世界三大氷祭りの一つとして数えられ、冬のハルビン観光の一番の名所である氷祭りが、今年も開催を迎えた。今年の氷祭りは12月23日プレオープン、1月5日に正式開園され、料金は通常券で330元(約5,300円)であり、例年通り100万人以上もの多くの観光客が訪れると見込まれている。ハルビン氷祭りは、毎年12月下旬から3月頃まで開催され、今回で20回目。そのスケールと華やかさが大きな魅力で、今年は60万㎡という広大な会場敷地に、11万㎥の氷塊及び12万㎥の雪を使用し、2000個程の氷雪造形物を展示しているとのこと。氷雪展示物以外にも、氷雪に関する演劇や競技、アイスショーなども催され、また、体験型の施設や設備もあり、氷の滑り台、スケート、アイスホッケー、氷上自転車、ソリ、ゴーカート、遊覧列車など様々なものが用意されている。大晦日には年越しイベントも企画され、音楽フェスや打上げ花火、3Dプロジェクションマッピングショーなどが開催されたとのこと。
氷像や建造物の制作は例年12月頃から開始される。凍結した会場近くの河川「松花江」の川水を氷塊として取り出して、建造物等の基礎ブロックとして利用する。新聞報道によると、今年は暖冬の影響により例年よりも採氷時期の到来が遅れ、制作期間が短かったとのこと。また、好天が多く気温の高い日が続き、氷のできる量が少なく、氷の層も薄くて壊れやすい、非常に施工難度の高い年であったよう。しかし、こうした不利な条件にも関わらず、7000名超の作業員を動員し、交代制により昼夜を通して作業を続け、わずか15日間程の作業日数で主要な建造物等を完成させてプレオープンに間に合わせた。ただし、例年に比べての高温及び強い日差しにより、完成後も細心の注意による管理が必要となっているようである。なお、例年に比べて高温とは言え、十数度の零下ではあるので、訪れる予定の方はしっかりとした防寒対策が必要。また、低温下では携帯電話等の電池がすぐに消耗されるので、予備のバッテリーもお忘れなく。
航空路である新潟-ハルビン線は年間利用者数2万4千名程(H29年度統計)を有するが、その多くは中国からの利用者が占めている。航路の安定就航には双方向の利用が必要であるため、このハルビン氷祭りを目当てに日本から多くの旅客が訪れることを期待したい。(Y)
【参考】
ハルビン氷雪大世界ホームページ(http://www.hrbicesnow.com/m/index)
(会場入口) (会場内の様子)
(会場全景)
12月に入り、ハルビンの冬が本格化した。今年のハルビンは暖冬であり、例年に比べて気温の降下時期が遅く、降雪も無かった。中旬頃から厳寒化し、20日には市内全域に積雪があり、ようやく冬のハルビンらしい風景となった。
市の中心部を流れ、川沿いの遊歩道や広場がハルビン市民の憩いの場となっている河川「松花江」も凍結し、凍った川面を歩く冬の風物詩が今年も見られるようになった。松花江は中国東北地区を流れる大河で、黒龍江(アムール川)最大の支流である。源を北朝鮮との国境にある長白山脈の主峰白頭山の天池に発し、吉林省内を北西に、黒龍江省内を北東に流れて黒龍江へと流入する。全長は1927kmあり、河川交通により吉林省、黒龍江省ハルビン市、ジャムス市など沿岸の都市を結ぶ。ハルビン市の中心部を流れ、街を南北に隔てていることから、松花江より南を「江南」、北は「江北」という地区名で呼ばれる。コイ、フナ、チョウザメ、サケなどを産出し、温暖期には釣り人の姿も見られる。冬のハルビンの一番の観光名所である氷雪祭り「ハルビン氷雪大世界」は、この松花江の凍った河川を氷塊として切り出して、氷像や氷の建造物を制作する。今年の氷雪祭りは12月23日プレオープン、1月5日に正式開園とのことで、例年通り多くの観光客が訪れると見込まれている。冬の松花江では寒中水泳大会も開催され、また、スケートや犬ぞりを楽しむこともできる。
新潟県民にとっての信濃川と同じく、ハルビン市民にとって松花江は生活面や心情において大切な存在となっている。季節を通じて川沿いには人が集まり、人々は河川がもたらす様々な恩恵を享受している。こうした日本とは一味違った情景を求めて日本からの旅客が増え、航空路である新潟-ハルビン線が活用され、両県省の交流が更に深まることを期待したい。(Y)
(凍結した松花江の様子) (車の往来も問題無し)
(凍った河川の様子) (河川から切り出された氷塊)
(夏の松花江の様子) (美しい夕日も見られる)
2018年9月30日、黒龍江省の省都である哈爾賓市(ハルビン市)と同省副中心都市の佳木斯市(ジャムス市)を結ぶ高速鉄道が正式運行を開始した。この路線は両都市の頭文字を取って「哈佳快速鉄路」と呼ばれ、2014年7月着工、総額347億元(約5,673億円)を投じた全長343㎞、中国高地寒冷地帯における最長の高速鉄道路線となる。設計速度は200㎞/時、所要時間は最短で1時間58分(停車駅が最も少ない便)、運賃は1等席が192元(約3,110円)、2等席は120元(約1,940円)。以前よりハルビン-ジャムス間に鈍行鉄道があるが、その所要時間は5時間半程であり、この高速鉄道の敷設により大幅な時間短縮となった。
ジャムス市は黒龍江省東部に位置し、面積3.27万㎡、人口234.5万人(2017年)を有し、ロシア国境が近く対露貿易の重要地である。また、黒土の穀倉地帯である「三江平原」が市区域内にあり、農業生産地としても有名。この平原は湿地帯で以前は農業に不向きだったが、本県亀田郷の乾田化事業を実施した亀田郷土地改良区の協力で水利施設が建設され、農地開発を行った経緯があり、新潟県とも所縁の深い都市である。
また、哈佳快速鉄路の停車駅には、方正県がある。ここは旧満州開拓団が最後に辿り着いた地であり、この地で亡くなられた方のための合葬墓である「日本人公墓」が建立されている。当時は残留婦人や残留孤児が多くいたが、方正県の人々から養子として迎えられるなどの厚い世話を受けたとのこと。こうした残留邦人が帰国したり、その子孫が日本へ渡ったりするなどしており、方正県と関係のある日本在住者は多い。今年就航20周年を迎え、年間利用者数2万4千名程(H29年度統計)を有して本県のインバウンド観光を支える新潟-ハルビン国際線も、就航当時はほとんどが親戚訪問としてこうした所縁の地を訪ねる日本からの乗客であったとのこと。
国土が広大な中国であるが、主要都市間の交通整備はある程度完了しているように思う。その一方、地方都市内のインフラ整備はまだ途上で、黒龍江省でも多くの工事が実施中である。目下、ハルビン市と牡丹江市を繋ぐ高速鉄道の建設も進められ、既に試験運行段階に入っているとのこと。完成の暁には省内を行き交う高速鉄道は計3路線となり、交通利便性が一層向上する。この路線が新潟-ハルビン間の空の便と連携し、両都市の相互交流が更に活性化することを期待したい。(Y)
【中国残留邦人】
『昭和20年当時、中国の東北地方(旧満州地区)には、開拓団など多くの日本人が居住していましたが、同年8月9日のソ連軍の対日参戦により、戦闘に巻き込まれたり、避難中の飢餓疾病等により多くの方が犠牲となりました。このような中、肉親と離別して孤児となり中国の養父母に育てられたり、やむなく中国に残ることとなった方々を「中国残留邦人」といいます。(厚生労働省HPより)』
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/senbotsusha/seido02/index.html)
(高速鉄道車両) (佳木斯 高速鉄道停車駅)
(「哈佳快速鉄路」路線図)
(黒龍江省の高速鉄道敷設状況)
【写真等出典】
・新浪博客(http://blog.sina.com.cn/s/blog_7feff04c0102xsip.html)
・搜狐(http://m.sohu.com/a/245419414_151161)
・索安特(http://www.fssat.com/index/incx/picshow.aspx?class=90&pic=232)
2018年9月18日に公益財団法人「食の新潟国際賞財団」が佳木斯大学を訪問し、日本語学科学生との交流等を行った。2016年に同財団が訪問した際、新潟のPR展示室として「新潟館」を開設したが、今回はその整備・更新を目的の一つとしており、テレビモニターやガラス製展示ケースの新設、展示品の入替等を実施した。県ハルビンビジネス連絡拠点からも、茶器やステンレスカップ等の新潟県産品を新たに追加し、また、館内で放映するための新潟観光紹介VTRを提供した。
「食の新潟国際賞財団」は、亀田郷土地改良区理事長などを歴任した佐野藤三郎氏の足跡をもとにした財団。同氏は、農業には不向きな湿地帯であった黒龍江省の三江平原に農業水利施設を建設し、当地の農業発展に大きく貢献した人物である。同財団は、佐野氏の中国における偉業と足跡を辿り、その功績を後世へと伝えるとともに、現地の食糧生産や食品加工などの現状を視察し、今後の交流の可能性を探るため定期的に黒龍江省へ訪問団を派遣している。
(団員と学生の座談会) (新潟館)
(「新潟館」新設テレビモニター) (「新潟館」新設ガラス製展示ケース)
※展示室には佐野藤三郎氏の功績を紹介するパネルや新潟の郷土品、伝統工芸品などを展示。また、中国に進出している新潟の製菓企業の商品等も展示しており、訪れた方に文化だけでなく産業面など幅広い分野に興味を持ってもらえることを期待している。
上記の大学訪問の他、同財団の主導により新潟調理専門学校の講師及び学生を「和食交流訪中団」としてハルビン市内にある日本料理店「鈴蘭」へ派遣し、新潟-黒龍江省における食の交流事業を実施した。専門学校講師による包丁の研ぎ方、寿司飯の握り方などの基礎的技術のレクチャーや盛り付け方に関する理論的知識の講義、また、学生との実習・調理技術交流や新メニューの共同開発も行った。
佐野氏の三江平原開発を契機に黒龍江省と新潟県の友好提携へと繋がり、この友好関係は今年で35周年を迎えている。県ハルビンビジネス連絡拠点としても、こうした事業の実施をサポートしていくことで、新潟のことを知り、興味を持ってくれる方が一人でも多く増え、新潟の文化や食が黒龍江省に浸透していくことに助力したい(Y)
(盛り付け実演の様子) (試作した料理。揚げ物に新潟の「柿の種」を使用
するなど、新潟と黒龍江省の食の調和を演じている)
