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新潟県大連レポートDALIAN REPORT

目次

           
2016年7月29日
ハルビン商談会に参加して
伊藤忠(大連)を通じた東北三省でのビジネス支援
お詫び
2016年5月31日
各種商談会等の参加募集
着任の御挨拶(小玉邦夫)
2016年3月27日
事務所の業務を振り返って
離任のご挨拶(渡辺慎一)
2016年1月28日
中国東北部の経済成長減速
2015年12月30日
中国市場で「売れる」ということ
2015年11月23日
熱狂するネット商戦の一方で
湖南省との交流拡大に向けて
2015年10月28日   
留学生誘致の背後にある現状
2015年9月15日
対日投資に係る期待
「爆買い」の行く末
2015年7月28日
中国のメディアと情報受発信ツール
2015年6月24日
日中関係改善の動きと影響
2015年5月17日
大連に新潟県商品等紹介スペース設置
各種商談会等の参加募集
2015年3月31日
物産展から垣間見る消費行動
2015年2月27日
大連に「体験型アンテナショップ」開店
日本産木材の中国市場開拓の可能性
2015年1月31日
「代購」商品を取り巻く環境
宅配便サービス急増の背景
2014年12月3日
三菱商事(上海)中心に県展示スペース
天皇誕生日祝賀レセプションで県PR
2014年11月6日
大連日本商品展覧会に出展
北京で日中知事省長フォーラム参加
2014年9月15日
高齢者介護ビジネスに関すること
2014年8月25日
中国駐在3事務所長、セミナー開催
香港フードエキスポ、日本産品競争激化
2014年7月8日
日中間の観光客動向に関する転換点
2014年5月30日
大連長興島経済技術開発区を視察
各種商談会等の参加募集
2014年4月16日
北京「桜を見る会」で県産品PR
ハルビンスキークラブで県観光PR
2014年3月6日
上海華東交易会に出展
中国巡回新潟物産展の開催
2014年1月26日
靖国問題発生後に期待すること
2013年12月22日
昨今の日本製品への引き合い
「口コミ」を支えるツール「微信」
2013年11月18日
青島ジャパンデイで「新潟館」PR
2013年10月23日
「越後杉」中国輸出で販路拡大目指す
2013年9月24日
吉林省で2つの商談会に出展
県と伊藤忠大連でビジネス支援の包括協定
2013年8月25日
県省提携30周年「新潟フェア」開催
2013年8月18日
ハルビン大連高速鉄道利用の影響
香港FOOD EXPOに出展
2013年6月27日
各種商談会等の参加募集
日本商品の販売実態
2013年5月21日
「自働化・省人化」工場見学会を開催
2013年4月29日
関係機関へ挨拶まわり
大使着任レセプションで「新潟館」PR
2013年3月27日
上海華東交易会に三県合同出展
上海の百貨店で物産展を連続開催
2013年1月15日
中国は世界最大のネットショッピング市場
日本留学の現状と特徴
2012年11月12日
蘇州市で新潟物産展を開催
大連日本人学校の5年生が来所
2012年10月17日
吉林省の延吉商談会、長春博覧会に出展
中国のゴールデンウィーク 7.4億人が移動、大混雑
2012年8月7日
事務所開設15周年記念行事を開催
中越クリーンサービスが瀋陽市に現地法人設立
2012年6月13日
瀋陽で新潟物産展を開催
各種商談会等の参加募集
2012年5月3日
新潟県長春ビジネス連絡拠点が開設
各都市でタクシー燃料附加費を徴収、 引き上げ
2012年3月31日
新潟-上海便増便の記念訪問
黒龍江省教育訪問団が新潟県を視察
2012年2月27日
「元気な日本」北京展示会に出展
在瀋陽自治体交流プラットフォームの成果
2012年1月12日
大連に子ども写真館を開店
大連市は外国人の社会保険料徴収を延期
2011年12月26日
江蘇省・上海市で観光説明会開催
日系コンビニが大連で開店
2011年11月25日
新潟県ハルビンビジネス連絡拠点が開設
大連航空会社が設立
2011年10月11日
夏季ダボス会議が大連で開催
吉林省の博覧会に出展
2011年5月24日
大連ラジオ番組にゲスト出演
各種商談会等の参加募集
2011年3月24日
大震災後の影響
第四銀行上海駐在員事務所の開設
2011年1月31日
旺盛な春節消費で新潟米売れ行き好調
「新潟-上海線」増便で週4便へ
2010年12月28日
大連郊外に温泉・スキー場開発相次ぐ
労働争議後の先行き
2010年10月31日
上海万博「新潟フェア」開催
上海市、江蘇省で観光説明会開催
2010年9月17日
中国東北部の商談会に相次いで出展
2010年7月10日
「新潟ーハルビン線」利用促進に向けたプロモーション活動
2010年5月4日
上海万博が開催
各種商談会等の参加募集
2010年2月27日
高級百貨店で新潟食品物産展を開催
2010年1月23日
新潟ラーメン店、ハルビンで開業
新潟米、春節商戦で売上げ好調

新潟県大連レポート

2016.7.29〈№159〉

○ハルビン商談会に参加して
 本県が1983年に友好議定書を締結した黒龍江省は、中国最北部に位置し、面積約47.3万㎢(ほぼスウェーデンに相当)、人口約3,812万人(2015年末現在、ほぼポーランドに相当)の、国家並みと言っても過言ではない巨大な友人である。
  同省政府が最重視する経済イベント「ハルビン国際経済貿易商談会」(通称「ハルビン商談会」)は、中国東北部で最も歴史ある商談会である。27回目となる今年は、6月15~19日まで省都ハルビンで開かれ、筆者も21年ぶりに参加した。今回の商談会は、主催者発表では総展示面積8.6万㎡、総展示数2,410ブース、総来場者数延べ20万人、出展企業数1,527社(うち海外企業312社)、バイヤー来場者数は5,182人(うち海外44か国1,368人)で、業種としては新素材関連(約24%)、食品(約11%)が多かったそうである。また、フォーチュン誌が選ぶ世界トップ500社のうち18社、多国籍企業61社もこの商談会を視察したという。
 今年のハルビン商談会の特徴は、「中国国際新素材産業博覧会」との併催のため、先述のバイヤーの業種もそうだが、先進の鉄鋼素材、非鉄金属素材、石化素材等を展示する新素材関連産業ブースが全体の約4割を占めたこと。そして、日本との経済貿易協力重視の方針から、同省政府の要請で、日本の大手商社・銀行・メーカー等総勢約50名のビジネス交流ミッションが、開催期間中初めてハルビンを訪れ、陸昊省長との会見、省側企業・団体との個別商談等を行ったことである。陸省長からは、直近にあった習近平国家主席による同省視察、同省産業の優位性、日本との協力可能性等について熱のこもった説明があり、会見は大幅に予定時間を超過したという。
 筆者は上記の会見に同席することはできなかったが、商談会初日に開催された「黒龍江国際友好都市交流大会」に出席し、全国最年少で省長に就任した陸氏の講演を拝聴することができた。同氏は、省概況に関するプレゼンの冒頭で、特に新潟市-ハルビン市の友好関係を例示し、海外自治体との更なる友好交流強化の必要性を強調されたことは新潟県人として光栄であった。また、同省産業の強みは、豊富な鉱物・生態資源に加え、近代的な農業基盤に基づく農業、牧畜業及び食品加工業等であり、この分野で海外との協力を一層推進したいと述べた。加えて、昨年の省外(海外を含む)からの同省訪問者数は、少なく見ても延べ4,000万人と推定されるとし、しかも対前年比30%増と、更なる成長が見込まれることから、今後はへルスケアや文化産業、生態資源と融合した観光業に注力する旨力説した。陸省長のプレゼンを聞き、農業や食品加工に強く、新潟-ハルビンの定期航空路線を持つ本県との連携可能性は、同省の12姉妹都市の中でも最も大きいと改めて感じた。
 さて、今年の商談会には、家庭用調理器具等を扱う県内企業5社が出展し、商談・売上額は速報値で対前年比16%増の5,460千円と、まずまずの結果だったという。増加の理由としては、昨年は開催時期が国慶節の大型連休後で、開催期間も1日短かったこと等もあるが、出展者が現地生産した新製品が好評だったことも大きいと考える。
 中国東北部では最大級の商談会なので、今後もこれをビジネスチャンスと捉え、より多くの業種の企業に御参加いただけるよう、当事務所では開催期間中はもとより、事後の中国企業とのつなぎ役も果たす等、支援体制を整えて参りたい。(こ)
○伊藤忠(大連)を通じた東北三省でのビジネス支援
 新潟県では、県内企業の中国東北三省でのビジネス活動を支援するため、伊藤忠商事㈱の中国東北部における拠点である伊藤忠(大連)有限公司と包括協定を締結しております。同社が有するネットワーク(伊藤忠ハルビン、伊藤忠長春等)を活用し、中国東北部における県内企業と中国企業とのマッチング支援等を行っておりますので、興味をお持ちの県内企業・団体の皆様は、お気軽に御相談ください。(こ)
○お詫び
 2016年5月31日付け第158号の当レポートに、平成28年熊本地震被災者の皆様への配慮に欠けた記事があるとの御指摘を読者の方からいただき、当該記事を7月15日にホームページから削除いたしました。被災者の皆様に不快な思いをさせましたことを心よりお詫び申し上げます。 新潟県大連経済事務所長 小玉邦夫

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2016.5.31〈№158〉

○各種商談会等の参加募集
 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地で開催される各種商談会等に出展する予定です。出展に係る費用負担は、これまで同様、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業御負担とさせていただきます。当事務所として最大限のサポートを行って参りますので、参加を検討される企業の皆様におかれては、お気軽に御相談ください。
 なお、参加申込書等の詳細は、近日中に当事務所ホームページに掲載するとともに、希望する企業の皆様には直接送付させていただきますので、お気軽に御請求ください。
 現段階での出展計画は以下のとおりです(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますので御注意ください)。
・8月28日(日)~31日(水)   延吉国際投資貿易商談会(吉林省延吉市)
・9月15日(木)~19日(月)     中国-北東アジア博覧会商品展(吉林省長春市)
・9月23日(金)~25日(日)  大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)(こ)
(昨年の長春の商品展での新潟県ブースの様子)
○着任の御挨拶(小玉邦夫)
 御挨拶が遅れましたが、4月1日付けで新潟県大連経済事務所に着任いたしました小玉と申します。微力ではございますが、関係諸機関と連携しながら、多くの県民の皆様方の対中経済・観光・文化交流などをサポートさせていただきたいと考えておりますので、何卒宜しくお願い致します。

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2016.3.27〈№157〉

○事務所の業務を振り返って
 「環境の変化に対応できない者はやがて淘汰されていく・・・」ダーウインが残した有名な一節は、現在でも様々な業界で通用する名言でもある。当事務所は、新潟県が経済界及び関係自治体の協力を得て設置した中国で唯一の代表事務所で、1997年3月以来、来年で開設20年を迎える。開設当時の関係資料を見直すと、大連は、東北3省の交通・物流の要衝として、「経済技術開発区」による対外開放をいち早く進め、当時の薄大連市長の強い指導力を背景に、日系企業の投資環境の優位性を前面に打ち出し、大連市全体が熱心に日系企業の誘致活動を展開、西暦2020年までに東北アジア経済圏の金融、貿易等の中心となる目標を掲げ、将来的には開発区全体を自由貿易地域として「北の香港」にするという壮大な構想をもっていた。そして現在、海上輸送の利便性を活かした加工貿易を目的とする製造工場が集積する大連進出の日系企業は、本社及び日系顧客向けの販売を主流とする企業も多く、近年の人件費高騰や為替変動の影響を受けて苦境に立ち、体制の見直しを余儀なくされ、すでに様々な影響が出ている。このように開設当時からの劇的な経済環境の変化を見るにつけ、まさに隔世の感を禁じ得ない。
 さて、開設当時から現在に至るまで、県関係企業のビジネス支援は、当事務所の主要業務と位置付けていることは変わっていないが、中国経済を取り巻く環境の変化に応じて、企業支援の内容にも質的に大きな変化を遂げてきている。90年代から2000年代初頭にかけて、県関係企業の中国投資・進出及び委託加工への支援ニーズが高く、中国の経済発展と歩調を合わせる形で企業進出は増え、その前段として、県からの数多くの企業視察団に当事務所が対応してきた時代があったが、近年は、経済環境の変化とともに、これら要望は衰退の一途をたどっている。
 先般、中国商務部は、「2015年の社会消費財小売総額が30兆1千億元に達して、前年比10.7%増加し、社会経済の成長に対する消費の貢献度は66.4%になり、これまでの投資と対外貿易の拡大を中心とした経済成長モデルから国内需要を中心としたモデルへ、とりわけ消費を中心とした経済成長モデルへの重大な転換の実現に成功した」と説明した。2015年の出国者数は1億2千万人、海外での消費額は1兆5千億元で、このうち少なくとも7千億元から8千億元が買い物に充てられたという。このような経済情勢の変化に対応して、当事務所の業務内容も、中国の巨大マーケットを地方経済の活性化に取り込むため、日本へのインバウンド観光客の誘致、地域特産品の輸出促進等の販路開拓といった経済活動にも軸足を置くようになり、事務所設置当時にはあまり想定していなかった業務のボリュームが増えてきている。
 また、すでに進出済みの県関係企業の現地活動支援へのニーズも潜在的に高く、当事務所の業務として、これらニーズをいかに掘り起し、主体的に取り組んでいくか、その成果が問われる時代に入っている。具体的な業務の中では、新たな販路拡大を目指したビジネスマッチング、組織運営等を含めた法的対応、外資企業に対する突然の政策変更に対する対応、商習慣が異なる地域におけるマーケティングなど、当事務所のような自治体職員では対応しきれない専門的な相談内容に対して、日頃から培ってきたネットワークをフルに活用して、様々なプレーヤーをコーディネートできる力が強く求められるようになったと感じている。広大な中国を活動範囲に、変化し続ける経済環境において、企業ニーズも刻々と変化し、当事務所に寄せられる相談や要望も変化し続ける中、情報や人を繋いでいくことの大切さについて、日々の業務を追うごとに、繰り返し実感し続ける駐在員生活であったと振り返っている。(わ)
○離任のご挨拶(渡辺慎一)
 このたび、3月末をもって新潟県大連経済事務所の所長を離任し、4月1日付けで新潟県知事政策局国際課中国室長に異動します。2013年4月からの3年間の任期中(前回任期と合わせて6年間の駐在期間中)、大変にお世話になりました。4月より、後任の新所長には新潟県庁から小玉邦夫が赴任いたしますので、当事務所の活動につき、これまで同様、変わらぬご支援とご協力を賜りますようによろしくお願いします。
 末筆になりますが、これからの皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、離任のご挨拶とさせていただきます。(わ)

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2016.1.28〈№156〉

○中国東北部の経済成長減速
 1月14日から3日間の日程で、泉田知事を団長とする新潟県代表団が友好提携先である黒龍江省を訪問、黒龍江省の陸昊省長と会談し、今後の交流について意見交換した。陸昊省長といえば、北京副市長、共青団第一書記を歴任し、2013年に全国最年少で省長に就任した逸材で、地方政府での経験をステップに将来の中央政府幹部の有力候補と目されている。知事との会談の中で、両地域の特性を活かした共同プロジェクトの立上げが提案され、省の経済発展に直接繋がる事業の推進を強く希望していた。これは省長就任以来、省の経済成長率は中国各省の中で下位に低迷し続けている中、日本の地方政府との経済交流により、両県省が持つ潜在的な優位性を活かし、地域経済の発展に結びつけたいという強い意欲が感じられた。
(泉田知事と陸昊省長との会談の様子)
 さて、肝心の中国経済、年初からの株価急落など経済成長の減速に関する報道が目立っている。中国国家統計局が今月19日に発表した2015年の国内総生産(GDP)は対前年比で6.9%増(物価変動の影響を除いた実質ベース)となり、政府目標の7%に迫る水準に着地した。この数字、先進諸国の経済成長率と比較すれば、依然高い水準である。ただし、かの有名な「克強指数」(李克強首相がGDPよりも重視する経済指標。発電量・鉄道輸送量・貸付総額の3つの統計項目)の直近統計数字の2項目を見てみると、中国国家統計局発表の2015年の総発電量は5兆6,180億キロワット時、対前年比0.2%減で、通年の減少は1968年以来初めて。さらに、中国国家発展改革委員会発表の2015年の鉄道貨物輸送量は対前年比11.9%減の33億6千万トン、過去最大の減少となった。発電量や貨物輸送量の落ち込みは中国の実体経済をより反映した数字として見る向きがあり、実際には減速傾向が色濃いと捉える専門家が多い。
 大連から吉林省や黒龍江省への出張で頻繁に利用する高速鉄道、そのたびに眺める車窓からの風景は私にとって既にお馴染みの風景となっている。まずは市内の密集した集合住宅地から始まり、しばらくすると郊外の新興住宅地が見え、やがて、広大な農地や丘陵地が広がる風景へと変わっていく。その郊外には地方政府主導の都市開発プロジェクトのビル群が出現するが、開発途中で工事が進んでいない区域、車やひと気のない高層住宅が散見され、何度見ても寒々とした気持ちにさせられる。都市部から離れた郊外のこのような風景、実は中国国内の多くの場所で見ることができる。これは、数年前から中国各地で進められてきた「都市化」政策がその背景にある。大都市圏の経済減速を補うように、その周辺地域や郊外に広がる農村地域を「都市化」して新たな経済発展に繋げていこうとする考え方で、高度経済成長を強力に牽引し続けると信じられてきた。しかし、実際には過剰投資、過剰供給に陥っている開発プロジェクトが実に多い。強権を持った政府が先行投資して開発、これに実需が追いつく限り問題はなかったが、多くの地域でいよいよ過剰投資のゆがみが顕著になってきた。まず始めに大きな箱を作って、後から中身を埋める的な発想から来る投資と開発は、その多くが限界に来ている証左であろう。
 経済成長を決する3つの要素である消費、投資、輸出入の中で中国経済は消費がGDPの約半分を占めており、中国政府は、消費主導型の成長への移行を目指している。折しも、春節直前で消費が最も集中する時期、都市部の繁華街はイルミネーションが光輝く賑やかな季節となったが、今後どのように消費を拡大させていくのだろうか?このほど、遼寧省は観光業の発展と消費拡大を促すため、「週休2.5日制」を奨励すると発表したところ。遼寧省といえば、かつて、李克強氏が省書記時代に推進した五点一線計画に代表される投資主導型の経済モデルを基礎とした中国東北部の先進地域、しかし現在ではそのモデルは瓦解し、各省別の経済成長率で最下位グループに転落した地域であり、まさに「苦肉の策」の様相を呈している。(わ)

