。日本各地の個性豊かな特産品や流行ものを扱うショップ、地方色豊かで新鮮な食材を揃える居酒屋など、細かい具体的な情報を求める声が一層強くなってきていると感じる。最近では、日本製の化粧品や美容関連商品などの値ごろ感もチェック済という女性も多く、「周りに、観光や仕事で日本に行く友達がたくさんいるので、頼めば欲しいものは簡単に手に入る。ネットショップを利用しても高くない。」との言いぶりは、中国の都市部若年層の実態を如実に反映するコメントそのもの。
 一方で、減少の一途をたどる日本人の訪中観光の影響で、中国の旅行会社の日本語ガイドは苦境に立っている。彼らは、基本給プラス歩合制の給料形態をとっているケースが多く、日本人観光客の減少はそのまま自らの収入に直結するからである。アカシアが咲く頃の大連、以前は日本人団体ツアーで大いに賑わっていた記憶があるが、近年は日本人団体ツアーと思しきバスを街中でほとんど見かけなくなった。折しも、日本から中国への投資環境の悪化による日本語人材の雇用減も重なり、このままの状態が続くと、中国人の日本語学習熱が急速に冷めていくことを懸念する。学生の修学旅行や研修旅行を中心とする青少年交流事業は、残念なことに、国同士の政治問題に大きな影響を受けるため、減少こそすれ、大きな増加は期待できないだろう。また、中国国内の高級ホテル(四星、五星)への悪影響も大きく、特に日本との関係が強い大連では大変厳しい状況が続いている。これは、観光客の減少だけの影響ではなく、いわゆる「政府の贅沢禁止令」に端を発する宴会・料飲収入の減少が重なっており、今後も暫くは厳しい状況が続いていくことだろう。中国は、悠久の歴史を背景とした世界遺産を数多く抱え、多民族が多彩な文化を色濃く放つ地域であり、世界有数の観光資源大国でもある。多くの日本人の心の中に、このような特徴があることを忘れ去ってしまっているかのようである。(わ)
      

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2014.5.30〈№140〉

○大連長興島経済技術開発区を視察
 5月8日、「遼寧沿海経済ベルト発展計画(=旧五点一線計画)」に位置付けられる大連長興島経済技術開発区(臨海工業区)を視察した。長興島は揚子江以北で最大の島、大連市中心部から約130キロ、高速道路利用で1時間強の距離であり、利便性の高い場所となっている。同区管理委員会招商局の関係者によれば、各国企業の先進レベルの世界大型石油化学産業基地の成立を目標に掲げ、石油化学事業を柱として、同事業の川下企業の誘致に力を入れているとのこと。すでに日系企業の進出もあり、恒力集団(江蘇省蘇州市)の石油化学基地が本格稼働するなど、今後の開発区の発展の可能性も垣間見ることができるが、未だ発展途上との感は否めない。やはり、昨年の韓国造船大手STXグループの経営破綻、造船基地の閉鎖、それに伴う従業員の大量解雇の影響は大変大きいと想像する。広大な敷地にSTXの看板が未だ数か所で残されている光景は少し寂しくも感じられた。

 私自身、2009年に視察して以来5年ぶりの訪問となったが、その当時、造船会社STX集団の造船基地の本格稼働、その関連企業の進出の影響もあり、かつての「未開の島」は一変、その波及効果は絶大に見えた。人口増に伴う住宅開発が相次ぎ、サービス業拡大にも直接に繋がっていた。開発区側の当時の説明によれば、深圳、上海浦東、天津濱海新区と並ぶ重要な役割を担うとのことで、遼寧省書記を経歴に持つ李克強氏(現総理)のバックアップのもと、日本を含む世界各国の優良企業の誘致を積極的に行い、更なる活況を強く期待していたと記憶している。
 さて、中国商務省の統計によれば、今年第一四半期の日本の対中直接投資(実行額)は前年同期比46.7%とほぼ半減、製造業の大型投資案件が急減したという。これまでの十数年、地方政府はインフラ整備、産業誘致、都市開発を地域どうしで競うように進めてきた。特に産業振興の面では、外資誘致、国の事業誘致、さらに地方単独事業を積極的に実施してきたが、現状では非常に厳しい局面にあることが容易にわかる。同区管理委員会招商局の関係者は「数ある開発区の中で、当開発区の特徴は・・・」との言い方を再三強調していたことがその象徴で、地域間競争及びそれに伴う地方の開発区乱立を誰しもが意識しながらの企業誘致を続けている。
 中国各地の地方政府主導の開発計画等の推進によって、かつて多くの地域が経験した「土地収入⇒インフラ開発⇒産業誘致⇒都市開発⇒税収増」と続く好循環への期待は、もう既に限定的になっている。(わ)       
○各種商談会等の参加募集
 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等の参加企業を募集しています。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行います。現段階での計画は下記のとおり(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますのでご注意ください)。

・8月28~31日   延吉国際投資博覧会(吉林省延吉市)
・9月5~9日     中国-北東アジア博覧会商品展(吉林省長春市)
・10月16~17日  大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)

 参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。なお、参加申込書等の詳細内容は、後日、当事務所ホームページにアップするとともに、希望する企業には直接送付する予定ですので、当事務所にお気軽に請求してください。 これまで同様、出展に係る費用負担は、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。(わ)