2018年9月14日から18日まで、ハルビン市国際会展中心で「第6回黒龍江緑色食品産業博覧会及びハルビン世界農業博覧会」が開催された。毎年9月に開催され、通称は「緑食博」。中国の農業生産基地である黒龍江省で、健康や自然環境に配慮した製品を中心とした食品関連産業の展示博覧会である。「緑色」とは有機食品であるとともに、農薬や化学肥料を極力使用しない、安全安心な食品の総称であり、中国でも食品の安全性に対する意識が年々高まっている。
会場の様子としては、黒龍江省内生産の食品では穀物類やハチミツが来場客に人気のようであった。海外からの出展品としては、健康食品や欧州・南米産ワインなど、最近の流行に合わせた商品が多かった。なお、日本からも1社が出展しており、キッチン用品などを実演・販売し、来場者の注目を集めていた。
また、この「緑食博」では、食料品の他にも食品加工機械の展示や、加工工程管理などのパネル展示による説明等も行われていた。特に最近では、生産性を上げるためにより効率性を重視した農業機械の開発や、ドローンを利用したIT管理分野などの展示もあり、農業業界の多岐に渡る広がりが感じられた。
今回は県内企業の出展は無かったが、農業分野に強みのある本県にとって当博覧会は絶好のPR機会である。原発事故による食品輸入規制が課題であり早期撤廃が望まれるが、食品以外でも農業機械や技術提携等の部門でも好機はあるのではないかと感じた。(Y)
(会場入口) (会場内の様子)
(日本企業の実演販売の様子) (農業用重機の屋外展示)
6月15日から19日までの5日間、市内にあるハルビン国際会展体育中心にて「第29回ハルビン国際経済貿易商談会」が開催された。会場はA区(国際エリア)、B区(中国国内エリア)、C区(黒龍江省エリア)の3区画があり、計1454もの企業・団体が参加し、2473のブースを展開した。国際エリアはロシア、韓国、日本の他、東南アジア及び欧州等からの38ヶ国・地域が参加し、連日多くの来場者で賑わっていた。中国国内エリアでは最先端の科学技術や各省特産品等を、黒龍江省エリアではお米やハチミツなどの農産品や農業機械等を展示・販売していた。今年の商談会は、黒龍江省内に企業を誘致し、省内企業の国外との繋がりを促し、国際化を促進すること及び投資を呼び込むことが目的であった。そのため、昨年までは大企業の出展を積極的に行って商談会の知名度向上を図り、今年は省内の中小企業を育てるため、国外からも中小企業の参加を積極誘致し、マッチングの機会を提供したとのこと。なお、商談会の特徴としては、中小企業の出展が多いこともあり、生活用品や食品などの軽工業に関する出展が多かった。
日本からは、新潟の他、黒龍江省と友好関係を結ぶ北海道と山形県が参加した。新潟は7社(うち、初出展は2社)が参加し、取扱う商品は鍋やキッチン小物などの金属加工製品、美容マスクやクリームなど各社様々であったが、いずれも新商品の市場調査や現地パートナー企業の発掘等に積極的に取り組んでいた。中国各地の商談会への参加経験がある出展企業から伺った話では、「来場者の興味や嗜好は各地で違いがある。広い中国では各地域に見合った販売戦略を立て、その地域が好む商品傾向や必要としている物が何かを見極めることが大切である」とのこと。また、県としてもブースを出展して、新潟の観光PRのため、観光パンフレットの配布や観光VTRの放映、中国SNSである「微信」で配信している観光情報等を紹介した。
来年の商談会は記念すべき30回目となる。これまで以上に盛況となり、参加者及び来場者がそれぞれ有意義な成果を得られるように、私も微力ながら尽力したいと思う。(Y)
(会場外観) (会場内の様子)
(新潟企業ブースの様子) (新潟県ブースの様子)
2018年5月29日に、ハルビン市内の花店にて、新潟花卉販売会が開催された。本イベントは、販路の新規開拓を目指す県花き振興協議会等が行うハルビンへの県産切り花の輸出事業の展開促進を図るものであり、県ハルビンビジネス連絡拠点としても現地サポート等を行っている。これまでの県産花卉に関するイベントは、「ハルビン新潟県産花卉フェア(2016年実施)」や「フラワーアレンジメント教室(2017,2018年実施)」など、生け花の実演観覧や体験型のイベントであり、花卉販売だけを実施するイベントは初めてであった。今回は、市内花卉関係者等に向けて新潟花卉の品質を改めて実感してもらい、県産花卉を中国市場へ浸透させるための取り組みとして実施した。
来場者は花卉関係者及び一般来場者の50名程で、販売品目は、「芍薬」と「グロリオサ」を用意。芍薬は中国でも生産しているが、新潟品種は花弁が大きく、色種も多い。グロリオサは中国では珍しいようで、興味を持つ来場者が多かった。来賓として黒龍江省政府商務庁からも幹部職員が訪れ、本事業の成功を祈念された。こうした交流を通じて、今後さらに県産花卉の魅力が中国市場に広がっていくことを期待する。(Y)
(新潟側主催者の挨拶) (販売会の様子)
(販売花卉:芍薬) (販売花卉:グロリオサ)
ハルビンにはハルビン太平国際空港という空港が一つあり、その国内線発着ターミナルが4月30日にリニューアルオープンした。ハルビン空港は1979年に開港し、国内線と国際線がそれぞれ別棟となっている。2017年の旅客出入数は1881万人(前年比15.6%増)、輸送機離着陸数は13.6万回(前年比12%増)であり、中国東北地区で最も忙しい三大空港のうちの一つとされている。こうした状況から輸送能力拡大と利便性向上を図るため、国内線と国際線を統合した新たなターミナルビルへの移設建設が進められていた。4月30日からの運用開始は国内線のみであるが、国際線の方も今後の運用開始に向けて整備が進められているところである。
ちなみに、ハルビンからは国内線で北京や上海などの大都市及びその周辺都市はもちろん、中国全土の地方都市と繋がっている。また、国際線はロシアとの接続が最も多く、その他、日本(新潟・成田・大阪)や韓国、タイなどが定期就航しており、中国における重要な国際空港として認められ、多くの利用者がハルビンを経由して各地へと旅行やビジネスに訪れている。新ターミナルの運用開始を契機とし、今後、ハルビンと新潟間の往来も益々盛んになることを期待する。(Y)
(新ターミナル全景)
(出発ロビー) (到着ロビー)
2018年3月24日から30日まで、ハルビン市内の日本料理「鈴蘭」にて、新潟県の主催で「第6回新潟フェア」を開催した。平成25年の第1回開催以来、黒龍江省での県PR活動の一環として、県産品の販路拡大や県への観光客誘致を図ることを目的として毎年開催している。
第6回開催では、現在、取組を進めているハルビンへの県産花卉の輸出事業を促進するため、新潟からフラワーデザイナーを招き、フェア開幕式にて県産花卉を用いたフラワーアレンジメントの実演を行った。また、店内各所にも花卉を使った装飾を施し、訪れた人々に新潟花卉を実感してもらい、期間中の来店者からは色鮮やかなチューリップと甘い香りのユリに好評を頂いた。花卉装飾の他、新潟ポスターの掲示や新潟観光VTRの放映、ネットショップ新潟館商品の展示強化なども実施し、店舗全体に新潟の風情が広がるよう演出を行った。こうした雰囲気の中、新潟へ留学や仕事で滞在したことのある人々を集めた「新潟同窓会」も開催し、参加者からは各々が持つ新潟への思いを語り合ってもらい、新潟に縁のある方々のネットワークづくりを図り、更に多くの分野へと交流の幅が広がるような機会とした。鈴蘭を訪れたお客さんに新潟を感じてもらい、多くの方々に新潟ファンとなってもらえるよう引き続き尽力していきたい。(Y)
 
(アレンジメント実演の様子) (店内の様子)
 
(新潟チューリップや百合を使った作品)
2018年1月27日(土)~28日(日)の2日間、ハルビン市花卉大市場(香坊区電碳路477号)及び卓展ショッピングセンター(道里区安隆街106号)において、新潟の花を紹介することを目的にフラワーアレンジメント教室が開催された。
中国における新潟県産花卉に関するイベントは、2016年10月の「ハルビン新潟県産花卉フェア」、2017年7月の「新潟生け花実演講座」に続いて3回目となる。
(会場の様子:ハルビン市花卉大市場) (会場の様子:卓展ショッピングセンター)
フラワーアレンジメント教室の参加費は無料で、午前・午後の各日2回、合計4回を開催し、各回20名程の参加者と、それに加えて見学者も20名程が来場した。今回は、これまでのようにPRだけを行うのではなく、今後の本格的な輸出販売に向けて、ハルビン市民の県産花卉に対する評価や反応を確認するため、自分の作品を持ち帰る参加者からは花材費等として200元を徴収することとした。日本の物価や空輸コストにより、中国産花卉との価格面での競争が難しいなか、如何にして新潟県産花卉の高品質さを理解してもらい、購入へと繋げていけるかが課題である。(Y)
(教室の様子:ハルビン市花卉大市場) (教室の様子:卓展ショッピングセンター)
2018年1月5日から8日まで、ハルビン国際会展中心で「2018ハルビン寒地博覧会」が開催された。毎年ハルビン市人民政府が「ハルビン氷祭り」の開幕に合わせて開催している博覧会であり、今回は、「中国(ハルビン)航空宇宙3D印刷材料並びに応用調整技術博覧会」と同時開催とし、寒地都市の経済発展へ寄与することを目的としている。
新潟県内からは1979年にハルビン市と友好関係を結んだ新潟市が「国際友好都市区」に出展した。
(入場ゲート)
会場は、航空宇宙3D印刷材料並びに応用調整技術展示区、寒地都市除雪設備技術等区、国際友好都市及び企業区、寒地緑色食品・冬季スポーツ用品・地域特産品区など、様々な区画に分かれていた。主催者発表によれば、参加企業等は1200社・団体、来場者は6000名であったとのこと。
(会場内の様子)
新潟ブースでは、新潟市の観光PRに加え、新潟県も観光パンフレットやポスターを展示し、来場者に新潟を知ってもらえるよう宣伝活動を行った。新潟ブースを訪れてくれた来場者の中には、新潟訪問経験がある方や、ハルビン市と新潟市が友好関係にあることを知っている方も多かった。また、県概要や観光情報の案内の他、県が取組を実施しているネットショップ新潟館(京東)の宣伝も行い、新潟が有する工芸品について興味と理解を持ってもらえるようアピールした。
全体的には物販スペースの集客が多く、食品販売ブース周辺は人混みがあった。試食や試飲も多く、やはり食品は分かりやすく来場者の興味を引くことができる。新潟ブースに新潟のお米や清酒は置いていないのかと尋ねられることもあり、一刻も早く中国の食品輸入制限が解除され、新潟の食の魅力を存分にPRできる日が来ることを願うばかりである。(Y)
