株式会社柳都入船

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2015年04月02日
NICOpress121号

株式会社柳都入船
代表取締役 小関 孝之 氏

企画室長 岩井 久和 氏

平成26年春、伊達巻や錦玉子などを主力とする食品製造メーカーとして創業した株式会社柳都入船。江戸の老舗の味を継承していくという大きな使命を持って挑戦を始めた同社に、創業の舞台裏とこれからの展開について話を伺った。

伝統の高級伊達巻を継承するメーカーとして始動

東京で高い人気を誇る高級伊達巻を製造

正月のおせち料理に欠かせない伊達巻。東京の「つきじ入船」は、水を加えないで作る無加水製法の伊達巻を製造し、有名料亭から一般消費者まで高い支持を得てきた老舗だ。
そのつきじ入船が近年、職人の高齢化に悩んでいたところ、解決策として業務の製販分離を決意。つきじ入船の経営者と親交のあった株式会社柳都入船の社長が製造を請け負う形で、平成26年春に創業した。
同社で製造統括を担う岩井企画室長は、以前は新潟のかまぼこメーカーに勤め、つきじ入船の伊達巻には毎年感心していたという。「江戸の味らしく、濃厚で魚の存在感もあり、業界内でも一線を画す味です。その製造は温度、湿度を考慮し、てかりや粘りで生地の出来上がりを判断する職人技。受け継がれてきたその味、ブランドを継承していくことが、当社の使命のひとつです」と語る。

最高の味を守るというプライドと共に向き合う

伊達巻の製法は、つきじ入船の職人が直接指導。味を決める石臼を使った生地を作る工程をはじめ、手作業での巻きまで全てを伝授された。
従業員には常に「日本で最高の伊達巻を作るんだ、というプライドを持って取り組んでほしい」と伝えているという岩井企画室長。一方で、職人の感覚が頼りとなっている部分を、わかりやすく文書化して、今後に伝わる形で残していくことも、自分たちがやるべきことだと語る。
1年目はつきじ入船の伊達巻と錦玉子、そして都内の有名ホテルに納入している総菜の製造に専念。次年度からは自社商品のかまぼこや、新たな業務用商品を請け負い、経営を軌道に乗せていく計画だ。

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創業向け助成金の活用で設備・雇用を充実

資金面では、NICOの設備貸与と新規創業サポート助成金を設備資金に充てたほか、戦略産業創業支援事業の助成金で雇用面をフォロー。有期雇用だった従業員を正規雇用にした。「工場の改修で予想以上の出費がかかり、助成金はとても助かりました。また、職人技の世界なので、我々としては育てた社員に、長く勤めてもらいたい。そのためにも正規雇用にできてよかったです」。
話が出てから設立まで3ヵ月足らず、7ヵ月後に製造開始というスピード創業だったが、つきじ入船というパートナーの存在と、多くの支援によって良いスタートが切れたと語る同社。伝承と創造に取り組んでいく、同社の今後の展開に期待したい。

NICOのコレを活用!

設備貸与、新規創業サポート助成金、戦略産業創業支援事業を活用して創業しました。

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「手間がかかっても高級な味わい、本当の“おいしさ”を追求していきたいです」と語る岩井企画室長。
伊達巻用の生地を石臼で練り上げる工程は、職人の感覚が勝負。仕上がりを見極めるのが、最も大切な作業となる。
焼きあがったばかりの生地を熱いうちに、ひとつひとつ丁寧に巻すで巻き上げる。手作業ならではの緻密さが、伊達巻の上品な味わいにもつながっている。

【企業情報】
株式会社柳都入船
〒950-0831 新潟市東区下場25-3
TEL.025-385-7520 URL.025-385-7530

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