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新潟県大連レポートDALIAN REPORT

目次

           
2017年01月22日
東北振興策に新たな展開
「日本製品中国市場販売支援会」の新潟訪問
2016年11月14日
微信等での観光・物産情報の発信
黒龍江省対日投資セミナーに参加して
2016年9月29日
糸魚川の高校生が体験した大連の夏
JALが新潟シティマラソンツアーを催行
「新潟県海外ビジネスコーディネーター」制度の活用
2016年7月29日
ハルビン商談会に参加して
伊藤忠(大連)を通じた東北三省でのビジネス支援
お詫び
2016年5月31日
各種商談会等の参加募集
着任の御挨拶(小玉邦夫)
2016年3月27日
事務所の業務を振り返って
離任のご挨拶(渡辺慎一)
2016年1月28日
中国東北部の経済成長減速
2015年12月30日
中国市場で「売れる」ということ
2015年11月23日
熱狂するネット商戦の一方で
湖南省との交流拡大に向けて
2015年10月28日   
留学生誘致の背後にある現状
2015年9月15日
対日投資に係る期待
「爆買い」の行く末
2015年7月28日
中国のメディアと情報受発信ツール
2015年6月24日
日中関係改善の動きと影響
2015年5月17日
大連に新潟県商品等紹介スペース設置
各種商談会等の参加募集
2015年3月31日
物産展から垣間見る消費行動
2015年2月27日
大連に「体験型アンテナショップ」開店
日本産木材の中国市場開拓の可能性
2015年1月31日
「代購」商品を取り巻く環境
宅配便サービス急増の背景
2014年12月3日
三菱商事(上海)中心に県展示スペース
天皇誕生日祝賀レセプションで県PR
2014年11月6日
大連日本商品展覧会に出展
北京で日中知事省長フォーラム参加
2014年9月15日
高齢者介護ビジネスに関すること
2014年8月25日
中国駐在3事務所長、セミナー開催
香港フードエキスポ、日本産品競争激化
2014年7月8日
日中間の観光客動向に関する転換点
2014年5月30日
大連長興島経済技術開発区を視察
各種商談会等の参加募集
2014年4月16日
北京「桜を見る会」で県産品PR
ハルビンスキークラブで県観光PR
2014年3月6日
上海華東交易会に出展
中国巡回新潟物産展の開催
2014年1月26日
靖国問題発生後に期待すること
2013年12月22日
昨今の日本製品への引き合い
「口コミ」を支えるツール「微信」
2013年11月18日
青島ジャパンデイで「新潟館」PR
2013年10月23日
「越後杉」中国輸出で販路拡大目指す
2013年9月24日
吉林省で2つの商談会に出展
県と伊藤忠大連でビジネス支援の包括協定
2013年8月25日
県省提携30周年「新潟フェア」開催
2013年8月18日
ハルビン大連高速鉄道利用の影響
香港FOOD EXPOに出展
2013年6月27日
各種商談会等の参加募集
日本商品の販売実態
2013年5月21日
「自働化・省人化」工場見学会を開催
2013年4月29日
関係機関へ挨拶まわり
大使着任レセプションで「新潟館」PR
2013年3月27日
上海華東交易会に三県合同出展
上海の百貨店で物産展を連続開催
2013年1月15日
中国は世界最大のネットショッピング市場
日本留学の現状と特徴
2012年11月12日
蘇州市で新潟物産展を開催
大連日本人学校の5年生が来所
2012年10月17日
吉林省の延吉商談会、長春博覧会に出展
中国のゴールデンウィーク 7.4億人が移動、大混雑
2012年8月7日
事務所開設15周年記念行事を開催
中越クリーンサービスが瀋陽市に現地法人設立
2012年6月13日
瀋陽で新潟物産展を開催
各種商談会等の参加募集
2012年5月3日
新潟県長春ビジネス連絡拠点が開設
各都市でタクシー燃料附加費を徴収、 引き上げ
2012年3月31日
新潟-上海便増便の記念訪問
黒龍江省教育訪問団が新潟県を視察
2012年2月27日
「元気な日本」北京展示会に出展
在瀋陽自治体交流プラットフォームの成果
2012年1月12日
大連に子ども写真館を開店
大連市は外国人の社会保険料徴収を延期
2011年12月26日
江蘇省・上海市で観光説明会開催
日系コンビニが大連で開店
2011年11月25日
新潟県ハルビンビジネス連絡拠点が開設
大連航空会社が設立
2011年10月11日
夏季ダボス会議が大連で開催
吉林省の博覧会に出展
2011年5月24日
大連ラジオ番組にゲスト出演
各種商談会等の参加募集
2011年3月24日
大震災後の影響
第四銀行上海駐在員事務所の開設
2011年1月31日
旺盛な春節消費で新潟米売れ行き好調
「新潟-上海線」増便で週4便へ
2010年12月28日
大連郊外に温泉・スキー場開発相次ぐ
労働争議後の先行き
2010年10月31日
上海万博「新潟フェア」開催
上海市、江蘇省で観光説明会開催
2010年9月17日
中国東北部の商談会に相次いで出展
2010年7月10日
「新潟ーハルビン線」利用促進に向けたプロモーション活動
2010年5月4日
上海万博が開催
各種商談会等の参加募集
2010年2月27日
高級百貨店で新潟食品物産展を開催
2010年1月23日
新潟ラーメン店、ハルビンで開業
新潟米、春節商戦で売上げ好調

新潟県大連レポート

2017.01.22〈№162〉

○東北振興策に新たな展開
  東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)の景気低迷が言われて久しい。昨春大連に赴任したばかりの筆者の目には、東北の玄関口に相応しい活気に満ちた街と映るが、地元の方々からは「デパートでの買物客が随分少なくなった。春節前の歳末商戦の時期でも寂しい限り」、「外資企業の縮小・撤退で失業者が大勢出ている」といった声が聞かれる。実際、高級百貨店の大連久光百貨が昨年9月に閉店、また県の調査では2005年に大連等遼寧省に進出していた県内企業は20社あったが、2015年は約1/3の7社にまで減っている。相次ぐ汚職事件に加え、1月17日には遼寧省長が過去の統計データに水増しがあったことを公式に認める等、遼寧省を始め厳しい状況にあるのは事実である。
  東北三省のGDP成長率は、2014年以降全国平均を下回っており、2016年上半期は、全国31省・自治区等のうち吉林省6.7%(26位)、黒龍江省5.7%(29位)、遼寧省-1.0%(31位)という状況である。低迷の原因として、所謂「重厚長大型産業」への依存が生産過剰、市場価格低迷、地下資源の枯渇等を招いていること、サービス業が弱いため景気を支える力が弱いこと、国有企業の割合が高く地域経済活性化・市場機能高度化を妨げていること、人材の流出、高齢化に伴う社会負担増等が指摘されている。中国政府も、50~60年代に重工業地帯として中国経済を牽引し、現在でも食糧・エネルギー生産基地として全国的にも非常に重要な地域である東北三省の経済低迷を重視しており、昨年4月「東北の旧工業基地の全面的振興を推進することの重要性・緊急性を十分理解し、断固としてこの壮大な事業を新たな段階に押し上げる」と宣言し、国有企業改革、日露韓等との連携強化、ハイテク製造・電子・バイオ医薬・新材料等新興産業の育成、観光・養老・健康・レジャー産業の強化、農業の高度化、イノベーション・起業支援、都市インフラ・公共サービス整備等の民生保障などを重点取組とする所謂「東北振興策」の新たなガイドラインを発表した。次いで8月には、2016~2018年の3年間に東北振興に向けて実施する127件のプロジェクト、11月には東北振興に係る14の具体的実施措置を立て続けに制定した。上述の127プロジェクトの投資総額は、推計で日本円にして約24兆円とも言われ、中国政府の本気度が伺われる。プロジェクト内容は一部しか公表されていないが、各省幹部の発言等から、遼寧省はハイエンド設備製造業・ロボット・インテリジェントプラント・バイオ医薬・光電子・宇宙飛行産業・電子商取引等、吉林省は現主要産業である自動車・石油化学・農産品加工の高度化に加え、医薬健康・設備製造・電子情報・観光業の育成発展、黒龍江省は食品加工・農牧畜業・観光・介護健康等の育成発展に注力していくと考えられる。
  昨年11月発表の東北振興に係る具体的措置でユニークに感じたのが、四川震災復興の原動力として高く評価される「対口支援(マンツーマン支援)」の導入である。遼寧省と江蘇省、吉林省と浙江省、黒龍江省と広東省を1対1で連携させるとともに、遼寧省瀋陽市と北京市、同大連市と上海市、吉林省長春市と天津市、黒龍江省ハルビン市と広東省深セン市を組ませ、幹部の相互派遣等を通じ先進地のノウハウや資金の東北移入を狙う。
  さて、新たな展開を見せつつある東北振興策だが、今後本県とどう関わって来るのだろうか?本県と友好提携を結ぶ黒龍江省の陸省長は、昨年6月の中国日本商工会・日中経済協会との会談で「食品加工」、「グリーンエコ農業」、「観光・養老・ヘルスケア」等での日本との提携強化に言及したという。食品加工や農業、観光は本県の強みでもあり、これまでの交流実績をバネに、新たなビジネスチャンス創出の可能性ありと考える。また2月1日、現遼寧省外事弁公室主任の孫大剛氏が駐新潟総領事に就任される。今後本県と東北三省との経済交流の一層の拡大が期待される。 (ぎ、こ)
○「日本製品中国市場販売支援会」の新潟訪問
  日本に詳しい大連の貿易、旅行会社の総経理で構成される上記支援会のメンバー3名が、昨年11月11~13日に新潟市、佐渡市を視察した。今回の目的は、中国市場でヒットしそうな県産品、新規旅行コースの開拓。白石会長は「トップダウンの中国では、総経理が自身の目で見るのが一番。無名異焼は中国でも売れそう。先ずは今夏、佐渡への富裕層送客から始めたい。」と語ってくれた。 また視察メンバーの一人は、来夏の新潟港、両津港へのクルーズ船寄港も検討中とのこと。(こ)

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2016.11.14〈№161〉

○微信等での観光・物産情報の発信
   10月26日~29日、県及び新潟市の空港・観光担当者等が、上海の航空会社、旅行代理店、市政府等を訪れ、新潟-上海便の利用促進、本県への送客等について意見交換を行い、筆者も同席した。
   その際、中国側が度々言及したのが、新潟の更なる認知度向上の必要性であった。曰く、「テレビの旅番組や、上海の繁華街での観光PR、旅行商談会への出展等を通した宣伝がもっと必要」、「スノーリゾートというと、多くの中国人は北海道に行ってしまう。日中国交正常化を実現させた田中角栄、日中友好のシンボル朱鷺の故郷でもある新潟には是非頑張ってほしい」等々。中国での本県PRを業務とする当方は恐縮しきりであった。
   勿論、県はこれまでも中国での認知度向上による中国人観光客誘致に向け、近県・関係市町村とも連携し、旅行誌、テレビ、著名ブロガー等の中国メディア招聘を行うとともに、現地旅行誌への記事掲載等にも積極的に取り組んで来た。県が独自に行っている外国人宿泊調査の直近の結果(H27.4~H28.3)では、中国(香港含む)からの宿泊数は、対前年度比81.5%増の46,835人泊で、台湾を抜き第1位となる等一定の成果を挙げている。
   一方、当事務所独自の情報発信としては、H25年3月から、中国版ツイッターと称され情報拡散性が高く、認知・関心を高めることに優れた「微博(Weibo)」によって「日本新潟県」の名称で観光情報等を発信しており、11月7日現在、更新記事数1,238本、フォロワー数7,423名となっている。
   最近アクセス数の多かった話題としては、県のゆるキャラ「トッキッキ」、「弥彦菊まつり」、「新潟春節祭」、「北方文化博物館」等である。
   今後更なるフォロワーの獲得・情報拡散によるアクセス数向上が課題となっており、微博IDをお持ちの方は是非とも下記のQRコードで御登録いただき、御家族・御友人にも記事を転送願いたい。
   また、当事務所では本年3月から中国版Line「微信(Wechat)」による観光・物産情報発信も開始した。微信は中国内のユーザー数7億人、中国人の 日常メッセージの殆どはこのアプリを利用していると言われる世界最大規模のメッセージアプリであり、年収の高い世帯ほど、訪日旅行を計画する際に、前述の微博やこの微信といったSNSも活用しているとの調査結果もある(野村総研(上海)有限公司「中国人訪日旅行者の実態とニーズ②」)。
   11月7日現在、当事務所の微信での更新記事数は28本、総アクセス数2,802件、「いいね」95件にとどまっており、取組を開始して間もないこともあるが、十分な水準には至っていない。これまででアクセスが多かった話題は、「新潟グルメの旅」、「紅葉の秋」、「錦鯉・泳ぐ宝石」、「分水花魁道中」、「日本三大芸妓・新潟古町芸妓」等々。今後も中国人目線を意識しながら話題をチョイスし、より頻繁に更新を行っていくので、読者の皆様からも「ネタ」を御提供いただけると大変ありがたい次第である。また、微博ともどもこの微信についても登録・拡散につき読者の皆様の御協力をお願いいたします。(こ)

【微博QRコード】【微信QRコード】
○黒龍江省対日投資セミナーに参加して
   9月21日、黒龍江省ハルビンで、ジェトロ大連事務所が同省では初めて対日投資セミナーを開催し、日本側は同省と友好提携を結ぶ本県や北海道等、同省からは食品、農業、福祉等の54団体が参加した。同事務所によれば、近年中国の対日投資は急速に拡大し、ジェトロが協力し成功した対日投資プロジェクトの約1割が中国案件で、米国に次ぐ多さであるという。しかし残念ながら、投資先の約95%は首都圏、大阪、愛知等の大都市圏で、地方への投資は5%程度とのこと。
   本県からは外資誘致の窓口となる産業立地課長が登壇し、両県省の友好の歴史、週3便の新潟-ハルビン線等充実した交通網、豊富で安価なエネルギー資源、食品・金属製品など特色ある産業クラスターの存在、事務所設置時の補助制度等本県の強みをPRした。地方への外資誘致は一朝一夕には進まないが、本年4月にハルビンの旅行社が新潟市内に支店を開設した実績もあり、当事務所としても引き続き、これまでの友好関係を活かしつつ本県の強みをPRして参りたい。(こ)