(新潟ブース)
春節直前の2017年1月26日、現在建設工事中のハルビン地下鉄3号線が一部開通した。今回開通したのは高速鉄道のハルビン西駅と既存のハルビン地下鉄1号線とをつなぐ部分で、先行開通駅はハルビン西駅,哈西大街、医大二院の3つ。これにより、高速鉄道利用者の市内中心部へ移動がより便利になる。また現在、ハルビン市内は既存の1号線と交差する2号線と、1号線と2号線の既存駅を通る環状の3号線が建設中。全面開通は2020年前後の予定とされている。
(ハルビン西駅の地下鉄改札口)
目下、ハルビン市民の生活の足は1元で乗ることができる路線バスが主役。しかし自家用車の普及に伴い、特に通勤時間帯の交通渋滞が年々深刻化、地上を走るバスでは目的地にいつ到着するのか全く計算できない状況となっている。地下鉄網が整備されれば地上の自動車渋滞も緩和され、市民の生活の質も向上、より洗練された都市へ成長できると見込まれている。ただ皮肉なことに、この地下鉄工事が始まった数年前から、工事による交通規制で渋滞はさらに重症化しており、主要道路ではナンバープレート番号による規制まで開始された。地下鉄工事の看板には「明日の便利のために今日は我慢しよう」というコピーが掲げられ、何とか市民の気をそらしながら前に進むべく工事が行われている状況だ。
(真新しい地下鉄ホーム)
ソフト面でも全線開通に向けて整備が進められている。たとえば、今回の3号線一部開通に合わせ、ハルビン地鉄集団は記念乗車カードのセットを数量限定発売した。ハルビン市内では、地下鉄とバスを共通のICチップ付き交通カードで乗車することができる。現在はまだ駅券売機でチャージできないが、いずれは各駅の券売機でチャージできるよう準備中だ。走りながら進める中国式の管理方法だが、開通3年目ながら追加延線工事が進められている1号線についても、駅とデパート地下売場とを直結したり、駅構内にレストランができたり、ATMが設置されるようになるなど、順次整備が進められている。
(限定発売の3号線一期開通記念カード)
黒龍江省やハルビン市は、目下「雪と氷も金山銀山」をスローガンに観光資源開発に力を入れている。今回の先行開通も含め、市民のみならず域外からの観光客の便利に資するべく地下鉄網の整備を急いでいる。日本ではすでに新規に地下鉄を建設する都市は無くなってしまったが、より安全で効率的公共交通網の構築は、都市の発展に欠かせないものといえる。(J)
(今回開通したのは黄線の3号線の一部。赤線は既存の1号線。計画では13号線まである)
2017年1月4日から11日まで、ハルビン国際会展中心で「2017ハルビン寒地博覧会」が開催された。毎年ハルビン市人民政府が「ハルビン氷祭り」の開幕に合わせて開催。今回は「シルクロード経済ベルト沿線寒地都市経済の新たなチャンス」をテーマに、寒地都市としてのハルビンと「一帯一路」沿線都市との国際経済連携を意識。新潟県内からは1979年にハルビン市と友好関係を結んだ新潟市が「国際友好都市エリア」に出展した。
(会場看板)
今回は会場を3つの区画に分け、除雪機械を中心とした重機展示エリア、毛皮製品を中心とした今回初の服飾展示販売エリア、そして食品関連展示を含むエリアに新潟など各国8都市の友好都市のPRブースを設置。主催者発表によれば、16の国・地域から2,273ブースが設けられたとのこと。
(国際友好都市ブースエリア)
新潟ブースでは、新潟市の観光PRに加え、新潟県も観光パンフレットやポスターを展示。来場者に新潟を知ってもらえるよう宣伝活動を行った。新潟ブースを訪れてくれた来場者の中には、新潟訪問経験がある方や、ハルビン市と新潟市、また黒龍江省と新潟県が友好関係にあることを知っている方も多かった。説明に対しても熱心に耳を傾けてくれ、また日中友好に向け自らの思いを滔々と語ってくれる方もいた。
全体的にはやはり物販スペースの集客が多く、食品販売ブース周辺は熱気に包まれていた。やはり食品は分かりやすく来場者の興味を引くことができる。新潟も中国の食品輸入制限対象からいち早く抜け出し、その魅力を存分にPRしていきたい。(J)
(毛皮製品ファッションショー)
2016年10月8日(土)、ハルビン市の花卉大市場(香坊区電碳路477号)において、新潟の花を紹介する「ハルビン新潟県産花卉フェア」が開催された。海外で新潟県産花卉のイベントを開催するのは初めて。新潟県や花卉関連業者等でつくる新潟県花き振興協議会が主催した。
(オープニングセレモニー)
当日は、県産のユリの切花を中心に展示し、フラワーアレンジメントの実演も行った。また、新潟県出身の三味線奏者もイベントに参加し日本の雰囲気を演出。三味線の音色が会場に響き、多くの来場者が足を止め聞き入っていた。イベントの最後には来場者にフラワーアレンジメントやユリの花束がプレゼントされた。今回は1日のみの実施で、新潟県産花卉の紹介を主目的とし販売は行わなかった。
(フラワーアレンジメントの実演)
ハルビン市内で販売されているユリは、ほとんどが中国南方地域から輸送してきたもの。花の大きさや鮮度など品質面でも新潟県産品に優位性があり、新潟ハルビン空路を用い原価を押さえられれば十分競争力を持つというのが協議会の考え。巨大市場と言える中国への輸出に向け、まずは空路もあり距離も近いハルビンでテストを行う。今後は、本格的な輸出販売に向けた必要手続の確認や現地業者との協力体制構築を目指す。
(三味線演奏)
今回のイベントの様子は、地元メディアにも複数取り上げられ、多くのハルビン市民に新潟花卉を知ってもらうことができた。(J)
(ユリの展示)
2016年9月27日に公益財団法人「食の新潟国際賞財団」が佳木斯大学を訪問し、国際教育学部施設内に新潟のPR展示室「新潟館」を設置した。中国国内の大学施設内にこうした新潟PR展示コーナーが作られるのは初めて。
「食の新潟国際賞財団」は、亀田郷土地改良区理事長などを歴任した佐野藤三郎氏の足跡をもとにした財団。同氏は、「北大荒」と呼ばれ農業には不向きな湿地帯だった黒龍江省の三江平原に、亀田郷土地改良区等で培った灌漑排水技術をもとに農業水利施設を建設した。2002年には基幹となる「龍頭橋ダム」等の水利施設が供用開始。当地が「北大倉」と呼ばれる穀倉地域になるまでの発展に大きく貢献した。
(龍頭橋ダム)
佳木斯大学の国際教育学部には、日本語、韓国語、ロシア語、英語などの言語学科があり、学生たちが各国の文化に触れられるように体験施設の整備に力を入れている。この学部が持つ研修棟の1階には各国の文化を紹介する「国際文化体験館」があり、今回、この2階に新潟PR展示室「新潟館」を設置した。
(PR展示室「新潟館」)
展示室には佐野藤三郎氏の功績を知るための龍頭橋ダム建設当時様子を紹介する展示のほかに、新潟の郷土品、伝統工芸品などが展示されている。また、中国に進出している新潟のお菓子メーカーの商品等も展示されており、文化だけでなく産業面など幅広い分野に興味を持ってもらえるよう工夫してある。現地の学生や学校訪問者に見学してもらうだけでなく、学生の体験学習の中で展示物の伝統玩具等を実際に使ってもらうことを想定している。
(佐野氏の取組紹介パネル展示)
今回の新潟PRコーナーの創設は、財団にとっては佐野藤三郎氏の功績を当地の学生に知ってもらうことが主目的だが、学生にとっても新潟という日本の地方都市の文化を知ることで、日本を具体的に感じられるというメリットもあり、両者にとって有意義な展示となっている。今後も定期的に展示物のメンテナンスや追加をし、充実を図っていく。新潟のことを知り、興味を持ってくれた学生が一人でも多く日本語学習に励み、将来は新潟に行ってみたいと思ってくれることを願う。(J)
(新潟のPR展示)
2016年9月22日から26日まで、ハルビン市国際会展中心で「第4回黒龍江国際緑色有機食品産業博覧会及びハルビン世界農業博覧会」が開催された。「緑色有機食品」とは、環境に配慮し、肥料、農薬等の使用量について一定基準をクリアしたもので、エコで安全と認証された食品を指す。
(「緑食博」会場)
黒龍江省は中国の「食糧基地」として位置付けられており、現在は国内向けの生産が主だが、コメや小麦、トウモロコシや大豆等、多くの作付けが行われている。最近では中国でも食品の安全に対する希求が高まってきており、都市部での公害問題等から環境負担低減への関心も高い。黒龍江省も栽培時の肥料や農薬を減らす「緑色食品」業界の発展普及に積極的に取り組んでいる。
(黒龍江省はコメの一大産地)
「緑色食品」には、そうした原料段階での基準の他、食品加工時に適切な過程を経ているか、管理された施設で生産されているか等も含まれている。黒龍江省内生産の食品としては、穀物類の他にブルーベリーやハチミツが来場客に人気のようだ。 この「緑食博」では、食料品の他にも食品加工機械の展示や、加工工程管理などの取組展示も行われている。特に最近では、生産性を上げるためにより効率性を重視した農業機械の開発や、ドローンを利用したIT管理分野などの展示もあり、業界の分野的な広がりも感じられた。
(外には農業用重機の展示も)
海外からの輸入食品としては、健康食品やアフリカ・南米産ワインなど、最近の流行に合わせた商品が多かった。日本からの食品輸出という意味では、新潟県をはじめ一部地域の生産物については原発事故の影響で中国側の輸入規制が続いているため、まだまだ多くないのが現状だ。一方で、その生産技術、管理体制等の技術交流については中国側からの期待も大きい。毎年9月に開催されているこの緑食博に多くの日系企業が参加し双方の発展が促されることを期待したい。(J)
7月11日(月)から8月27日(土)まで、夏の繁忙期に合わせて空路直航便「新潟ハルビン線」が週6往復(月水木金土日)に増便された。期間中の利用状況は未発表だが、この増便を利用した訪日旅行ツアー等も多く組まれ、一定の利用客数があったようだ。新潟ハルビン線の平成27年度年間利用客数は、前年度比33パーセントの増(新潟県発表)となり、数字としては日中関係が冷え込んだ2012年以前の水準を上回り、1998年の定期航空路線開設以来過去最多となった。これは主に中国からの旅行客増が要因で、当時の円安状況下での比較的安価な旅行商品に対する人気や、「爆買い」目的での訪日のためと考えられる。最近では「爆買い」の勢いもピークを越えたという見方が多いが、この増便期間中の7月30日(土)には新潟空港国際線ロビー内に大手家電量販店の免税店が出店するなど、なお中国訪日客の消費に対する期待は高いままだ。