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2015.12.30〈№155〉

○中国市場で「売れる」ということ
 12月は業務の巡り合わせから、ハルビン、長沙、南京、上海の旅行社を数多く訪問する貴重な機会を得た。周知のとおり、訪日観光客の急増は、地域ごとにその増加幅に違いはあるものの、どこも共通した現象であり、海外旅行を取扱う旅行社にとって、訪日旅行商品は、まさに「売れる」看板商品となっている。折しも、春節用の商品募集の時期と重なり、どこの社も活気に満ちた雰囲気に包まれており、収益機会をしっかり確保しようとする積極的な姿勢が感じられた。
 特に印象に残っていることは、12月14日に湯沢町観光プロモーションの一環で南京を訪問した際、地元旅行社向けの説明会終了後に開催された懇親会の席上、来賓参加していた駐新潟総領事館の前総領事(現江蘇省僑務弁公室主任)の王華氏からいただいた応援あいさつ。程永華駐日中国大使が毎年のように好んで訪れた湯沢町のスキー場でのエピソード、日中友好の象徴「朱鷺」に関係する佐渡のPR、東日本大震災発生時に多くの中国人を新潟経由で緊急帰国させたときに寄せられた県人との友情、さらには未来志向で目指す日中友好への熱い思いが語られ、参加する旅行社の方々から自然発生的に拍手が湧き起こり、日中双方の多くの参加者の心を強く打ち、私自身も実に感慨深く、同時に爽やかな気持ちにもなった。
(王華氏を囲む湯沢町長ほか訪問団の一行)
 一般に、訪日観光客向けの旅行説明会は、地元観光地に精通した日本人担当者が「売りたい」観光スポットや自慢の郷土料理等のセールスポイントを工夫しながら説明することが基本となるが、一方で、当該観光地を熟知している中国の方から、その人の視点で、中国市場において「売れる」観光地の魅力を自分の言葉で語ってもらうことほど説得力のある言葉はなく、最大級の応援をいただいたものだと今さらながら痛感している。
 そして、その次の週、別のミッションで上海の旅行社を数社訪問したときのこと、新潟への送客実績でトップクラスの某旅行社の担当者から、「新潟県の招聘事業で、今年の夏に県内の観光地などを幾つか紹介してもらったが、残念ながら、長岡の花火以外はほとんど印象に残っていない。冬の新潟の魅力を体験できる場所やイベントを紹介してほしい」との辛辣な意見を耳にした。もちろん、この意見は当該旅行社の担当者の一人が感じていることに過ぎず、けっして招聘した全ての参加者の意見を代表した内容ではないが・・・。同時にその発言を聞いていて「またか」という感覚を抱く、日本側が「売りたい」と思うものと中国側が「売れる」と感じているものとのギャップ。
 実は、中国市場で日本の商品を販路開拓しようとするビジネスの世界で宣伝活動をする現場で、たびたび同じような場面に遭遇する。中国で自社の商品を「売りたい」、この熱心な姿勢は、ややもすると、自分の商品を「売る」ことばかりに頭が一杯となり、何が中国市場で「売れる」のかを分析し、中国の商売人がどんな条件で何を欲しがっているのかを研究する姿勢が往々にして後回しになってしまう。誰しも「売りたい」とは思うが、「売れる」とは限らない。日本の商品は安心安全で高級なイメージがあり、物珍しさもあるため、多少の販売実績は出てくるかもしれない。しかし、本当の意味で利益を生み出すほどの事業規模にするには高いハードルが待ちかまえているのが現実。実際、中国の商売人に「売れる」と認めてもらえるような商材であれば、日方が黙っていても、自らが持つ人脈や経験をフルに活かして、必死に販路を開拓する努力をしてくれるだろう。そもそも、中国の流通経路や商習慣はとても複雑で、外国人の手に負えるものではなく、日本人が単独で入っていけるようなものでもない。主役である中国の商売人たちに本気になってもらい、彼らにたくさん儲けてもらう、これが中国市場開拓の原点であり、その儲けの一部を日本側にも分けてもらうぐらいの発想を持つこと、中国という他人の庭でビジネスをする以上、それぐらいの姿勢で臨むことが大前提・・・まさに言い得て妙、知り合いのビジネスマンから聞いた一言を思い出した。(わ)

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2015.11.23〈№154〉

○熱狂するネット商戦の一方で
 中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日、近年この日は、ネット上で通販サイト各社が一斉に特売をする日として定着し、すでに春節商戦に匹敵するイベントに拡大、今年も昨年の売上記録を大幅に上回り、その莫大な販売額と熱狂ぶりは国内外で大きく報道されていた。安さが売りのネット販売は、都市部だけではなく農村部まで利用者が徐々に拡大しており、近隣にまともな商店街がない場所でもスマートフォン一つで買い物ができる便利さとお手軽感により、通販サイトの消費は今後さらに増えていくだろう。
  しかしこの現象、中国経済の一部分を投影したに過ぎず、とても浮かれている状況にはない。先日、大連の繁華街で人民路沿い高級ホテル隣のテナントビルに久々に立ち寄るとその光景に愕然、夕方6時過ぎの退社時間にもかかわらず、人はまばら、各階のテナントは空き放題、以前多かったファッション関連のショップは減り、飲食店が各階ごとに何のコンセプトもなく軒を連ねている様子でその様変わりに驚かされた。さらに別の場所を見ると、今年の春先に大連駅近くの市街地にオープンした大型ショッピングモール、オープン当初は賑やかだったものの、数か月が過ぎ、来場者は随分少なくなっている印象、かろうじて一部の飲食店に幾分活気がある程度であった。近隣に住宅用マンションが集積するエリアということもあり、相当の集客を期待しているはずだが・・・、「(モール内は)天気や空気の汚染に左右されない絶好の散歩コース」との皮肉めいた声を聞いたことがある。そして、大連市政府に面した人民広場に隣接するオリンピック広場に総面積約22万㎡の超大型ショッピングモールが近々にオープン予定、このような状況で果たしてテナントは順調に入っていくのか?生活実感からかけ離れた無秩序な開発計画は、今の中国の地方都市の現状でもあろう。
 統計によれば、北京、上海をはじめ中国各地で、都市部だけではなく、市街地から離れた郊外も含めて大型ショッピングモールの新規オープンが増え続けているという。高騰したテナント料の関係から、客足に応じて入れ替わりが激しく、特に若年層のファッション関係の実店舗は、ネット通販に押される形で売上不振となり撤退するケースが多く、これらスペースを埋めるように飲食店が入居、大型モールに占める飲食店の割合が拡大し、日本と比べその割合は比較的高いように感じる。閑散としたブランドショップ店、対照的に賑わいを見せる大衆飲食店という光景は、中国の大都市圏に共通した現象になりつつあるようだ。「中国飲食産業発展報告(2015)」によれば、景気低迷やぜいたく禁止令による高級店の不振にもかかわらず、2014年の全国の飲食収入は、対前年比9.7%増の伸びを見せ、厚みを増す中所得者による大衆的な飲食店への需要が消費を強力に牽引していることが裏付けられている。一方、中国国内の高級ブランド専門店の閉店が加速しており、某有名ブランド専門店は最盛期の約半分まで店舗数が減少したという。その背景には、反腐敗運動、代購(海外商品の代理購入)の拡大、中国人の海外旅行者の増加等が影響しているものと考えられる。(わ)
○湖南省との交流拡大に向けて
 11月12日から4日間の日程で、森副知事を団長とする県訪問団の一員として、上海及び湖南省を訪問した。湖南省出身の駐新潟中国総領事館の何平総領事の支援もあり、これまでにも新発田市、南魚沼市、県マスコミ関係者の湖南省訪問が実現した一方、常徳市や郴州市の訪問団が来県するなど、すでに両県省の往来は活発化している。
(森副知事と何報翔 湖南副省長との会談の様子)
 今回の訪問の中で、両県省とも米の一大産地である特徴を活かした農業交流、世界遺産である張家界を筆頭とする魅力ある観光資源を活かした交流、さらには、今年2月に新潟で開催し来年も開催予定の「春節祭」への参加など、更なる交流拡大に向けた具体的な項目について意見交換した。(わ)

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2015.10.28〈№153〉

○留学生誘致の背後にある現状
 先月下旬、大連大学で日本語専攻の4年生を対象に県内企業系列の大学院大学への留学生募集を目的とした特別講義が開講され、「新潟県と中国との交流」と題して講演を行った。大学4年生、つまり、1990年以降に生まれた「90後」世代の学生、家族の愛情を一身に受け、裕福な環境で育ったデジタル世代、スマートフォンを自在に操り、自己の判断基準を大事にする個性派の若者と期待したが、会場からの質問はなく、随分おとなしい真面目な学生の集まりという印象を持った。
 中国人留学生の募集誘致に係る支援は、当事務所に寄せられる相談として、毎年、一定の件数があり、その期待感は強い。少子化が進行し、日本の高等教育機関(大学、短大、高等専門学校等)は自国の学生以外に、外国からの留学生を広く集めることは今後とも大変重要になってくる。優秀な人材をできるだけ多く取り込みたいニーズもさることながら、外国からの留学生で一定の学生数を確保したいとする学校経営上の理由も透けて見える。中国人留学生は、アジアの中で経済的に比較的余裕がある富裕層の学生が多く、日本の受入教育機関にとっては安定した“お客様”となるケースが多い。アルバイトしながらの苦学生といった一昔前の中国人留学生のイメージとは程遠い学生像、すなわち、親からの仕送りでアルバイトなしで経済的にゆとりのある留学生も多いと聞く。
 さて、これら中国人留学生の中国での就職戦線はどうなっているのか?日本語人材の豊富な大連、ここ数年の日系企業の景気後退等の影響で、日本語人材の募集人数は減少の一途、完全な供給過剰となり、少ない募集人数に高学歴の日本留学経験者が殺到するような状況になっている。海外の大学を卒業して帰国する、いわゆる「海亀族」は、海外各国の留学生に対する大学卒業後の在留条件が厳しくなる中で、今では大量に帰国してくる事態、一昔前の引く手あまたの状況が一変し、いわゆる「海帯族(波に漂う昆布のように、厳しい就職戦線で右往左往する海外帰国組)」と揶揄される現状にあるとの報道が印象に残っている。
 高い経済成長にも減速が見え始め、毎年増加し続ける中国の大学生の就職難は年々厳しさを増している。その根本原因として大学生の数の増加が著しいことが挙げられる。先般、「新潟杯」日本語演劇大会と銘打ち、黒龍江省内20の大学から日本語専門の学生が集まり、工夫を凝らした素晴らしいイベントとなったが、その会場となるハルビン師範大学の広いキャンパスには大変驚かされた。
 
同大学、もともと以前は、市内の別の場所に小じんまり立地していたが、郊外(松花江北)移転の上、広い敷地面積を有する規模に拡大していた。大連でも、既に多くの大学が郊外移転により規模拡大しており、中国各地でこのような大学の大規模化が進んでいる。計画経済時代の中国の大学生は国家の幹部候補生、学費や生活費は無料で、国からの手当が交付される学生もいたとか。今の大学は国家機関に変わりはないが、授業料徴収が普通で、大学の運営上、国からの補助金以外の足りない部分を大学自らの工夫で運営資金を集める必要があり、学生からの授業料収入や大学自身のビジネスにも依存し、学費の値上げとともに学生数の増加は避けて通れない構造に陥っている。2015年の大学卒業生は昨年より22万人増加で過去最多の749万人、1998年との比較で実に7倍までの増加、日本の大学新卒者が60万人程度であることを考えれば、その多さが想像できる。産業構造の変化により第三次産業就業者数が増加傾向にあるとはいえ、社会的に必要とされる大卒者の数にも限界があり、とても吸収できていない。インターネット関連大手の百度(バイドウ)は社員数約5万人、今月から従業員に「中途採用の停止」を通知、アリババは社員数約3万人、毎年3千人程度を新卒採用してきたが来年からは400名程度にするとの発表があったとのこと。インターネット事業の急激な拡大にも一段落の兆しが見られる中、ますます悪化する就職難、これに伴う就職浪人の増加に歯止めがかからないと危惧されており、社会の不安定要素として浮上している。(わ)

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2015.9.15〈№152〉

○対日投資に係る期待
 日本貿易振興機構によると、昨年から今年にかけ、対日投資の相談案件が増加傾向にあるという。日本政府に掲げる「日本再興戦略」の中で、対日投資促進は重点課題の一つとされ、2020年に対日投資残高を倍増(35兆円)させることが盛り込まれており、この目標達成には中国からの投資をいかに増やすかという要素が大変重要になってくることは疑いの余地がないだろう。
 このような動きを裏付けるかのように、当事務所へのビジネス相談の内容にも質的な変化を見せている。1997年の事務所開設以来、これまで寄せられてきた相談内容は、県関係企業の中国市場開拓支援、中国での拠点設置支援、近年減少傾向ながらも中国投資相談がその大多数であったが、その逆の流れとして、対日投資や日本での拠点設置に係る具体的な相談が徐々に出始めている。
 一例をあげると、新潟への送客実績でトップクラスの中国系旅行会社が新潟市内に事務所を設けたいという相談、さらには、新潟県産品を含む日本商品の中国国内代理店を手がける貿易会社が日本国内で事務所を設けたいという相談など。前者の相談の背景は、中国からの訪日観光客が右肩上がりの昨今、自社内でランドオペレーターの役割まで担い、より機動的に送客して利幅を取ろうとする意図があることが想像できる。また、後者の相談の背景は、伝統工芸品を中心とした高い技術を誇る日本商品、そのほとんどは、中小企業が担い手であり、それ故に海外への貿易取引をカバーする余力があまりない企業も多い。そこで、中国企業が日本国内に法人等自社の拠点を設置し、中国市場で知られていない良質な日本商品を掘り起し、拠点主導の日本国内取引により商品を仕入れ、自社グループ内で貿易取引を処理しようとする目的が透けて見える。これらの動きは決して中国企業に限ったことではない。例えば、中国に現地法人を持つ日系企業から、新潟県を含む地方都市への拠点設置を相談されたケースがあり、当県への企業進出に関する優遇措置等に係る資料を提供した実績もある。今後の中国経済を不安視する声が日増しに強まる中、急速に進んできた元高円安の水準を睨みながら、企業活動はその水面下で徐々に違った流れを見せ始めている。(わ)
○「爆買い」の行く末
中国商務部及び吉林省人民政府等の主催により、東北アジア博覧会(9月1日~6日、吉林省長春市)が開催され、当事務所取りまとめにより、県関係企業4社で出展した。全9館の1つである北東アジア展示館には、日本ブースのほか、韓国、モンゴル、ロシア、北朝鮮ブースが軒を連ね、多くの来場者で賑わった。日本ブースには当県出展のハウスウエアのほか、売れ筋の南部鉄器や陶器類、さらには保健食品や日用雑貨品など訪日観光客の「爆買い」アイテムが集められていた。

 さて、この「爆買い」、この先も続いていくのだろうか。日本の大手百貨店やショッピングモールは訪日観光客の消費が空前の伸びを見せているが、これとは対照的に、中国で多数の高級ブランドを抱える百貨店等の売上は伸び悩んでいるという。習近平政権の倹約令や反腐敗運動による高級品の消費の冷え込みも大きな要因だろう。いずれにしろ、中国政府は、膨らみ続ける海外消費をこのまま野放しにしておくはずはなく、国内消費に回帰させる内需拡大策を強力に推進してくる可能性がある。すでに今年6月、消費者ニーズの高い一部の外国製日用品を対象に輸入関税の引き下げが実施され、内外価格差の縮小に乗り出した。さらに、保税倉庫を活用した越境ECビジネスがこれから急速に拡大していくことが予想され、外国製品をより安く手軽に購入できる環境が整いつつある。また、今後、中国税関当局が海外から持ち込まれる手荷物や郵便物の検査を厳格化する規制に政策転換して、徹底的に抑止効果を狙うことも十分考えられる。元高円安で享受してきた「為替差益」がこれからも続くか否かは不透明で、「爆買い」は、為替変動に左右されない魅力ある商品を除き、今後とも長く続いていく保証はどこにもない。(わ)

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2015.7.28〈№151〉

○中国のメディアと情報受発信ツール
 6月28日から7月3日まで、中国駐新潟総領事館の呼びかけにより組織した新潟県マスコミ各社友好訪問団の一員として、北京及び湖南省を訪問した。中国外交部、中国対外友好協会等を訪問したほか、斬新なデザインの新社屋として有名な中国中央電視台(CCTV)、全国的に人気のバラエティー番組を手がける湖南電視台を視察するなど、大変貴重な機会をいただいた。
 
 周知のとおり、中国のテレビ局は、中央電視台のほか省や市レベルの地方ローカル局が多数あり、ケーブル放送及び衛星放送の普及によってすでに多チャンネル化の過当競争に突入している。中国のメディアは政府管理下による統制が強いとのイメージが先行している感があるが、実際は商業化が著しく進んでいて、収益を主に広告収入に依存している背景もあり、視聴率を尺度とした大競争時代に入っている。メディア全体の中でテレビ局の広告収入は既にトップから陥落している厳しい局面にあるとの中央電視台の説明は容易に理解できた。また、青少年及び女性をターゲットとした番組作りを戦略とし、日本を含む海外の娯楽番組を参考にしているという湖南電視台の現状は、テレビ離れへの歯止め、視聴率獲得という厳しい局面に立って番組制作をしている一端を垣間見ることができた。
 そのような状況を裏付けるように、「メディア青書・中国メディア産業発展報告(2015)」によれば、中国の昨年の広告売上高でインターネットが1500億元(約3兆円)超にのぼり、初めてテレビを上回り、一方で、新聞の広告収入は4年連続減少、その減少幅も15%に達したとの発表がある。中国のインターネット利用者は、2014年末で6億4900万人、その85.8%に当たる5億5700万人はスマートフォンを中心としたモバイル端末であるという。
 個人的な肌感覚で恐縮であるが、中国の都市部において、情報受発信ツールとしてのスマートフォンへの依存度が極めて高い。地下鉄の中、駅の待合室、レストラン、空港等あらゆる場所でスマートフォンを見ている人がとにかく多く、日本とは比較にならないほど多いという印象がある。例えば、中国の空港での搭乗待ち時間、おしゃべりをしている人以外、そのほとんどはスマホをいじっているという状況。たまに文庫本を静かに読んでいる人を見かけると、たいていは日本人である。(文庫本の文章が日本文なのですぐにわかる。搭乗後も引き続き読む人が多いと推察する)
 さて、中国の方々、スマートフォンで一体何をしているのか?一番人気は微信(英語名:WeChat)であろう。中国版LINEと表現すればわかりやすいが、実際にはFacebookとLINEの両方の機能を持つ。微信の最大の特徴は、自分が登録した仲間内だけで利用できる情報受発信機能があるソフトで、外部に広く公開する微博(中国版ツイッター)とはその点で大きく異なる。もともと、中国の方々はテレビや新聞を中心とした官製メディアよりも、身近で信頼できる方々からのクチコミ情報を好む傾向があり、微信を通して、クチコミ情報をネット上で手軽に交換できる機能は瞬く間に広がった。その内容は、個人的な日常の出来事、たわいもない自慢話など路地裏の世間話的なものが中心で、きめ細かくチェックするに値しない内容も多いが、一方で、生活上の便利情報、速報性のある特ダネ、政治的な内容も含む社会論評に至るまで、たまに貴重な情報がまぎれているので、結局は全く無視するわけにもいかず、地道に確認する毎日である。最近では、代購(代理購入ビジネス)、お店や商品の宣伝などビジネス目的での利用も多く、アポイントメントや業務上の資料・写真の送受信を微信経由で行うケースもあり、微信が仕事上で必要なツールとして利用せざるを得ない環境となっている。また、お金の支払いができる決済機能まで普及し、生活を便利にする必須ツールとして手放せなくなっており、気が付けば、日々微信に費やす時間は雪だるま式に増え、「微信疲れ」する毎日でもある。(わ)