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2016.9.29〈№160〉

○糸魚川の高校生が体験した大連の夏
   夏真っ盛りの8月4日、「第13回中国夏休み国際交流スクール」に参加している糸魚川市内の6名の高校生が、研修の一環として当事務所を訪れた。このスクールは、地域の若者が将来世界に羽ばたくきっかけになればと、地元経済界などで構成される糸魚川国際交流推進委員会(糸魚川商工会議所内)が、毎年大連で実施しているもので、今年で第13回目だそうである。
   今回は8月3日~10日までの7泊8日の日程で、当地の名門東北財経大学でみっちり中国語研修を受けるとともに、太極拳を受講したり、近代史上有名な旅順203高地を見学したり、ショッピングの研修をしたりと、語学だけでなく中国の歴史や文化、一般市民の日常生活に触れる機会も多々あったと聞いている。当事務所訪問の際には、筆者より大連市の概況、本県と大連市との関わり、当事務所の活動内容などについて、1時間ほどクイズ形式で説明させていただいた。拙いレクにも関わらず、真剣な表情でメモを取ったり、回答する様子に恐縮した次第である。
   参加生の研修報告の中で、「この研修で特に感じたのは言葉の力のすごさ。自分の言葉で伝えられず通訳してもらわねばならないということが苦痛だった。また相手に何と言われているのか分からないのが怖かった。中国人をもっと理解するために、また自分の考えを中国人に伝えられるようこれからも中国語を学び続けたい」との感想を読み、非常に心強く感じた。過去の参加生の中には、既に中国に留学したり、対中ビジネスに従事している先輩もいると聞いているが、是非今年の参加生も、将来日本と中国の懸け橋となってくれることを期待している。(こ)
○JALが新潟シティマラソンツアーを催行

   中国人の訪日観光というと、東京・箱根・京都・大阪等のいわゆるゴールデンルートを周遊し、「爆買い」と称されるショッピングを楽しむものというのは今は昔。専門家の指摘によると、今後の中国人の訪日観光の傾向として、「爆買い」は既にピークを越え、これからは未だ見ぬ土地で体験を楽しむ「コト消費」を目的とした訪日リピーターの増加が予想されるのだとか・・・。       
  そんな中、日本航空の中国国内各支店が共同で中国各地の市民ランナー等を対象に、10月9日開催の新潟シティマラソン参加ツアー(10/7~10/12)を企画・実行することとなった。同マラソンには、広州から23名、当地大連から8名、上海、香港から各2名の、総勢35名もの健脚が参加予定である。また、このツアーでは、マラソンには出場しないが新潟観光を楽しみたいという方も募集しており、多くの中国人に新潟の自然・美味を堪能していただく良い機会であると期待している。
 この度のツアーについて、日本航空大連支店の大久保宜政氏は、「ゴールデンルートではない地方都市を舞台に、比較的容易に参加できるマラソンというスポーツを切り口にした特徴ある商品を造成することで、多くの中国人にこれまでとは一味違った日本体験をしていただければ」と語ってくれた。是非、日本一の大河信濃川河畔や国の重要文化財「萬代橋」を走り、レース後は新潟県産こしひかりや日本海の海の幸を御賞味いただいて、本県リピーターとなってほしいものである。
 また新潟と言えば、何と言ってもスキーであろう。来たるべきシーズンに向け、当事務所としても日本有数のスキーリゾートである本県の魅力を雑誌・ラジオ等のメディアや、観光イベントなどを活用してPRして参りたい。(こ)
○「新潟県海外ビジネスコーディネーター」制度の活用
  公益財団法人にいがた産業創造機構(NICO)では、県内の企業・商工団体・市町村・学術機関等による中国での事業展開を支援するため、ハルビン、大連、瀋陽、北京、上海、天津、香港の7都市に海外ビジネスコーディネーターを配置しております。主な支援内容は以下のとおりです。
    ア)現地企業・機関への訪問等のアレンジ
    イ)訪問先への同行・通訳等現地でのアテンド
    ウ)現地事情のレクチャー
    エ)現地情報の収集・提供
    オ)見本市・商談会の出展支援
  原則として、これらの支援に対する費用はかかりません。興味をお持ちの県内企業・団体の皆様は、お気軽に御相談ください。(こ)       

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2016.7.29〈№159〉

○ハルビン商談会に参加して
 本県が1983年に友好議定書を締結した黒龍江省は、中国最北部に位置し、面積約47.3万㎢(ほぼスウェーデンに相当)、人口約3,812万人(2015年末現在、ほぼポーランドに相当)の、国家並みと言っても過言ではない巨大な友人である。
  同省政府が最重視する経済イベント「ハルビン国際経済貿易商談会」(通称「ハルビン商談会」)は、中国東北部で最も歴史ある商談会である。27回目となる今年は、6月15~19日まで省都ハルビンで開かれ、筆者も21年ぶりに参加した。今回の商談会は、主催者発表では総展示面積8.6万㎡、総展示数2,410ブース、総来場者数延べ20万人、出展企業数1,527社(うち海外企業312社)、バイヤー来場者数は5,182人(うち海外44か国1,368人)で、業種としては新素材関連(約24%)、食品(約11%)が多かったそうである。また、フォーチュン誌が選ぶ世界トップ500社のうち18社、多国籍企業61社もこの商談会を視察したという。
 今年のハルビン商談会の特徴は、「中国国際新素材産業博覧会」との併催のため、先述のバイヤーの業種もそうだが、先進の鉄鋼素材、非鉄金属素材、石化素材等を展示する新素材関連産業ブースが全体の約4割を占めたこと。そして、日本との経済貿易協力重視の方針から、同省政府の要請で、日本の大手商社・銀行・メーカー等総勢約50名のビジネス交流ミッションが、開催期間中初めてハルビンを訪れ、陸昊省長との会見、省側企業・団体との個別商談等を行ったことである。陸省長からは、直近にあった習近平国家主席による同省視察、同省産業の優位性、日本との協力可能性等について熱のこもった説明があり、会見は大幅に予定時間を超過したという。
 筆者は上記の会見に同席することはできなかったが、商談会初日に開催された「黒龍江国際友好都市交流大会」に出席し、全国最年少で省長に就任した陸氏の講演を拝聴することができた。同氏は、省概況に関するプレゼンの冒頭で、特に新潟市-ハルビン市の友好関係を例示し、海外自治体との更なる友好交流強化の必要性を強調されたことは新潟県人として光栄であった。また、同省産業の強みは、豊富な鉱物・生態資源に加え、近代的な農業基盤に基づく農業、牧畜業及び食品加工業等であり、この分野で海外との協力を一層推進したいと述べた。加えて、昨年の省外(海外を含む)からの同省訪問者数は、少なく見ても延べ4,000万人と推定されるとし、しかも対前年比30%増と、更なる成長が見込まれることから、今後はへルスケアや文化産業、生態資源と融合した観光業に注力する旨力説した。陸省長のプレゼンを聞き、農業や食品加工に強く、新潟-ハルビンの定期航空路線を持つ本県との連携可能性は、同省の12姉妹都市の中でも最も大きいと改めて感じた。
 さて、今年の商談会には、家庭用調理器具等を扱う県内企業5社が出展し、商談・売上額は速報値で対前年比16%増の5,460千円と、まずまずの結果だったという。増加の理由としては、昨年は開催時期が国慶節の大型連休後で、開催期間も1日短かったこと等もあるが、出展者が現地生産した新製品が好評だったことも大きいと考える。
 中国東北部では最大級の商談会なので、今後もこれをビジネスチャンスと捉え、より多くの業種の企業に御参加いただけるよう、当事務所では開催期間中はもとより、事後の中国企業とのつなぎ役も果たす等、支援体制を整えて参りたい。(こ)
○伊藤忠(大連)を通じた東北三省でのビジネス支援
 新潟県では、県内企業の中国東北三省でのビジネス活動を支援するため、伊藤忠商事㈱の中国東北部における拠点である伊藤忠(大連)有限公司と包括協定を締結しております。同社が有するネットワーク(伊藤忠ハルビン、伊藤忠長春等)を活用し、中国東北部における県内企業と中国企業とのマッチング支援等を行っておりますので、興味をお持ちの県内企業・団体の皆様は、お気軽に御相談ください。(こ)
○お詫び
 2016年5月31日付け第158号の当レポートに、平成28年熊本地震被災者の皆様への配慮に欠けた記事があるとの御指摘を読者の方からいただき、当該記事を7月15日にホームページから削除いたしました。被災者の皆様に不快な思いをさせましたことを心よりお詫び申し上げます。 新潟県大連経済事務所長 小玉邦夫

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2016.5.31〈№158〉

○各種商談会等の参加募集
 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地で開催される各種商談会等に出展する予定です。出展に係る費用負担は、これまで同様、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業御負担とさせていただきます。当事務所として最大限のサポートを行って参りますので、参加を検討される企業の皆様におかれては、お気軽に御相談ください。
 なお、参加申込書等の詳細は、近日中に当事務所ホームページに掲載するとともに、希望する企業の皆様には直接送付させていただきますので、お気軽に御請求ください。
 現段階での出展計画は以下のとおりです(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますので御注意ください)。
・8月28日(日)~31日(水)   延吉国際投資貿易商談会(吉林省延吉市)
・9月15日(木)~19日(月)     中国-北東アジア博覧会商品展(吉林省長春市)
・9月23日(金)~25日(日)  大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)(こ)
(昨年の長春の商品展での新潟県ブースの様子)
○着任の御挨拶(小玉邦夫)
 御挨拶が遅れましたが、4月1日付けで新潟県大連経済事務所に着任いたしました小玉と申します。微力ではございますが、関係諸機関と連携しながら、多くの県民の皆様方の対中経済・観光・文化交流などをサポートさせていただきたいと考えておりますので、何卒宜しくお願い致します。

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2016.3.27〈№157〉

○事務所の業務を振り返って
 「環境の変化に対応できない者はやがて淘汰されていく・・・」ダーウインが残した有名な一節は、現在でも様々な業界で通用する名言でもある。当事務所は、新潟県が経済界及び関係自治体の協力を得て設置した中国で唯一の代表事務所で、1997年3月以来、来年で開設20年を迎える。開設当時の関係資料を見直すと、大連は、東北3省の交通・物流の要衝として、「経済技術開発区」による対外開放をいち早く進め、当時の薄大連市長の強い指導力を背景に、日系企業の投資環境の優位性を前面に打ち出し、大連市全体が熱心に日系企業の誘致活動を展開、西暦2020年までに東北アジア経済圏の金融、貿易等の中心となる目標を掲げ、将来的には開発区全体を自由貿易地域として「北の香港」にするという壮大な構想をもっていた。そして現在、海上輸送の利便性を活かした加工貿易を目的とする製造工場が集積する大連進出の日系企業は、本社及び日系顧客向けの販売を主流とする企業も多く、近年の人件費高騰や為替変動の影響を受けて苦境に立ち、体制の見直しを余儀なくされ、すでに様々な影響が出ている。このように開設当時からの劇的な経済環境の変化を見るにつけ、まさに隔世の感を禁じ得ない。
 さて、開設当時から現在に至るまで、県関係企業のビジネス支援は、当事務所の主要業務と位置付けていることは変わっていないが、中国経済を取り巻く環境の変化に応じて、企業支援の内容にも質的に大きな変化を遂げてきている。90年代から2000年代初頭にかけて、県関係企業の中国投資・進出及び委託加工への支援ニーズが高く、中国の経済発展と歩調を合わせる形で企業進出は増え、その前段として、県からの数多くの企業視察団に当事務所が対応してきた時代があったが、近年は、経済環境の変化とともに、これら要望は衰退の一途をたどっている。
 先般、中国商務部は、「2015年の社会消費財小売総額が30兆1千億元に達して、前年比10.7%増加し、社会経済の成長に対する消費の貢献度は66.4%になり、これまでの投資と対外貿易の拡大を中心とした経済成長モデルから国内需要を中心としたモデルへ、とりわけ消費を中心とした経済成長モデルへの重大な転換の実現に成功した」と説明した。2015年の出国者数は1億2千万人、海外での消費額は1兆5千億元で、このうち少なくとも7千億元から8千億元が買い物に充てられたという。このような経済情勢の変化に対応して、当事務所の業務内容も、中国の巨大マーケットを地方経済の活性化に取り込むため、日本へのインバウンド観光客の誘致、地域特産品の輸出促進等の販路開拓といった経済活動にも軸足を置くようになり、事務所設置当時にはあまり想定していなかった業務のボリュームが増えてきている。
 また、すでに進出済みの県関係企業の現地活動支援へのニーズも潜在的に高く、当事務所の業務として、これらニーズをいかに掘り起し、主体的に取り組んでいくか、その成果が問われる時代に入っている。具体的な業務の中では、新たな販路拡大を目指したビジネスマッチング、組織運営等を含めた法的対応、外資企業に対する突然の政策変更に対する対応、商習慣が異なる地域におけるマーケティングなど、当事務所のような自治体職員では対応しきれない専門的な相談内容に対して、日頃から培ってきたネットワークをフルに活用して、様々なプレーヤーをコーディネートできる力が強く求められるようになったと感じている。広大な中国を活動範囲に、変化し続ける経済環境において、企業ニーズも刻々と変化し、当事務所に寄せられる相談や要望も変化し続ける中、情報や人を繋いでいくことの大切さについて、日々の業務を追うごとに、繰り返し実感し続ける駐在員生活であったと振り返っている。(わ)
○離任のご挨拶(渡辺慎一)
 このたび、3月末をもって新潟県大連経済事務所の所長を離任し、4月1日付けで新潟県知事政策局国際課中国室長に異動します。2013年4月からの3年間の任期中(前回任期と合わせて6年間の駐在期間中)、大変にお世話になりました。4月より、後任の新所長には新潟県庁から小玉邦夫が赴任いたしますので、当事務所の活動につき、これまで同様、変わらぬご支援とご協力を賜りますようによろしくお願いします。
 末筆になりますが、これからの皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、離任のご挨拶とさせていただきます。(わ)