一方で、新潟ハルビン線を取り巻く状況も変化してきている。これまでハルビンから日本への直航便は新潟と大阪(関西国際、火木土)のみだったが、訪日客の増加に伴い格安航空会社が参入したこと等によって現在は名古屋(中部国際、月水土)、東京(成田、水土)といわゆる「ゴールデンルート」周辺の目的地へ直接到着する定期便ができた。これによりビジネス利用客や定番コースとして東京等を目指す旅行客にとっては便利になった反面、これまで新潟空港を利用していた旅行客が流れてしまうことも想定される。新潟にとって旅客数確保はもとより空路維持に対しても強力なライバル路線ができたことになる。また最近では、日本に複数回訪れたことがある旅行客にとっては北海道や沖縄がセカンドチョイスの主な候補として地位を固めており、結局は日本人の国内旅行者に対してと同じく、地域の魅力をいかに高めて発信していくかという「地域間競争」の局面を迎えている。
新潟は、これまでと同様に黒龍江省やハルビン市との友好関係を活かして航路を維持するとともに、これまでのターゲットだった「富裕層」向けの対策から、あまり個人消費単価は高くないものの、年々層が厚くなっていると言われる中間層向けのPRも必要になってくるだろう。実際に、「日本製」商品への需要にしても、高い独自技術を使った炊飯器や温水便座等の高価な家電や加工品等よりも、より日常的に頻繁に使用する消費財が求められてきている。ベビー用品や健康食品等、安価でありながら安全・安心な「日本製」商品への希求は増しており、今後も我々日本人の予想しない分野、商品が思わぬ人気を生むことも考えられる。まずは実際に新潟を訪れた各国旅行客にとって何が魅力なのかを知り、外国人観光客目線での情報発信を続けていくことが必要だが、さらに各国の潜在的旅行客が日本旅行に何を求めているのか現地で先取りして察知できれば、大きなアドバンテージを得ることができるかもしれない。たとえば新潟県は中国のSNS等を通じて各種情報発信を行っているが、同時に「代理購入(代購)」に励む中国人の様子をうかがうことができる等、中国中間層の実生活を知るための情報収集の場にもなっている。今後もこれら有用な情報ツールを活用し、引き続き情報収集を進めていきたい。(J)
6月30日から7月17日までの18日間、ハルビン市内を南北に分ける大河松花江の大きな中州「太陽島」で、「2016中国ハルビン国際ビールフェスティバル(以下、ビール祭り)」が開催された(入場料は平日30元、5人以上一括購入で一人20元)。「松花江に乾杯し、夏のハルビンに酔いしれよう」というスローガンのもと、「百家争鳴」ならぬ「百酒争香」と表現されるほどの盛り上がりを見せた。
ハルビンは、中国で最も早く1900年から生産が開始された「ハルビンビール」の生産地で、一人当たりビール消費量が中国第一位の「ビールの街」である。この「ビール祭り」は1988年に第1回が開催され、ドイツの「オクトーバーフェスト」等を参考にしながら、その規模は回を重ねるごとに拡大を続けている。冬の雪や氷の印象が強いハルビン市にとって、このビール祭りは夏の大きなイベントの一つであり、氷祭りと対をなす観光資源としての期待が大きい。会場も、冬の氷祭り「氷雪大世界」と同じ場所を使用している。
会場内にはハルビンビールや青島ビール、雪花ビール等の中国国産ビールだけでなく、ミュンヘン、パウラナー等のドイツビールやバドワイザー等の海外ビールメーカーのテントが並んでおり、一帯はビールの香りに包まれていた。ミネラルウォーターで有名な五大連池のビールも販売され、普段味わえないビールが多いのも魅力だ。各ビールメーカーのテント内では軽食の販売がある他、会場内には串焼きなどのブースも並ぶ。ビール片手に肉をほおばり、川辺の風を感じながらそぞろ歩くことができる。さらに、それぞれのテント内には特設ステージが設けられ、国内外から招かれた歌手やパフォーマーたちが、さながら音楽フェスのように会場を盛り上げていた。美味しい肉はビールとよく合い、さらに気持ちを盛り上げる音楽が鳴り鼓膜を刺激する。観光客も地元ハルビン人も、みな夏の夜を満喫していた。
主催者発表によると、期間中の来場者は総計60万人に上り、消費されたビールは100万リットルに及んだという。会場内では「力自慢コンテスト」も開催され、腕に覚えのある参加者が100㎏以上ある重りを持ち上げたり、重機用タイヤを転がしたりして腕力を競っていた。他にも、熱気球試乗体験やビールの歴史博物館、冬のハルビン体験コーナーなどイベントが多く催され、来場者を飽きさせない工夫が随所にみられる祭りとなった。(J)
6月15日から19日までの5日間、ハルビン市国際コンベンションセンターで「第27回中国ハルビン国際経済貿易商談会」が開催された。2014年から「中国ロシア博覧会」と同時開催されていたが、今年はこの中露博がロシアで開催(7/11-15)されるため、2年に一度開催される「第4回中国国際新素材産業博覧会」との同時開催となった。
今回はコンベンションセンターのA~Cの3ホールを使用し、Aホールはハルビン商談会出展の海外企業、Bホールは新素材博出展企業、Cホールは中国各自治体出展という配置とし、ハルビン商談会へは2,400以上、新素材博には900以上のブースが立ち並んだ。特に中国国内企業出展ブースでは、黒龍江省が農業省ということもあり、ハチミツやブルーベリー等、旬の農産品が多く並び、一帯を甘い香りに包んでいた。 主催者発表によると、5日間の来場者数は総計20万人以上を数え、前年の中露博同時開催回には及ばなかったものの、連日多くの市民や海外企業関係者等が訪れた。特に海外政府関係団体や経済貿易団体、学術団体等およそ100の国・地域から5千人以上が視察に訪れ、中国側開催主催者も対応に追われた。海外訪問団はロシアが一番多く、次いで韓国、日本、タイ等の順となった。
日本からは、黒龍江省と友好関係を結ぶ北海道、山形、新潟からの出展があり、日本産の輸入商品を扱うブースも含めて日本エリアとして形成され賑わいを見せた。新潟は県内企業等から5ブースの出展があり、金属加工品やキッチン用品等の展示ブースには多くの来場者が訪れたほか、企業間での商談についても積極的に参加されていた。ブース内では新潟の観光PRも行われ、観光パンフレットの配布に加え、中国SNS微信で配信している観光情報等を紹介、多くの新規購読者を得ることができた。
今回はメディア露出も積極的に行われ、会場内に各メディアブースが設けられたほか、期間中各ブースへのインタビュー取材も実施され、テレビやネットでのニュース報道を数多く見ることができた。新潟ブースへも取材があり、ネットニュースでインタビュー動画が掲載されるなど、通常の出展時以上に人々の目に触れる機会を作ることができたようだ。(J)
2016年4月23日土曜日に、ハルビン河北の黒龍江外国語学院ホールにて「2016ハルビン日本語交流会」が開催された。この交流会は2014年11月に第1回が開催され、今回が第2回目となる。ハルビン市内の日本語学習者が一堂に会し、日本語でのパフォーマンスやレクリエーションを通じて、他の日本語学習者と交流を図るため実施された。
この日はハルビン市内の各大学や社会人日本語学習サークル等、総勢500人超の中国人日本語学習者が参集し、会場は立ち見が出るほどの盛況となった。
今回は、新潟県も協力しながら、ハルビン市内の日本人教師が作る教師会が主体となって運営し、第1部では各学校や団体が日本語を使ったパフォーマンスの披露、第2部では参加者が互いに日本語を使って交流するという構成で行われた。
第1部のステージパフォーマンスでは、日本の童話の朗読や日本の歌の合唱、日本に関わるクイズ大会などが行われた。新潟県もここに出演し、スライドを使って新潟を紹介した後、新潟に関するクイズを実施し、正解者には新潟関連グッズをプレゼントした。学生の間では、友好都市であることや留学先としての知識から新潟の名前を知ってくれている人が多い印象だった。
第2部の日本語を使った交流の場では、ハルビンに留学している日本人学生10人ほどもネイティブスピーカーとして参加し、中国人学生と共に日本語で日本のことやハルビンのことなどを話し合った。
その他、会場となった黒龍江外国語学院の学生が作成した開催ポスターや日本文化紹介コーナー展示など、随所に工夫が凝らされ、来場者を楽しませていた。
現在、ハルビンには日系企業も少なく、また日本からの留学生も少なくなってきていることもあり、日ごろ日本語学習者が日本人と交流する機会はとても少ない。学校によっては日本人留学生がいないところもあるため、こうした日本人教師以外の日本人と日本語を使って話す機会はとても貴重なものになっている。また、他の学校の日本語学習者と交流することで自らの日本語能力を見直し、学習意欲を高める絶好の機会にもなっているようだ。参加した多くの学生からも今回の取組を評価する声が聞かれ、また定期的に、頻繁に実施されることを望む声をもらうことができた。(J)
「ハルビン国際氷雪祭り」は1985年から始まり、日本の札幌雪まつりと共に世界4大氷雪祭りに数えられる大きなイベントとなっている。
その中で最も規模が大きい催しの一つが、ハルビン市を流れる松花江の中州を会場に開催される「ハルビン氷雪大世界」である。
このハルビン氷雪大世界は1999年から始まり、17回目となる今回は、2015年12月22日にプレオープン、翌2016年1月~2月いっぱい開催された。
この70日の期間中に訪れた来場者は延べ110万人に上り、営業収益はおよそ3億元(50億円超)に達した。多い日には一日4万人以上が入園したとのこと(主催者発表)。
今回は、中国の国家的「一帯一路」のテーマのもと、世界との氷雪文化の結節点となるよう意識され、国際色豊かな展示内容となった。
期間中は、大小2,000以上の氷の建築物や像が展示され、イルミネーションに飾られた色とりどりの鮮やかな姿を見せると共に、世界各国の様々なアトラクションや、トナカイが引くソリ、巨大な氷の滑り台やスケートなど、子供たちも楽しむことができる様々なアクティビティが用意された。 なお、これら氷像に使われる氷は、毎年松花江の凍った川面から切り出した氷を使っているとのことで、ハルビンのマイナス30度を下回る厳冬期には、川面はトラックで渡れるほどの厚さに凍ってしまう。