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2015.6.24〈№150〉

○日中関係改善の動きと影響
 5月23日、人民大会堂での歓迎宴「日中観光交流の夕べ」に出席した。日本の訪問団総勢3千名が集まる大イベントで、当日夕方は、天安門広場の封鎖、附近地下鉄駅の利用禁止措置など中国側の徹底した対応ぶりには驚かされた。そして、最も驚いたのは、歓迎演説に登場した習近平国家主席の柔和な笑顔であった。日中友好の歴史や自らの体験を踏まえ、「中日友好の基盤は民間にあり、中日関係の前途は両国人民の手中にある」と未来志向で語られた日中友好へ期待は大変に心に響く内容であった。当然のことながら、マスコミ各社は政治家の発言として、表面上の意味よりも、その隠れた意図や国際情勢から来る裏事情などを競って分析しており、そのような側面があることも否定できないだろう。しかし、日中間を跨ぐ仕事をする関係者にとって、国家主席が日中関係重視の姿勢をここまで高らかに宣言したことは、日中関係改善の方向へ大きな前進、少なくとも日中関係のビジネス関係者にとって、今後の事業推進にプラスに働く要素として、大きな期待を抱かせる内容であった。
 
(「黒龍江省-日本経済貿易協力交流会」で演説する陸省長)
 このような動きは地方政府にも素早く波及、次世代の若きリーダーとして注目されている陸昊省長が自ら発案したという「黒龍江省-日本経済貿易協力交流会」が6月16日に北京にて開催され、黒龍江省政府幹部、現地有力企業及び日系企業関係者およそ350名が一堂に介する盛大な会合となった。陸省長の1時間にわたる熱のこもった演説、地元政府要人や省内有力企業幹部を集めてのビジネスマッチングなど官民挙げての大イベントの様相を呈していた。中国の地方政府幹部の海外渡航は厳しく制限されているものの、国有企業はもとより、中国各地で活躍し実力を持った民間企業のグローバルな活動が中国経済の大きな推進力となっており、その活力を日系企業、ひいては県関係企業が積極的に取り込んでいかなければならないことを改めて感じさせられた。
 折しも、今月13日から、大連市政府の全面バックアップのもと、「大連日本商品巡回展」が大連市中心部のオリンピック広場「野外特設エリア」で、9日間にわたって開催された。  
(「大連日本商品巡回展」の新潟県ブース)
 日本食品又は日本関連商品を扱う約50のブースが軒を連ね、新潟県からも2ブース出展、キッチン製品、ニット製品、水耕栽培設備など県企業関連商品の宣伝PR及び即売会を行った。連日の晴天と一定の集客力に支えられ、会場販売額は伸び、当初期待していなかった商談成約額も意外に伸びた。屋外催事で入場制限なしということで、幅広い所得者層が集まり、ワンプライスの百貨店とは異なり、厳しく価格交渉する客は数多かったが、販売コミッションが発生しない条件のため、割安感を感じた消費者も多かったことだろう。
 手軽なネット通販サイトや代購の売上急拡大、一方で、テナントの入り変わりが激しく、来場者も疎らな高級ショッピングモールが散見される中国消費市場を見るにつけ、溢れる商品を前に消費者からの細かい選別が行われる厳しい時代に入ったことを実感している。

(新潟県ブース内の商品・・・キッチン製品、ニット製品、水耕栽培設備)
 さらに、大連市内に「江戸小城」なる日本商品アウトレットモール設置計画が既にスタートしており、テナント募集、今年秋から試営業、来春には全面開業を目指した動きが本格化する。右肩上がりで伸びる購買力を背景に、更なる需要増が見込まれる日本商品、これに関係するビジネスチャンスを獲得する動きが急速に広がっている。

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2015.5.17〈№149〉

○大連に新潟県商品等紹介スペース設置
このたび、大連市内の喫茶店「扎西拉姆」(Coffee&Bar「安ちゃんの店」中山区万祥街6号伊家賓館1階、友好広場近接)の協力を得て、新潟県商品等紹介スペースを設置した。この喫茶店は、店内面積70㎡にカウンター席4席、テーブル席20席を有する独特の雰囲気を持つ店。日本語堪能な店主は、日本文化を理解し、日本商品にも高い信頼を寄せており、店内には日本の書籍や漫画等が並べられ、日本ゆかりの店であることを深く感じさせる工夫が施されている。最近の客層は7割中国人、3割日本人とのこと。本格ドリップコーヒーを提供する店として名高く、夜はショットバーとしても営業しており、流動客数も多い。

(店内カウンター席下の越後杉フローリング)
さて、店内を見渡すと、カウンター席下には、中国市場販路拡大を目指す糸魚川産越後杉のフローリングが敷きつめられ、店内中央には越後杉利用の特製タンスを設置、加えて、そのタンス上面のスペースに、中国人向け通販サイト「新潟館」商品を中心とする県産品が展示されている。
http://emall.chinapay.com/store/289254.html
(店内中央部に展示されている新潟県産品)
さらに、店の側面には新潟県観光ポスターが飾られ、店内の入口には、新潟県関係企業の中国現地法人が自ら開発し、現在、本格的に売込をかけている「水耕栽培設備」が設置され、店内の「癒しの空間」創出に一役買っている。

(店内入口に設置された「水耕栽培設備)
店の性質上、日本商品に高い関心を寄せる顧客が多いこともあり、商談につながる事例が次々と舞い込んでおり、今後とも、新潟県関係商品の情報発信拠点としての機能をさらに発揮していくものと期待している。
○各種商談会等の参加募集
当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等の参加企業を募集しています。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行います。現段階での計画は下記のとおり。
・9月1~6日 中国-北東アジア博覧会(吉林省長春市)
・9月25~27日 大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)
・11月開催予定  広東シルクロード国際博覧会(広東省広州市)
参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。なお、参加申込書等の詳細内容は、後日、当事務所ホームページにアップするとともに、希望する企業には直接送付する予定ですので、当事務所にお気軽に請求してください。 これまで同様、出展に係る費用負担は、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。

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2015.3.31〈№148〉

○物産展から垣間見る消費行動
 3月末日、年度末の東京株式市場は利益確定売りに押され日経平均株価が大幅反落する中、炊飯器・魔法瓶製造の某メーカーの株価は、前日比26.8%増のストップ高で取引を終えた。前日に第1四半期決算の大幅上方修正が発表され、この業績上振れのインパクトが主原因である。これには中国人観光客のインバウンド需要がとりわけ強い商品とされる炊飯器及び魔法瓶の爆発的売上が背景にあると見られている。実際、密封性及び保温性が極めて高い魔法瓶やスープジャーは、私が帰国のたびに頼まれる人気商品の一つである。そのほか、哺乳瓶等の子供用品、サプリメント等の健康食品、美容用フェイスパック等の化粧品など中国の友人や知人から頼まれる日本商品のお土産ラインアップは、今後の日本企業の業績を予想する上で大きなヒントとなる可能性を秘めている。
(瀋陽久光百貨店「ジャパンフェア」の新潟商品展)
 さて、今月開催した瀋陽久光百貨店「ジャパンフェア」の新潟商品展で、県産品の包丁の切れ味を商品ごとに細かく見定め、品質の違いを確認しつつ、意中の商品を購入する顧客を見かけた。そのほか、強火への耐久性があり焦げにくい鉄製フライパン、手動式みじん切り機なども中国で大人気の県産品である。 普段の生活を安全でより便利に快適なものにする道具を追求する中所得者層が急増する中国市場において、細部にわたり品質向上の努力を続けてきた日本商品に信頼を寄せ、理性的に消費行動する層が着実に増え、過度な贅沢品を避けつつ、機能や技術の高さにお金を払う余裕をもつ、成熟した消費行動が増えてきていると実感している。特に大都市圏の人々は、冷静な見方をしている人が多く、政治的摩擦や歴史問題といった世界とかけ離れたところに身を置き、自分自身の生活に根差した「日本観」を持っている人が大変多いことに気が付く。品質の高い日本製品を使った経験、快適だった訪日旅行での体験、周りの友人や知人から聞いた等身大の日本人の姿、そのほとんどが好意的で、驚きにも似た感想を持っている人々が多いのが実情であろう。
(新潟商品展で並ぶ鉄製フライパン、包丁)
 日本商品の多くは、「使ってみれば、その違いは誰にでもわかる」、ただし、過去を遡ると、価格が高いため、使ってもらうことが難しかった時代があり、現在では、所得水準の向上及び元高円安という経済環境の変化を背景に、商品の違いを理解できる中国の人々が増え、少なくとも都市部には巨大な市場が急浮上してきた。現状の日本商品に対する高い評価は、ブームに踊らされたものではなく、ブランドに依存した憧れでもなく、見栄えよいデザインだけに頼るわけでもなく、生活実感に基づいた高い品質を保証する真面目な態度が広く認知されてきた現象のように思えてならない。切れ味の良い包丁、安全安心で使いやすい鉄製フライパン、使い心地が良い手動式みじん切り機・・・。中国の人々の日本商品を見る「眼」の多くは、暮らしを便利で快適にする高品質な「お買い得」商品を冷静に判断できる水準にまでレベルアップしてきている。もともと中国の人々は、自分自身で見たもの、聞いたもの、経験したものを最優先に信じる現実派が多い。優れた日用品の特長そのもの一つ一つは些細なことかもしれないが、日常生活の中でこれら商品を活用する経験を通じて日本への信頼感を積み上げていく効果は大変大きいものと言えるだろう。(わ)

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2015.2.27〈№147〉

○大連に「体験型アンテナショップ」開店
 春節時期に急増した訪日観光客の「爆買い」は、高級百貨店、大型スーパー等の消費を激しく喚起し、日本ではテレビを中心にマスコミ各社一斉に春節商戦で賑わう中国人客の様子を報道したため、中国人マーケットの大きさと日本商品への信頼感を再認識した日本国民も多かったのではないかと想像する。90年代から2000年代初頭、中国への投資ブームに乗り、日本のビジネスマンが大挙して中国を視察訪問していた時代とは逆の動きであり、隔世の感がある。さて、かくも強い引き合いがある日本商品ではあるが、中国で日本商品を扱う常設実店舗のアンテナショップを運営するのは極めて難しい。立地条件の良い店舗には高い家賃がつきもの、高騰する人件費など維持運営に相当のコストがかかるため、売れ筋商品を常に確保しなければ維持管理で行き詰まる。信頼性が高い日本商品であれば簡単に売れるということは決してなく、むしろ、中国各地の現地事情を踏まえた市場調査やマーケティングへの取組はこれまでにも増して更に重要になってくると予想している。
 このような状況下、昨年12月に日本商品「体験型アンテナショップ」(日本製品中国市場販売支援会第1号店)が大連オリンピック広場の百盛デパート地下1階にオープンした。このショップの特長は、安価な費用でテスト販売ができる点、代理販売を希望する中国企業とのマッチングサポート、さらに、通販販売サイトへの誘導、具体的には、商品にQRコードを付加し、携帯端末で簡単にアクセスできる仕組みを順次構築していくとのこと。店内の半分に日本式パン屋及び喫茶コーナーが併設され、アンテナショップの維持管理の協力に充てる等、これまでのアンテナショップには見られなかった工夫が施されている。今年4月開業予定の地下鉄駅出入口のすぐ横という好立地条件を活かし、集客力アップにも期待したい。(わ)

(店頭には新潟県企業生産の米菓が並ぶ)
○日本産木材の中国市場開拓の可能性
 去る2月9日、糸魚川から越後杉販促を目的とした訪問団の来訪に合わせて、長興島輸入木材処理区の木材燻蒸施設を視察した。当該施設は昨年12月に国の専門機関の許可を受け、中国国内で3番目、中国東北地方では唯一の国家レベルの輸入木材処理区となっている。中国国内では既に木材伐採が原則禁止となる中、今後急拡大する木材需要に応えるため、木材加工処理も含めた大規模な木材集積地としての役割が期待されている。残念ながら、現段階では日本産原木は中国国内の木材燻蒸施設を活用することができないため、当該施設の活用(燻蒸前の丸太輸出)は中長期的な課題となっているが、これから大量に伐採期を迎える日本産木材の中国輸出量がどの程度見込まれるのか、今後の展開が鍵となってくる。
 さて、日本産木材の中国市場開拓について、すでに日本国内の他地域で取組事例は見られるものの、流通量はごくわずかで、杉やヒノキなど日本産木材の良さや特長はほとんど知られていない。中国は集合住宅中心で木造住宅は少なく、その木材需要は、構造材ではなく、床・壁等の内装や家具が中心となる。日本からの輸入木材となれば高級品に属するが、価格帯的には昨今の円安も追い風となり、その良さが理解できれば手が出ない金額ではなくなっている。今回、フローリング材として越後杉を選んだ新築住宅を視察したが、家主の奥さんが木の香りに敏感な人で、ナラ材など数ある木材から越後杉の香りを大変に気に入り、特別に選定した経緯があることがわかった。越後杉の色合いや温かみにも満足し、何よりも日本の品物は安全との家主のコメントが印象に残っている。杉の香りや木目、色彩等の特徴を活かした高級品市場を開拓していく際に、他の木とは違う越後杉の良さを前面に出した内装を、設計段階から現地の内装・設計業者と一緒になって宣伝開発していく地道な取組が必要であると考え、4月以降に設計業者を対象とした説明会を開く方向で準備を進めている。(わ)
(越後杉フローリング材使用の新築住宅一室)

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2015.1.31〈№146〉

○「代購」商品を取り巻く環境
 日本商品(日本製もしくは日本産商品、以下同じ)取扱の専門店、高級スーパーや百貨店で、日本商品の特設コーナーや催事を拡充する動きが目立っている。昨年来の急激な円安進行は、日本商品の仕入価格を押し下げる方向に寄与する一方、もともと高品質で高い信頼性を誇る日本商品は引き合いが強く、かつ、中国国内の所得水準の向上により中高所得者層が拡大する中、価格帯として買い求めやすい商品が増え、その市場規模も着実に大きくなってきている。

(天津伊勢丹 日本展「新潟物産展」開催)
 中国最大の通販サイト「淘宝網」等では、外国製品を販売するための「代購」(海外商品の代理購入サービス)サイトが非常に多い。その背景の一つに、「代購」を割の良いアルバイトとして、または、サイドビジネスとして荒稼ぎしている中国人留学生が、日本を含む世界各国に多く存在するという話を耳にする。実際、日本商品「代購」販売サイトで取り扱う商品は多種多様、時計バッグ等の有名ブランド品、化粧品、ベビー用品、美容家電、サプリメント、日用雑貨品まで、あらゆる人気商品がラインアップされている。「代購」の人気商品を見ると、中国人の嗜好や中国市場で不足のアイテムを知る上で良い参考となり興味深いが、驚くべきことは、その一部商品の価格の安さ。これにはカラクリがある。個人輸入であることに加え、なかには、知人や出張者など自らのネットワークを駆使して日本商品を中国大陸に持ち込んでしまう、いわゆる「運び屋」経由で仕入れた商品をネット経由で売りさばくケースも多いという。この場合、関税や送料の価格転嫁がないため、割安の販売価格が可能である。私の携帯電話にも「微信」(weixin)を通じて、毎日大量の「代購」商品が配信されてくる。人気が高い日本商品の「代購」販売量は莫大なものになっているものと思われる。
 昨年10月に訪日観光客向けの消費税免税制度が大幅拡充され、その取扱店も大きな広がりを見せる中、ビザ要件の緩和により訪日観光客の増加は今後弾みが付くことが予想され、関税や消費税を全てすり抜けて中国大陸で売買されていく商品も増えていくことだろう。大連で昨年オープンした日系大手ドラッグストアチェーンの店舗には日本で流行の化粧品や日用雑貨品が店頭に数多く並べられている。当然のことながら、その店舗内の外国商品は関税込の正規輸入商品であることから、一部に「代購」商品との価格差という面で非常に際立っている商品があり、昨今の「代購」商品の広がりは、実店舗の売上げを妨げる販路として無視できない存在になりつつあると聞く。恐らく、このような実店舗で実際の商品を手に取り、自分の目で確認した上で、「代購」経由で購入する消費者も数多いのだろうと容易に想像できる。今年の春節は2月18日から24日まで休日となるが、有名海外旅行サイトの旅行商品や予約データを見ると、2月14日から急上昇し24日を過ぎても多くの予約で埋まっている。どうやら、昨年実績を超える大量の訪日観光客が日本各地を訪れることは確実で、これら観光客が大量の免税商品を中国大陸に持ち込み、その商品の一部を「代購」市場に大量投入し売買することも又、確実なようだ。(わ)
○宅配便サービス急増の背景
 90年代終わりの中国留学時代、荷物の送付や受取のため、わざわざ郵便局まで出かける必要があったことを覚えている。その当時から15年余り、中国国内の物流状況は劇的に改善し、宅配便サービスの市場規模が爆発的に増えている。全国郵政管理業務会議によると、2014年の国内の宅配便の取扱個数は140億個に上り、前年比52%の高い伸びを示したという。実は、この市場拡大を支えているのが小売ネット通販市場の急成長である。「手切族」(ネット通販に熱中し過ぎて手を切り落として買い物できないようにするしかないと自嘲する人のこと)は最近の中国を象徴する流行語の一つ。昨年の「双11」(11月11日、中国最大のネット通販特売日)のたった1日で、主要通販サイトが受注した商品の宅配便が約5.1億個に達し、配送員を新たに25万人増員して配送に当たったという。まさに桁違いの数字だ。(わ)
      