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2016.1.28〈№156〉

○中国東北部の経済成長減速
 1月14日から3日間の日程で、泉田知事を団長とする新潟県代表団が友好提携先である黒龍江省を訪問、黒龍江省の陸昊省長と会談し、今後の交流について意見交換した。陸昊省長といえば、北京副市長、共青団第一書記を歴任し、2013年に全国最年少で省長に就任した逸材で、地方政府での経験をステップに将来の中央政府幹部の有力候補と目されている。知事との会談の中で、両地域の特性を活かした共同プロジェクトの立上げが提案され、省の経済発展に直接繋がる事業の推進を強く希望していた。これは省長就任以来、省の経済成長率は中国各省の中で下位に低迷し続けている中、日本の地方政府との経済交流により、両県省が持つ潜在的な優位性を活かし、地域経済の発展に結びつけたいという強い意欲が感じられた。
(泉田知事と陸昊省長との会談の様子)
 さて、肝心の中国経済、年初からの株価急落など経済成長の減速に関する報道が目立っている。中国国家統計局が今月19日に発表した2015年の国内総生産(GDP)は対前年比で6.9%増(物価変動の影響を除いた実質ベース)となり、政府目標の7%に迫る水準に着地した。この数字、先進諸国の経済成長率と比較すれば、依然高い水準である。ただし、かの有名な「克強指数」(李克強首相がGDPよりも重視する経済指標。発電量・鉄道輸送量・貸付総額の3つの統計項目)の直近統計数字の2項目を見てみると、中国国家統計局発表の2015年の総発電量は5兆6,180億キロワット時、対前年比0.2%減で、通年の減少は1968年以来初めて。さらに、中国国家発展改革委員会発表の2015年の鉄道貨物輸送量は対前年比11.9%減の33億6千万トン、過去最大の減少となった。発電量や貨物輸送量の落ち込みは中国の実体経済をより反映した数字として見る向きがあり、実際には減速傾向が色濃いと捉える専門家が多い。
 大連から吉林省や黒龍江省への出張で頻繁に利用する高速鉄道、そのたびに眺める車窓からの風景は私にとって既にお馴染みの風景となっている。まずは市内の密集した集合住宅地から始まり、しばらくすると郊外の新興住宅地が見え、やがて、広大な農地や丘陵地が広がる風景へと変わっていく。その郊外には地方政府主導の都市開発プロジェクトのビル群が出現するが、開発途中で工事が進んでいない区域、車やひと気のない高層住宅が散見され、何度見ても寒々とした気持ちにさせられる。都市部から離れた郊外のこのような風景、実は中国国内の多くの場所で見ることができる。これは、数年前から中国各地で進められてきた「都市化」政策がその背景にある。大都市圏の経済減速を補うように、その周辺地域や郊外に広がる農村地域を「都市化」して新たな経済発展に繋げていこうとする考え方で、高度経済成長を強力に牽引し続けると信じられてきた。しかし、実際には過剰投資、過剰供給に陥っている開発プロジェクトが実に多い。強権を持った政府が先行投資して開発、これに実需が追いつく限り問題はなかったが、多くの地域でいよいよ過剰投資のゆがみが顕著になってきた。まず始めに大きな箱を作って、後から中身を埋める的な発想から来る投資と開発は、その多くが限界に来ている証左であろう。
 経済成長を決する3つの要素である消費、投資、輸出入の中で中国経済は消費がGDPの約半分を占めており、中国政府は、消費主導型の成長への移行を目指している。折しも、春節直前で消費が最も集中する時期、都市部の繁華街はイルミネーションが光輝く賑やかな季節となったが、今後どのように消費を拡大させていくのだろうか?このほど、遼寧省は観光業の発展と消費拡大を促すため、「週休2.5日制」を奨励すると発表したところ。遼寧省といえば、かつて、李克強氏が省書記時代に推進した五点一線計画に代表される投資主導型の経済モデルを基礎とした中国東北部の先進地域、しかし現在ではそのモデルは瓦解し、各省別の経済成長率で最下位グループに転落した地域であり、まさに「苦肉の策」の様相を呈している。(わ)

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2015.12.30〈№155〉

○中国市場で「売れる」ということ
 12月は業務の巡り合わせから、ハルビン、長沙、南京、上海の旅行社を数多く訪問する貴重な機会を得た。周知のとおり、訪日観光客の急増は、地域ごとにその増加幅に違いはあるものの、どこも共通した現象であり、海外旅行を取扱う旅行社にとって、訪日旅行商品は、まさに「売れる」看板商品となっている。折しも、春節用の商品募集の時期と重なり、どこの社も活気に満ちた雰囲気に包まれており、収益機会をしっかり確保しようとする積極的な姿勢が感じられた。
 特に印象に残っていることは、12月14日に湯沢町観光プロモーションの一環で南京を訪問した際、地元旅行社向けの説明会終了後に開催された懇親会の席上、来賓参加していた駐新潟総領事館の前総領事(現江蘇省僑務弁公室主任)の王華氏からいただいた応援あいさつ。程永華駐日中国大使が毎年のように好んで訪れた湯沢町のスキー場でのエピソード、日中友好の象徴「朱鷺」に関係する佐渡のPR、東日本大震災発生時に多くの中国人を新潟経由で緊急帰国させたときに寄せられた県人との友情、さらには未来志向で目指す日中友好への熱い思いが語られ、参加する旅行社の方々から自然発生的に拍手が湧き起こり、日中双方の多くの参加者の心を強く打ち、私自身も実に感慨深く、同時に爽やかな気持ちにもなった。
(王華氏を囲む湯沢町長ほか訪問団の一行)
 一般に、訪日観光客向けの旅行説明会は、地元観光地に精通した日本人担当者が「売りたい」観光スポットや自慢の郷土料理等のセールスポイントを工夫しながら説明することが基本となるが、一方で、当該観光地を熟知している中国の方から、その人の視点で、中国市場において「売れる」観光地の魅力を自分の言葉で語ってもらうことほど説得力のある言葉はなく、最大級の応援をいただいたものだと今さらながら痛感している。
 そして、その次の週、別のミッションで上海の旅行社を数社訪問したときのこと、新潟への送客実績でトップクラスの某旅行社の担当者から、「新潟県の招聘事業で、今年の夏に県内の観光地などを幾つか紹介してもらったが、残念ながら、長岡の花火以外はほとんど印象に残っていない。冬の新潟の魅力を体験できる場所やイベントを紹介してほしい」との辛辣な意見を耳にした。もちろん、この意見は当該旅行社の担当者の一人が感じていることに過ぎず、けっして招聘した全ての参加者の意見を代表した内容ではないが・・・。同時にその発言を聞いていて「またか」という感覚を抱く、日本側が「売りたい」と思うものと中国側が「売れる」と感じているものとのギャップ。
 実は、中国市場で日本の商品を販路開拓しようとするビジネスの世界で宣伝活動をする現場で、たびたび同じような場面に遭遇する。中国で自社の商品を「売りたい」、この熱心な姿勢は、ややもすると、自分の商品を「売る」ことばかりに頭が一杯となり、何が中国市場で「売れる」のかを分析し、中国の商売人がどんな条件で何を欲しがっているのかを研究する姿勢が往々にして後回しになってしまう。誰しも「売りたい」とは思うが、「売れる」とは限らない。日本の商品は安心安全で高級なイメージがあり、物珍しさもあるため、多少の販売実績は出てくるかもしれない。しかし、本当の意味で利益を生み出すほどの事業規模にするには高いハードルが待ちかまえているのが現実。実際、中国の商売人に「売れる」と認めてもらえるような商材であれば、日方が黙っていても、自らが持つ人脈や経験をフルに活かして、必死に販路を開拓する努力をしてくれるだろう。そもそも、中国の流通経路や商習慣はとても複雑で、外国人の手に負えるものではなく、日本人が単独で入っていけるようなものでもない。主役である中国の商売人たちに本気になってもらい、彼らにたくさん儲けてもらう、これが中国市場開拓の原点であり、その儲けの一部を日本側にも分けてもらうぐらいの発想を持つこと、中国という他人の庭でビジネスをする以上、それぐらいの姿勢で臨むことが大前提・・・まさに言い得て妙、知り合いのビジネスマンから聞いた一言を思い出した。(わ)

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2015.11.23〈№154〉

○熱狂するネット商戦の一方で
 中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日、近年この日は、ネット上で通販サイト各社が一斉に特売をする日として定着し、すでに春節商戦に匹敵するイベントに拡大、今年も昨年の売上記録を大幅に上回り、その莫大な販売額と熱狂ぶりは国内外で大きく報道されていた。安さが売りのネット販売は、都市部だけではなく農村部まで利用者が徐々に拡大しており、近隣にまともな商店街がない場所でもスマートフォン一つで買い物ができる便利さとお手軽感により、通販サイトの消費は今後さらに増えていくだろう。
  しかしこの現象、中国経済の一部分を投影したに過ぎず、とても浮かれている状況にはない。先日、大連の繁華街で人民路沿い高級ホテル隣のテナントビルに久々に立ち寄るとその光景に愕然、夕方6時過ぎの退社時間にもかかわらず、人はまばら、各階のテナントは空き放題、以前多かったファッション関連のショップは減り、飲食店が各階ごとに何のコンセプトもなく軒を連ねている様子でその様変わりに驚かされた。さらに別の場所を見ると、今年の春先に大連駅近くの市街地にオープンした大型ショッピングモール、オープン当初は賑やかだったものの、数か月が過ぎ、来場者は随分少なくなっている印象、かろうじて一部の飲食店に幾分活気がある程度であった。近隣に住宅用マンションが集積するエリアということもあり、相当の集客を期待しているはずだが・・・、「(モール内は)天気や空気の汚染に左右されない絶好の散歩コース」との皮肉めいた声を聞いたことがある。そして、大連市政府に面した人民広場に隣接するオリンピック広場に総面積約22万㎡の超大型ショッピングモールが近々にオープン予定、このような状況で果たしてテナントは順調に入っていくのか?生活実感からかけ離れた無秩序な開発計画は、今の中国の地方都市の現状でもあろう。
 統計によれば、北京、上海をはじめ中国各地で、都市部だけではなく、市街地から離れた郊外も含めて大型ショッピングモールの新規オープンが増え続けているという。高騰したテナント料の関係から、客足に応じて入れ替わりが激しく、特に若年層のファッション関係の実店舗は、ネット通販に押される形で売上不振となり撤退するケースが多く、これらスペースを埋めるように飲食店が入居、大型モールに占める飲食店の割合が拡大し、日本と比べその割合は比較的高いように感じる。閑散としたブランドショップ店、対照的に賑わいを見せる大衆飲食店という光景は、中国の大都市圏に共通した現象になりつつあるようだ。「中国飲食産業発展報告(2015)」によれば、景気低迷やぜいたく禁止令による高級店の不振にもかかわらず、2014年の全国の飲食収入は、対前年比9.7%増の伸びを見せ、厚みを増す中所得者による大衆的な飲食店への需要が消費を強力に牽引していることが裏付けられている。一方、中国国内の高級ブランド専門店の閉店が加速しており、某有名ブランド専門店は最盛期の約半分まで店舗数が減少したという。その背景には、反腐敗運動、代購(海外商品の代理購入)の拡大、中国人の海外旅行者の増加等が影響しているものと考えられる。(わ)
○湖南省との交流拡大に向けて
 11月12日から4日間の日程で、森副知事を団長とする県訪問団の一員として、上海及び湖南省を訪問した。湖南省出身の駐新潟中国総領事館の何平総領事の支援もあり、これまでにも新発田市、南魚沼市、県マスコミ関係者の湖南省訪問が実現した一方、常徳市や郴州市の訪問団が来県するなど、すでに両県省の往来は活発化している。
(森副知事と何報翔 湖南副省長との会談の様子)
 今回の訪問の中で、両県省とも米の一大産地である特徴を活かした農業交流、世界遺産である張家界を筆頭とする魅力ある観光資源を活かした交流、さらには、今年2月に新潟で開催し来年も開催予定の「春節祭」への参加など、更なる交流拡大に向けた具体的な項目について意見交換した。(わ)

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2015.10.28〈№153〉

○留学生誘致の背後にある現状
 先月下旬、大連大学で日本語専攻の4年生を対象に県内企業系列の大学院大学への留学生募集を目的とした特別講義が開講され、「新潟県と中国との交流」と題して講演を行った。大学4年生、つまり、1990年以降に生まれた「90後」世代の学生、家族の愛情を一身に受け、裕福な環境で育ったデジタル世代、スマートフォンを自在に操り、自己の判断基準を大事にする個性派の若者と期待したが、会場からの質問はなく、随分おとなしい真面目な学生の集まりという印象を持った。
 中国人留学生の募集誘致に係る支援は、当事務所に寄せられる相談として、毎年、一定の件数があり、その期待感は強い。少子化が進行し、日本の高等教育機関(大学、短大、高等専門学校等)は自国の学生以外に、外国からの留学生を広く集めることは今後とも大変重要になってくる。優秀な人材をできるだけ多く取り込みたいニーズもさることながら、外国からの留学生で一定の学生数を確保したいとする学校経営上の理由も透けて見える。中国人留学生は、アジアの中で経済的に比較的余裕がある富裕層の学生が多く、日本の受入教育機関にとっては安定した“お客様”となるケースが多い。アルバイトしながらの苦学生といった一昔前の中国人留学生のイメージとは程遠い学生像、すなわち、親からの仕送りでアルバイトなしで経済的にゆとりのある留学生も多いと聞く。
 さて、これら中国人留学生の中国での就職戦線はどうなっているのか?日本語人材の豊富な大連、ここ数年の日系企業の景気後退等の影響で、日本語人材の募集人数は減少の一途、完全な供給過剰となり、少ない募集人数に高学歴の日本留学経験者が殺到するような状況になっている。海外の大学を卒業して帰国する、いわゆる「海亀族」は、海外各国の留学生に対する大学卒業後の在留条件が厳しくなる中で、今では大量に帰国してくる事態、一昔前の引く手あまたの状況が一変し、いわゆる「海帯族(波に漂う昆布のように、厳しい就職戦線で右往左往する海外帰国組)」と揶揄される現状にあるとの報道が印象に残っている。
 高い経済成長にも減速が見え始め、毎年増加し続ける中国の大学生の就職難は年々厳しさを増している。その根本原因として大学生の数の増加が著しいことが挙げられる。先般、「新潟杯」日本語演劇大会と銘打ち、黒龍江省内20の大学から日本語専門の学生が集まり、工夫を凝らした素晴らしいイベントとなったが、その会場となるハルビン師範大学の広いキャンパスには大変驚かされた。
 