今回は、平日休日や昼夜の区別なく、一律一般客300元、ハルビン市民は160元の優待料金に統一し、分かりやすい料金体系が設定された。なお、春節後の2月14日~29日の期間は優待範囲を拡大し、黒龍江省の全住民が160元で入場できるようになっていた。
今回の開催に際しては、国内外の多くのメディアに取り上げられ、その魅力は年々多くの人々に知られるようになっている。日本も新聞社などが公式取材に訪れ、ハルビンの冬の祭典を報じていたようだ。
また、緑色有機食品など、黒龍江省の農作物や産業の特徴をPRする内容も展示され、来場者にハルビンや黒龍江省を理解してもらうための取組も行われた。観光をきっかけに、黒龍江省の経済発展にも寄与するような運営が図られているようだ。
今回は、新潟県知事も1月の省長会談に併せてこの氷雪大世界を初めて訪れ、氷の巨大滑り台等を楽しんだ。
今後、このハルビン氷祭りを目当てとする日本からの旅客が増えれば、航空路である新潟ハルビン線もさらに活用され、両県省の交流も濃いものになっていくだろう。(J)
2016年1月15日から30日まで、ハルビン市内の日本料理「鈴蘭」にて、新潟県の主催で「第4回新潟フェア」を開催した。
日本料理鈴蘭には新潟県産品を常設展示するコーナーがあり、来店者が自由に見学することができる。新潟県の観光パンフレットやネットショップ「新潟館」のチラシも展示されており、同店はハルビン市内で新潟県の魅力に日常的に触れることができる貴重な場となっている。
今回は、15日のフェア開幕式に新潟県知事が参加、黒龍江省側からも副省長や海外担当部門の代表等が出席し、テープカットによりフェアの成功を祝った。
期間中は、常設の新潟県産品展示コーナーの拡大設置や、各種新潟県PRポスターの掲示を行ったほか 、新たに新潟県の観光PRビデオを上映するなど、来店者に対してさらに新潟を感覚的に捉えやすく、また具体的なイメージを抱いてもらえるような展示を行った。
さらに、これまで新潟から料理人を派遣し指導し、新潟メニューとして定着している料理を集めて「新潟料理」として差し込みメニュー化したほか、店外看板に「新潟拉麺」の文字を入れてもらうなど、さらに「新潟」の文字が来店者の目に入りやすいよう取り組んだ。
また、新潟メニューを注文してくれた来店者には、新潟トランプや卓上カレンダー等のノベルティグッズが当たるくじ引きを用意し、帰宅後も新潟を思い出してもらえるような企画も実施した。
今回は、黒龍江省内のニュースサイト記者による取材もあり、独自の宣伝以外にも広くハルビン市民に知ってもらうことができた。
外国の都市との交流にはいろいろな形があるが、はやりまず分かりやすいのは食を通じた交流だろう。おいしい料理を食べれば、必ず印象は良くなる。料理をきっかけに話題も増えるし、本場の料理を食べに現地に旅行に行きたいと思ってくれるかもしれない。料理で新潟の名前を覚えてもらえれば、新潟に関する情報に対しても敏感に反応してくれるようにもなるだろう。まずは食を通じた交流をきっかけに、ハルビン市や黒龍江省内、そして中国国内へ新潟のファンを増やしていきたい。(J)
2016年1月5日から7日まで、ハルビン国際会展中心で「2016ハルビン寒地博覧会」が開催された。当博覧会はハルビン市人民政府等の主催ということもあり、新潟からは1979年にハルビン市と友好関係を結んだ新潟市が主体となって「国際友好都市エリア」に出展した。
会場は3つの区画に分けられており、除雪機械を中心とした重機展示スペース、各地の食品や物産などを販売する物販スペース、そして新潟を含む各国際友好都市をPRするスペースが開設された。主催者発表によれば、16の国・地域から800以上の企業・団体が参加し、1,200ほどのブースが設けられたとのこと。
新潟ブースでは、新潟市の観光PRに加え、新潟県も観光パンフレットや新潟県産品を展示し、来場者により深く新潟を知ってもらえるよう宣伝活動を行った。
新潟ブースを訪れてくれた来場者の中には、新潟訪問経験がある方や、ハルビン市と新潟市、また黒龍江省と新潟県が友好関係にあることをご存知の方も多かった。我々の説明に対して熱心に耳を傾けてくれ、また自らの思いを滔々と語ってくれる方もいた。
また期間中、地元テレビ局等4社の取材があり、中には即日ニュースの中で取り上げてくれた社もあった。今回の参加によってさらに新潟の知名度が上がることを願いたい。
全体的に見ると、やはり物販スペースの集客が多く、食品販売ブース周辺は熱気に包まれていた。今回は、中国政府の「一帯一路」の政策を反映し、陸路のシルクロード経済圏沿線の国や地域が、各地の魅力的な産品を展示・販売しており、ハチミツや農畜産物が目立っていた。やはり食品は分かりやすく取っ付きやすい展示となるので、新潟も中国の食品輸入制限からいち早く抜け出し、その魅力を存分にPRできるようになることを期待したい。(J)
現在、新潟ハルビンの空路は直行便で結ばれているが、これまで週4往復(日月水金)だったものが、7月21日から週6往復(日月火水木金)に増え、さらに9月1日から週7往復(日月火水木金土)と増便され、現在は毎日往復便が飛んでいる状態(デイリー化)になっている。
これを受け、デイリー化初日となる9月1日には、新潟空港で消防車による放水アーチによる航空機出迎えが行われ、新潟空港ターミナルでは「ハルビン写真展」が開催された。
また、この日、デイリー化初日の便に搭乗し新潟県から観光・交通関係の代表団がハルビンを訪れ、黒龍江省旅行局や国際担当部門などの代表と面談し今後の交流推進に向けて協議した。増便された空の便を有効に活用し、今後の双方の観光客増加を目指して新潟県側から協議・提案がなされた。
まず、ハルビンから新潟や日本の他の地域を訪れる中国人観光客の多くは、ショッピングをその大きな目的の一つとしている。新潟でもその目的を十分達せられることをPRする必要があるとし、今回は新潟市内の商店や商業施設の担当者等が10社ほど同行し、黒龍江省内の旅行者などに対して新潟でのショッピングの魅力をアピールするとともに、実際にどのようなものが好まれるのかを協議し相互認識を深めた。
また、新潟からハルビンを訪れる日本人観光客増加のためには、まずは新潟でハルビンの観光地としての魅力をPRすることが必要であるとし、黒龍江省の旅行社や関係機関が新潟を訪れアピールする機会を設けることを提案した。
最近では、中国国内の高速道路や高速鉄道もかなり整備されてきており、黒龍江省全体だけでなく、近隣の吉林省、遼寧省等の各地とハルビン空港とのアクセスが容易になりつつある。
これまでは、新潟で中国人観光客を受け入れる側となる商業施設担当者がハルビンを訪問し旅行社等と協議する機会は多くなかった。今回の訪問が、これら民間業者を含めた中国人観光客誘客の取組をさらに積極的なものにするかもしれない。
今回の提案内容が実現し、より多くの人々にお互いを知ってもらい、往来や交流の機会が増えれば、新潟ハルビン線の観光面での需要も増し、新潟空港や新潟県の拠点性がさらに高まることにつながるだろう。(J)
昨年、ハルビンから出発した海外渡航者は約60万人に達し、同期比で24.8%増加した。現在、ハルビンには14の国際航空路線があるが、最も人気が高い訪問先は、ソウル、台北、新潟の順になっている。
昨年、ハルビンから韓国への海外渡航者は約30万人に達し、渡航者全体の半数を占め、2013年より30%増加した。韓国渡航者の中で、23.4万人の目的地はソウルであり、ソウル行きのフライトは深夜便でも満席が続く人気ぶり。
ハルビンから日本への定期航空路線は、ハルビン・新潟線、ハルビン・関空線があるほか、地元旅行社によるチャーター便運航もあり、ハルビンから日本へ出発する渡航者は2013年より30%増え、3.4万人に達している。また、今年2月から3月までハルビン・茨城線の連続チャーター便が運航されたが、客足は好調であったという。最近では、春節ツアーに加え、桜鑑賞の旅行商品が大人気となっており、予約が取れないほどの盛況ぶりとのこと。
海外渡航者数が多い都市として、上海、北京、広州、深センが挙げられるが、長沙、ハルビン、福州などの省都でも海外渡航者が右肩上がりで増えている。中国で最大のチケット予約ウェブサイト「携程旅行ネット」によると、海外渡航による消費額も増えており、その金額は60億人民元に達している。一人あたりの平均消費額の多い都市は北京市、太原市、上海市、昆明市、ハルビン市がランクインしており、商品の種類として、化粧品、服装、健康食品、家電の人気が高いとのこと。(ぼ)
○ブロガー招待
1月22日、ハルビン在住のブロガー(weibo、we chat等のSNSで積極的に情報を発信している方)を招待してのPRイベントを開催した。今回のイベントは日本料理鈴蘭にて販売している新潟ラーメンの試食、ネットショップ「新潟館」にて販売している商品の試用を通じて、新潟の魅力を体験してもらおうというもので、イベント開催後には各自のSNS上で、イベントの様子や新潟ラーメン、新潟館商品を宣伝してもらうことも目的とした。
当日は、記者、教師、国営企業職員、政府関係職員など、様々な職種の方から参加いただき、県側から簡単に新潟の概要、観光等について説明した後、新潟館商品、新潟ラーメンの特徴等について理解を深めていただいた。また、SNSを使用した宣伝方法、新潟館商品に対する印象等について、参加者からも多くの意見を聞くことができ、非常に有意義な会となった。
イベント開催後に発表していただいた各自のSNS上にも非常に多くの反応があり、weiboにおける閲覧数が1週間で3万人を超える内容もあった。内容を見てみると新潟ラーメンに対するコメントが非常に多く、今後もこの新潟ラーメンを上手く活用しながら、新潟の食、文化を発信していきたいと考えている。また、新潟館商品については、やはり実際に使用してみて魅力を感じる方が多く、今回のイベント開催時もタンブラーや爪切りが非常に好評であった。ネットショップでの販売に繋がることを期待している。(た)
○十日町市観光説明会の開催