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2014.12.3〈№145〉

○三菱商事(上海)中心に県展示スペース
 三菱商事(上海)中心は、三菱商事(上海)有限公司が上海マート(上海世貿商城)3階に設置している常設展示場で、上海市政府が高品質な輸入商品の展示等を通じた対外貿易促進を目的に国別の商品展示を進める中で、「日本商品中心」として批准を受けた施設でもある。同社の事業、関連商材を含む様々な商品を紹介するとともに、日本の先進技術や各地の伝統文化・行事・特産品などの紹介を行い、日中の経済文化交流の場を提供していく情報発信拠点の機能を有している。        
 2013年にオープンした第一期エリア(279㎡)に続き、今年4月に第二期エリア(580㎡)が正式オープンし、企業展示スペースのほか、日本各地の自治体と連携した展示スペースも順次設置中。新潟県展示スペースは当事務所により9月に設置、当初はポスター及び観光パンフレット展示のみであったが、11月には県特産品の展示を加えて、内容拡充を図っていた。折しも、11月19日~21日の新潟県上海訪問ミッションの中で、企業訪問団の方々に視察していただいた。
 なお、第二期エリアには、企業及び自治体展示スペースのほか、ビジネスプレゼンテーションに利用できる会議室、催事及びイベントに応じてカスタマイズできる展示スペースも設置され、幅広い用途に対応できるように施されており、利用価値の高い施設となっている。(わ)

(「三菱商事(上海)中心」新潟県展示スペースの様子)
○天皇誕生日祝賀レセプションで県PR
 11月27日、北京の日本大使公邸で天皇誕生日祝賀レセプションが開催され、中国政府や企業、大使館関係者など、約1千人の招待客が訪れ、大きな賑わいを見せていた。このレセプションには日系企業や自治体などを中心に展示PRブースが設置され、オールジャパンで日本の良さをアピールする内容になっている。当事務所も新潟県産品の宣伝(中国人向け通販サイト「新潟館」の販促http://emall.chinapay.com/store/289254.html )http://emall.chinapay.com/store/289254.html ) 及び県観光PR活動を行った。
(当県ブースで劉建超外務次官補に説明する様子)
 2年半ぶりに実現した日中首脳会談の直後ということもあり、友好的な雰囲気が非常に色濃く出ていた。中国側の主賓として出席した中国外務省の劉建超外務次官補をはじめ、複数の高官が出席していたとのこと。特に劉外務次官補は、中国外務省の日本部門を掌握し、対日交渉の窓口を担当する高官と目される人物。劉外務次官補が日本大使公邸の各展示スペースを一つ一つ丁寧に時間をかけて視察し自ら交流しようとする姿勢を見せていたことは、友好的な雰囲気を感じさせる象徴的な出来事であった。開幕式典終了後に足早に会場を後にしていた昨年までの中国政府関係者の様子とは大きく異なり、強く印象に残った。当県の展示ブースを訪れた際には、磨き屋24金仕上げ「ぐいのみ」を手に取り、絶賛してくださった。また、中国側招待客を中心にレセプション開始から終了予定時間が過ぎるまで客足がほとんど途切れることはなく、昨年とは様変わりの様相であった。
 これらのことをもって、日中政府関係の改善の兆しと見なすには少し拙速すぎるかもしれないが、近年冷え込んでいた両国政府関係に新しい風が吹き始めていることは間違えない。(わ)

        

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2014.11.6〈№144〉

○大連日本商品展覧会に出展
 10月16~17日の2日間の日程で、大連日本商品展覧会が開催され、当事務所の募集・取りまとめにより、県関係企業4社が出展した。昨年までの大連中日貿易投資展示商談会を改名して開催、過去の開催状況と比較して規模は変わらず、むしろ縮小の感はあったが、中国「内販」を目指す企業が日本各地から集まり、賑やかさを出していた。  さて、当県の出展企業の中に、県産杉で名高い「越後杉」の中国への販路拡大を目指して出展した企業があり、昨年に続いて2年連続の出展となった。ブース全体を使って子供部屋を再現、杉材を使った家具や調度品で趣向を凝らし、来客者から大きな注目を浴びていた。昨年は、中国でほとんど市場に流通していない杉そのものへの評判や反応を見ることがメインの出展であったが、今年は中国側のビジネスパートナーが前面に出て、価格交渉を含む具体的な商談を目的とした出展となった。すでに出展前から具体的な成約も出てきており、大連市内に「越後杉」のモデルハウスを建設する計画が進んでおり、今後の展開を大いに期待できる条件は整ってきている。

(大連日本商品展覧会の「越後杉」ブース出展の様子)
 中国木材需要の増加、中国国内伐採の制限、外国材の価格高騰、杉が本来持つ優位性(調湿効果、断熱性能、有害物質の除去等空気浄化作用等の健康面での効用等)に加え、元高円安の為替環境が価格決定で大きな追い風となることが予想される。
 10月31日の日本銀行の金融政策決定会合で、追加の金融緩和が決定された直後、円相場は1ドル112円前半まで円安が進み、およそ7年ぶりの円安水準に突入した。これを、人民元/円レートに着目すると、驚くべきことに気が付く。対ドルでは7年ぶりの円安水準であるが、対人民元は7年前の2007年の年次レート1元=15.5円と今年11月2日レート1元=18円前半と比較すれば、実に2割近くの元高円安水準、これは、対ドルで人民元高が進んできた結果でもある。最近で最も円高水準にあった2011年の年次レート1元=12.3円と比較すると、実に3年という短期間で約5割弱も元高円安方向に振れる為替環境の変化である。
 数年前までは、日本の杉の中国輸出は、外材との価格比較で非常に高かったため競争できない状況が続いていた。急速に進む円安は中国ビジネスの環境を劇的に変え、日本製品の中国輸出に係る新しい可能性を与える契機にもなっている。(わ)
○北京で日中知事省長フォーラム参加
 10月28日に中国人民対外友好協会、中日友好協会及び全国知事会の主催で第2回日中知事省長フォーラムが北京市で開催された。中国側は、李小林中国人民対外友好協会会長を始めとする省長〔省長(河北省、遼寧省、陝西省)、副省長(四川省、山東省、湖北省)、直轄市副市長(天津市)〕、日本側は、全国知事会会長である京都府の山田知事、当県の泉田知事を含む知事〔知事(京都府、新潟県、鳥取県、長野県、山口県、滋賀県)、副知事(広島県)〕が参加して、各地域の日中間における交流の現状や活動状況を発表し、その後、テーマ別(経済、観光等)に意見交換が行われた。
(フォーラム開催の様子。当県の泉田知事も参加)
 政治的な摩擦が燻る日中関係とは全く異なる友好的な雰囲気の中、両国で展開される地域間交流の歴史と現状、経済交流、観光交流、文化交流、人的交流など広範囲にわたる分野の中で、環境ビジネス、医療介護ビジネス、青少年交流、観光客の誘致など双方に利益をもたらす互恵関係に対する期待を再認識させる良い機会となった。(わ)
 

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2014.9.15〈№143〉

○高齢者介護ビジネスに関すること
 9月4日~5日、大連市政府関係機関等及びジェトロ大連事務所の主催により、日中高齢者産業交流会が開催された。この交流会は大連国際老齢産業博覧会との併催で、日中高齢者産業フォーラム兼個別商談会及び介護施設等視察で構成され、当該フォーラムには県関係企業を含む16の日系企業等約200名の出席者で賑わいを見せていた。
(日中高齢者産業フォーラム開催の様子)
 中国は2013年に60歳以上の高齢者が2億人を突破、今後も高齢者人口は増え続ける中、一人っ子政策等の影響で高齢化率が急速に高まっていく。一方、高齢化が先行して進む日本は、介護保険制度の運用等の政策面及び高齢者介護ビジネス等の産業面、この両面ともに先進地域であり、中国は日本に学び、かつ、日系企業の中国での事業展開に大いに期待している現状がある。
 中国の高齢化問題に関して、まずは固有の事情を理解する必要がある。「未富先老」、これは社会が経済的に豊かになる前に高齢化が進展する中国の現状を指す言葉であるが、経済発展と高齢化とが軸を一にしてきた日本と決定的に異なる点。さらに、都市と農村、東部沿海地方と西部地域など、経済発展の度合いが著しく異なる地域を抱えている国情もあり、課題解決は容易ではない。
 さて、現段階で、高齢者介護施設の利用者負担はどれくらいなのか?ジェトロ大連事務所の資料によれば、遼寧省の年金平均支給額(2013年)は月額1,849元、今回視察した介護施設は部屋代1,600元(公設)~、2,600元(私営)~、その他に食事代等の費用加算という現状。フォーラムの中で、「施設やベッド数を増やしても個人負担が高すぎて利用することができない」という現状が報告されていた。一般に、公営施設は三無老人(無収入、労働能力無、扶養者無)を中心に利用者が限られ、民営施設は高い費用が前提となり、施設利用者が広がりにくい背景がある。日本の介護保険制度に類する制度が中国では未整備という状況下、劇的な改善を望むことは難しいと言えよう。
 現状の中国政府の政策は、家族での介護機能の低下を前提に、高齢者介護サービスの強化を明確に打ち出している。具体的に言えば、在宅介護では支えきれない部分を「社区(一定地域内のコミュニティ)」のデイサービスやショートステイ、施設介護(老人ホーム等、公設と民営の併存)で補完していく方針を示している。現実には、高齢者の在宅志向は根強く、家政婦を頼んで高齢者の面倒を看るケースが増える中、介護の専門知識を持たない家政婦では、トラブルも多いという 。

(西崗区老人総合服務センター〔公設〕のパソコン室)
 最近数年の短期間に、法制度上、民間資本の参入促進策のルール明確化、外資系企業の独資設立許可等が規定され、中央政府レベルで、施設用地の優先取得や施設の建設・運営に関する補助金、各種税金の減免措置の拡充が示され、同時に、地方政府による高齢者産業の育成推進も急速に広がりを見せている。このような動きに対応し、大手介護サービス企業を含む日系企業の進出が数年前からすでに本格化している。介護施設の整備(土地所有含む)、介護サービスを担う人材育成、サービス運営ノウハウ、中国式収益モデルの確立など、高齢者産業への参入に関する課題は多く、これを日系企業単独の経営資源だけでカバーすることは著しく困難。加えて、各種の許認可を見据えた地元政府との関係構築は必要不可欠であるため、現地有力企業をパートナーとした事業展開が現実的な姿として想定される。(わ)

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2014.8.25〈№142〉

○中国駐在3事務所長、セミナー開催
 8月6日、クロスパルにいがた(新潟市中央区礎町通)にて、「最新中国事情セミナー」~北京・大連・上海 3所長が語る今の中国~を開催したところ、定員を超える申込をいただき、会場内ほぼ満席の参加者で賑わった。当セミナーでは、中国通の新潟日報社社長室の八木秘書主管を司会進行役に迎え、新潟市北京事務所の近藤所長、第四銀行上海駐在員事務所の土田所長そして新潟県大連経済事務所の渡辺の3名が、各事務所の活動内容及び経済事情や生活環境など各都市で若干異なる現地情報も併せて紹介させていただいた。
  3事務所とも県市関係企業の支援、特産品の販路拡大等のビジネスサポートは共通の活動内容。さらに、当県では新潟市、第四銀行、新潟県の中国の海外事務所が北京、上海、大連の3都市にバランスよく配置され、広い中国で事務所設置都市周辺の実情に通じた強みをそれぞれ補完し合う協力・連携体制を実際の業務の中で活かしてきた経緯がある。また、現任の3所長とも比較的長い中国駐在経験を持つという共通の特徴を持っていることも踏まえ、今回初めて実現した試みであった。
 会場からの質問では、高齢者介護ビジネスや一人っ子政策に関することが取り上げられ、中国が抱える社会問題に対しての関心の高さも伺われた。

(「最新中国事情セミナー」開催の様子)
 なお、中国の海外事務所という観点では、自治体事務所及び地方銀行駐在員事務所とも上海に拠点を構えるケースが圧倒的に多く、各々30超の設置数、その次に大連、香港が続いている。これは、ほぼ企業動向に比例する形、いわば経済交流の拠点の意味合いを強く反映した現状となっている。なお、自治体事務所の多くは、観光客誘致、航路航空路の利用促進等の業務も担っているほか、地方都市間で長年培った友好関係を活かす目的もあり、ハルビン(山形県)や瀋陽(佐賀県)に事務所を設置する動きが近年でも見られる。(わ)
○香港フードエキスポ、日本産品競争激化
 アジア最大級の食品見本市「香港フードエキスポ」(会期8月14~16日)が開催され、県関係企業5社(NICO募集取りまとめ、当該企業取扱商品:ラーメン、調味料、だし、日本酒、麺)を出展支援した。香港は、日本最大の農林水産物の輸出先で、全体輸出額の約23%を占める。今年は38都道府県252社と日本からの出展数では過去最大。
(香港フードエキスポで県関係企業出展の様子)
 香港では安心安全な日本産食品がすっかり定着し、日本食レストランも高級店から大衆向きまで数多い。フリートレードの香港とあって、日本からの出展商品は、和牛、米、ラーメン、スイーツ、お茶、野菜、果物など、幅広い食品が競うように並んでいた。これら商品は陳列試食だけでなく、料理方法や健康食品志向のライフスタイル提案まで付加価値を上げる仕掛けをセットにした売込みも目立った。また、「新鮮産地直送」「冷蔵デリバリー」等食品特有の物流体制、注文から最速翌日発送可能な「取り寄せ小口配送」の海外通販など、国境を感じさせない条件が既に揃っている。
 上海の期限切れ鶏肉問題がまだ記憶に新しい昨今、食の安全がクローズアップされるほど、安心安全な日本産食品への注目度も上がっていく現状、日本各地の特産品間での競争がさらに激化している。その証拠に、香港の高級百貨店や日系大型スーパーの品揃えは日本国内の小売店を凌ぐほどの豊富さ。そのような状況下、昨年の香港フードエキスポ出展の県関係企業の新潟産米が、他の日本産米よりも高い価格帯で、かつ、広い棚面積を占有して販売されている状況が目を引いた。(わ)
      

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2014.7.8〈№141〉

○日中間の観光客動向に関する転換点
 日本政府観光局(JNTO)によれば、2013年9月以降、中国からの訪日観光客(月別)が過去最高を更新し続け、2014年4月の中国からの訪日観光客は190.6千人、逆に、同年同月の日本からの訪中観光客は194.1千人(出典:中国国家旅遊局)まで落ち込み、ついに、訪日客数とほぼ同数の水準となり、日中間の観光客動向が転換点を迎えつつあることがわかった。日本からの訪中観光は強い逆風にさらされており、日中間の政治問題に加え、PM2.5大気汚染を筆頭とする環境問題、食の安全など、中国のイメージ悪化を助長させる要因が多分に影響しているといえよう。一方、中国からの訪日観光はビザ発給条件の段階的緩和、円安による割安感等のプラス要素が、日中間の政治的摩擦等のマイナス要素を上回る形で推移していることが容易に想像できる。近年の旅行形態は、一頃の団体旅行中心の時代から個人旅行にも裾野が広がり、東京、富士山、大阪、京都といった定番の観光地以外の多種多様な訪日観光を期待する層が着実に増えている。
 そのような中、先般の「北京国際観光博覧会」(6月27~29日)において、当県、福島県及び茨城県はクレア北京事務所と共同でブースを設け、日本海から太平洋に跨る広域観光ルートを提案した。当県を含む3県のほかにも、多数の自治体が競うように出展しており、ゆるキャラ登場、ノベルティーグッツの配布など、旺盛な訪日観光需要を取り込もうとする出展自治体のあの手この手のPR活動は、やや過熱感さえ感じさせる雰囲気を醸し出していた。
(太田国交大臣が博覧会で当県ブースを視察する様子)
 さて、個人的にここ数年で強く感じることは、中国の都市部若年層にとって、訪日観光が急速な勢いで身近になっているということ。中国版SNSの微博及び微信等により最新の情報が大量に配信され、興味があれば、携帯電話から即座に情報をキャッチできる時代。日本各地の個性豊かな特産品や流行ものを扱うショップ、地方色豊かで新鮮な食材を揃える居酒屋など、細かい具体的な情報を求める声が一層強くなってきていると感じる。最近では、日本製の化粧品や美容関連商品などの値ごろ感もチェック済という女性も多く、「周りに、観光や仕事で日本に行く友達がたくさんいるので、頼めば欲しいものは簡単に手に入る。ネットショップを利用しても高くない。」との言いぶりは、中国の都市部若年層の実態を如実に反映するコメントそのもの。
 一方で、減少の一途をたどる日本人の訪中観光の影響で、中国の旅行会社の日本語ガイドは苦境に立っている。彼らは、基本給プラス歩合制の給料形態をとっているケースが多く、日本人観光客の減少はそのまま自らの収入に直結するからである。アカシアが咲く頃の大連、以前は日本人団体ツアーで大いに賑わっていた記憶があるが、近年は日本人団体ツアーと思しきバスを街中でほとんど見かけなくなった。折しも、日本から中国への投資環境の悪化による日本語人材の雇用減も重なり、このままの状態が続くと、中国人の日本語学習熱が急速に冷めていくことを懸念する。学生の修学旅行や研修旅行を中心とする青少年交流事業は、残念なことに、国同士の政治問題に大きな影響を受けるため、減少こそすれ、大きな増加は期待できないだろう。また、中国国内の高級ホテル(四星、五星)への悪影響も大きく、特に日本との関係が強い大連では大変厳しい状況が続いている。これは、観光客の減少だけの影響ではなく、いわゆる「政府の贅沢禁止令」に端を発する宴会・料飲収入の減少が重なっており、今後も暫くは厳しい状況が続いていくことだろう。中国は、悠久の歴史を背景とした世界遺産を数多く抱え、多民族が多彩な文化を色濃く放つ地域であり、世界有数の観光資源大国でもある。多くの日本人の心の中に、このような特徴があることを忘れ去ってしまっているかのようである。(わ)
      

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2014.5.30〈№140〉

○大連長興島経済技術開発区を視察
 5月8日、「遼寧沿海経済ベルト発展計画(=旧五点一線計画)」に位置付けられる大連長興島経済技術開発区(臨海工業区)を視察した。長興島は揚子江以北で最大の島、大連市中心部から約130キロ、高速道路利用で1時間強の距離であり、利便性の高い場所となっている。同区管理委員会招商局の関係者によれば、各国企業の先進レベルの世界大型石油化学産業基地の成立を目標に掲げ、石油化学事業を柱として、同事業の川下企業の誘致に力を入れているとのこと。すでに日系企業の進出もあり、恒力集団(江蘇省蘇州市)の石油化学基地が本格稼働するなど、今後の開発区の発展の可能性も垣間見ることができるが、未だ発展途上との感は否めない。やはり、昨年の韓国造船大手STXグループの経営破綻、造船基地の閉鎖、それに伴う従業員の大量解雇の影響は大変大きいと想像する。広大な敷地にSTXの看板が未だ数か所で残されている光景は少し寂しくも感じられた。