同大学、もともと以前は、市内の別の場所に小じんまり立地していたが、郊外(松花江北)移転の上、広い敷地面積を有する規模に拡大していた。大連でも、既に多くの大学が郊外移転により規模拡大しており、中国各地でこのような大学の大規模化が進んでいる。計画経済時代の中国の大学生は国家の幹部候補生、学費や生活費は無料で、国からの手当が交付される学生もいたとか。今の大学は国家機関に変わりはないが、授業料徴収が普通で、大学の運営上、国からの補助金以外の足りない部分を大学自らの工夫で運営資金を集める必要があり、学生からの授業料収入や大学自身のビジネスにも依存し、学費の値上げとともに学生数の増加は避けて通れない構造に陥っている。2015年の大学卒業生は昨年より22万人増加で過去最多の749万人、1998年との比較で実に7倍までの増加、日本の大学新卒者が60万人程度であることを考えれば、その多さが想像できる。産業構造の変化により第三次産業就業者数が増加傾向にあるとはいえ、社会的に必要とされる大卒者の数にも限界があり、とても吸収できていない。インターネット関連大手の百度(バイドウ)は社員数約5万人、今月から従業員に「中途採用の停止」を通知、アリババは社員数約3万人、毎年3千人程度を新卒採用してきたが来年からは400名程度にするとの発表があったとのこと。インターネット事業の急激な拡大にも一段落の兆しが見られる中、ますます悪化する就職難、これに伴う就職浪人の増加に歯止めがかからないと危惧されており、社会の不安定要素として浮上している。(わ)

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2015.9.15〈№152〉

○対日投資に係る期待
 日本貿易振興機構によると、昨年から今年にかけ、対日投資の相談案件が増加傾向にあるという。日本政府に掲げる「日本再興戦略」の中で、対日投資促進は重点課題の一つとされ、2020年に対日投資残高を倍増(35兆円)させることが盛り込まれており、この目標達成には中国からの投資をいかに増やすかという要素が大変重要になってくることは疑いの余地がないだろう。
 このような動きを裏付けるかのように、当事務所へのビジネス相談の内容にも質的な変化を見せている。1997年の事務所開設以来、これまで寄せられてきた相談内容は、県関係企業の中国市場開拓支援、中国での拠点設置支援、近年減少傾向ながらも中国投資相談がその大多数であったが、その逆の流れとして、対日投資や日本での拠点設置に係る具体的な相談が徐々に出始めている。
 一例をあげると、新潟への送客実績でトップクラスの中国系旅行会社が新潟市内に事務所を設けたいという相談、さらには、新潟県産品を含む日本商品の中国国内代理店を手がける貿易会社が日本国内で事務所を設けたいという相談など。前者の相談の背景は、中国からの訪日観光客が右肩上がりの昨今、自社内でランドオペレーターの役割まで担い、より機動的に送客して利幅を取ろうとする意図があることが想像できる。また、後者の相談の背景は、伝統工芸品を中心とした高い技術を誇る日本商品、そのほとんどは、中小企業が担い手であり、それ故に海外への貿易取引をカバーする余力があまりない企業も多い。そこで、中国企業が日本国内に法人等自社の拠点を設置し、中国市場で知られていない良質な日本商品を掘り起し、拠点主導の日本国内取引により商品を仕入れ、自社グループ内で貿易取引を処理しようとする目的が透けて見える。これらの動きは決して中国企業に限ったことではない。例えば、中国に現地法人を持つ日系企業から、新潟県を含む地方都市への拠点設置を相談されたケースがあり、当県への企業進出に関する優遇措置等に係る資料を提供した実績もある。今後の中国経済を不安視する声が日増しに強まる中、急速に進んできた元高円安の水準を睨みながら、企業活動はその水面下で徐々に違った流れを見せ始めている。(わ)
○「爆買い」の行く末
中国商務部及び吉林省人民政府等の主催により、東北アジア博覧会(9月1日~6日、吉林省長春市)が開催され、当事務所取りまとめにより、県関係企業4社で出展した。全9館の1つである北東アジア展示館には、日本ブースのほか、韓国、モンゴル、ロシア、北朝鮮ブースが軒を連ね、多くの来場者で賑わった。日本ブースには当県出展のハウスウエアのほか、売れ筋の南部鉄器や陶器類、さらには保健食品や日用雑貨品など訪日観光客の「爆買い」アイテムが集められていた。

 さて、この「爆買い」、この先も続いていくのだろうか。日本の大手百貨店やショッピングモールは訪日観光客の消費が空前の伸びを見せているが、これとは対照的に、中国で多数の高級ブランドを抱える百貨店等の売上は伸び悩んでいるという。習近平政権の倹約令や反腐敗運動による高級品の消費の冷え込みも大きな要因だろう。いずれにしろ、中国政府は、膨らみ続ける海外消費をこのまま野放しにしておくはずはなく、国内消費に回帰させる内需拡大策を強力に推進してくる可能性がある。すでに今年6月、消費者ニーズの高い一部の外国製日用品を対象に輸入関税の引き下げが実施され、内外価格差の縮小に乗り出した。さらに、保税倉庫を活用した越境ECビジネスがこれから急速に拡大していくことが予想され、外国製品をより安く手軽に購入できる環境が整いつつある。また、今後、中国税関当局が海外から持ち込まれる手荷物や郵便物の検査を厳格化する規制に政策転換して、徹底的に抑止効果を狙うことも十分考えられる。元高円安で享受してきた「為替差益」がこれからも続くか否かは不透明で、「爆買い」は、為替変動に左右されない魅力ある商品を除き、今後とも長く続いていく保証はどこにもない。(わ)

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2015.7.28〈№151〉

○中国のメディアと情報受発信ツール
 6月28日から7月3日まで、中国駐新潟総領事館の呼びかけにより組織した新潟県マスコミ各社友好訪問団の一員として、北京及び湖南省を訪問した。中国外交部、中国対外友好協会等を訪問したほか、斬新なデザインの新社屋として有名な中国中央電視台(CCTV)、全国的に人気のバラエティー番組を手がける湖南電視台を視察するなど、大変貴重な機会をいただいた。
 
 周知のとおり、中国のテレビ局は、中央電視台のほか省や市レベルの地方ローカル局が多数あり、ケーブル放送及び衛星放送の普及によってすでに多チャンネル化の過当競争に突入している。中国のメディアは政府管理下による統制が強いとのイメージが先行している感があるが、実際は商業化が著しく進んでいて、収益を主に広告収入に依存している背景もあり、視聴率を尺度とした大競争時代に入っている。メディア全体の中でテレビ局の広告収入は既にトップから陥落している厳しい局面にあるとの中央電視台の説明は容易に理解できた。また、青少年及び女性をターゲットとした番組作りを戦略とし、日本を含む海外の娯楽番組を参考にしているという湖南電視台の現状は、テレビ離れへの歯止め、視聴率獲得という厳しい局面に立って番組制作をしている一端を垣間見ることができた。
 そのような状況を裏付けるように、「メディア青書・中国メディア産業発展報告(2015)」によれば、中国の昨年の広告売上高でインターネットが1500億元(約3兆円)超にのぼり、初めてテレビを上回り、一方で、新聞の広告収入は4年連続減少、その減少幅も15%に達したとの発表がある。中国のインターネット利用者は、2014年末で6億4900万人、その85.8%に当たる5億5700万人はスマートフォンを中心としたモバイル端末であるという。
 個人的な肌感覚で恐縮であるが、中国の都市部において、情報受発信ツールとしてのスマートフォンへの依存度が極めて高い。地下鉄の中、駅の待合室、レストラン、空港等あらゆる場所でスマートフォンを見ている人がとにかく多く、日本とは比較にならないほど多いという印象がある。例えば、中国の空港での搭乗待ち時間、おしゃべりをしている人以外、そのほとんどはスマホをいじっているという状況。たまに文庫本を静かに読んでいる人を見かけると、たいていは日本人である。(文庫本の文章が日本文なのですぐにわかる。搭乗後も引き続き読む人が多いと推察する)
 さて、中国の方々、スマートフォンで一体何をしているのか?一番人気は微信(英語名:WeChat)であろう。中国版LINEと表現すればわかりやすいが、実際にはFacebookとLINEの両方の機能を持つ。微信の最大の特徴は、自分が登録した仲間内だけで利用できる情報受発信機能があるソフトで、外部に広く公開する微博(中国版ツイッター)とはその点で大きく異なる。もともと、中国の方々はテレビや新聞を中心とした官製メディアよりも、身近で信頼できる方々からのクチコミ情報を好む傾向があり、微信を通して、クチコミ情報をネット上で手軽に交換できる機能は瞬く間に広がった。その内容は、個人的な日常の出来事、たわいもない自慢話など路地裏の世間話的なものが中心で、きめ細かくチェックするに値しない内容も多いが、一方で、生活上の便利情報、速報性のある特ダネ、政治的な内容も含む社会論評に至るまで、たまに貴重な情報がまぎれているので、結局は全く無視するわけにもいかず、地道に確認する毎日である。最近では、代購(代理購入ビジネス)、お店や商品の宣伝などビジネス目的での利用も多く、アポイントメントや業務上の資料・写真の送受信を微信経由で行うケースもあり、微信が仕事上で必要なツールとして利用せざるを得ない環境となっている。また、お金の支払いができる決済機能まで普及し、生活を便利にする必須ツールとして手放せなくなっており、気が付けば、日々微信に費やす時間は雪だるま式に増え、「微信疲れ」する毎日でもある。(わ)

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2015.6.24〈№150〉

○日中関係改善の動きと影響
 5月23日、人民大会堂での歓迎宴「日中観光交流の夕べ」に出席した。日本の訪問団総勢3千名が集まる大イベントで、当日夕方は、天安門広場の封鎖、附近地下鉄駅の利用禁止措置など中国側の徹底した対応ぶりには驚かされた。そして、最も驚いたのは、歓迎演説に登場した習近平国家主席の柔和な笑顔であった。日中友好の歴史や自らの体験を踏まえ、「中日友好の基盤は民間にあり、中日関係の前途は両国人民の手中にある」と未来志向で語られた日中友好へ期待は大変に心に響く内容であった。当然のことながら、マスコミ各社は政治家の発言として、表面上の意味よりも、その隠れた意図や国際情勢から来る裏事情などを競って分析しており、そのような側面があることも否定できないだろう。しかし、日中間を跨ぐ仕事をする関係者にとって、国家主席が日中関係重視の姿勢をここまで高らかに宣言したことは、日中関係改善の方向へ大きな前進、少なくとも日中関係のビジネス関係者にとって、今後の事業推進にプラスに働く要素として、大きな期待を抱かせる内容であった。
 
(「黒龍江省-日本経済貿易協力交流会」で演説する陸省長)
 このような動きは地方政府にも素早く波及、次世代の若きリーダーとして注目されている陸昊省長が自ら発案したという「黒龍江省-日本経済貿易協力交流会」が6月16日に北京にて開催され、黒龍江省政府幹部、現地有力企業及び日系企業関係者およそ350名が一堂に介する盛大な会合となった。陸省長の1時間にわたる熱のこもった演説、地元政府要人や省内有力企業幹部を集めてのビジネスマッチングなど官民挙げての大イベントの様相を呈していた。中国の地方政府幹部の海外渡航は厳しく制限されているものの、国有企業はもとより、中国各地で活躍し実力を持った民間企業のグローバルな活動が中国経済の大きな推進力となっており、その活力を日系企業、ひいては県関係企業が積極的に取り込んでいかなければならないことを改めて感じさせられた。
 折しも、今月13日から、大連市政府の全面バックアップのもと、「大連日本商品巡回展」が大連市中心部のオリンピック広場「野外特設エリア」で、9日間にわたって開催された。  
(「大連日本商品巡回展」の新潟県ブース)
 日本食品又は日本関連商品を扱う約50のブースが軒を連ね、新潟県からも2ブース出展、キッチン製品、ニット製品、水耕栽培設備など県企業関連商品の宣伝PR及び即売会を行った。連日の晴天と一定の集客力に支えられ、会場販売額は伸び、当初期待していなかった商談成約額も意外に伸びた。屋外催事で入場制限なしということで、幅広い所得者層が集まり、ワンプライスの百貨店とは異なり、厳しく価格交渉する客は数多かったが、販売コミッションが発生しない条件のため、割安感を感じた消費者も多かったことだろう。
 手軽なネット通販サイトや代購の売上急拡大、一方で、テナントの入り変わりが激しく、来場者も疎らな高級ショッピングモールが散見される中国消費市場を見るにつけ、溢れる商品を前に消費者からの細かい選別が行われる厳しい時代に入ったことを実感している。

(新潟県ブース内の商品・・・キッチン製品、ニット製品、水耕栽培設備)
 さらに、大連市内に「江戸小城」なる日本商品アウトレットモール設置計画が既にスタートしており、テナント募集、今年秋から試営業、来春には全面開業を目指した動きが本格化する。右肩上がりで伸びる購買力を背景に、更なる需要増が見込まれる日本商品、これに関係するビジネスチャンスを獲得する動きが急速に広がっている。

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2015.5.17〈№149〉

○大連に新潟県商品等紹介スペース設置
このたび、大連市内の喫茶店「扎西拉姆」(Coffee&Bar「安ちゃんの店」中山区万祥街6号伊家賓館1階、友好広場近接)の協力を得て、新潟県商品等紹介スペースを設置した。この喫茶店は、店内面積70㎡にカウンター席4席、テーブル席20席を有する独特の雰囲気を持つ店。日本語堪能な店主は、日本文化を理解し、日本商品にも高い信頼を寄せており、店内には日本の書籍や漫画等が並べられ、日本ゆかりの店であることを深く感じさせる工夫が施されている。最近の客層は7割中国人、3割日本人とのこと。本格ドリップコーヒーを提供する店として名高く、夜はショットバーとしても営業しており、流動客数も多い。

(店内カウンター席下の越後杉フローリング)
さて、店内を見渡すと、カウンター席下には、中国市場販路拡大を目指す糸魚川産越後杉のフローリングが敷きつめられ、店内中央には越後杉利用の特製タンスを設置、加えて、そのタンス上面のスペースに、中国人向け通販サイト「新潟館」商品を中心とする県産品が展示されている。
http://emall.chinapay.com/store/289254.html
(店内中央部に展示されている新潟県産品)
さらに、店の側面には新潟県観光ポスターが飾られ、店内の入口には、新潟県関係企業の中国現地法人が自ら開発し、現在、本格的に売込をかけている「水耕栽培設備」が設置され、店内の「癒しの空間」創出に一役買っている。