12月18日、新潟県十日町市が黒龍江省ハルビン市を訪問し、旅行各社を招待しての観光説明会を行った。会場は「新潟の間」を開設するなど、当県のPR拠点として関係を強化している日本料理鈴蘭の3階ホール、ハルビン市内5つの旅行社から参加をいただき、全体説明会を行った後、個別商談会を実施し、今後のツアー商品作成に向けた交渉を行った。全体説明会の内容は、市の概要から、現在国内外にて注目を集めている「十日町雪まつり」「大地の芸術祭」(※)等のイベントに合わせた旅行プランまで多岐に渡った。旅行社から十日町市の魅力を実感していただき、今後の具体的なツアー実施に向けて、多くの前向きな反応を得ることが出来た。
(全体説明会様子)
今回のイベントを通じて、中国人観光客が大量に日本を訪問している昨今の状況の中で、大都市以外の特色ある観光地についても関心が高まっていることを改めて実感するとともに、実際の旅行商品作成に向けた課題等も明確となった。今後、具体的に旅行社との交渉を進めていくことになるが、十日町へのツアー実現に向けて、当県事務所としても最大限の協力をしていきたいと考えている。(た)
※「第66回十日町雪まつり」
・2015年2月20日~22日
・http://snowfes.jp/
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」
・2015年7月26日~9月13日
・http://www.echigo-tsumari.jp/
○ハルビン中日交流会
11月22日、黒龍江省ハルビン市、黒龍江大学内の講演ホールにて「ハルビン中日交流会」を開催した。今回のイベントは新潟県とハルビンふれあいひろば(※)の共催という形で、ハルビン市内の大学生、日本人留学生のほか、日本への留学経験のある社会人など、全体で300名を超える参加者が一堂に会し、日本語を使ったレクリエーションや出し物を通じて交流を行ったものである。また、レクリエーションの一つとして、新潟県の概要や特産などの紹介を行った。
今回のようなハルビン市内全体の学生や社会人を集めての日中交流イベントはこれまでに例が無く、イベント終了後には「非常に良い交流の機会になった」「今後交流を積極的に行っていくための活力をもらった」などのコメントを多くいただいた。今回のイベントを通じて、それぞれの参加者が大きな収穫を得ることが出来たようである。新潟県としても、これからの交流を担う若者に対して、当県への理解を深めてもらう良い機会となった。
日本人と交流する機会がほとんど無い日本語学習者が数多く存在するハルビンにおいて、このようなイベントを開催することは非常に大きな意味を持つ。今回のイベントを機にハルビンでの日中交流がこれまでに増して活発になることを期待している。(た)
※ ふれあいひろば事業 国際交流基金(JAPAN FOUNDATION)による事業。日本の最新情報や日本人と接する機会が少ない中国の地方都市において、青少年層を主な対象に対日理解と交流を促進する「ふれあいの場」を開設。日本の最新情報(雑誌、書籍、映像資料等)に触れることができ、また、日本の大学生・留学生や在留邦人、現地中国人の協力を得てさまざまな日中交流イベントが行われている。ハルビンでは黒龍江大学内に設置されており、大学側が管理運営を行っている。
○黒龍江省食品企業ハバロフスク市訪問
11月26日、27日、九三グループ、北大荒グループ、北味菌業、高泰食品など、黒龍江省の有名食品企業20社がハバロフスク市を訪問し、現地食品企業とのビジネスマッチングを行った。今回のビジネスマッチングは黒龍江省政府とハバロフスク市政府が共同で開催したもので、ロシア側からは50社余りの参加があった。訪問期間中は食品の輸出入だけでなく、技術提携まで商談が及び、参加した多くの企業はロシア企業との提携について大きな可能性を見出したとのこと。
近年、黒龍江省政府は同省の緑色食品(有機食品)について、専用の展示販売施設(黒龍江省緑色食品交易センター)を建設するなど、この分野における国内外への宣伝、ビジネスマッチングに力を注いでいる。今後ロシア市場に積極的に参入していくためには、ロシア市場の基準、消費傾向等についてより詳細な研究が必要とのことだが、ロシア政府のEU及びアメリカ市場に対する食品輸入禁止に伴い、ロシアの食品市場に参入する大きな機会が来ているというのが、今回のビジネスマッチングに参加した企業の共通認識である。(た)
○県ハルビンビジネス連絡拠点3周年記念イベント「新潟フェア」開催
10月9日~23日、新潟県ハルビンビジネス連絡拠点3周年記念イベント「新潟フェア」がハルビン市内の高級日本料理店「鈴蘭」にて開催された。昨年から引き続き、今回で3回目の開催となる。会場となる鈴蘭は、昨年の新潟県黒龍江省友好提携30周年を記念して設置された新潟県産品PRコーナー、特別メニュー「新潟ラーメン」「新潟タレカツ」の提供等を通し、当県関連の情報発信拠点として、これまでも広く活用されてきた場所である。
(特別個室「新潟の間」の様子)
(越後杉特製の「新潟の間」看板)
今回のフェアの主な内容は、 ①新潟ラーメンの販売促進(新潟県特製トランプのプレゼント)②ネットショップ「新潟館」商品の宣伝(店内数ヵ所への商品展示、来店者による商品試用、期間中購入者へのプレゼント実施)③観光PR(観光説明会の開催、各種パネル等の設置)であった。さらに、今回のフェア開催に併せ、同店舗三階に新設された特別個室「新潟の間」の除幕式を行い、黒龍江省政府関係者等を招待して、その宣伝PRを行った。この「新潟の間」には、県産杉である「越後杉」特製の看板を設置、新潟県の特産品や伝統工芸品を装飾するなど、新潟の魅力を体感できるような工夫が施されている。今回の活動を通じ、これまでの2回のフェアと比べて、より多くの具体的な意見、感想が寄せられ、反響の大きさを実感するに至った。
(新潟県産品PRコーナー)
(新潟県写真紹介コーナー)
18日にはハルビン招商国際旅行社の協力のもと「新潟観光説明会」を開催した。新潟県側から新潟県の概要や新潟旅行の特徴等を説明した後、同旅行社から、個別の観光地等の紹介を含む具体的な旅行商品の説明をしていただいた。参加者はいずれも日本への関心が高い政府関係者や会社責任者が多く、説明会開催後にも多くの質問が寄せられ、新潟観光を実際に検討する良いきっかけになったとの感想も聞いている。
(新潟フェア開催宣伝の様子)
(新潟県観光説明会開催の様子)
日本料理店「鈴蘭」のオーナーや関係者の全面的な理解と協力の下、新潟県の情報発信の拠点として、これまで同様、今回も新しい取組をした。昨年第1回で提供した「新潟ラーメン」は好評により、現在では鈴蘭の定番メニューとなる等、一定の効果が出ており、今後とも、新潟県の食・文化・産業等を発信できる拠点として協力関係を継続していきたい。
○2014年最も美しい中国観光都市にハルビンを選出
9月13日、第二回旅行業フォーラム及び2014年最も美しい中国都市ランキングの発表式が北京で開催され、ハルビンが2014年最も美しい中国観光都市に選ばれた。
(ハルビン伏尔加庄园)
2014年最も美しい中国観光都市には、黒龍江省ハルビン市を始め、四川省成都市、遼寧省瀋陽市、甘粛省敦煌市などが選ばれた。
このイベントは新華網が主催し、A級観光地及び旅行サービス企業等に対して総合分析と評価を行い、同時に地方政府、観光地、企業、メディアの推薦などを合わせた多方面にわたる分析と協力のもとに実施された。
ランキングの評価基準として、特色ある文化、手軽さ、自然、環境保全、創造性、ブランドイメージ、人材管理などの11項目について、総合的評価、専門家の意見、ネット公開投票、メディアからの採点の四段階を経て、全てをクリアした後に、総計した最終ランキングを発表した。その結果、ハルビンは今回の総合審査を通して、2014年最も美しい中国観光都市の一つに選ばれた。
2014年、ハルビンは「世界に影響を与える中国文化観光有名都市」と「最も魅力ある旅行目的地」の称号を獲得し、また「真夏の聖地」として中国で最も魅力ある避暑観光都市にもなっている。
(ハルビン伏尔加庄园)
歴史的な名所「中央大街」を訪れる観光客は本年5月から急増し、9月までに約80万人が訪れ、昨年同期と比べて30%増加した。ハルビンビール祭り開催期間中、一日平均約5万人が来場し、昨年の4.1万人を上回った。その他にも、様々な夏のイベントに大勢の観光客が訪れた。今後とも、ハルビンは旅行、文化、ファッション産業を融合した新しい発展理念を堅持し、旅行業の品質向上と発展の促進に力を入れていく。
○ハルビン観光情報センター開設
ハルビン市は先月、国内外から黒龍江省を訪れる旅行者への観光情報を提供するため、市内のメインストリート中央大街で大規模な観光情報センターを初めて開設した。この建物は、日本の松浦洋行が所在していた場所で、1920年に落成したロシア風の建築物が保護建築として残され、最近までは教育関連の書店として利用されていた。
(観光情報センター外観写真)
同センターは、黒龍江省及びハルビン市の観光案内、代表的な観光拠点及び観光ルートの紹介、交通アクセス、宿泊施設や各種チケット予約に至るまでさまざまなサービスを提供、無料のガイドブックやイベントチラシなども用意されている。一階フロアには旅行者からの相談やお問い合わせへの対応窓口と観光記念品の販売コーナーが設置され、二階フロアにはハルビンと省内各地の観光情報、写真、動画、アクセス方法などを中国語、英語、ロシア語の3か国語で検索可能なタッチスクリーンモニター式旅行案内システムが設置されている。また、同じ二階フロアにある雪ダルマ顔写真コーナーが大人気となっていて、多くの観光客が無料で撮ったユニークな雪ダルマ顔写真を携帯に記録したり、友達に転送したりして楽しんでいる。さらに、歴史あるハルビンの様々な建造物の写真や油絵の壁画が展示され、異国情緒漂うハルビンの雰囲気を存分に感じることができる。
(観光情報センター室内写真)
同センターは、安心して快適な旅行を楽しみたい観光客への窓口として、また、情報収集の拠点として機能することが期待されている。近年、ハルビン市政府は、観光都市のシンボルとして、冬の氷雪旅行と夏の避暑旅行をPRする中、2014年は観光客の受入数は6000万人を突破、観光収入額800億元を目標に掲げ、ハルビンの観光振興のため、更なる利便性向上を目指している。
○第1回中国-ロシア博覧会閉幕