 私自身、2009年に視察して以来5年ぶりの訪問となったが、その当時、造船会社STX集団の造船基地の本格稼働、その関連企業の進出の影響もあり、かつての「未開の島」は一変、その波及効果は絶大に見えた。人口増に伴う住宅開発が相次ぎ、サービス業拡大にも直接に繋がっていた。開発区側の当時の説明によれば、深圳、上海浦東、天津濱海新区と並ぶ重要な役割を担うとのことで、遼寧省書記を経歴に持つ李克強氏(現総理)のバックアップのもと、日本を含む世界各国の優良企業の誘致を積極的に行い、更なる活況を強く期待していたと記憶している。
 さて、中国商務省の統計によれば、今年第一四半期の日本の対中直接投資(実行額)は前年同期比46.7%とほぼ半減、製造業の大型投資案件が急減したという。これまでの十数年、地方政府はインフラ整備、産業誘致、都市開発を地域どうしで競うように進めてきた。特に産業振興の面では、外資誘致、国の事業誘致、さらに地方単独事業を積極的に実施してきたが、現状では非常に厳しい局面にあることが容易にわかる。同区管理委員会招商局の関係者は「数ある開発区の中で、当開発区の特徴は・・・」との言い方を再三強調していたことがその象徴で、地域間競争及びそれに伴う地方の開発区乱立を誰しもが意識しながらの企業誘致を続けている。
 中国各地の地方政府主導の開発計画等の推進によって、かつて多くの地域が経験した「土地収入⇒インフラ開発⇒産業誘致⇒都市開発⇒税収増」と続く好循環への期待は、もう既に限定的になっている。(わ)       
○各種商談会等の参加募集

 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等の参加企業を募集しています。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行います。現段階での計画は下記のとおり(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますのでご注意ください)。

・8月28~31日   延吉国際投資博覧会(吉林省延吉市)
・9月5~9日     中国-北東アジア博覧会商品展(吉林省長春市)
・10月16~17日  大連日本商品展覧会(遼寧省大連市)

 参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。なお、参加申込書等の詳細内容は、後日、当事務所ホームページにアップするとともに、希望する企業には直接送付する予定ですので、当事務所にお気軽に請求してください。 これまで同様、出展に係る費用負担は、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。(わ)        

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2014.4.16〈№139〉

○北京「桜を見る会」で県産品PR
 4月8日、北京の日本大使館の大使公邸で開催された「桜を見る会」で新潟県ブースを出展した。残念ながら、今年の桜は早めの開花で、一部の桜は散り気味であったが、公邸の庭を開放しての桜観賞、地方自治体及び企業による展示スペースでのPR活動に際し、日中招待客、各国大使館関係者など約500名の出席者で賑わいを見せていた。

 さて、新潟県ブースではネットサイト「新潟館」(http://emall.chinapay.com/store/289254.html) の県産品展示及び県観光パンフ配布によるPR活動を行った。これまでの宣伝活動と併せ、今回のPR活動で、個々の商品に対する中国の方々の典型的な反応が概ね整理されてきている。
  例えば、日本国内で販売好調のステンレス製の磨き屋ビールグラス。「ビールの泡がきめ細かくなり、のど越しがよくなる」との特徴を再三説明するが、思いのほか評判は芳しくない。「外観は鏡のようにきれいだけど、やはり透明の方がいい」「容量の小さいグラスはないの?」との感想がよく漏れる。実際には、中国の酒席では、一気飲みしやすい「泡の少ない」ビールを「容量の小さい透明なグラス」で一気に飲み干すという特有の乾杯文化が多分に影響しているのではないかと見ている。一方で、内面を24金の抗菌加工で施された「磨き屋ぐいのみ」の評判は比較的良い。金を好む中国人の嗜好にぴったりマッチした商品で、「日本酒だけでなく、お茶や白酒でも使える」といった感想もあり、ネットショップのサイト上の売価を紹介すると十中八九「安い」という反応が返ってくる。さらに、金の外観から受ける高級イメージは、面子を重んじる国民性から贈答品用としても好まれる可能性が高いと推察している。(わ)
○ハルビンスキークラブで県観光PR
 4月12日、黒龍江省のスキー愛好家で組織する「ペンギンスキークラブ」の招待を受け、年次総会に参加し、新潟県の観光宣伝プレゼンテーションを行った。当日は、100名を超える参加者で会場が埋め尽くされ、大きな熱気に包まれていた。多くのメンバーは、毎年のように海外スキーツアーに出かけており、新潟県内のスキー場にとって、まさに「お得意様」。スキークラブの劉昆会長は、新潟県内のスキー場をすでに何回も利用した経験があり、山形県のスキー場のほか、最近ではカナダのスキー場にも足を運び、海外スキーを楽しんでいるとのこと。スキーの内容は、競技スキーというより、むしろ、生涯スポーツとして余暇を楽しむレベルの方々が中心に集まっている様子で、海外渡航してスキーを楽しむことができる層が近年急速に拡大していることが伺える。

 さて、この年次総会、「堅苦しい」会議の要素はほとんどなく、日本及びカナダの関係者からのプレゼンテーションのほか、スポーツ用品メーカー代理店が協賛する景品抽選会、クラブ会員による踊り等の出し物など、参加者自身が楽しめる会合に工夫されていた。劉昆会長によれば、スキー場だけの単純比較では、雄大な自然環境に恵まれるカナダのスキー場に大きな魅力を感じるが、黒龍江省の人にとって、新潟のスキー場は、時差のない短い移動時間、温泉とのセットが可能、おいしい日本食を十分味わえるという要素で、総合的に一番良いスキーリゾート地であると評価していた。さらに今後は、北海道のスキー場にも行ってみたいと語っていた。スキー客の集客という面では、中国人富裕層の取り込みがこれからもますます重要になっていくことは間違いない。(わ)

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2014.3.6〈№138〉

○上海華東交易会に出展
 3月1日~5日の日程で開催された「上海華東交易会」に3県(埼玉県、群馬県、新潟県)合同出展した。
 「上海華東交易会」は、上海を含む華東地域最大の総合見本市で、歴史は古く、出展規模でも中国国内屈指の商談会である。主催者側から、ここ数年間、日本企業からの出展ブース数の伸び悩みを指摘され、更なる出展拡大協力を強く要請されるようになっている。しかし、会場の出展ブースで扱う商品を注意して見てみると、日本製又は中国製の別はともかく、日本関連商品を扱っている出展業者は、現地企業を含めて相当数にのぼり、多くの競合商品で溢れていることに気付く。さらに、全く同じ商品が別々の出展ブースで出品されているケースも散見される。華東地域の市場拡大及び購買力向上に比例する形で、競争激化がますます進む証左でもあり、ビジネスできる隙間が年々狭まっているようにさえ感じられる。
(新潟県ブース出展の様子)
さて、この3県合同出展は、昨年に続いて2回目。上越新幹線及び関越自動車道で結ばれる3県が、知事会議の中で進める共通検討項目「対岸貿易による産業振興」を実現するための具体的事業の一環として実現した取組である。今年は、埼玉県関係企業5社、群馬県関係企業2社、新潟県関係企業8社で、合計10ブースの出展となった。 当事務所のほか、埼玉県上海ビジネスサポートセンター及び群馬県上海事務所の相互協力により、開催初日の夜には、出展企業間の交流会も実施し、3県企業間の交流も深めた。私自身、交流会を通じて知り合った他県企業の中に、日本商品セレクトギフトショップを運営している企業があり、早速、2日後に上海マートの常設展示場を視察し、経営者と意見交換した。当該企業は、商品サンプル品のBtoB常設展示、日系を含む大手高級百貨店への委託販売ルート提供及び企画、日本から中国への物流通関代行を同時に提供する会社で、中国市場開拓に必要なビジネスサポートをフルセットで提供しており、取扱いアイテム数を着実に増やしている様子、大いに示唆に富む内容であった。(わ)
○中国巡回新潟物産展の開催
 先に終了した成都伊勢丹での新潟物産展開催に引き続き、天津伊勢丹ジャパンフェア(1号店・2月15日~28日、2号店・3月1日~12日)、上海伊勢丹ジャパンフェア(第1期・3月3日~9日、第2期・3月10日~16日)で、各々並行して新潟物産展を開催中である。今回は、燕及び三条を中心とした新潟県産品のほか、新潟県関係企業の中国現地生産商品(米菓、電化製品など)も積極的に加え、賑やかなラインアップとなっている。成都伊勢丹での開催では、ニット製品が売上好調で、今後の直接取引のルート確立への道筋を付けたが、天津及び上海でも同じような実績を積み上げられるか否かは微妙なところ。実際、競合製品が数多く、激戦の上海市場ではこれまでも苦戦の連続であったことは周知の事実。売れ筋商品のデザインなど商品の性質そのものの分析も含め、今後の販売状況にも注目していきたい。
(天津伊勢丹の新潟物産展開催の様子)
 なお、3月21日からは新装オープンしたばかりの瀋陽久光百貨店ジャパンフェアで新潟物産展を開催し、同時に新潟県観光PRコーナーも設置する予定。遼寧省の省都・瀋陽での県産品販売状況も引き続きレポートしていきたい。(わ)

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2014.1.26〈№137〉

○靖国問題発生後に期待すること
 12月26日の安倍首相の靖国神社参拝以来、中国の各メディアは、アメリカをはじめとする各国の反応も含め、一斉にこの問題を取り上げ、連日のように報じていた。日系企業の事務所が集中し、当事務所も所在する大連森ビルでは、万が一のため、24時間体制で公安(警察)の車が待機しているが、現段階で目立った問題は起きていない。日中の政治的摩擦が起こるたびに、心配することは日本製品の不買運動に関係する動き。2012年の尖閣問題発生時には、一部破壊活動にまで及んだ出来事をどうしても思い起こしてしまう。
 そのような中、中国国内で影響力のある有名ブロガーとして選出されたこともある信力建氏が今月4日に発表した文章は大変興味深い。同氏は、この文章の中で、安倍首相の靖国神社参拝を痛烈に批判する一方で、これに関連した日本製品の不買運動に対して、時代遅れで愚かな行動であると皮肉を込めて警告している。日本製品の不買運動は、両国摩擦のたびに発生してきた問題で、約百年前の20世紀初頭から始まった、長年にわたる問題でもあるという。しかし、現在のようなグローバル時代では、百年前とは全く状況が違うと指摘している。多くの製品で多国籍化が進み、重要な部品や知的財産等は日本関係で占められ、現実には、高度に精密化した製品にあっては、どの国の製品であれ、多くの日本製が隠れて内在している。自動車産業など、安全性や省エネ技術で革新的技術が求められる中、高い技術力を誇る日本製品をボイコットし、いわんや破壊することは、時代錯誤そのもので、結局は中国国民を傷つける野蛮な行動であると断じ、商品を受け入れるか否かは、消費者の選好を反映する市場が決めるべきと主張している。まさに良識ある意見で、多くの中国の方々がすでに気付いている問題でもあろう。
 さて、ジェトロ大連事務所によると、昨年8月以降、事業見直しや撤退を視野に入れた相談が増加しているという。東芝がテレビ事業見直しの一環として、昨年末に大連工場を撤退したというニュースはその典型的な例で、そのほかの企業でも、事業縮小に伴う地元従業員の大幅削減や日本人駐在員の帰国は最近よく耳にする話である。実際、地元メディアの報道はないが、先日も工場閉鎖に関係すると思われる騒動で、地元開発区の管理当局前に関係者が大挙して集まる様子を見かけた。
(関係者が開発区管理当局に集まる様子:直接の因果関係不明)
 確かに、物価上昇、人件費高騰、さらに急激な円安が加わり、多くの日系製造業者が苦境に陥っていることは事実である。特に取引内容が日本本社や日系顧客と密接に繋がっている場合は、売上収入が円ベース、経費が人民元となるケースが多く、二重三重の逆風にさらされていることになる。大連市政府は日系進出企業のこのような状況を踏まえ、外資企業の更なる負担増に直結する外国人の社会保険加入制度の実施見送りを事実上継続させる公算が高いとの噂が流れている。
 一方で、この苦境を、中国内販拡大への注力、自働化無人化によるコストダウン、中国人幹部の起用による経営の現地化等の企業努力で乗り切ろうとしている企業は多く、決して悲観論ばかりではない。今月15日に在瀋陽日本総領事館主催の「中小企業懇談会」に出席したが、様々な業種からの参加者があったこともあり、苦しい現状を伝える声が多い反面、拡大する中国市場を捉えたビジネスを順調に展開させているという明るい声も聞かれた。また、少子高齢化社会の到来を踏まえた老人介護ビジネスの事業化、環境ビジネスなど中国の成長企業と高い技術を持つ日本企業とを組み合わせる投資ファンドの設定等、今後の成長分野として認知されているビジネスが、既に実行の段階に入っていることを覗わせる内容もあった。 日中間の政治的摩擦が長期化し、関係改善の兆しが全く見えない中、「政経分離」「政冷経熱」が日中ビジネスの暗黙の了解として、今後とも日中双方で継続していくことができるように期待するしかない。(わ)

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2013.12.22〈№136〉

○昨今の日本製品への引き合いPR
 今年8月実施のジェトロ海外ビジネス調査の結果によると、「昨年9月以降の日中情勢が現在(今年8月)の中国ビジネスに影響がある」と回答した企業は31.3%で今年1月調査と比べ、17.5ポイントの大幅低下、一方で、今後も中国でビジネスを展開する理由として、「販売面でビジネス拡大を期待できる」とした回答が70.1%で最も高く、今年1月と同程度の回答率に上った。
 これを裏付ける形で、中国汽車工業協会の統計によれば、中国市場の11月の国別乗用車販売台数は日本車がトップ、昨年9月の尖閣諸島問題発生以来低迷していた売上が急回復し、乗用車の新車販売に占めるシェアで11か月ぶりに首位を奪還したという。また、11月開催の中国国際工業博覧会では、県内の環境ビジネス関係企業を集めて出展する中、空気清浄機を製造販売する県関係企業に商談殺到、大きな成約を獲得した。
 日中間の政治情勢は、今もなお不安定な状況で、微信及び微博など中国版SNSでは日本製品の不買運動を呼びかける過激なチャットを多く見かける。しかし、実際の行動として、広がりを見せていない。むしろ、多くの中国人は極めて冷静に受け止め、反日機運はどこ吹く風、日本製品を購入している実態を窺い知ることができる。
(レセプションで県産品を展示説明している様子)
 先月末から今月にかけて、日本大使館及び中国各地の領事館が天皇誕生日記念レセプションを開催し、当事務所も北京、大連、瀋陽、青島のレセプションに参加し、県産品を展示して販促活動を展開した。県産品を手にした中国の方々は日本製品の品質の高さを認め、とりわけ、中国製品との違いや製品の独自性を知ることに大変熱心、このような現実的、理性的、そして冷静な中国の方々が実に多いことに気付かされる。折しも、「防空識別圏」をめぐる対立など日中間の新たな火種が発生、連日の報道で、ある種の緊張感を助長する最中ではあったが・・・。(わ)
○「口コミ」を支えるツール「微信」
 中国ではマスコミ等報道機関に対する情報統制、フェイスブックやツイッターなどへのアクセス統制が行われていることで有名であるが、一方で、近年、中国版SNS(微信、微博等)が爆発的な広がりを見せている。スマートフォン全盛の中、圧倒的な一番人気は微信(WeChat)で、その登録ユーザーは6億人を突破したという。実際に使ってみると、LINEの無料チャット機能とフェイスブックのソーシャルネットワーク機能を併せ持ち、ボイスチャット機能や写真をメインにしたSNS機能が手軽に使える優れもので、海外ユーザーも急拡大しているという。
  中国の方々はマスコミの報道や専門家の意見だけに頼らず、むしろ、身近な周りの人々の意見を聞き、可能であれば自分で確認することを重視する傾向があり、「口コミ」の爆発的拡散の基本ツールとして微信がその大きな役割を果たしている。また、自分撮りを含め、自らの情報や経験を情報発信することに非常に熱心な国民性がある。特に微信は、情報提供の相手先を自ら限定する中での情報発信で、スマートフォンによる即時性の高い情報のやり取りが可能、中国人のモバイル使用習慣に見事に合致したツールとなっている。
私の微信画面
 そこで、私も中国の方々に習い、臆面もなく自らの写真を公開して、日常業務からプライベートまで微信で情報発信している。その実、驚くほどの反応があり、事務所活動のPR効果、県産品の宣伝周知、さらには個人的なネットワーク拡大にも一役買っている。(わ)