(店内入口に設置された「水耕栽培設備)
店の性質上、日本商品に高い関心を寄せる顧客が多いこともあり、商談につながる事例が次々と舞い込んでおり、今後とも、新潟県関係商品の情報発信拠点としての機能をさらに発揮していくものと期待している。
○各種商談会等の参加募集
当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等の参加企業を募集しています。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行います。現段階での計画は下記のとおり。
・9月1~6日 中国-北東アジア博覧会(吉林省長春市)
・9月25~27日 大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)
・11月開催予定  広東シルクロード国際博覧会(広東省広州市)
参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。なお、参加申込書等の詳細内容は、後日、当事務所ホームページにアップするとともに、希望する企業には直接送付する予定ですので、当事務所にお気軽に請求してください。 これまで同様、出展に係る費用負担は、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。

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2015.3.31〈№148〉

○物産展から垣間見る消費行動
 3月末日、年度末の東京株式市場は利益確定売りに押され日経平均株価が大幅反落する中、炊飯器・魔法瓶製造の某メーカーの株価は、前日比26.8%増のストップ高で取引を終えた。前日に第1四半期決算の大幅上方修正が発表され、この業績上振れのインパクトが主原因である。これには中国人観光客のインバウンド需要がとりわけ強い商品とされる炊飯器及び魔法瓶の爆発的売上が背景にあると見られている。実際、密封性及び保温性が極めて高い魔法瓶やスープジャーは、私が帰国のたびに頼まれる人気商品の一つである。そのほか、哺乳瓶等の子供用品、サプリメント等の健康食品、美容用フェイスパック等の化粧品など中国の友人や知人から頼まれる日本商品のお土産ラインアップは、今後の日本企業の業績を予想する上で大きなヒントとなる可能性を秘めている。
(瀋陽久光百貨店「ジャパンフェア」の新潟商品展)
 さて、今月開催した瀋陽久光百貨店「ジャパンフェア」の新潟商品展で、県産品の包丁の切れ味を商品ごとに細かく見定め、品質の違いを確認しつつ、意中の商品を購入する顧客を見かけた。そのほか、強火への耐久性があり焦げにくい鉄製フライパン、手動式みじん切り機なども中国で大人気の県産品である。 普段の生活を安全でより便利に快適なものにする道具を追求する中所得者層が急増する中国市場において、細部にわたり品質向上の努力を続けてきた日本商品に信頼を寄せ、理性的に消費行動する層が着実に増え、過度な贅沢品を避けつつ、機能や技術の高さにお金を払う余裕をもつ、成熟した消費行動が増えてきていると実感している。特に大都市圏の人々は、冷静な見方をしている人が多く、政治的摩擦や歴史問題といった世界とかけ離れたところに身を置き、自分自身の生活に根差した「日本観」を持っている人が大変多いことに気が付く。品質の高い日本製品を使った経験、快適だった訪日旅行での体験、周りの友人や知人から聞いた等身大の日本人の姿、そのほとんどが好意的で、驚きにも似た感想を持っている人々が多いのが実情であろう。
(新潟商品展で並ぶ鉄製フライパン、包丁)
 日本商品の多くは、「使ってみれば、その違いは誰にでもわかる」、ただし、過去を遡ると、価格が高いため、使ってもらうことが難しかった時代があり、現在では、所得水準の向上及び元高円安という経済環境の変化を背景に、商品の違いを理解できる中国の人々が増え、少なくとも都市部には巨大な市場が急浮上してきた。現状の日本商品に対する高い評価は、ブームに踊らされたものではなく、ブランドに依存した憧れでもなく、見栄えよいデザインだけに頼るわけでもなく、生活実感に基づいた高い品質を保証する真面目な態度が広く認知されてきた現象のように思えてならない。切れ味の良い包丁、安全安心で使いやすい鉄製フライパン、使い心地が良い手動式みじん切り機・・・。中国の人々の日本商品を見る「眼」の多くは、暮らしを便利で快適にする高品質な「お買い得」商品を冷静に判断できる水準にまでレベルアップしてきている。もともと中国の人々は、自分自身で見たもの、聞いたもの、経験したものを最優先に信じる現実派が多い。優れた日用品の特長そのもの一つ一つは些細なことかもしれないが、日常生活の中でこれら商品を活用する経験を通じて日本への信頼感を積み上げていく効果は大変大きいものと言えるだろう。(わ)

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2015.2.27〈№147〉

○大連に「体験型アンテナショップ」開店
 春節時期に急増した訪日観光客の「爆買い」は、高級百貨店、大型スーパー等の消費を激しく喚起し、日本ではテレビを中心にマスコミ各社一斉に春節商戦で賑わう中国人客の様子を報道したため、中国人マーケットの大きさと日本商品への信頼感を再認識した日本国民も多かったのではないかと想像する。90年代から2000年代初頭、中国への投資ブームに乗り、日本のビジネスマンが大挙して中国を視察訪問していた時代とは逆の動きであり、隔世の感がある。さて、かくも強い引き合いがある日本商品ではあるが、中国で日本商品を扱う常設実店舗のアンテナショップを運営するのは極めて難しい。立地条件の良い店舗には高い家賃がつきもの、高騰する人件費など維持運営に相当のコストがかかるため、売れ筋商品を常に確保しなければ維持管理で行き詰まる。信頼性が高い日本商品であれば簡単に売れるということは決してなく、むしろ、中国各地の現地事情を踏まえた市場調査やマーケティングへの取組はこれまでにも増して更に重要になってくると予想している。
 このような状況下、昨年12月に日本商品「体験型アンテナショップ」(日本製品中国市場販売支援会第1号店)が大連オリンピック広場の百盛デパート地下1階にオープンした。このショップの特長は、安価な費用でテスト販売ができる点、代理販売を希望する中国企業とのマッチングサポート、さらに、通販販売サイトへの誘導、具体的には、商品にQRコードを付加し、携帯端末で簡単にアクセスできる仕組みを順次構築していくとのこと。店内の半分に日本式パン屋及び喫茶コーナーが併設され、アンテナショップの維持管理の協力に充てる等、これまでのアンテナショップには見られなかった工夫が施されている。今年4月開業予定の地下鉄駅出入口のすぐ横という好立地条件を活かし、集客力アップにも期待したい。(わ)

(店頭には新潟県企業生産の米菓が並ぶ)
○日本産木材の中国市場開拓の可能性
 去る2月9日、糸魚川から越後杉販促を目的とした訪問団の来訪に合わせて、長興島輸入木材処理区の木材燻蒸施設を視察した。当該施設は昨年12月に国の専門機関の許可を受け、中国国内で3番目、中国東北地方では唯一の国家レベルの輸入木材処理区となっている。中国国内では既に木材伐採が原則禁止となる中、今後急拡大する木材需要に応えるため、木材加工処理も含めた大規模な木材集積地としての役割が期待されている。残念ながら、現段階では日本産原木は中国国内の木材燻蒸施設を活用することができないため、当該施設の活用(燻蒸前の丸太輸出)は中長期的な課題となっているが、これから大量に伐採期を迎える日本産木材の中国輸出量がどの程度見込まれるのか、今後の展開が鍵となってくる。
 さて、日本産木材の中国市場開拓について、すでに日本国内の他地域で取組事例は見られるものの、流通量はごくわずかで、杉やヒノキなど日本産木材の良さや特長はほとんど知られていない。中国は集合住宅中心で木造住宅は少なく、その木材需要は、構造材ではなく、床・壁等の内装や家具が中心となる。日本からの輸入木材となれば高級品に属するが、価格帯的には昨今の円安も追い風となり、その良さが理解できれば手が出ない金額ではなくなっている。今回、フローリング材として越後杉を選んだ新築住宅を視察したが、家主の奥さんが木の香りに敏感な人で、ナラ材など数ある木材から越後杉の香りを大変に気に入り、特別に選定した経緯があることがわかった。越後杉の色合いや温かみにも満足し、何よりも日本の品物は安全との家主のコメントが印象に残っている。杉の香りや木目、色彩等の特徴を活かした高級品市場を開拓していく際に、他の木とは違う越後杉の良さを前面に出した内装を、設計段階から現地の内装・設計業者と一緒になって宣伝開発していく地道な取組が必要であると考え、4月以降に設計業者を対象とした説明会を開く方向で準備を進めている。(わ)
(越後杉フローリング材使用の新築住宅一室)

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2015.1.31〈№146〉

○「代購」商品を取り巻く環境
 日本商品(日本製もしくは日本産商品、以下同じ)取扱の専門店、高級スーパーや百貨店で、日本商品の特設コーナーや催事を拡充する動きが目立っている。昨年来の急激な円安進行は、日本商品の仕入価格を押し下げる方向に寄与する一方、もともと高品質で高い信頼性を誇る日本商品は引き合いが強く、かつ、中国国内の所得水準の向上により中高所得者層が拡大する中、価格帯として買い求めやすい商品が増え、その市場規模も着実に大きくなってきている。

(天津伊勢丹 日本展「新潟物産展」開催)
 中国最大の通販サイト「淘宝網」等では、外国製品を販売するための「代購」(海外商品の代理購入サービス)サイトが非常に多い。その背景の一つに、「代購」を割の良いアルバイトとして、または、サイドビジネスとして荒稼ぎしている中国人留学生が、日本を含む世界各国に多く存在するという話を耳にする。実際、日本商品「代購」販売サイトで取り扱う商品は多種多様、時計バッグ等の有名ブランド品、化粧品、ベビー用品、美容家電、サプリメント、日用雑貨品まで、あらゆる人気商品がラインアップされている。「代購」の人気商品を見ると、中国人の嗜好や中国市場で不足のアイテムを知る上で良い参考となり興味深いが、驚くべきことは、その一部商品の価格の安さ。これにはカラクリがある。個人輸入であることに加え、なかには、知人や出張者など自らのネットワークを駆使して日本商品を中国大陸に持ち込んでしまう、いわゆる「運び屋」経由で仕入れた商品をネット経由で売りさばくケースも多いという。この場合、関税や送料の価格転嫁がないため、割安の販売価格が可能である。私の携帯電話にも「微信」(weixin)を通じて、毎日大量の「代購」商品が配信されてくる。人気が高い日本商品の「代購」販売量は莫大なものになっているものと思われる。
 昨年10月に訪日観光客向けの消費税免税制度が大幅拡充され、その取扱店も大きな広がりを見せる中、ビザ要件の緩和により訪日観光客の増加は今後弾みが付くことが予想され、関税や消費税を全てすり抜けて中国大陸で売買されていく商品も増えていくことだろう。大連で昨年オープンした日系大手ドラッグストアチェーンの店舗には日本で流行の化粧品や日用雑貨品が店頭に数多く並べられている。当然のことながら、その店舗内の外国商品は関税込の正規輸入商品であることから、一部に「代購」商品との価格差という面で非常に際立っている商品があり、昨今の「代購」商品の広がりは、実店舗の売上げを妨げる販路として無視できない存在になりつつあると聞く。恐らく、このような実店舗で実際の商品を手に取り、自分の目で確認した上で、「代購」経由で購入する消費者も数多いのだろうと容易に想像できる。今年の春節は2月18日から24日まで休日となるが、有名海外旅行サイトの旅行商品や予約データを見ると、2月14日から急上昇し24日を過ぎても多くの予約で埋まっている。どうやら、昨年実績を超える大量の訪日観光客が日本各地を訪れることは確実で、これら観光客が大量の免税商品を中国大陸に持ち込み、その商品の一部を「代購」市場に大量投入し売買することも又、確実なようだ。(わ)
○宅配便サービス急増の背景
 90年代終わりの中国留学時代、荷物の送付や受取のため、わざわざ郵便局まで出かける必要があったことを覚えている。その当時から15年余り、中国国内の物流状況は劇的に改善し、宅配便サービスの市場規模が爆発的に増えている。全国郵政管理業務会議によると、2014年の国内の宅配便の取扱個数は140億個に上り、前年比52%の高い伸びを示したという。実は、この市場拡大を支えているのが小売ネット通販市場の急成長である。「手切族」(ネット通販に熱中し過ぎて手を切り落として買い物できないようにするしかないと自嘲する人のこと)は最近の中国を象徴する流行語の一つ。昨年の「双11」(11月11日、中国最大のネット通販特売日)のたった1日で、主要通販サイトが受注した商品の宅配便が約5.1億個に達し、配送員を新たに25万人増員して配送に当たったという。まさに桁違いの数字だ。(わ)
      

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2014.12.3〈№145〉

○三菱商事(上海)中心に県展示スペース
 三菱商事(上海)中心は、三菱商事(上海)有限公司が上海マート(上海世貿商城)3階に設置している常設展示場で、上海市政府が高品質な輸入商品の展示等を通じた対外貿易促進を目的に国別の商品展示を進める中で、「日本商品中心」として批准を受けた施設でもある。同社の事業、関連商材を含む様々な商品を紹介するとともに、日本の先進技術や各地の伝統文化・行事・特産品などの紹介を行い、日中の経済文化交流の場を提供していく情報発信拠点の機能を有している。        
 2013年にオープンした第一期エリア(279㎡)に続き、今年4月に第二期エリア(580㎡)が正式オープンし、企業展示スペースのほか、日本各地の自治体と連携した展示スペースも順次設置中。新潟県展示スペースは当事務所により9月に設置、当初はポスター及び観光パンフレット展示のみであったが、11月には県特産品の展示を加えて、内容拡充を図っていた。折しも、11月19日~21日の新潟県上海訪問ミッションの中で、企業訪問団の方々に視察していただいた。
 なお、第二期エリアには、企業及び自治体展示スペースのほか、ビジネスプレゼンテーションに利用できる会議室、催事及びイベントに応じてカスタマイズできる展示スペースも設置され、幅広い用途に対応できるように施されており、利用価値の高い施設となっている。(わ)