第1回中国-ロシア博覧会が6月30日~7月4日の日程で開催された。67の国と地域から11,000人の来賓及びバイヤーが参加し、そのうち、ロシアから約5,000人が参加した。博覧会事務局によると、黒龍江省はこの博覧会で31.5億ドルの輸出入契約を結び、経済技術協力項目260個、契約における国内外の利用資金は683.35億元に達したということである。また、博覧会期間中の来場者は約28万人を数え、外国政府、経済貿易団体、華人華僑代表団合わせて176団体が参加し、ロシアから108代表団と大手銀行等を含む356企業が出展した。中ロ副総理が5つのフォーラムに出席したほか、ロシア、アメリカ、カナダなどの国、地域から150人の専門家と中ロ66箇所の大学も参加した。
今回の博覧会は国際色も豊かとなり、日本、韓国、ASEAN各国等から1,597企業が出展し、アクセサリー、工芸品、観光商品、特産品などの展示販売をした。新潟県からも8企業と団体が参加し、商談、展示販売等を積極的に行った。当ハルビンビジネス連絡拠点も1ブースを確保し、ビジネスマッチング、日本海横断航路、日本料理鈴蘭での新潟フェア等の主要案件の宣伝を行った。
今回の博覧会はこれまで開催されていたハルビン経済貿易博覧会を国家級に昇格したもので、主催者側としては、会場での商品販売から一歩進んだ、よりビジネスマッチングを重視した会を目指していたようである。確かにロシア関係の商談等は積極的に行われていたが、全体的に見れば、これまで通り商品を売るために参加している企業が多かったように感じる。今後も博覧会を開催するにあたり、博覧会開催の目的を整理することが課題として挙がっている。
また、もう一つ博覧会を通じて改めて感じたのは、中国における健康意識の高まりである。期間中、緑色食品(有機食品)、医療分野における商談が積極的に行われていたとともに、ブースとしてこれらの分野に用意された数も多かった。特に、黒龍江省は緑色食品の生産、加工に力を入れており、今回E、Fホール全てを黒龍江省内企業の緑色食品の展示販売スペースに充てていた。(Eホールについては通年営業となる予定)
(博覧会会場写真)
(新潟県出展ブース写真)
○2014「ハルビンの夏祭り」開催
2014「ハルビンの夏祭り」実行委員会によると、「ハルビンの夏祭り」は6月10日の開幕式典を皮切りに、10月10日までに、「松花江湿地祭り」、「中ロ博覧会」、「ビール祭り」、「ハルビン音楽会」、「紅葉祭り」など、さまざまなイベントが順次開催され、そのなかで、巡回パレード、演奏会、物産展、市民スポーツなどの多種多彩な活動も予定されており、大勢の市民で賑わいを見せるハルビンの魅力をたっぷりPRしようという試みとなっている。
開幕式典では、「愛するハルビン」、「湿地恋」、「美しい松花江」、「友誼永遠」、「音楽街」、「紅葉美」をテーマに、市民大合唱、民謡流し、ファッションショーなどが披露され、続く「松花江湿地祭り」では、太陽島周遊、湿地マラソン、湿地観光フェア、湿地撮影会、松花江夜景鑑賞会なども行われる。
恒例の「ビール祭り」は、6月26日から7月7日まで太陽島で開催され、期間中、ビールに関する展示会・写真展、ビール達人の披露などの催し物も行なわれる。また、今年は、6月30日から7月4日までの日程で「中ロ博覧会」がハルビン国際コンベンションセンターで開催される予定で、多くの外国人ビジネス客がハルビンを訪問する予定。さらに、「ハルビン音楽会」が8月6日から8月15日まで開催され、期間中、歌謡コンサート、国際音楽演奏会、国際アコーデオンコンサート、国際姉妹都市週間などのイベントも順次開催予定。そして、9月末の「紅葉祭り」では、紅葉鑑賞会、果物狩り、川下り、動物繁殖基地の見学会などが行なわれる予定となっている。
(ハルビン夏祭りのパレード)
(ハルビンビール祭り)
○黒龍江省の民用車保有台数500万台突破
黒龍江省統計局の調査によると、2013年度末までの全省内の民用車保有台数は約514万台となり、昨年に比べ19万5000台増え、前年比3.9%増。そのうち、自動車は10.1%増加で、296万4000台に達し、約10人に1台が保有している計算になる。オートバイは12万3000台減少で58万2000台、貨物車は1000台増で7万4000台となった。
ハルビン市の車保有台数は142万2000台で、前年比9.5%増、そのうち、自動車は初めて100万台を超え、前年比12.6%増の100万5000台に達した。
2013年の全省内の乗合営業車は228万9000台に達し、前年比13.7%増加で27万5000台増えた。貨物車は58万1000台で、前年比4.1%増の2万3000台増加。その他の乗合営業車は9万3000台で、前年比22.7%減となった。
省内の営業用自動車は64万7000台、前年比1.5%減で9000台減少、非営業用自動車台数は231万4000台で、引き続き好調な販売を継続し、前年比13.7%増で27万9000台増加した。
また、スクールバスのニーズが高くなっている傾向がある。2013年に全省で保有されているスクールバスの台数は2366台で、前年比88.8%増の1113台増加。
2013年の輸入車販売台数は、11.5%増の12万9000台だったが、前年比6.2%増を下回った。
毎日約500台増の販売の勢いにより、2013年に全省の自家用車保有台数は237万2000万台となり、前年比12.8%増で27万台増となっている。
2013年の全省の免許保有者数は591万6000万人で、前年比8.5%増で46万5000万人の増加である。
(ハルビン市街写真)
○黒龍江大峡谷がハルビン初の国家級自然保護区へ
報道によると、国家環境部、財政部、国家林業局など10部門30名の専門家から構成される審査委員会にて、全員一致で黒龍江大峡谷を省級自然保護区から国家級自然保護区に昇格させることが決まり、残るところは国務院の認可を待つだけとなった。五条鳳凰山の黒龍江大峡谷はハルビン市として初めての国家級自然保護区となる見込み。
黒龍江大峡谷自然保護区は山河村林業局鳳凰山区に位置し、総面積は2万4998ヘクタール。大峡谷の長さは約10000メートル、落差は約1000メートルにもなる。坂道の傾斜は40度~70度、大峡谷の滝は長く、山は高い上に、険しく、山の頂上から尾根にある岩石が広く露呈している。赤松と雲冷杉を主とした原始林では、野生動物と植物資源に恵まれ、黒龍江省の多様な生態系を表しているだけでなく、天然の動植物園にもなっている。黒龍江大峡谷は2010年に省級自然保護区に指定されて以来、2012年から国家級自然保護区への申請準備を開始していた。
地元環境局によると、黒龍江大峡谷自然保護区には東北赤豆杉、赤松、ジャコウジカ、東北虎などの珍しい野生動植物が生息しており、自然保護区には植物112科目、940種類(国家重点保護植物10種類)、脊椎動物78科目、343種類(国家1級重点保護野生動物7種類)が確認され、黒龍江省の東部山地に至る地域は森林生態保護区域となっている。自然保護区の下流約38キロ離れたところにハルビン市民の生活用水を供給する「磨盤山」ダムがある。
黒龍江省の国家級自然保護区は合計33箇所あり、全国で最も多い省となっており、今年末までに、黒龍江省の国家級自然保護区は36箇所に増えると予測されている。
(大峡谷)
○中・露アムール川鉄道橋工事の着工
2014年2月26日に同江で中国同江・ロシアレーニンスコエにある国境アムール川で鉄道橋の建設着工式典が開催された。
中露同江国際鉄道大橋は黒龍江省の同江とロシアのユダヤ自治州レーニンスコエの間を結び、中国側の鉄道の長さは31.62キロで、そのうち、鉄道橋の全長は2215メートル(中国側の長さ1900メートル)、中国側の投資額は26.42億元、建設期間は2年半、2017年に完成する予定で、年間貨物通過量は2100トンに達し、列車運行最高時速は100キロとなる見込み。
中露国境の河川の鉄道橋建設により、中国の東北鉄道網とロシアのシベリア鉄道とが繋がり、更に国際運輸の新ルートとして、現在の中国の国際鉄道の枠組改善にも繋がる。
中露で新しく建設する鉄道橋は中国東北地域とロシア極東地域との交流促進と利便性向上に貢献し、両地域の経済貿易発展に寄与するとともに、中国東北部の産業振興や国際交流の促進、観光事業の拡大などに対しても、大きな役割を果たすことになると期待されている。
(中・ロアムール川鉄道橋着工式典写真)
(鉄道橋設計図)
○黒龍江省の対ロシア貿易は引き続き増加傾向
2013年の黒龍江省の輸出入国際貿易額は388.8 億ドルに達し、昨年比3.4%増加した。輸出額は162.3億ドルで、昨年比12.4%増加、一方、輸入額は226.5億ドルで、昨年比2.2%減少した。
貿易相手国との関係では、ロシアとの貿易が安定して増加傾向を示している一方、新興国を含む他の貿易相手国との取引は増減まちまちで不安定な状況となっている。2013年、黒龍江省はロシアに対する輸出入額は223.6億ドルに達し、前年比5.8%増加、全省輸出入額の57.5%、全国のロシアに対する輸出入額の25.1%を占め、全国で第一位となっている。そのほか、黒龍江省のヨーロッパに対する輸出入額は22.7億ドル、前年比1.8%増、東南アジアに対する輸出入額は18.7億ドル、前年比18.7%増、香港地区に対する輸出入額は5.9億ドル、前年比204.7%増、オーストラリアに対する輸出入額は5.7億ドル、前年比52.5%増となっている。
輸出商品の種類について、付加価値の高い商品を中心とする電気機械輸出額は47.7億ドルに達し、9%増、そのほか、衣料品の輸出額は32.4億ドルで38%増、農林水産物の輸出額は17.8億ドルで7%増、省内地場産品の輸出総額は39.4億ドルに達し、昨年と比べて10.6%増加した。
輸入商品の種類について、エネルギー資源の関連商品が引き続き高い比率を占めたが、原油関連商品の輸入は減少した。
国際貿易の担い手について、大手企業の役割は大きく、その取引額を増やしている一方で、民間(非国営)企業の市場開拓も拡大傾向にある。黒龍江省の国際貿易企業数は2327件あり、輸出入の実績総額で1億ドルを超えた企業は53件、5000万ドルを超えた企業は110件、1000万ドルを超えた企業は307件と拡大し、これらの大手企業で全省の国際貿易総額の92.9%を占めている。国有企業の輸出入額は全省の国際貿易総額の45.9%、民間(非国営)企業は50.2%を占め、特に輸出方面においては全省の83.9%を占めている。
(国境にある綏芬河ゲート)
○黒龍江省の人口はマイナス成長傾向、高齢化社会加速へ
黒龍江省政府の統計によると、2012年全省の常住人口は3834万人、2010年に比べて、3万人の増加にとどまった。黒龍江省は全国に比べて、早く人口減少する地域になると予想されている。