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2013.11.18〈№135〉

○青島ジャパンデイで「新潟館」PR
 11月15~17日まで、在青島日本総領事館、青島日本人会、ジェトロ青島等が主催する「青島ジャパンデイ」に、新潟市と共同という形で新潟県ブースを出展した。会場は、一定の集客力を持つ青島イオン東部店、BtoC向けの宣伝PRの場としては好条件の場所であった。
 ブースのメインには、中国向けネットショップ「新潟館」の宣伝及び利用促進を目的に、「新潟館」販売商品の展示PRを行った。「新潟館」商品は中国の方々が新潟県産品を個人輸入する形で直接購入することができ、現地通貨の元決済が確実に行われるというメリットがあり、かつ、今後も市場拡大が見込まれるネットショップを活用した常設販売ルートであるという特色がある。目下の課題は「新潟館」通販サイトの認知度の低さであり、この課題克服のため、地道な宣伝普及を続けており、今回の出展もその一環である。 〔中国向け通販サイト「新潟館」アドレス〕 http://emall.chinapay.com/store/289254.html
(青島ジャパンデーの県出展ブースの様子)
 さて、中国では、11月11日を「光棍節」(独身の日)と呼び、中国独自の記念日として定着している。これは、「光棍」が枝葉を持たない木、転じて妻子を持たない独身者の意味に由来し、まさに「1」(シングル)が4つ並ぶ11月11日を指して、シングル(独身)デーと呼んでいる。 
 しかし、最近では、11月11日を「双十一」と呼び、「淘宝(タオバオ)」などを運営する電子商取引の中国最大手アリババグループを中心に「オンラインショッピングの日」として広く認知され、各社が大々的な値引きセールのキャンペーンを展開する日になっている。そもそもは消費欲旺盛な独身者を当て込んだ企業戦略で始まった動きが、今では「ネットショッピングをする日」として定着してしまったのである。売上の内容は、服装などの一般販売店の商品のほか、新車、宝飾品、高額ブランド用品など、大規模かつ広範囲に商品がラインアップされており、すでに独身者のみを対象とするキャンペーンではなくなり、ネットショップ販売促進セールとして破格の経済効果をもたらす興味深い現象になっている。
 今年も、ネットショップ消費の中心である若年層の多くは11月11日に日付が変わるタイミングで、パソコンの前に、又は、スマートフォン片手にネットショップに興じていたという。その結果、アリババグループの「双十一」の総売上は、350億元(約5,700億円)、実に、昨年「双十一」の総売上191億元の約2倍弱の数字をたたき出している。350億元のうち、20%超は携帯電話からの購入で、これも昨年比の6倍弱、中国でのスマホ普及の影響が色濃く出ていると考えられる。さて、たった1日で売り上げた350億元という数字、これは中国本土で約400店舗を展開するウオールマート中国の半年分の売上高に相当、「楽天優勝セール」を展開した楽天市場の今年9月の1か月間の流通総額1,426億円の3倍に相当する額と説明すれば、その途方もない大きさが少しは想像できるだろう。
 この大バーゲンセールの内容を見ると興味深い点がある。アリババグループの販促活動に呼応して参加した通販サイトには、ハイアールなどの家電、ユニクロなどの服装、さらに家具など実店舗をもつ会社が多数含まれ、売上を爆発的に伸ばしている。通販サイトを実店舗関連商品の販促ツールに活用する戦略で、中国の巨大な潜在的消費力を喚起することに一定の効果を得た模様のようだ。
 習近平新体制に移行後のいわゆる贅沢禁止令、無秩序な公共投資の見直し、外国からの投資の伸び悩み等が指摘されている昨今の中国経済であるが、一方で、高級消費財を中心とする消費の拡大傾向は今後も続いていくことは確実であり、消費拡大が中国経済の原動力になっていくことは間違えない。(わ)

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2013.10.23〈№134〉

○「越後杉」中国輸出で販路拡大目指す
 昨今の日中関係の悪化が懸念される中、10月18日~19日の2日間の日程で、大連中日貿易投資展示商談会が開催され、当事務所の募集・取りまとめにより、県関係企業等6団体が出展した。会場全体としては、日系企業出展の伸び悩みにより、過去の開催状況と比較して、全体として活気のない商談会となっていた。
 そのような中、当県の出展団体の中に、県産杉で名高い「越後杉」の中国への販路拡大を目指して出展した団体があり、会場内で一際高い注目を浴びていた。
(サンプル品展示により、商談会に出展する様子)
 この団体は、県産杉の販路拡大を目指す県及び地元森林組合、併せて、中国の木材加工業者とすでに取引のある糸魚川市関係企業が共同で取り組む組織である。
 出展の経緯として、そもそも県産杉は、戦後に大量に植林された人工林を中心に伐採期を迎えており、新たな需要先の確保が求められる一方で、将来的な人口減少等による木材需要の減少が見込まれる国内市場の現状を踏まえ、木材需要が急増する中国への輸出による販路拡大を目指す実証事業の一環として試みている背景がある。
 また、高い経済成長が続く中国では、木材需要の急増とともに、国内の木材だけでは賄いきれない実情に加え、自国の天然林の乱伐を原因とした大洪水頻発の教訓等から、禁伐等の法規制が進み、ロシア材など外国輸入材に一部依存せざるを得ない現実もある。
 一方、県内では、強度及び抗震性が高く安心安全な越後杉は、杉が本来持つ特徴としての、優れた調湿効果や断熱性能、さらには有害化学物質の除去等の空気浄化作用も兼ね備えるなど、健康面でも大きな効用があると高く評価されており、すでに県内では、一般住宅だけでなく、高齢者施設や幼稚園などの公共施設にも積極的に使われているという。
 今回の取組は、糸魚川産県産杉を市内で製材加工し、直江津港からコンテナ輸出した上で、大連を内装材等の加工拠点及び販売窓口として中国国内で販売することを目的としており、その前段としてサンプル品を当商談会に出品し、実際の商談を通じて市場調査し、課題抽出することが狙いであった。
 フローリング用床板、壁、天井羽目板、テーブル等を展示したところ、その温かい色合い、心地よい香り、程良いつやなど、中国の方々の関心は予想外に高く、破格の商談ロットに、出展者側が戸惑う場面もあった。
 今後の課題として、輸入材としての高い価格設定の中、まずは越後杉の優れた特徴や効用を、中国富裕層を中心に地道に広めていき、認知度を高めていく努力が必要であると考えている。
 今回の商談会出展をきっかけに、大連市内の高級家具建材センターで、越後杉サンプル品の常設展示がすでに開始され、宣伝PR用の越後杉中国語版パンフや今回の商談会で展示した越後杉紹介パネルも飾られている。
 この動きが、中国輸出による販路拡大への端緒となることに期待するとともに、当事務所としても、新たな市場開拓に向けて、できる限りのバックアップを続けていくことにしたい。(わ)
(大連高級家具建材センターでの常設展示の様子)

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2013.9.24〈№133〉

○吉林省で2つの商談会に出展
 当事務所の募集取りまとめにより、第9回中国延吉・図們江国際投資貿易商談会(吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市、8月26日~30日、県関係企業4社出展)及び第9回中国北東アジア博覧会(吉林省長春市、9月6日~11日、県関係企業5社出展)に相次いで出展した。
  延吉商談会の出展にあたり、私にとって、ほぼ3年ぶりに訪れた延吉市であったが、ずいぶんと街並みが綺麗に整えられ、開発が進んでいることに気付き、大変驚いた。
  延辺州商務庁によれば、中国国内の大手銀行2社の本格進出が決まり、今後も投資案件が増えるのは確実とのこと。元々、韓国製品の集積地として知られている地域であるが、日本商品への需要も近年急速に、伸びてきているという。その証拠に、当県出展企業でも着実に成約案件が出てきている。延吉商談会の規模そのものはあまり大きくはないが、経済発展が他の大都市と比較して遅れている分、ビジネスチャンスは依然として相当程度存在すると見て間違えなさそうである。
(中国延吉国際投資貿易商談会の県ブースの様子)
  中国北東アジア博覧会は、今年も国家級商談会として、吉林省の省都・長春で華やかに開催された。地下鉄工事が進む長春市内の各所は、土ほこりにあふれ、市街中心部の渋滞は相当に深刻化していた。
 この博覧会は、年を追うごとに国際色豊かになり、大会規模の拡大を図ってきた経緯がある。しかし、出展に際し、ブース料金の毎年の高騰に加え、昨年同様、多額のブース装飾代金を納めることを事実上の出展条件とする等、出展者側に対する理不尽な取扱いが散見されるようになっていた。さらに今年は、装飾費用の領収書発行をめぐり事務的なトラブルが生じ、大会事務局側のお粗末な対応ぶりに、当県ブースを含む、多くの日系の出展関係者を悩ませていた。今後は、名実ともに国家級商談会としての名に恥じないような事務局運営を期待したい。(わ)
(中国北東アジア博覧会の県ブースの様子)
○県と伊藤忠大連でビジネス支援の包括協定

 新潟県は今年8月、県企業の中国東北地方におけるビジネス活動支援のため、中国進出の大手商社との初めての試みとして、伊藤忠(大連)有限公司とビジネスコンサルティング業務委託契約を結んだ。契約期間は来年3月末まで。
 伊藤忠(大連)有限公司は、中国東北地方を活動範囲に、大連のほかハルビン、長春、瀋陽にそれぞれ事務所を設置しており、これまでも当県関係者との交流を図ってきた経緯があった。今後は、当事務所、県ハルビンビジネス連絡拠点及び県長春ビジネス連絡拠点の活動の中で、伊藤忠(大連)有限公司のネットワーク等を活用して、県企業と中国企業とのビジネスマッチング支援や県産品販路拡大等を目指すことになる。
  早速、9月18日に、県関係企業の立地が進む大連経済技術開発区にて、大連新潟県人会(事務局:新潟県大連経済事務所)を開催した際、伊藤忠(大連)有限公司の塚本総経理にも出席していただき、当日参加の県企業関係者と初顔合わせの上、今後の協力の可能性等について意見交換していただいた。(わ)

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2013.8.25〈№132〉

○県省提携30周年「新潟フェア」開催
 新潟県と黒龍江省との友好県省提携30周年を記念して、泉田知事を団長とする県代表団(県、県内自治体、経済団体、県内企業等総勢33名)が今月21日から23日まで同省を訪問した。折しも、黒龍江省で多大な被害が発生している豪雨災害に対して、知事から黒龍江省人民政府に見舞金目録が手渡されたほか、県省会談の中で、再生エネ、医薬、教育など幅広い分野での交流が提案された。同時に、現地にて、両県省の企業の具体的な経済交流を支援するため、県省ビジネスマッチングが開催された。
   また、本訪問団に併せ、黒龍江省で最も老舗の大型高級日本料理店「鈴蘭(すずらん)」(ハルビン市南崗区漢水路)で新潟フェアを開催した。
(「鈴蘭」新館入口右の県展示コーナーの様子)
 主な内容の1つとして、「鈴蘭」店内に新潟県PR用の常設展示コーナーを設置した(専用の展示棚を新館入口2か所に設置)。同コーナーには、県産品展示のほか、県オリジナル暖簾、提灯、凧を同時に展示する等、まるごと新潟の雰囲気を提供できるように工夫されている。そのほか、県観光ポスターを全館展示してPR活動を実施。県の情報発信の拠点としての機能も発揮している。
  なお、展示コーナーにある県産品は、そのほとんどが中国富裕層向けオンラインサイト「新潟館」対象商品で、展示コーナー脇に専用パンフが配置されている。ご存じのとおり、「新潟館」は、オンライン上で県内企業が中国の消費者を直接対象とするB to Cサイトで、新潟県が中国ECサイト上に開設したオリジナルサイト。(http://emall.chinapay.com/store/289254.html)
  「鈴蘭」来店者への宣伝PRを通じて、黒龍江省での県産品の販路拡大に寄与できるように期待したい。
(「鈴蘭」新館入口左の県展示棚の様子)
  もう1つの内容として、日本料理の流行の兆しが顕著に見える昨今、本県の食文化の紹介を目的に、「鈴蘭」にて、今月22日より1か月間、「新潟ラーメン」「新潟タレかつ丼」をラインアップした新潟特別メニューを提供している。ラーメン等提供にあたり、県内のラーメン店経営者からの技術指導により実現した試みで、食材を全て現地調達とする本格的なメニュー。
(新潟ラーメン、新潟タレかつ丼の特別メニュー)
 「うまさぎっしり新潟」ロゴをデザインしたオリジナルどんぶりの使用、店内での新潟ラーメン関連ポスターの展示等の工夫も施されている。今後の来店者の反応により、「鈴蘭」レギュラーメニュー化への道も開けると期待している。
  今後は、当事務所及び県ハルビンビジネス連絡拠点を中心に、新潟県ゆかりの黒龍江省の方々への宣伝PR等、更なる取組を実施していきたいと考えている。(わ)

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2013.8.18〈№131〉

○ハルビン大連高速鉄道利用の影響
 昨年12月に開通したハルビン大連高速鉄道は4月より夏ダイヤでの運行開始によりスピードアップ、時速300キロ余りで両都市間全長約900kmを最短3時間半で結んでいる。私自身もビジネス客として頻繁に利用する常客で、先日はハルビンへの日帰り出張も敢行した。列車自体の揺れが少なく、シートもしっかりしているため、乗り心地は日本の新幹線と遜色ない。一方で、この高速鉄道開通後、両都市間を1時間半で結ぶ航空路は夕方遅くの1日1便のみとなり、事実上、空路による移動の選択の余地はほとんどなくなった。
 さて、今年の夏も各地で異常気象が続いているが、ここ大連でも濃霧発生が著しく多く、突然の豪雨に見舞われるなど雨の日が多い。そんな中、先月26日に毎年恒例の大連ビール祭りが開幕した(8月11日閉幕)。このビール祭り、屋外の仮設テントで行われているが、これだけ天候不順に見舞われ、雨の日が多いにもかかわらず、客足は絶好調とのこと。地元紙によると、中国東北部から高速鉄道を利用した旅行客が昼夜と大挙して訪れているようで、背景として、高速鉄道とビール祭りをセットにしたツアー商品が大人気で、両方の集客を同時に増やす効果を発揮しているという。どうやら、この高速鉄道、すでに観光客の誘客という面でも大きな影響を与えている。(わ)

○香港FOOD EXPOに出展
 香港最大級の国際総合食品見本市「FOOD EXPO 2013」への新潟県関係企業5社(NICO取りまとめ、会期8月15~17日)出展をサポートした。日本全国各地からの大量出展で、米、清酒、和牛、海鮮、果物、お菓子、調味料など日本全国、北から南までの食品特産物が効率良く集められており、香港市場への期待の大きさが感じられる。
 日本の食品は「安心・安全、長生きができて、美容に良い」「高級感があって、おいしい」という称賛の声をよく耳にするところであるが、これを裏付けるかのように今年3月、ジェトロによる「日本食品に対する海外消費者意識アンケート」が公表された。その中では、「好きな料理かつ外食で食べる外国料理」という質問に対して、中国(大陸)及び香港で共に、実に4分の1の人が「日本食」と答え、圧倒的な1位であったという。
(「FOOD EXPO 2013」新潟県企業出展の様子)
 また、農林水産省が発表した2012年の日本の農林水産物の輸出先のトップは香港で、ここ数年トップが続いている。なるほど、白米と玄米の味の違いを感じ取ろうとする真剣な表情は、香港人の日本食に対する認知度が大変に高いことが垣間見られる。新潟からの玄米輸出と香港での精米により新鮮なお米を供給する体制を構築した動きが昨今注目されているが、「日本食通」を既に多く抱え、食の輸入に関する規制が少ない香港でこそ可能となる商機といえる。一方で、日本食文化が既に深く浸透する香港にあって、高級百貨店や日系スーパーでの日本食品の品揃えは驚くほど豊富。輸入食材を幅広く扱う某高級スーパーでは日本米の専用棚に各地各銘柄のお米が数多く陳列され、既に過当競争の域に入っていることがわかる。
  こうした中、香港では、食品特有の冷蔵デリバリー体制も日本並みに完備しつつあり、かつ、インターネットサイトとタイアップした小口配送機能も整えられ、日本食の消費拡大は物流面からも一層の後押しになっていくことは間違えない。また、某ブースでは日本料理の技術者養成を柱とする企業の出展があり、現地で料理人を育成する動きは、外国人経営の日本食レストランの広がりを支えていることが伺われる。
 今回の見本市で、香港を起点に独自のルートで中国大陸を含む地域への販売網をもったバイヤーに遭遇したが、中国大陸の食の輸入に係る規制を逆手に取るバイヤーも数多く存在していることは容易に想像できる。中国大陸、香港を含むアジア富裕層が今後ますます増加していくなか、アジアを席巻することが確実視される日本食マーケットは急速な勢いで拡大しており、その熱気の一端を感じとることができた。(わ)

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2013.6.27〈№130〉

○各種商談会等の参加募集
 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等の参加企業を募集しています。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行います。現段階での計画は下記のとおり(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますのでご注意ください)。

・8月28~30日    延吉国際投資貿易商談会(吉林省延吉市)
・9月6~11日     北東アジア博覧会(吉林省長春市)
・9月23~26日    東北アジア(瀋陽)輸出入商品博覧会(遼寧省瀋陽市)
・10月18~19日   大連中日貿易投資展示商談会(遼寧省大連市)
 
 参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。また、参加申込書、詳細内容は当事務所ホームページにアップしていますので、参考にしてください。 http://www.nico.or.jp/dalian/
 なお、出展に係る費用負担は、これまで同様、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。(わ)
○日本商品の販売実態
 中国商務部(商務省)発表の「中国電子商取引報告(2012年版)」によると、2012年の国内電子商取引市場の取引額は8兆163億円(前年比31.7%増)に達し、2012年末現在、国内のオンラインショッピング利用者は2億4200万人(前年比24.8%)という。同報告書によると、価格戦争を繰り広げ、中国の電子商取引産業はいまだ低価格競争のモデルから抜け出せない発展段階にあることが指摘されている。
 さて、中国のオンラインショッピング最大手「淘宝网」の中で、「日本代購(日本での代理購入)」の利用による個人輸入が、ここ数年、根強い人気を得ている。その背景には、中国の消費者が商品の品質や安全性の面で、日本商品に高い信頼感を寄せていることが考えられる。とりわけ、売れ筋は、「子供用品」「健康・美容用品」「化粧品」と言われており、「同じミネラルウオーターでも、幼児用のロゴを付けたり、皮膚にやさしい美容保湿水と表示すれば数倍の値段で売れる」「6つのポケット(両親、祖父母で計6名の財布)を持つ子供は小皇帝」など、中国の方々の消費心理や消費志向をうまく表現する言い方がある。
  例えば、日本製の紙おむつは、通気性や使い心地が大変優れており、「日本代購」でも人気商品の一つとなっていて、品切れ状態になることも多いという。驚いたことに、「日本代購」某サイトでの子供用の紙おむつ販売価格は、日本での売価比較で1.2~1.5倍程度に設定され、そのほか、倉庫地・大連からの中国内運送費のみの追加で購入可能。大量発注等による仕入原価の低減等をもって、このような廉価が実現できるのか、理解に苦しむところであるが、一部の売れ筋商品は、直輸入品の割に、安い販売価格で抑えられている点が特徴である。参考に、大連の高級百貨店での同種商品の店頭価格は、日本での売価の2倍以上となっている。
 また、大連には、日本直輸入の食品や雑貨類を数多く揃える商店が数店舗ある。その中でも、豊富な品揃えで有名な某商店では、新潟県企業の米菓やビスケット類の直輸入品が数多く店頭に並べられ、「新潟県産こしひかり」と表示された米が店内に堂々と陳列されている。参考に、この米の店頭価格は、2㎏で150元(約2,400円)、5㎏で380元(約6,000円)。周知のとおり、東日本大震災発生以降、新潟県を含む10都県の農産品・食品等は輸入停止のはずだか?? (わ)

(大連市内某商店内「新潟県産こしひかり」表示の米)