(「三菱商事(上海)中心」新潟県展示スペースの様子)
○天皇誕生日祝賀レセプションで県PR
 11月27日、北京の日本大使公邸で天皇誕生日祝賀レセプションが開催され、中国政府や企業、大使館関係者など、約1千人の招待客が訪れ、大きな賑わいを見せていた。このレセプションには日系企業や自治体などを中心に展示PRブースが設置され、オールジャパンで日本の良さをアピールする内容になっている。当事務所も新潟県産品の宣伝(中国人向け通販サイト「新潟館」の販促http://emall.chinapay.com/store/289254.html )http://emall.chinapay.com/store/289254.html ) 及び県観光PR活動を行った。
(当県ブースで劉建超外務次官補に説明する様子)
 2年半ぶりに実現した日中首脳会談の直後ということもあり、友好的な雰囲気が非常に色濃く出ていた。中国側の主賓として出席した中国外務省の劉建超外務次官補をはじめ、複数の高官が出席していたとのこと。特に劉外務次官補は、中国外務省の日本部門を掌握し、対日交渉の窓口を担当する高官と目される人物。劉外務次官補が日本大使公邸の各展示スペースを一つ一つ丁寧に時間をかけて視察し自ら交流しようとする姿勢を見せていたことは、友好的な雰囲気を感じさせる象徴的な出来事であった。開幕式典終了後に足早に会場を後にしていた昨年までの中国政府関係者の様子とは大きく異なり、強く印象に残った。当県の展示ブースを訪れた際には、磨き屋24金仕上げ「ぐいのみ」を手に取り、絶賛してくださった。また、中国側招待客を中心にレセプション開始から終了予定時間が過ぎるまで客足がほとんど途切れることはなく、昨年とは様変わりの様相であった。
 これらのことをもって、日中政府関係の改善の兆しと見なすには少し拙速すぎるかもしれないが、近年冷え込んでいた両国政府関係に新しい風が吹き始めていることは間違えない。(わ)

        

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2014.11.6〈№144〉

○大連日本商品展覧会に出展
 10月16~17日の2日間の日程で、大連日本商品展覧会が開催され、当事務所の募集・取りまとめにより、県関係企業4社が出展した。昨年までの大連中日貿易投資展示商談会を改名して開催、過去の開催状況と比較して規模は変わらず、むしろ縮小の感はあったが、中国「内販」を目指す企業が日本各地から集まり、賑やかさを出していた。  さて、当県の出展企業の中に、県産杉で名高い「越後杉」の中国への販路拡大を目指して出展した企業があり、昨年に続いて2年連続の出展となった。ブース全体を使って子供部屋を再現、杉材を使った家具や調度品で趣向を凝らし、来客者から大きな注目を浴びていた。昨年は、中国でほとんど市場に流通していない杉そのものへの評判や反応を見ることがメインの出展であったが、今年は中国側のビジネスパートナーが前面に出て、価格交渉を含む具体的な商談を目的とした出展となった。すでに出展前から具体的な成約も出てきており、大連市内に「越後杉」のモデルハウスを建設する計画が進んでおり、今後の展開を大いに期待できる条件は整ってきている。

(大連日本商品展覧会の「越後杉」ブース出展の様子)
 中国木材需要の増加、中国国内伐採の制限、外国材の価格高騰、杉が本来持つ優位性(調湿効果、断熱性能、有害物質の除去等空気浄化作用等の健康面での効用等)に加え、元高円安の為替環境が価格決定で大きな追い風となることが予想される。
 10月31日の日本銀行の金融政策決定会合で、追加の金融緩和が決定された直後、円相場は1ドル112円前半まで円安が進み、およそ7年ぶりの円安水準に突入した。これを、人民元/円レートに着目すると、驚くべきことに気が付く。対ドルでは7年ぶりの円安水準であるが、対人民元は7年前の2007年の年次レート1元=15.5円と今年11月2日レート1元=18円前半と比較すれば、実に2割近くの元高円安水準、これは、対ドルで人民元高が進んできた結果でもある。最近で最も円高水準にあった2011年の年次レート1元=12.3円と比較すると、実に3年という短期間で約5割弱も元高円安方向に振れる為替環境の変化である。
 数年前までは、日本の杉の中国輸出は、外材との価格比較で非常に高かったため競争できない状況が続いていた。急速に進む円安は中国ビジネスの環境を劇的に変え、日本製品の中国輸出に係る新しい可能性を与える契機にもなっている。(わ)
○北京で日中知事省長フォーラム参加
 10月28日に中国人民対外友好協会、中日友好協会及び全国知事会の主催で第2回日中知事省長フォーラムが北京市で開催された。中国側は、李小林中国人民対外友好協会会長を始めとする省長〔省長(河北省、遼寧省、陝西省)、副省長(四川省、山東省、湖北省)、直轄市副市長(天津市)〕、日本側は、全国知事会会長である京都府の山田知事、当県の泉田知事を含む知事〔知事(京都府、新潟県、鳥取県、長野県、山口県、滋賀県)、副知事(広島県)〕が参加して、各地域の日中間における交流の現状や活動状況を発表し、その後、テーマ別(経済、観光等)に意見交換が行われた。
(フォーラム開催の様子。当県の泉田知事も参加)
 政治的な摩擦が燻る日中関係とは全く異なる友好的な雰囲気の中、両国で展開される地域間交流の歴史と現状、経済交流、観光交流、文化交流、人的交流など広範囲にわたる分野の中で、環境ビジネス、医療介護ビジネス、青少年交流、観光客の誘致など双方に利益をもたらす互恵関係に対する期待を再認識させる良い機会となった。(わ)
 

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2014.9.15〈№143〉

○高齢者介護ビジネスに関すること
 9月4日~5日、大連市政府関係機関等及びジェトロ大連事務所の主催により、日中高齢者産業交流会が開催された。この交流会は大連国際老齢産業博覧会との併催で、日中高齢者産業フォーラム兼個別商談会及び介護施設等視察で構成され、当該フォーラムには県関係企業を含む16の日系企業等約200名の出席者で賑わいを見せていた。
(日中高齢者産業フォーラム開催の様子)
 中国は2013年に60歳以上の高齢者が2億人を突破、今後も高齢者人口は増え続ける中、一人っ子政策等の影響で高齢化率が急速に高まっていく。一方、高齢化が先行して進む日本は、介護保険制度の運用等の政策面及び高齢者介護ビジネス等の産業面、この両面ともに先進地域であり、中国は日本に学び、かつ、日系企業の中国での事業展開に大いに期待している現状がある。
 中国の高齢化問題に関して、まずは固有の事情を理解する必要がある。「未富先老」、これは社会が経済的に豊かになる前に高齢化が進展する中国の現状を指す言葉であるが、経済発展と高齢化とが軸を一にしてきた日本と決定的に異なる点。さらに、都市と農村、東部沿海地方と西部地域など、経済発展の度合いが著しく異なる地域を抱えている国情もあり、課題解決は容易ではない。
 さて、現段階で、高齢者介護施設の利用者負担はどれくらいなのか?ジェトロ大連事務所の資料によれば、遼寧省の年金平均支給額(2013年)は月額1,849元、今回視察した介護施設は部屋代1,600元(公設)~、2,600元(私営)~、その他に食事代等の費用加算という現状。フォーラムの中で、「施設やベッド数を増やしても個人負担が高すぎて利用することができない」という現状が報告されていた。一般に、公営施設は三無老人(無収入、労働能力無、扶養者無)を中心に利用者が限られ、民営施設は高い費用が前提となり、施設利用者が広がりにくい背景がある。日本の介護保険制度に類する制度が中国では未整備という状況下、劇的な改善を望むことは難しいと言えよう。
 現状の中国政府の政策は、家族での介護機能の低下を前提に、高齢者介護サービスの強化を明確に打ち出している。具体的に言えば、在宅介護では支えきれない部分を「社区(一定地域内のコミュニティ)」のデイサービスやショートステイ、施設介護(老人ホーム等、公設と民営の併存)で補完していく方針を示している。現実には、高齢者の在宅志向は根強く、家政婦を頼んで高齢者の面倒を看るケースが増える中、介護の専門知識を持たない家政婦では、トラブルも多いという 。

(西崗区老人総合服務センター〔公設〕のパソコン室)
 最近数年の短期間に、法制度上、民間資本の参入促進策のルール明確化、外資系企業の独資設立許可等が規定され、中央政府レベルで、施設用地の優先取得や施設の建設・運営に関する補助金、各種税金の減免措置の拡充が示され、同時に、地方政府による高齢者産業の育成推進も急速に広がりを見せている。このような動きに対応し、大手介護サービス企業を含む日系企業の進出が数年前からすでに本格化している。介護施設の整備(土地所有含む)、介護サービスを担う人材育成、サービス運営ノウハウ、中国式収益モデルの確立など、高齢者産業への参入に関する課題は多く、これを日系企業単独の経営資源だけでカバーすることは著しく困難。加えて、各種の許認可を見据えた地元政府との関係構築は必要不可欠であるため、現地有力企業をパートナーとした事業展開が現実的な姿として想定される。(わ)

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2014.8.25〈№142〉

○中国駐在3事務所長、セミナー開催
 8月6日、クロスパルにいがた(新潟市中央区礎町通)にて、「最新中国事情セミナー」~北京・大連・上海 3所長が語る今の中国~を開催したところ、定員を超える申込をいただき、会場内ほぼ満席の参加者で賑わった。当セミナーでは、中国通の新潟日報社社長室の八木秘書主管を司会進行役に迎え、新潟市北京事務所の近藤所長、第四銀行上海駐在員事務所の土田所長そして新潟県大連経済事務所の渡辺の3名が、各事務所の活動内容及び経済事情や生活環境など各都市で若干異なる現地情報も併せて紹介させていただいた。
  3事務所とも県市関係企業の支援、特産品の販路拡大等のビジネスサポートは共通の活動内容。さらに、当県では新潟市、第四銀行、新潟県の中国の海外事務所が北京、上海、大連の3都市にバランスよく配置され、広い中国で事務所設置都市周辺の実情に通じた強みをそれぞれ補完し合う協力・連携体制を実際の業務の中で活かしてきた経緯がある。また、現任の3所長とも比較的長い中国駐在経験を持つという共通の特徴を持っていることも踏まえ、今回初めて実現した試みであった。
 会場からの質問では、高齢者介護ビジネスや一人っ子政策に関することが取り上げられ、中国が抱える社会問題に対しての関心の高さも伺われた。

(「最新中国事情セミナー」開催の様子)
 なお、中国の海外事務所という観点では、自治体事務所及び地方銀行駐在員事務所とも上海に拠点を構えるケースが圧倒的に多く、各々30超の設置数、その次に大連、香港が続いている。これは、ほぼ企業動向に比例する形、いわば経済交流の拠点の意味合いを強く反映した現状となっている。なお、自治体事務所の多くは、観光客誘致、航路航空路の利用促進等の業務も担っているほか、地方都市間で長年培った友好関係を活かす目的もあり、ハルビン(山形県)や瀋陽(佐賀県)に事務所を設置する動きが近年でも見られる。(わ)
○香港フードエキスポ、日本産品競争激化
 アジア最大級の食品見本市「香港フードエキスポ」(会期8月14~16日)が開催され、県関係企業5社(NICO募集取りまとめ、当該企業取扱商品:ラーメン、調味料、だし、日本酒、麺)を出展支援した。香港は、日本最大の農林水産物の輸出先で、全体輸出額の約23%を占める。今年は38都道府県252社と日本からの出展数では過去最大。
(香港フードエキスポで県関係企業出展の様子)
 香港では安心安全な日本産食品がすっかり定着し、日本食レストランも高級店から大衆向きまで数多い。フリートレードの香港とあって、日本からの出展商品は、和牛、米、ラーメン、スイーツ、お茶、野菜、果物など、幅広い食品が競うように並んでいた。これら商品は陳列試食だけでなく、料理方法や健康食品志向のライフスタイル提案まで付加価値を上げる仕掛けをセットにした売込みも目立った。また、「新鮮産地直送」「冷蔵デリバリー」等食品特有の物流体制、注文から最速翌日発送可能な「取り寄せ小口配送」の海外通販など、国境を感じさせない条件が既に揃っている。
 上海の期限切れ鶏肉問題がまだ記憶に新しい昨今、食の安全がクローズアップされるほど、安心安全な日本産食品への注目度も上がっていく現状、日本各地の特産品間での競争がさらに激化している。その証拠に、香港の高級百貨店や日系大型スーパーの品揃えは日本国内の小売店を凌ぐほどの豊富さ。そのような状況下、昨年の香港フードエキスポ出展の県関係企業の新潟産米が、他の日本産米よりも高い価格帯で、かつ、広い棚面積を占有して販売されている状況が目を引いた。(わ)
      

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2014.7.8〈№141〉

○日中間の観光客動向に関する転換点
 日本政府観光局(JNTO)によれば、2013年9月以降、中国からの訪日観光客(月別)が過去最高を更新し続け、2014年4月の中国からの訪日観光客は190.6千人、逆に、同年同月の日本からの訪中観光客は194.1千人(出典:中国国家旅遊局)まで落ち込み、ついに、訪日客数とほぼ同数の水準となり、日中間の観光客動向が転換点を迎えつつあることがわかった。日本からの訪中観光は強い逆風にさらされており、日中間の政治問題に加え、PM2.5大気汚染を筆頭とする環境問題、食の安全など、中国のイメージ悪化を助長させる要因が多分に影響しているといえよう。一方、中国からの訪日観光はビザ発給条件の段階的緩和、円安による割安感等のプラス要素が、日中間の政治的摩擦等のマイナス要素を上回る形で推移していることが容易に想像できる。近年の旅行形態は、一頃の団体旅行中心の時代から個人旅行にも裾野が広がり、東京、富士山、大阪、京都といった定番の観光地以外の多種多様な訪日観光を期待する層が着実に増えている。
 そのような中、先般の「北京国際観光博覧会」(6月27~29日)において、当県、福島県及び茨城県はクレア北京事務所と共同でブースを設け、日本海から太平洋に跨る広域観光ルートを提案した。当県を含む3県のほかにも、多数の自治体が競うように出展しており、ゆるキャラ登場、ノベルティーグッツの配布など、旺盛な訪日観光需要を取り込もうとする出展自治体のあの手この手のPR活動は、やや過熱感さえ感じさせる雰囲気を醸し出していた。
(太田国交大臣が博覧会で当県ブースを視察する様子)
 さて、個人的にここ数年で強く感じることは、中国の都市部若年層にとって、訪日観光が急速な勢いで身近になっているということ。中国版SNSの微博及び微信等により最新の情報が大量に配信され、興味があれば、携帯電話から即座に情報をキャッチできる時代。日本各地の個性豊かな特産品や流行ものを扱うショップ、地方色豊かで新鮮な食材を揃える居酒屋など、細かい具体的な情報を求める声が一層強くなってきていると感じる。最近では、日本製の化粧品や美容関連商品などの値ごろ感もチェック済という女性も多く、「周りに、観光や仕事で日本に行く友達がたくさんいるので、頼めば欲しいものは簡単に手に入る。ネットショップを利用しても高くない。」との言いぶりは、中国の都市部若年層の実態を如実に反映するコメントそのもの。
 一方で、減少の一途をたどる日本人の訪中観光の影響で、中国の旅行会社の日本語ガイドは苦境に立っている。彼らは、基本給プラス歩合制の給料形態をとっているケースが多く、日本人観光客の減少はそのまま自らの収入に直結するからである。アカシアが咲く頃の大連、以前は日本人団体ツアーで大いに賑わっていた記憶があるが、近年は日本人団体ツアーと思しきバスを街中でほとんど見かけなくなった。折しも、日本から中国への投資環境の悪化による日本語人材の雇用減も重なり、このままの状態が続くと、中国人の日本語学習熱が急速に冷めていくことを懸念する。学生の修学旅行や研修旅行を中心とする青少年交流事業は、残念なことに、国同士の政治問題に大きな影響を受けるため、減少こそすれ、大きな増加は期待できないだろう。また、中国国内の高級ホテル(四星、五星)への悪影響も大きく、特に日本との関係が強い大連では大変厳しい状況が続いている。これは、観光客の減少だけの影響ではなく、いわゆる「政府の贅沢禁止令」に端を発する宴会・料飲収入の減少が重なっており、今後も暫くは厳しい状況が続いていくことだろう。中国は、悠久の歴史を背景とした世界遺産を数多く抱え、多民族が多彩な文化を色濃く放つ地域であり、世界有数の観光資源大国でもある。多くの日本人の心の中に、このような特徴があることを忘れ去ってしまっているかのようである。(わ)
      