2010年第六次全国人口調査の結果によると、2010年11月1日までの全省常住人口は3831万人、全国総人口の2.9%を占め、中国31省中で第15位だった。
70年代から中国「一人っ子」政策を実施して以来、全省の人口出生率が激減し、30年を経て、今の黒龍江省の人口は、以前の高い出生率、低い死亡率、高い増加率から、低い出生率、低い死亡率、低い増加率へと変化しつつある。
1982年第三次全国人口調査を行う以前は、全省の人口増加率は高く、全国平均より高かった。同時期の全国の年平均増加率は1.8%だったのに対して、1953年~1982年の29年間で黒龍江省の年平均増加率は3.6%に達していた。1982年以降、全省の人口増加率は全国に比して伸び悩み、特に2000年~2010年の10年間で全国の人口増加率5.7%に対して、黒龍江省は3.8%に止まっていた。
今後、経済発展や社会の成熟化に伴う出産抑制など、様々な影響のもとで、黒龍江省は人口増加率の低下という歴史的な時期を迎え、全国でも比較的早く人口減少が予測される省となった。
黒龍江省が高齢化社会に突入したのは2005年。1978年の「一人っ子」政策実施から、高齢化社会を迎えるまでわずか27年間での出来事であった。
国の出産抑制政策の緩和により、2人までの出産が認められている。専門家によれば、30年あまりの出産抑制政策の中で、人々の考え方の変化、社会経済の発展等の影響により、生育の認識も変化してきており、新しい産児政策が黒龍江省の出生率にどの程度影響を与えるか注目されている。
○「国慶節」黒龍江省への観光客が大幅増
黒龍江省旅游局の統計によると、「国慶節」に黒龍江省を訪れた観光客は1,639万人、去年より10%増え、観光収入額は68億元に達し、21.6%の増加となった。ハルビン市旅游局の統計によると、ハルビン市を訪れた観光客は173万人、去年より6.6%の増加、観光収入額は13億元に達し、10.5%の増加となった。なお、全省で大きな事故やクレームなどは発生しなかったということである。
今、観光客の人気は、都市部への観光からリゾート地への観光に変化してきている。国慶節の連休中、黒龍江省を訪れた観光客で、リゾート地への観光を選択した観光客は46.9%を占め、黒龍江省内の比較的短距離に位置する観光商品が人気を集めた。マイカー旅行は鉄道旅行に次いで、二番目の旅行交通手段となり、去年より5.6%増加した。黒龍江省旅遊局によると、観光客がリゾート地への観光に意識を移した背景には、長距離旅行と比較して旅費削減が図られ、自由行動へのニーズが高まったことにあるという。また、「旅遊法」が10月1日に正式に実施され、「ゼロ旅費」などの不法手段による客引きの取締が影響する形で、旅行会社が旅行商品の値上げを実施したため、国内外の観光コストが一定程度上昇する結果となり、短距離の省内観光商品に人気が集まったとのことである。
黒龍江省を訪れた観光客に対してアンケート調査を行った結果、自然環境、きれいな空気、都市建設、市街地緑化の面で高い評価を得ていた。調査対象者の中で74.9%の観光客が、友人等に黒龍江省の観光を薦めたいと回答し、去年の調査より10.3%増加した。
(ハルビンメインストリート「中央大街」の写真)
○2013ハルビン世界農業博覧会開幕
2013年ハルビン世界農業博覧会及び第6回中国黒龍江省・北大荒国際農機具博覧会が9月5日~8日までハルビン展示センターで盛大に開催された。開幕当日、ハルビン市政府主催で国内外の来賓を歓迎するレセプションが行われた。今回の農業博覧会は黒龍江省政府とハルビン市政府が共催する大きなイベントとなったが、特に農業博覧会と農機具展示会との共催になったことから、9か国1,500企業が出展する国際色豊かな大型博覧会となった。
黒龍江省は自然に恵まれ、豊かな黒土を有し、160億キロ以上の食糧生産能力を持ち、緑色健康食品を生産する中国の重要な商品食糧基地であり、食品生産基地でもある。
今回の農業博覧会の展示面積は8.1万平方メートル、1,500の出展企業中、ドイツ、イタリア、アメリカ、オーストラリア、韓国などの海外出展組もあり、海外の有名企業も含まれていた。博覧会開催と並行して世界農業発展シンポジウムが開催され、「生態農業や食糧安全」をテーマとして、活発な意見交換が行われた。
本博覧会は、すでに中国国内では農業や食品に関連する大型・国際博覧会として位置付けられているが、黒龍江省の農業に関する優良な資源をさらに集中させるため、「国際化、専業化、ハイレベル化」を目標にし、3~5年をかけて、本博覧会をアジア最大規模の国際的な農業協力交流会に育て上げ、5~8年の経験を積んだ後、世界一流の大型農業博覧会にしていくことを目指している。本博覧会を通じて、国内外の企業やバイヤーなどに対し、黒龍江省を強くアピールし、多くの方々に黒龍江省に投資し、発展していくことを期待している。
(ハルビン農業博覧会写真)
(ハルビン農業博覧会写真)
○ハルビンの地下鉄1号線、9月に試運転開始
7月25日付のハルビン市鉄道集団公司の発表によると、ハルビンの地下鉄1号線は8月に各種団体への運行体験会を実施したあと、9月に試運転を開始することが決まったという。
ハルビンの地下鉄1号線は、第1期と第2期に分けて建設され、ハルビン東駅から医科大学駅までの全長17.48キロ、合わせて18の駅を設置する。全工事の投資額は約103.9億元、2008年9月29日に着工し、28か月の工期で、2012年9月30日に全18駅の地下トンネル工事を完了した。2012年12月20日には、地下鉄の電気、換気、通信、信号、安全通路、自動改札口など13項目の主要設備工事も完了し、2012年12月25日に車両運行調整が始まった。
ハルビンの地下鉄1号線は、最高時速80キロ、6車両から編成され、最多乗車人数1800人に達する。また、17本の列車運行が予定されており、一日の運送客数は概算で延べ21.5万人に達するとの見込み。これにより沿線の路面バスを約4500台縮減できると予想されている。
運賃については現在検討中であるが、全距離を3段階に分け、それぞれ2元、3元、4元と距離に応じた料金設定にすると見込まれている。
(地下鉄)
(改札口)
(地下鉄駅)
○「2013 魅力あるハルビンの夏」文化祭が開催
6月10日に「2013 魅力あるハルビンの夏」文化祭及び「第4回中国・松花江湿地祭」がハルビン群力音楽広場で盛大に開催された。今回のテーマは「松花江湿地と音楽城を歩く」。
開幕式に100名の小学生が100台のピアノで名曲を披露したり、200人が琴を演奏したり、同時に1万人の徒歩競技がスタートするなどダイナミックで斬新な開幕式となった。
「ハルビンの夏」祭は6月10日から10月10日まで4ヶ月に渡って開催され、期間中に「第3回中国・ハルビン松花江湿地祭」、「第24回中国・ハルビン国際経済貿易商談会」、「2013 中国・ハルビン国際ビール祭」、「第2回中国・ハルビン秋紅葉祭」が同時開催されることになっている。
「第24回中国・ハルビン国際経済貿易商談会」は6月15日から19日までハルビン会展体育センターで開催される予定で、会場には3000ブースを設置し、使用面積は12.8万平方メートルである。現代農業展示区、ハイレベル技術展示区、文化観光産業展示区など12展示区に区分される。今年はロシア、ドイツなど28か国から400の企業が出展し、タイから今回初めて出展予定で、100ブースが予約されている。韓国からは200ブース、ロシアからの出展企業も多くなっている。日本からは新潟県、山形県、北海道の企業が出展予定である。
「松花江湿地文化観光祭」は自然湿地の鑑賞、松花江の避暑をテーマにして、15日間の期間を真夏一色に変える行事となる。太陽島、金河湾、浜江湿地などの景色地を主とした10の観光コースを提供し、遊覧船で湿地帯を楽しむことができる。
「2013 中国・ハルビン国際ビール祭」は6月28日から7月14日まで17日間続き、国内外30以上のビールメーカーから約200種類のビールが登場する予定である。開催地はハルビン氷雪大世界園地内で、60万平方メートルのスペースを利用する。去年は延べ66万人の来場者で、1016トンのビールが消費された。今年は国内ビールの他、アメリカ、ドイツ、デンマークなどの国々からのビールが提供される予定である。
○東北最大の文化観光城が着工
4月28日、万達投資グループの200億人民元相当の投資により、中国東北地区最大の規模となる文化観光城の着工式典が、ハルビン万達文化観光城で開催された。ハルビン市委書記
林?、黒龍江省副省長 張建星、万達グループ代表取締役 王建林が式典に出席した。
ハルビン万達文化観光城は、万達グループが新らたに投資した文化、観光、商業施設などを含む大型プロジェクトである。万達文化観光城はハルビン松北新区に位置し、敷地面積は80ヘクタール、総建築面積は90万平方メートル、総投資金額は200億元にのぼる。一度に5万人を収容することができ、1日あたりの最大受入人数は延べ10万人、年間延べ2,000万人の受け入れが可能。年間収入額は60億元、年間納税金額は5億元を超えると見込まれている。
ハルビン万達文化観光城は文化、観光、商業、ホテルの4大プロジェクトで構成される。文化プロジェクトとして、大型劇場、映画科学パークなど東北最大の映画城を建設予定。観光プロジェクトは、室内と室外にテーマパークを備える。室内にあるスキー場は、レベル別に高中低で6コースあり、落差は100メートルに達し、同時に1,500人が楽しめる世界最大規模のスキー場で、世界競技レベルの基準による建設を予定しているため、国際競技を行う施設としても利用可能となる。室外大型テーマパークは敷地面積40ヘクタールの世界レベルのテーマパークを建設する予定である。商業施設の建築面積は9万平方メートル、ホテル敷地面積は14ヘクタール、9か所でリゾートホテルを建設する予定であり、その中に5星クラスのホテル2つ、4星クラスのホテル2つ、3星クラスのホテル5つ、合計4,500客室の収容能力が見込まれる。また、大型車庫面積12万平方メートルに、4,000台の駐車が可能となる。この大型施設は2013年に着工し、2017年にオープンする予定である。
(ハルビン万達城着工式典)
(室内スキー場のイメージ図)
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