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2013.5.21〈№129〉

○「自働化・省人化」工場見学会を開催
 5月16日、佳能機械(大連)有限公司(Canon Machinery(Dalian)Co.,Ltd)の全面協力の下、大連新潟県人会(事務局:新潟県大連経済事務所)の主催により、大連経済技術開発区にて、自働化・省人化事例紹介の工場見学会を実施した。
(冒頭あいさつ後、事業内容及び装置技術等の説明)
 佳能機械(大連)有限公司は、2003年設立、大連経済技術開発区の通称「大黒山金型団地」に立地しており、自働化・省人化装置の設計・製作及び部品加工を主要業務とし、顧客ニーズに応じてメカトロ技術を応用したカスタムメイドの製造装置開発を得意分野としている。当日は、佳能機械(大連)有限公司の吉村董事長及び坪田総経理から会社概要、事業内容、装置技術の進展、商流・調達状況等の説明を受けた後、松本副工場長等の現場責任者から、出荷前装置の紹介、過去の設計・製作装置の紹介、部品加工工場の見学など懇切丁寧な対応をしていただいた。
(出荷前装置、実機の紹介及び説明を受ける様子)
 周知のとおり、近年の中国の急速な経済発展に伴い、物価上昇、人件費高騰は著しく、さらに昨今の急激な円安の進展等により、経済環境が激変する中、中国国内のどこの工場も「自働化・省人化」への取組は喫緊の課題となっている。 このような状況下、佳能機械(大連)有限公司の取組は、自働化装置の製作に際し、非日本製の部品をできる限り導入してコスト削減を図る一方で、綿密な耐久テストに裏打ちされた品質保持を絶対条件としており、日系企業特有のきめ細かいサービスと高い品質を確保していくことで信頼性を高めていき、中国国内での新規顧客開拓を目指す方針を打ち出していた。 また、コピー製品などの低廉な機械装置が横行する中、さらに一段高い開発力と技術力を不断に磨いていくことで、中国現地のローカル企業を相手に、価格競争以外の領域で打ち勝っていく姿勢を明確にしていた。
(部品加工工場の視察の様子)
 当日の参加者は11社14名。工業製品の製造販売のほか、さまざまな業種の方々から集まっていただいた。これまでの県人会活動は、親睦交流を目的とするものばかりであったが、今回初めての試みとして、ビジネス交流を直接的な目的とした活動を行った結果、多くの参加者から高い評価をいただいた。時間の都合により、個別商談の時間を十分に確保することはできなかったが、少なくとも、参加者相互のネットワークの拡大という意味では大変に有意義な活動であったと確信しており、今後も同種の活動を継続していきたいと考えている。(わ)

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2013.4.29〈№128〉

○関係機関へ挨拶まわり
 私(渡辺)が1年8か月ぶりの再赴任となった機会をとらえ、大連市政府等関係機関、大連新潟県人会等関係企業、北京新潟県人会及び関係機関などを訪問して、挨拶まわりを行った。 
 その中で、19日には、大連経済技術開発区に立地する県内企業の便宜を考慮し、開発区にて県人会懇親会を開催した。周知のとおり、大連経済技術開発区には数千人規模の従業員を抱える日系企業の工場が集中する地域である。物価の上昇、人件費の高騰、急速に進む円安など激変する経済環境の中でも、日系企業の存在感は依然として大きく、これら日系企業の動向が大連市経済に与える影響は大変大きい。地元政府の開発区管理委員会として、これからも日系企業を重視していく姿勢に変わりはないとのこと。同市保税区には、日系大手自動車メーカーの工場進出がすでに決まっており、関連企業の進出準備が水面下で活発化している。                  
 また、22日には、赴任挨拶を兼ねて、北京新潟県人会に参加した。発足当時から県人会を牽引してきた越智会長及び事務局の新潟市北京事務所を中心にまとまりが良く、20名を超える参加者で賑わいを見せていた。首都北京とあってIT関連企業をはじめとするサービス業所属の参加者の割合が高く、かつ、比較的若い世代の参加者が多く集まっていたこともあり、明るく、フレッシュな雰囲気を持った会となっている点が特徴である。(わ)
(大連市外弁 于涛主任(左中央)に着任挨拶する様子)

○大使着任レセプションで「新潟館」PR
 4月24日、木寺大使着任レセプションが、北京の日本大使公邸にて、日中招待客約600名を集めて盛大に開催された。日中双方のマスコミ関係者も多数訪れる中、多くのメディアでその様子が報道されていた。その報道内容は、最近の微妙な日中関係を意識した事情にスポットを当てた論評が多かったようである。
 しかし、参加した感覚として、多数の日中の関係者が一堂に会した盛況なイベントとなっており、試食も交えた日本の食文化、先進的な環境技術、日本各地の観光地の紹介など、地方自治体や工夫を凝らした日系企業の展示スペースを興味深く見る中国の方々の表情はとても明るく感じられた。
 当県ブースは、中国向け通販サイト「新潟館」の宣伝及び利用促進を目的に、通販サイト宣伝用チラシの配布及び「新潟館」販売商品(ハウスウエア、伝統工芸品等)の展示PRを行った。どれも高額商品に該当する品物ばかりであるが、一定の予備知識を持つ、いわゆる「日本通」の中国人招待客から即売要望を受けたり(注:サイト経由での購入をお願いした)、1個168元(2,600円相当、送料別の値段)の24金仕上げのぐい飲みを見て、「燕の商品ですね。ずいぶん安いけど、本物?」と言われたり、驚きの反応も多かった。 改めて、全く一様ではない中国市場の一端を垣間見る機会となった。(わ)
〔中国向け通販サイト「新潟館」アドレス〕   http://emall.chinapay.com/store/289254.html
(木寺大使夫妻に「新潟館」商品を説明する様子)


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2013.3.27〈№127〉

上海華東交易会に三県合同出展 3月1~5日、上海市で、「上海華東交易会」が開催された。展示品目はファッション・紡績類、日用消費品類などで、上海市、江蘇省、浙江省、福建省、山東省など華東地域の現地企業からの出展が多く、日本や韓国など海外からも多数、参加しており、全体の出展社数は3000社以上、中国屈指の博覧会である。
 本県としては今年で12回目の参加となる。今回は埼玉県、群馬県との三県合同で出展した。首都圏と日本海は上越新幹線及び関越自動車道により最短時間で結ばれており、また、新潟県は日本海を介して、顕著な経済発展を見せる北東アジア諸国との繋がりを有している。この3県にまたがる広域圏の特性を踏まえ、お互いの地域価値を向上させようと、三県知事会議の合意のもと、共同の取組として実施したものである。新潟県から10社、埼玉県4社、群馬県2社、計16社が出展した。ブースのデザインを統一したことで、たくさんのブースがある海外出展ゾーンにおいて、一定の存在感を示すことができた。尖閣問題の影響もあり、本県からは出展企業数は減少したが、出展者からは概ね好評を得られた。
 展示会全体の印象としては、日本への輸出実績のある企業も多いらしく、日本向けのパッケージや日本語のPOPを貼るブースもあり、前年よりもデザインの優れた製品が多かったように感じた。また、日本人バイヤーが多数訪れていて、尖閣問題は買い付ける側にとっては、影響はそれほど受けていないようだ。中国製品の技術やデザイン力は年々向上している。中国製品との差別化や売り方を明確にしなければならないと実感した。 (し)

上海の百貨店で物産展を連続開催

 上海ヤオハン(1月25日~2月3日)、上海伊勢丹(3月11日~17日)で、新潟物産展を開催した。上海で一番の集客力を誇るヤオハンと、地元で高い認知度がある日系百貨店の伊勢丹において、春節期を挟んだ連続での開催であり、さらに上海華東交易会(3月1日~5日)にも出展したことで、上海に集中しての県産品の販売促進や新潟県の知名度アップに取り組んだ。
 期間中、尖閣問題における日本製品への影響は全く感じられなかった。また、展示商品の中には、すでに中国のサイトで特徴や優れた点などが掲載されたものもあり、実際に商品を手に取り、スマートフォンで情報を検索しながら、購入するかどうかを決まる若い女性客もいた。
 新潟県では1月下旬から、中国向け通販サイト「新潟館」を開設し、金属洋食器、ハウスウェア、伝統工芸品などを出品している。中国においてもリアルとバーチャル、それぞれの利点を組み合わせた販売促進活動が効果的である。(し)

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2013.1.15〈№126〉

○中国は世界最大のネットショッピング市場
 中国のネットショッピングは1998年からスタートし、2003年頃から驚異的な成長を遂げ、現在のユーザー数は約1.94億人に達した。2011年の取引金額は7,735.6億元、前年比67.8%も増加し、ネットショッピングはすでにメジャーな消費スタイルになった。淘宝網、当当網などショッピングモールは高い業績を収め、取扱商品を充実させながら、取引形態はギャザリング(共同購入)やモバイルeコマース(携帯端末からの商取引)に拡大している。
 なぜ、ネットショッピングが急速に増えているのか。主な理由は①安さ、②便利、③時間の節約、④選択幅が広い、⑤趣味が挙げられる。場所代、管理費、広告費などを考えるとリアル店舗との価額差は少なくとも3割あり、キャンペーンセールになれば、4~5割安く買える。都市部では自動車が急速に増え、交通渋滞がひどく、買い物に行くにも時間もかかることから、ネットショッピングが選択されている。また、数年前から都市部で個性化が流行し始め、広い選択肢や趣味などの動機での購入、ネット限定品への需要も増している。
 ネットショッピングの発展は便利な生活を与える一方で、ユーザーへのアンケート調査によると、ネットショッピングは安全でないと心配する人が約半数を占めた。クレジットカードの暗証番号が盗まれ、インターネットバンクからお金が引き出された被害が新聞などで頻繁に報道されている。ユーザー側の自己防衛意識の向上と同時に、管理者側のセキュリティー強化も必要になる。競争が激しい業界において、ユーザー保護にいかに投資ができるかが、顧客獲得の大きなポイントとなる。
  巨大市場を持つ中国のネットビジネスへの開拓の余地はまだ残っている。日本製品は品質が良く、安全、安心であると、多くの中国人が信頼感を持っている。良い製品なら高値でも買いたい層が確実に増えている。これは日本企業にとって大きな収穫を得られるチャンスが存在しているということであろう。(ぎ)

○日本留学の現状と特徴
 東日本大震災の影響を受け、日本への留学生数は一時的に減ったが、日本留学は依然人気が高い。その理由として、一つ目は留学に有利な政策が継続されていること。法務省が中国留学生の日本への就職の最低学歴条件を専門学校が発行する「専門士」の取得としたこと。二つ目は特定の専攻が就職にとって有利になること。例えば、世界の最も先端に立つアニメ産業や影響力が日増しに拡大しているメディア産業など、日本はアジア太平洋地区の経済情報発信の中心地となり、広告やメディア関連学科の実力が高い。また、IT専攻も中国学生に注目され、中でもゲームソフト開発、情報処理などが人気を集めている。三つ目は卒業証書が海外でも認められ、かつ学費は低いこと。欧米と比べると、学費は安く、専門学校の学費は年間4万―5万元、大学は年間5万―10万元。成績や出席率によっては一定の奨学金をもらえる。そして、週28時間のアルバイトができる。
  次に、2011年及び2012年における日本留学の主な特徴としては、一つ目は留学準備が早く、だいたい大学1、2年生から検討を始めていて、志望する学校や専攻がはっきりしていること。二つ目は日本への研修生の経験がある人が再び留学していること。研修生を経験した学生は目標を明確に持ち、日本文化を理解し、一般の留学生よりも、日本での生活や勉強に慣れやすい。三つ目は就職のために、大学院に進学し、さらに掘り下げて勉強すること。
  近年の就職市場を見れば、2013年の人気専攻は大衆メディア、アニメ制作、経済関連、IT及び機械工学、環境専攻が挙げられる。中国では中低所得層の数は、富裕層より圧倒的に多いが、中低所得層のほうが、勉学を通じて人生を変えようとする人が多い。学費の安い日本留学を選択する人は再び増加していくと推測される。学校側は、留学生のニーズを十分に把握し、留学生受入の環境を整備すべきであり、例えば学費の分割制度といった柔軟的な優遇対策は有効であろう。(しゃ)

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2012.11.12〈№125〉

○蘇州市で新潟物産展を開催
 10月24日から28日まで、江蘇省蘇州市の蘇州泉屋において、新潟物産展を開催した。本県の優れた製品等を当地の消費者に紹介するため、県が関係者との協力のもと、実施したもので、多くの来場者から高い興味や関心が寄せられ、好評を博した。
 総合小売業のチェーンストア「イズミヤ」は近畿地方を中心に、関東、九州などに87店舗を持ち、蘇州泉屋は中国1号店として、2011年9月にオープン。今年の9月15日、反日デモにより大きな被害を受けたが、わずか4日後には営業再開を果たした。こうした状況下で、会場を提供いただいたことに感謝申し上げたい。
 蘇州市は日系企業が数多く進出し、都市住民1人あたりの可処分所得は2011年で33,070元、同じく日系企業の多い大連市の24,287元に比べると、はるかに購買力は大きく、日本文化への関心や理解度もあるといわれている。  今回の物産展では、金属洋食器、鎚器銅器、包丁、キッチン用品、爪切り、剪定鋏など、燕や三条を代表する地場産品をはじめ、木製のオブジェや舌ブラシ、さらには中国でも人気の高い菓子など、バリエーションに富んだ商品が展示、販売された。また、日頃より親交を深めている蘇州市政府外事弁公室や上海日本総領事館の河内領事らも駆けつけ、盛大に鏡開きが行われた。
 中国は依然、大きな市場であることに変わりはなく、外国に出るという時は、中国だけでなくリスクは常にある。デモ発生から約1か月が経過し、来場者からは製品への不買発言は聞かれることはなかった。今回、数社の企業が新たに出展したが、製品等への関心度、価格の設定、通関、販売を行うためのコスト試算などに活用できるなど、比較的少ない予算で現地の情報等を探ることが可能である。(し)

○大連日本人学校の5年生が来所
 10月18日、大連日本人学校の5年生8人が、課外授業で来所した。同校では、大連と日本とのつながりを理解するため、毎年、歴史的な建築物の見学や日本企業等への訪問などのフィールドワーク授業を実施している。
 大連は日本との歴史的な関わりが深く、また、今日でも800社以上の日系企業が進出し、6,000人以上の日本人長期滞在者がいる。同校は平成6年に開校し、現在、約220人の小中学生が在籍する。『大連に来ている新潟県の企業を教えてください?』『ものさしや鋳物、プレスなどで金属製品を作る大きな工場や子供写真館があります…』『新潟にはどんな温泉がありますか?』『有名な小説の舞台になった温泉、美人になれる温泉など、たくさんがあります…』など、たくさんの質問を受け、一人ひとりが事前にきちんと調べてきたことにとても感心した。
 子どもたちに新潟県の印象を聞くと、お米、笹団子、柿の種、ポッポ焼など食べ物の名前が挙がる。『新潟の物やお米などは大連で買えますか?』『新潟県で作ったフライパン、鍋、金属洋食器は買えます。でも、お米は東日本大震災が起きた理由で、今も中国で売ることができません…』『今後の活動を教えてください?』『実は今日、大連に日本から多くの会社の人が来て、商談会を行う予定でしたが、尖閣諸島の問題で中止になりました…』
 日本人の子どもたちに新潟県をPRできる絶好の機会となった。来年の5年生には、日中関係が改善し、交流が進展した姿を伝えられるよう、県事務所としてもしっかり取り組んでいきたい。(し)

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2012.10.17〈№124〉

○吉林省の延吉商談会、長春博覧会に出展
 9月1~4日、吉林省延吉市で「延吉・図們江地域国際貿易商談会」、9月6~11日、同省長春市で「吉林・東北アジア投資貿易博覧会」が開催された。延吉の商談会では、食品や服装、観光など総勢300余りのブースが出展し、新潟県は新潟市とともに、食品や生活用品などの企業が出展した。新潟県としては今年で連続5回目の参加となった。
 延吉市は延辺朝鮮自治州の州都である。同州の人口は約219万人、うち朝鮮族は全体の36.5%、約80万人が住む、中国で最も多くの朝鮮族が住む地域である。これまで新潟県と同州とは経済などの面で交流を重ねてきたが、今年で同州創立60周年を迎え、この時期に合わせて記念行事が開催された。本県からは森副知事らが出席し、州幹部との面談や図們江開発に関する会議などにも参加した。
 また、長春の博覧会には新潟県からは第1回から出展し、今回5社が出展した。会場は連日、通路を移動できないほど、大勢の来場者で賑い、期間中の売上額は昨年並みの売上額を記録した。期間終盤、尖閣諸島国有化の報道があり、来場者から不買発言も聞かれたが、全体としては目立った影響はなかった。今回の出展では、安心かつ健康な食材が非常に好評だったこと、高価格でも現地のライフスタイルに合った便利な商品が売れるなど、消費者の嗜好変化や購買力が確実に上昇していることを実感した。
 吉林省東部・中部地域では、長春と琿春を結ぶ高速道路が開通し、同区間を結ぶ高速鉄道の建設も進む。本県と同地域との貿易が拡大していくことが、新潟県と中国対岸地域を結ぶ日本海横断航路の安定運航につながり、新潟港の拠点性を高めることになる。今後もこうした商談機会の拡大に努めていきたい。(し)

○中国のゴールデンウィーク 7.4億人が移動、大混雑
 今年の中国建国記念日(国慶節)は中秋節と合わせて8日連続の大型休暇となった。政府は観光産業の発展による内需拡大を図るため、期間中定員7人以下の乗用車を対象に、初めて全国一斎に高速道路通行料の無料化を実施した。
 期間中における国内移動者数は、およそ7.4億人、観光地はどこも観光客で溢れ、万里の長城は、多い日で8万人が訪れたほか、故宮博物院では、1日あたりの入場者数は18万人に達した。「1日だけで約41万人が来た。8トンのごみが出た。」と天安門広場の清掃員が話した。
 甘粛省敦煌の鳴沙山は、ラクダを乗って砂漠を回るツアーが観光の名物となっている。管理者側は観光客が殺到することを想定して、約1,000頭のラクダを用意したが、連日約8,000人が参加し、ラクダは朝5時から夜中まで歩き続け、中には過労で死んだものもいたという。
 また、各地の高速道路は大混雑。浙江省では約60キロの渋滞が起きた。統計によると、全世界の自動車保有台数は10億台。中国は昨年末に1億台を超え、世界の10%を占め、個人所有のマイカーは7,872万台、前年比20.4%増加した。100世帯あたり16台の車を保有するが、多くの都市部では渋滞問題が深刻化している。「政府の新策が高速道路を駐車場に変えた」など、怒りの声があちこちで出ていた。報道によると、期間中、全国で68,422件の交通事故が発生し、794人が死亡した。
 例年では、国慶節の時期は訪日旅行が人気であったが、今年は領土問題をめぐり、訪日ツアーの中止やキャンセルが続出し、日本への観光は冷え込んだ。(ぎ)