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2014.5.30〈№140〉

○大連長興島経済技術開発区を視察
 5月8日、「遼寧沿海経済ベルト発展計画(=旧五点一線計画)」に位置付けられる大連長興島経済技術開発区(臨海工業区)を視察した。長興島は揚子江以北で最大の島、大連市中心部から約130キロ、高速道路利用で1時間強の距離であり、利便性の高い場所となっている。同区管理委員会招商局の関係者によれば、各国企業の先進レベルの世界大型石油化学産業基地の成立を目標に掲げ、石油化学事業を柱として、同事業の川下企業の誘致に力を入れているとのこと。すでに日系企業の進出もあり、恒力集団(江蘇省蘇州市)の石油化学基地が本格稼働するなど、今後の開発区の発展の可能性も垣間見ることができるが、未だ発展途上との感は否めない。やはり、昨年の韓国造船大手STXグループの経営破綻、造船基地の閉鎖、それに伴う従業員の大量解雇の影響は大変大きいと想像する。広大な敷地にSTXの看板が未だ数か所で残されている光景は少し寂しくも感じられた。

 私自身、2009年に視察して以来5年ぶりの訪問となったが、その当時、造船会社STX集団の造船基地の本格稼働、その関連企業の進出の影響もあり、かつての「未開の島」は一変、その波及効果は絶大に見えた。人口増に伴う住宅開発が相次ぎ、サービス業拡大にも直接に繋がっていた。開発区側の当時の説明によれば、深圳、上海浦東、天津濱海新区と並ぶ重要な役割を担うとのことで、遼寧省書記を経歴に持つ李克強氏(現総理)のバックアップのもと、日本を含む世界各国の優良企業の誘致を積極的に行い、更なる活況を強く期待していたと記憶している。
 さて、中国商務省の統計によれば、今年第一四半期の日本の対中直接投資(実行額)は前年同期比46.7%とほぼ半減、製造業の大型投資案件が急減したという。これまでの十数年、地方政府はインフラ整備、産業誘致、都市開発を地域どうしで競うように進めてきた。特に産業振興の面では、外資誘致、国の事業誘致、さらに地方単独事業を積極的に実施してきたが、現状では非常に厳しい局面にあることが容易にわかる。同区管理委員会招商局の関係者は「数ある開発区の中で、当開発区の特徴は・・・」との言い方を再三強調していたことがその象徴で、地域間競争及びそれに伴う地方の開発区乱立を誰しもが意識しながらの企業誘致を続けている。
 中国各地の地方政府主導の開発計画等の推進によって、かつて多くの地域が経験した「土地収入⇒インフラ開発⇒産業誘致⇒都市開発⇒税収増」と続く好循環への期待は、もう既に限定的になっている。(わ)       
○各種商談会等の参加募集

 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等の参加企業を募集しています。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行います。現段階での計画は下記のとおり(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますのでご注意ください)。

・8月28~31日   延吉国際投資博覧会(吉林省延吉市)
・9月5~9日     中国-北東アジア博覧会商品展(吉林省長春市)
・10月16~17日  大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)

 参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。なお、参加申込書等の詳細内容は、後日、当事務所ホームページにアップするとともに、希望する企業には直接送付する予定ですので、当事務所にお気軽に請求してください。 これまで同様、出展に係る費用負担は、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。(わ)        

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2014.4.16〈№139〉

○北京「桜を見る会」で県産品PR
 4月8日、北京の日本大使館の大使公邸で開催された「桜を見る会」で新潟県ブースを出展した。残念ながら、今年の桜は早めの開花で、一部の桜は散り気味であったが、公邸の庭を開放しての桜観賞、地方自治体及び企業による展示スペースでのPR活動に際し、日中招待客、各国大使館関係者など約500名の出席者で賑わいを見せていた。

 さて、新潟県ブースではネットサイト「新潟館」(http://emall.chinapay.com/store/289254.html) の県産品展示及び県観光パンフ配布によるPR活動を行った。これまでの宣伝活動と併せ、今回のPR活動で、個々の商品に対する中国の方々の典型的な反応が概ね整理されてきている。
  例えば、日本国内で販売好調のステンレス製の磨き屋ビールグラス。「ビールの泡がきめ細かくなり、のど越しがよくなる」との特徴を再三説明するが、思いのほか評判は芳しくない。「外観は鏡のようにきれいだけど、やはり透明の方がいい」「容量の小さいグラスはないの?」との感想がよく漏れる。実際には、中国の酒席では、一気飲みしやすい「泡の少ない」ビールを「容量の小さい透明なグラス」で一気に飲み干すという特有の乾杯文化が多分に影響しているのではないかと見ている。一方で、内面を24金の抗菌加工で施された「磨き屋ぐいのみ」の評判は比較的良い。金を好む中国人の嗜好にぴったりマッチした商品で、「日本酒だけでなく、お茶や白酒でも使える」といった感想もあり、ネットショップのサイト上の売価を紹介すると十中八九「安い」という反応が返ってくる。さらに、金の外観から受ける高級イメージは、面子を重んじる国民性から贈答品用としても好まれる可能性が高いと推察している。(わ)
○ハルビンスキークラブで県観光PR
 4月12日、黒龍江省のスキー愛好家で組織する「ペンギンスキークラブ」の招待を受け、年次総会に参加し、新潟県の観光宣伝プレゼンテーションを行った。当日は、100名を超える参加者で会場が埋め尽くされ、大きな熱気に包まれていた。多くのメンバーは、毎年のように海外スキーツアーに出かけており、新潟県内のスキー場にとって、まさに「お得意様」。スキークラブの劉昆会長は、新潟県内のスキー場をすでに何回も利用した経験があり、山形県のスキー場のほか、最近ではカナダのスキー場にも足を運び、海外スキーを楽しんでいるとのこと。スキーの内容は、競技スキーというより、むしろ、生涯スポーツとして余暇を楽しむレベルの方々が中心に集まっている様子で、海外渡航してスキーを楽しむことができる層が近年急速に拡大していることが伺える。

 さて、この年次総会、「堅苦しい」会議の要素はほとんどなく、日本及びカナダの関係者からのプレゼンテーションのほか、スポーツ用品メーカー代理店が協賛する景品抽選会、クラブ会員による踊り等の出し物など、参加者自身が楽しめる会合に工夫されていた。劉昆会長によれば、スキー場だけの単純比較では、雄大な自然環境に恵まれるカナダのスキー場に大きな魅力を感じるが、黒龍江省の人にとって、新潟のスキー場は、時差のない短い移動時間、温泉とのセットが可能、おいしい日本食を十分味わえるという要素で、総合的に一番良いスキーリゾート地であると評価していた。さらに今後は、北海道のスキー場にも行ってみたいと語っていた。スキー客の集客という面では、中国人富裕層の取り込みがこれからもますます重要になっていくことは間違いない。(わ)

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2014.3.6〈№138〉

○上海華東交易会に出展
 3月1日~5日の日程で開催された「上海華東交易会」に3県(埼玉県、群馬県、新潟県)合同出展した。
 「上海華東交易会」は、上海を含む華東地域最大の総合見本市で、歴史は古く、出展規模でも中国国内屈指の商談会である。主催者側から、ここ数年間、日本企業からの出展ブース数の伸び悩みを指摘され、更なる出展拡大協力を強く要請されるようになっている。しかし、会場の出展ブースで扱う商品を注意して見てみると、日本製又は中国製の別はともかく、日本関連商品を扱っている出展業者は、現地企業を含めて相当数にのぼり、多くの競合商品で溢れていることに気付く。さらに、全く同じ商品が別々の出展ブースで出品されているケースも散見される。華東地域の市場拡大及び購買力向上に比例する形で、競争激化がますます進む証左でもあり、ビジネスできる隙間が年々狭まっているようにさえ感じられる。
(新潟県ブース出展の様子)
さて、この3県合同出展は、昨年に続いて2回目。上越新幹線及び関越自動車道で結ばれる3県が、知事会議の中で進める共通検討項目「対岸貿易による産業振興」を実現するための具体的事業の一環として実現した取組である。今年は、埼玉県関係企業5社、群馬県関係企業2社、新潟県関係企業8社で、合計10ブースの出展となった。 当事務所のほか、埼玉県上海ビジネスサポートセンター及び群馬県上海事務所の相互協力により、開催初日の夜には、出展企業間の交流会も実施し、3県企業間の交流も深めた。私自身、交流会を通じて知り合った他県企業の中に、日本商品セレクトギフトショップを運営している企業があり、早速、2日後に上海マートの常設展示場を視察し、経営者と意見交換した。当該企業は、商品サンプル品のBtoB常設展示、日系を含む大手高級百貨店への委託販売ルート提供及び企画、日本から中国への物流通関代行を同時に提供する会社で、中国市場開拓に必要なビジネスサポートをフルセットで提供しており、取扱いアイテム数を着実に増やしている様子、大いに示唆に富む内容であった。(わ)
○中国巡回新潟物産展の開催
 先に終了した成都伊勢丹での新潟物産展開催に引き続き、天津伊勢丹ジャパンフェア(1号店・2月15日~28日、2号店・3月1日~12日)、上海伊勢丹ジャパンフェア(第1期・3月3日~9日、第2期・3月10日~16日)で、各々並行して新潟物産展を開催中である。今回は、燕及び三条を中心とした新潟県産品のほか、新潟県関係企業の中国現地生産商品(米菓、電化製品など)も積極的に加え、賑やかなラインアップとなっている。成都伊勢丹での開催では、ニット製品が売上好調で、今後の直接取引のルート確立への道筋を付けたが、天津及び上海でも同じような実績を積み上げられるか否かは微妙なところ。実際、競合製品が数多く、激戦の上海市場ではこれまでも苦戦の連続であったことは周知の事実。売れ筋商品のデザインなど商品の性質そのものの分析も含め、今後の販売状況にも注目していきたい。
(天津伊勢丹の新潟物産展開催の様子)
 なお、3月21日からは新装オープンしたばかりの瀋陽久光百貨店ジャパンフェアで新潟物産展を開催し、同時に新潟県観光PRコーナーも設置する予定。遼寧省の省都・瀋陽での県産品販売状況も引き続きレポートしていきたい。(わ)

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2014.1.26〈№137〉

○靖国問題発生後に期待すること
 12月26日の安倍首相の靖国神社参拝以来、中国の各メディアは、アメリカをはじめとする各国の反応も含め、一斉にこの問題を取り上げ、連日のように報じていた。日系企業の事務所が集中し、当事務所も所在する大連森ビルでは、万が一のため、24時間体制で公安(警察)の車が待機しているが、現段階で目立った問題は起きていない。日中の政治的摩擦が起こるたびに、心配することは日本製品の不買運動に関係する動き。2012年の尖閣問題発生時には、一部破壊活動にまで及んだ出来事をどうしても思い起こしてしまう。
 そのような中、中国国内で影響力のある有名ブロガーとして選出されたこともある信力建氏が今月4日に発表した文章は大変興味深い。同氏は、この文章の中で、安倍首相の靖国神社参拝を痛烈に批判する一方で、これに関連した日本製品の不買運動に対して、時代遅れで愚かな行動であると皮肉を込めて警告している。日本製品の不買運動は、両国摩擦のたびに発生してきた問題で、約百年前の20世紀初頭から始まった、長年にわたる問題でもあるという。しかし、現在のようなグローバル時代では、百年前とは全く状況が違うと指摘している。多くの製品で多国籍化が進み、重要な部品や知的財産等は日本関係で占められ、現実には、高度に精密化した製品にあっては、どの国の製品であれ、多くの日本製が隠れて内在している。自動車産業など、安全性や省エネ技術で革新的技術が求められる中、高い技術力を誇る日本製品をボイコットし、いわんや破壊することは、時代錯誤そのもので、結局は中国国民を傷つける野蛮な行動であると断じ、商品を受け入れるか否かは、消費者の選好を反映する市場が決めるべきと主張している。まさに良識ある意見で、多くの中国の方々がすでに気付いている問題でもあろう。
 さて、ジェトロ大連事務所によると、昨年8月以降、事業見直しや撤退を視野に入れた相談が増加しているという。東芝がテレビ事業見直しの一環として、昨年末に大連工場を撤退したというニュースはその典型的な例で、そのほかの企業でも、事業縮小に伴う地元従業員の大幅削減や日本人駐在員の帰国は最近よく耳にする話である。実際、地元メディアの報道はないが、先日も工場閉鎖に関係すると思われる騒動で、地元開発区の管理当局前に関係者が大挙して集まる様子を見かけた。
(関係者が開発区管理当局に集まる様子:直接の因果関係不明)
 確かに、物価上昇、人件費高騰、さらに急激な円安が加わり、多くの日系製造業者が苦境に陥っていることは事実である。特に取引内容が日本本社や日系顧客と密接に繋がっている場合は、売上収入が円ベース、経費が人民元となるケースが多く、二重三重の逆風にさらされていることになる。大連市政府は日系進出企業のこのような状況を踏まえ、外資企業の更なる負担増に直結する外国人の社会保険加入制度の実施見送りを事実上継続させる公算が高いとの噂が流れている。
 一方で、この苦境を、中国内販拡大への注力、自働化無人化によるコストダウン、中国人幹部の起用による経営の現地化等の企業努力で乗り切ろうとしている企業は多く、決して悲観論ばかりではない。今月15日に在瀋陽日本総領事館主催の「中小企業懇談会」に出席したが、様々な業種からの参加者があったこともあり、苦しい現状を伝える声が多い反面、拡大する中国市場を捉えたビジネスを順調に展開させているという明るい声も聞かれた。また、少子高齢化社会の到来を踏まえた老人介護ビジネスの事業化、環境ビジネスなど中国の成長企業と高い技術を持つ日本企業とを組み合わせる投資ファンドの設定等、今後の成長分野として認知されているビジネスが、既に実行の段階に入っていることを覗わせる内容もあった。 日中間の政治的摩擦が長期化し、関係改善の兆しが全く見えない中、「政経分離」「政冷経熱」が日中ビジネスの暗黙の了解として、今後とも日中双方で継続していくことができるように期待するしかない。(わ)

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2013.12.22〈№136〉

○昨今の日本製品への引き合いPR
 今年8月実施のジェトロ海外ビジネス調査の結果によると、「昨年9月以降の日中情勢が現在(今年8月)の中国ビジネスに影響がある」と回答した企業は31.3%で今年1月調査と比べ、17.5ポイントの大幅低下、一方で、今後も中国でビジネスを展開する理由として、「販売面でビジネス拡大を期待できる」とした回答が70.1%で最も高く、今年1月と同程度の回答率に上った。
 これを裏付ける形で、中国汽車工業協会の統計によれば、中国市場の11月の国別乗用車販売台数は日本車がトップ、昨年9月の尖閣諸島問題発生以来低迷していた売上が急回復し、乗用車の新車販売に占めるシェアで11か月ぶりに首位を奪還したという。また、11月開催の中国国際工業博覧会では、県内の環境ビジネス関係企業を集めて出展する中、空気清浄機を製造販売する県関係企業に商談殺到、大きな成約を獲得した。
 日中間の政治情勢は、今もなお不安定な状況で、微信及び微博など中国版SNSでは日本製品の不買運動を呼びかける過激なチャットを多く見かける。しかし、実際の行動として、広がりを見せていない。むしろ、多くの中国人は極めて冷静に受け止め、反日機運はどこ吹く風、日本製品を購入している実態を窺い知ることができる。
(レセプションで県産品を展示説明している様子)
 先月末から今月にかけて、日本大使館及び中国各地の領事館が天皇誕生日記念レセプションを開催し、当事務所も北京、大連、瀋陽、青島のレセプションに参加し、県産品を展示して販促活動を展開した。県産品を手にした中国の方々は日本製品の品質の高さを認め、とりわけ、中国製品との違いや製品の独自性を知ることに大変熱心、このような現実的、理性的、そして冷静な中国の方々が実に多いことに気付かされる。折しも、「防空識別圏」をめぐる対立など日中間の新たな火種が発生、連日の報道で、ある種の緊張感を助長する最中ではあったが・・・。(わ)
○「口コミ」を支えるツール「微信」
 中国ではマスコミ等報道機関に対する情報統制、フェイスブックやツイッターなどへのアクセス統制が行われていることで有名であるが、一方で、近年、中国版SNS(微信、微博等)が爆発的な広がりを見せている。スマートフォン全盛の中、圧倒的な一番人気は微信(WeChat)で、その登録ユーザーは6億人を突破したという。実際に使ってみると、LINEの無料チャット機能とフェイスブックのソーシャルネットワーク機能を併せ持ち、ボイスチャット機能や写真をメインにしたSNS機能が手軽に使える優れもので、海外ユーザーも急拡大しているという。
  中国の方々はマスコミの報道や専門家の意見だけに頼らず、むしろ、身近な周りの人々の意見を聞き、可能であれば自分で確認することを重視する傾向があり、「口コミ」の爆発的拡散の基本ツールとして微信がその大きな役割を果たしている。また、自分撮りを含め、自らの情報や経験を情報発信することに非常に熱心な国民性がある。特に微信は、情報提供の相手先を自ら限定する中での情報発信で、スマートフォンによる即時性の高い情報のやり取りが可能、中国人のモバイル使用習慣に見事に合致したツールとなっている。
私の微信画面
 そこで、私も中国の方々に習い、臆面もなく自らの写真を公開して、日常業務からプライベートまで微信で情報発信している。その実、驚くほどの反応があり、事務所活動のPR効果、県産品の宣伝周知、さらには個人的なネットワーク拡大にも一役買っている。(わ)

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2013.11.18〈№135〉

○青島ジャパンデイで「新潟館」PR
 11月15~17日まで、在青島日本総領事館、青島日本人会、ジェトロ青島等が主催する「青島ジャパンデイ」に、新潟市と共同という形で新潟県ブースを出展した。会場は、一定の集客力を持つ青島イオン東部店、BtoC向けの宣伝PRの場としては好条件の場所であった。
 ブースのメインには、中国向けネットショップ「新潟館」の宣伝及び利用促進を目的に、「新潟館」販売商品の展示PRを行った。「新潟館」商品は中国の方々が新潟県産品を個人輸入する形で直接購入することができ、現地通貨の元決済が確実に行われるというメリットがあり、かつ、今後も市場拡大が見込まれるネットショップを活用した常設販売ルートであるという特色がある。目下の課題は「新潟館」通販サイトの認知度の低さであり、この課題克服のため、地道な宣伝普及を続けており、今回の出展もその一環である。 〔中国向け通販サイト「新潟館」アドレス〕 http://emall.chinapay.com/store/289254.html
(青島ジャパンデーの県出展ブースの様子)
 さて、中国では、11月11日を「光棍節」(独身の日)と呼び、中国独自の記念日として定着している。これは、「光棍」が枝葉を持たない木、転じて妻子を持たない独身者の意味に由来し、まさに「1」(シングル)が4つ並ぶ11月11日を指して、シングル(独身)デーと呼んでいる。 
 しかし、最近では、11月11日を「双十一」と呼び、「淘宝(タオバオ)」などを運営する電子商取引の中国最大手アリババグループを中心に「オンラインショッピングの日」として広く認知され、各社が大々的な値引きセールのキャンペーンを展開する日になっている。そもそもは消費欲旺盛な独身者を当て込んだ企業戦略で始まった動きが、今では「ネットショッピングをする日」として定着してしまったのである。売上の内容は、服装などの一般販売店の商品のほか、新車、宝飾品、高額ブランド用品など、大規模かつ広範囲に商品がラインアップされており、すでに独身者のみを対象とするキャンペーンではなくなり、ネットショップ販売促進セールとして破格の経済効果をもたらす興味深い現象になっている。
 今年も、ネットショップ消費の中心である若年層の多くは11月11日に日付が変わるタイミングで、パソコンの前に、又は、スマートフォン片手にネットショップに興じていたという。その結果、アリババグループの「双十一」の総売上は、350億元(約5,700億円)、実に、昨年「双十一」の総売上191億元の約2倍弱の数字をたたき出している。350億元のうち、20%超は携帯電話からの購入で、これも昨年比の6倍弱、中国でのスマホ普及の影響が色濃く出ていると考えられる。さて、たった1日で売り上げた350億元という数字、これは中国本土で約400店舗を展開するウオールマート中国の半年分の売上高に相当、「楽天優勝セール」を展開した楽天市場の今年9月の1か月間の流通総額1,426億円の3倍に相当する額と説明すれば、その途方もない大きさが少しは想像できるだろう。
 この大バーゲンセールの内容を見ると興味深い点がある。アリババグループの販促活動に呼応して参加した通販サイトには、ハイアールなどの家電、ユニクロなどの服装、さらに家具など実店舗をもつ会社が多数含まれ、売上を爆発的に伸ばしている。通販サイトを実店舗関連商品の販促ツールに活用する戦略で、中国の巨大な潜在的消費力を喚起することに一定の効果を得た模様のようだ。
 習近平新体制に移行後のいわゆる贅沢禁止令、無秩序な公共投資の見直し、外国からの投資の伸び悩み等が指摘されている昨今の中国経済であるが、一方で、高級消費財を中心とする消費の拡大傾向は今後も続いていくことは確実であり、消費拡大が中国経済の原動力になっていくことは間違えない。(わ)

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2013.10.23〈№134〉

○「越後杉」中国輸出で販路拡大目指す
 昨今の日中関係の悪化が懸念される中、10月18日~19日の2日間の日程で、大連中日貿易投資展示商談会が開催され、当事務所の募集・取りまとめにより、県関係企業等6団体が出展した。会場全体としては、日系企業出展の伸び悩みにより、過去の開催状況と比較して、全体として活気のない商談会となっていた。
 そのような中、当県の出展団体の中に、県産杉で名高い「越後杉」の中国への販路拡大を目指して出展した団体があり、会場内で一際高い注目を浴びていた。
(サンプル品展示により、商談会に出展する様子)
 この団体は、県産杉の販路拡大を目指す県及び地元森林組合、併せて、中国の木材加工業者とすでに取引のある糸魚川市関係企業が共同で取り組む組織である。
 出展の経緯として、そもそも県産杉は、戦後に大量に植林された人工林を中心に伐採期を迎えており、新たな需要先の確保が求められる一方で、将来的な人口減少等による木材需要の減少が見込まれる国内市場の現状を踏まえ、木材需要が急増する中国への輸出による販路拡大を目指す実証事業の一環として試みている背景がある。
 また、高い経済成長が続く中国では、木材需要の急増とともに、国内の木材だけでは賄いきれない実情に加え、自国の天然林の乱伐を原因とした大洪水頻発の教訓等から、禁伐等の法規制が進み、ロシア材など外国輸入材に一部依存せざるを得ない現実もある。
 一方、県内では、強度及び抗震性が高く安心安全な越後杉は、杉が本来持つ特徴としての、優れた調湿効果や断熱性能、さらには有害化学物質の除去等の空気浄化作用も兼ね備えるなど、健康面でも大きな効用があると高く評価されており、すでに県内では、一般住宅だけでなく、高齢者施設や幼稚園などの公共施設にも積極的に使われているという。
 今回の取組は、糸魚川産県産杉を市内で製材加工し、直江津港からコンテナ輸出した上で、大連を内装材等の加工拠点及び販売窓口として中国国内で販売することを目的としており、その前段としてサンプル品を当商談会に出品し、実際の商談を通じて市場調査し、課題抽出することが狙いであった。
 フローリング用床板、壁、天井羽目板、テーブル等を展示したところ、その温かい色合い、心地よい香り、程良いつやなど、中国の方々の関心は予想外に高く、破格の商談ロットに、出展者側が戸惑う場面もあった。
 今後の課題として、輸入材としての高い価格設定の中、まずは越後杉の優れた特徴や効用を、中国富裕層を中心に地道に広めていき、認知度を高めていく努力が必要であると考えている。
 今回の商談会出展をきっかけに、大連市内の高級家具建材センターで、越後杉サンプル品の常設展示がすでに開始され、宣伝PR用の越後杉中国語版パンフや今回の商談会で展示した越後杉紹介パネルも飾られている。
 この動きが、中国輸出による販路拡大への端緒となることに期待するとともに、当事務所としても、新たな市場開拓に向けて、できる限りのバックアップを続けていくことにしたい。(わ)
(大連高級家具建材センターでの常設展示の様子)

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2013.9.24〈№133〉

○吉林省で2つの商談会に出展
 当事務所の募集取りまとめにより、第9回中国延吉・図們江国際投資貿易商談会(吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市、8月26日~30日、県関係企業4社出展)及び第9回中国北東アジア博覧会(吉林省長春市、9月6日~11日、県関係企業5社出展)に相次いで出展した。
  延吉商談会の出展にあたり、私にとって、ほぼ3年ぶりに訪れた延吉市であったが、ずいぶんと街並みが綺麗に整えられ、開発が進んでいることに気付き、大変驚いた。
  延辺州商務庁によれば、中国国内の大手銀行2社の本格進出が決まり、今後も投資案件が増えるのは確実とのこと。元々、韓国製品の集積地として知られている地域であるが、日本商品への需要も近年急速に、伸びてきているという。その証拠に、当県出展企業でも着実に成約案件が出てきている。延吉商談会の規模そのものはあまり大きくはないが、経済発展が他の大都市と比較して遅れている分、ビジネスチャンスは依然として相当程度存在すると見て間違えなさそうである。
(中国延吉国際投資貿易商談会の県ブースの様子)
  中国北東アジア博覧会は、今年も国家級商談会として、吉林省の省都・長春で華やかに開催された。地下鉄工事が進む長春市内の各所は、土ほこりにあふれ、市街中心部の渋滞は相当に深刻化していた。
 この博覧会は、年を追うごとに国際色豊かになり、大会規模の拡大を図ってきた経緯がある。しかし、出展に際し、ブース料金の毎年の高騰に加え、昨年同様、多額のブース装飾代金を納めることを事実上の出展条件とする等、出展者側に対する理不尽な取扱いが散見されるようになっていた。さらに今年は、装飾費用の領収書発行をめぐり事務的なトラブルが生じ、大会事務局側のお粗末な対応ぶりに、当県ブースを含む、多くの日系の出展関係者を悩ませていた。今後は、名実ともに国家級商談会としての名に恥じないような事務局運営を期待したい。(わ)
(中国北東アジア博覧会の県ブースの様子)
○県と伊藤忠大連でビジネス支援の包括協定

 新潟県は今年8月、県企業の中国東北地方におけるビジネス活動支援のため、中国進出の大手商社との初めての試みとして、伊藤忠(大連)有限公司とビジネスコンサルティング業務委託契約を結んだ。契約期間は来年3月末まで。
 伊藤忠(大連)有限公司は、中国東北地方を活動範囲に、大連のほかハルビン、長春、瀋陽にそれぞれ事務所を設置しており、これまでも当県関係者との交流を図ってきた経緯があった。今後は、当事務所、県ハルビンビジネス連絡拠点及び県長春ビジネス連絡拠点の活動の中で、伊藤忠(大連)有限公司のネットワーク等を活用して、県企業と中国企業とのビジネスマッチング