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2012.8.3〈№123〉

○事務所開設15周年記念行事を開催
 7月23日、当事務所の開設15周年を記念する式典を大連市内において開催した。大連市、遼寧省、吉林省及び黒竜江省の政府関係者、新潟県からの進出企業、新潟県人会、大連日本商工会、自治体事務所の関係者など約100人から出席をいただいた。在瀋陽日本総領事館大連事務所の川田所長、大連市人代常務委員会の田副主任から、祝辞を頂戴した。
 新潟県を代表して、森副知事から、「これまで事務所の活動への皆様の支援に心より感謝する。この15年間で、中国の経済や文化は大きく変動したが、これからも新潟市北京事務所、第四銀行上海駐在員事務所及びハルビン、長春の両ビジネス連絡拠点と連携し、東北三省をはじめとした中国との架け橋の役割を果たしながら、一層の経済交流や友好交流を展開していく」とあいさつした。
 2007年の開設10周年以来となる記念行事の開催であったが、この5年間における中国の経済成長はとても著しい。2007年から2011年までの実質GDP成長率は平均で約10.5%の伸び、一人当たりのGDPは2011年で5,414ドル、2007年の2,645ドルに比べ2倍以上も増加した。また、中国は輸出額、輸入額ともに日本にとって貿易最大国となった。
 世界の工場から世界の市場へ。メイド・イン新潟の優れた製品を購入できる高所得者層は決して少なくない。コシヒカリや日本酒は大都市部では認知されてきた。同時に、本県の地理的優位性や交通インフラを活かすうえで、空港や港湾の利用促進は大きな課題となっている。さらに、2010年に中国駐新潟総領事館が開設されたことにより、様々な領域での交流活動も進む中、これからも新潟県の現地事務所として、経済社会のニーズや環境の変化に対応し、関係機関と協力しながら、新潟県と中国との友好交流を推進していきたい。(し)

○中越クリーンサービスが瀋陽市に現地法人設立
 ビルメンテナンスサービスなどを手掛ける中越クリーンサービスが、7月1日、現地法人を設立した。社名は「瀋陽仲謁商貿有限公司」。事業内容は、ビジネスコンサルティング、総合ビルメンテナンス管理、高齢者介護用品に関する3つのサービスを展開していく。中越グループにとっては、中国東北地区での初めての事業者向けサービスとなる。
 3日、開所式が行われ、同社の中山和郎代表取締役社長や役員等をはじめ、在瀋陽日本総領事館の田尻総領事、遼寧省及び瀋陽市政府、瀋陽市に進出する日系企業ら関係者が出席した。
 中山社長は「瀋陽市は発展していることや交通インフラも整備されていることから、同市への進出を決めた。ホテルやビルへのメンテナンスサービスや最先端の高齢者介護用品を通じて、清潔で快適な空間と、安全、安心、便利な生活を提供していく。」とあいさつ。
 新潟県内をはじめ、さまざまな事業を展開する中越グループによる中国東北地区へのサービス業の進出であり、当地にはない付加価値の高いサービスを期待したい。当事務所では同社を遼寧省外事弁公室などへ紹介したが、これからも応援していきたい。(し)

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2012.6.13〈№122〉

○瀋陽で新潟物産展を開催
 5月31日から6月6日まで、瀋陽伊勢丹において、新潟物産展を開催した。今年に入り、1月の上海市、3月のハルビン市に続き、3回目となる。今回は在瀋陽日本国総領事館が、日中国交正常化40周年の記念行事として開催した「瀋陽ジャパンウィーク」とタイアップし、お互いのPRや集客効果を狙ったものである。洋食器、包丁、ビアタンブラーなどのキッチン用品や舌ブラシといった健康商品を展示即売するとともに、鎚器銅器の製作実演や高級爪切りを使ったネイルケア体験が行われた。鎚器銅器の伝統工芸士である島倉堂の島倉さんが金槌で銅板を叩き、小気味よい金属音がフロア内に響き渡ると、周囲にお客が集まり始め、多くの人が足を止め、巧みの技能に見入っていた。開催期間中の週末、雨天のため、客足が鈍ることもあったが、それにもかかわらず過去2回の物産展に劣らない販売実績となった。
 また、新潟物産展の終了後、制服ファッションで注目されている県内に本社を置く衣料会社がファッションショーを開催し、瀋陽ジャパンウィークに華を添えた。瀋陽伊勢丹は東北三省唯一の日系百貨店であり、中国富裕層の集客が見込まれる高級百貨店において、新潟発の優れた製品をアピールすることができた。(し)

○各種商談会等の参加募集
 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等に出展する予定です。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行っていきますので、参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。別途、詳細事項をご連絡いたします。
 現段階での計画は下記のとおり(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますのでご注意ください)。
・9月2~4日 延吉国際投資貿易商談会(吉林省延吉市)
・9月6~11日 吉林北東アジア投資貿易博覧会(吉林省長春市)
・9月26~28日 北東アジア(瀋陽)輸入商品博覧会(遼寧省瀋陽市)
・10月18~19日 大連中日貿易投資展示商談会(遼寧省大連市)
 なお、出展に係る費用負担は、これまで同様、出展料(ブース費用)は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。(し)

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2012.5.3〈№121〉

○新潟県長春ビジネス連絡拠点が開設
 4月23日、新潟県は吉林省における連絡体制、情報収集・発信機能を強化するとともに、日本海横断航路の利用を促進するため、「新潟県長春ビジネス連絡拠点」を開設した。
 同日、森副知事をはじめとする県訪問団や吉林省経済合作局、吉林シノトランス、吉林省北東アジア鉄道などの関係者などが参加して、開所式が行われた。
 昨年8月に「新潟-ザルビノ-琿春航路」が運航を開始し、月2、3便の割合で新潟港に寄港している。日本海横断航路の安定的な航路運航には民間どうしの経済交流が活発になっていくことが重要であり、そのため、県としてもハルビンに引き続き長春に連絡拠点を設置し、吉林省との経済交流を推進していく。長春の連絡拠点には、専任の連絡員を1名置き、「日本海横断航路連絡促進協議会」事務局の新潟国際海運が、連絡員と連携して業務を行っていく。今回、輸送業務を担う日本側の新潟国際海運と中国側の北東アジア鉄道との間で、日中双方の国内貨物輸送に関する代理店契約の調印式も行われ、同航路の運航体制が強化された。さらに、4月25日、中国側の航路の玄関となる琿春市において、日本との貿易を行う地元企業との意見交換会を開催し、同航路への安定運航と便数の増などの要望と強い期待が多く寄せられた。中国東北三省との物流ルートは大連港を利用するのが一般的であるが、例えば新潟から大連を経由し長春までの輸送日数は9日かかるが、新潟-ザルビノ-琿春航路を利用した場合は4日に短縮される。また、運賃面においても、新潟県と吉林省による支援のもと、大連港利用と比べても競争力ある運賃を設定し、同航路の利用促進を行っている。(し)

○各都市でタクシー燃料附加費を徴収、 引き上げ
 大連市は物価局と交通局の連名で、4月1日から、1回の乗車のたびに1元の燃料附加費(燃料サーチャージ)を徴収すると発表した。大連の初乗り料金は基本料金8元に、1元が加算されて、3キロ以内の乗車は9元となる。
 燃料サーチャージといえば、飛行機が一般的だが中国ではタクシーでも燃料高騰に伴い課金されている。3月20日、国家発展委員会は国内のガソリン価格を7.85元/1㍑から8.33元/1㍑に引き上げた。この発表の2日後、深セン市が燃料サーチャージを3元から4元に、北京市では乗車距離が3キロを超えると2元から3元に加算され、上海市の初乗料金が1元値上げの14元となるなど、各都市において、タクシー料金が引き上げられた。
 燃料費高騰はタクシー業界にとってもコストアップになるが、中国のタクシー運転手はタクシー会社から車を借りて営業をしている個人事業主なので、燃料費が上がればその分が運転手の手取り減となり、こうした措置がとられた。
 なお、東北三省の主な都市の初乗り料金は、ハルビン市が8元+燃料付加費2元(1元の引き上げ)、瀋陽市が8元+燃料付加費1元、長春市が5元+燃料付加費1元である。(しゃ)

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2012.3.31〈№120〉

○新潟-上海便増便の記念訪問
 「新潟-上海線」が3月最終週から、週2往復から4往復に増便された。3月26日、新潟空港での記念セレモニーの後、泉田新潟県知事を団長とする訪問団が増便初便に乗り、上海市を訪れた。政府関係機関や東方航空本社への表敬、上海新潟県人会との懇談等を行い、同便の利用促進に向けたPR活動を行った。
 週4便化によって、ビジネスユースの利便性が向上することはもちろん、観光面でも、いろいろな日程の旅行商品が造成できることで、新たな需要が期待されている。今回の訪問団には中国と文化、スポーツ、教育の分野で、交流実績がある県内の放送会社、プロスポーツ運営会社、学校法人の長らも参加し、訪問先ではさまざまな提案が行われた。今回のミッションは経済交流だけにとどまらず、さまざまな分野での人的交流が生まれる可能性を覗わせた。
 また、長岡市に本社のある北越電研(上海)有限公司を訪問した。上海市には県が把握しているだけで、55社の県内企業が進出する。航路増便の利便性向上で、県内産業の空洞化がいっそう進むのではという声も聞かれる。上海新潟県人会の会長も務める平石董事長は、「上海市の賃金は上昇しており、ここに進出する利点はコストを下げること以上に、需要のあるところ、こうした情報が集まることの方が大きい」。
 上海市は今、世界で最も元気な都市の一つであり、海外市場に新たな需要を開拓していく県内企業が増えていくことは、新潟県の産業発展にとって、プラスであると強く感じた。(し)

○黒龍江省教育訪問団が新潟県を視察
 3月11日から14日まで、黒竜江省の教育関係者が新潟県を訪問した。修学旅行の誘致を図るため、県が招聘したもので、訪問団の通訳アテンドとして同行した。
 新潟空港に着いた日は雨だったが、飛行機から降りると目の前に、異国の風景が現れた。今回の団員のほとんどは新潟の土を踏んだのは初めてであったが、参加者から中国よりも空気がずっと爽やかで新鮮だという声を聞かれた。
 今年は例年以上に雪が降り、3月中旬の来県であったが、白銀の織り成す幻想的な雪景色を見ることができ、さらに海に囲まれた美しい佐渡、日本一美味しいコシヒカリや日本酒、日本海の新鮮な海産物など、魅力溢れる新潟を堪能することができた。
 また、日中国交回復に功績を残した田中角栄元首相の記念館、日中友好の象徴である朱鷺の佐渡保護センター、日本ではじめて「大漢和辞典」を編纂した諸橋轍次博士の記念館など、新潟県は中国との友好のゆかりの地であることを理解することができた。
 中国にも「百聞は一見にしかず」という言葉がある。自分の目で見て、心と肌で感じながら、自分が知っていたことでも再発見していくことは、異国の文化を理解するための第一歩だと思う。国情や利益によって行われる教育やマスコミの宣伝に左右され、誤った情報が伝わったため、自分とは異なる価値観や生活習慣を持つ人々の生き方などを否定してしまうことは日常茶飯事である。それは実は相手の本当の姿をよく分かっていないことが招いている。今回の貴重な視察を通じて、日本という国の本当の様子を身近に見ることができ、日本に対する理解も深められたと思う。帰国後、教育関係者から日本の見聞を学生に伝え、また、今後の新潟県への教育旅行の実施を通じて、両国の若い世代間の友好交流につながることを心から願っている。(ぎ)

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2012.2.27〈№119〉

「元気な日本」北京展示会に出展
 2月16日から18日まで、北京市において、「元気な日本」展示会が、日中両国国民の友好交流や風評被害の解消を含めた日本ブランド力の向上を目的に開催された。この展示会は日中国交正常化40周年を迎え、「日中国民交流友好年」の開幕式として位置づけられており、日中両国から多くの政府関係者が参加した。新潟県からは森副知事が出席した。新潟県は、日中国交正常化を実現した田中角栄元首相のふるさとであり、また、中国から日本への友好の証として贈られた朱鷺など、中国との関わりはとても深い。
 会場には都道府県の展示ブース等が設置され、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県、宮城県、岩手県をはじめ東北各県、北海道、富山県、沖縄県などとともに、新潟県も出展した。 
 鎚起銅器、ステンレスカップ等を展示し、本県を代表する巧みの技術をアピールした。ステンレスカップの鏡面仕上げの輝きや鎚起銅器の独特のフォルムに足を止め、カメラに収める人も多く、幾度も価格帯や購入方法を訊かれた。また、本県産のコシヒカリや日本酒を知る人も多く、こちらも日本や中国での購入方法や銘柄の質問が多く寄せられた。 特設ステージではAKBやアニメソングのコンサート、ファッションショーなどが行われたほか、日本食の試食は行列待ちで、会場は連日、大勢の来場者で賑わい、3日間で約26,000人の来場者を記録した。新潟県にとっても絶好のPRの機会となった。(し)

○在瀋陽自治体交流プラットフォームの成果
 2月23日、日本自治体交流プラットフォーム(以下「JPF」という。)に関する交流会が瀋陽市において開催された。在瀋陽日本総領事館が主催したもので、日本側から大連市や瀋陽市にある自治体事務所、中国側からは遼寧省、瀋陽市等の貿易促進委員会等の担当者らが出席した。
 瀋陽市は中国東北三省の一つである遼寧省の省都であり、居住人口は約790万人。同市を中核として、高速道路や鉄道等の交通ネットワークが形成されており、周辺には人口約350万人の鞍山市のほか、人口200万人規模の撫順市、遼陽市、鉄怜市などがあり、東北地域では最大規模の市場である。日系企業の進出は150社以上、伊勢丹、無印良品、ユニクロやヤマダ電機の海外第一号店が出店している。
 JPFは瀋陽市から、日本各地の物産、観光、企業情報等を効果的に発信し、中国側との協力を効果的に推進していくことを目的に2010年5月に設立された。情報関連企業が多数入居する市街地のオフィスビル内に、総合窓口を設置し、個別の相談や情報収集を行うほか、各自治体のポスター、パンフレット等を陳列する常設展示室を設けている。 JPFのこれまでの主な成果として、佐賀県と遼寧省本渓市との温泉観光交流、鹿児島県と瀋陽市の医療関係者との医療技術交流や、新潟県の企業の瀋陽進出へのサポートの事例が報告された。今後は、瀋陽への投資促進のため、瀋陽市と協力し、ビジネス支援センターを立ち上げる計画があるほか、同じ東北地方の吉林省の長春市や黒竜江省のハルビン市でも、JPF設立の準備が進められている。(し)

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2012.1.12〈№118〉

○大連に子ども写真館を開店
 新潟県内で、子ども向け写真館やカメラ販売、飲食店等を経営する「光美堂」(妙高市)が、11月2日、子ども写真館を開店した。県内企業による大連進出は、一般消費者向け店舗としては数年ぶりとなる。同社の小林社長はこれまで、上海、北京、ハルビンなどで、市場ニーズや競合店の状況等を調査し、進出先の検討を進めていた。県事務所でも2011年1月から、大連での調査サポートや専門家の紹介などの情報提供を行っていたが、同年春、大連への出店を決定し、現地法人「大連瑞美佳撮影有限公司」を設立、約半年後、年内でのオープンを果たした。店名は「精?物語(日本名:妖精物語)」、大連中心部のオリンピック広場近くに店を構える。店舗面積は約1,300㎡と広く、充実した衣装ルームと複数の撮影ルームを設置し、お客様からの希望にきめ細かく対応できるよう、豊富な衣装とさまざまなセットが用意されている。撮影にかかる時間は衣装3着の撮影で、衣装替えやメイクなどで約2時間と長く、そこで、子どもが遊べるグッズやスペースを随所に配置したほか、授乳などにも使える個室も置いている。新潟県の流通会社で長年勤務した中国人女性の総経理に据え、同じく日本での勤務実績が豊富な中国人男性の副経理、カメラマンなどの専門スタック、総勢19人が店舗運営にあたる。来店や滞在時間そのものがお子様や家族にとって、素晴らしい思い出になるよう、丁寧な接遇やサービス提供を目指していく。大連では婚礼写真に10,000元前後の費用をかけていると言われるが、一人っ子政策の中国では、両親や祖父母が子どもや孫にかかる費用は相当なものであり、子ども向け写真にも一定の需要があるのは間違いない。しかし、大連市においても競合店や先行する有力店も存在する。行き届いた高品質のサービスをどう伝えていくか。光美堂の経営理念である「経営を通じ地域社会の人々に喜びと感動を与え続けることを最大の使命とする」。大連の人々へも伝わるよう県事務所としてもPRしていきたい。(し) 

○大連市は外国人の社会保険料徴収を延期
 2011年9月8日、中国人力資源・社会保障部は「中国国内で就職する外国人の社会保険加入に関する暫定方法」を正式に発表した。統計によると、2010年末まで、「外国人就業証」を取得している中国で働く外国人は23万人を超えた。人力資源・社会保障部の担当者は、新しい制度は外国人社員の本土における権益をまもるため、就業国で社会保険に加入することは国際的な慣例だと指摘した。しかし、この制度の発表後、一部の国は中国に対し、保険料の二重徴収を防ぐよう提案した。また、具体的な仕組みが不透明で、詳細な内容を公表していないことに対する懸念が強い。
 この問題をめぐり、最近大連市は外資企業の投資誘致を優先するため、外国人の社会保険料徴収をしばらく延期することを決定した。一方、北京市は昨年11月に、外国人に年内に保険料を納める義務があることを明確に規定、上海、広州などは、様子見の態度を取るという。
 関係者の話では、大連市は2011年8月、外国人が社会保険に加入する義務があること、社会保険料は国籍に関係なく、一律に給与の30%とし、上限を設けないことを明確に規定したが、同市の日系企業は全体の外資企業の3割を占めており、中日政府間で社会保険に関する話し合いが始まったことや、外資誘致への影響を考えて、制度の実施を延期した。具体の延期期間については明らかにしていない。(ぎ)

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2011.12.26〈№117〉

○江蘇省・上海市で観光説明会開催
 大野新潟県副知事を団長に、北陸信越運輸局、市・町の観光部署、ホテル旅館及び観光業者の21企業・団体、総勢39人が参加した。今回のミッションの目的は、新潟県を中心とした旅行企画を提案するとともに、東日本大震災後の新潟県の食品安全を宣伝し、来年の日中国交正常化40周年における観光交流の計画づくりなどであった。
 南京市における説明会では、大野副知事が新潟観光のプレゼンテーションで行い、江蘇省旅遊局の朱局長が歓迎の挨拶を行った。南京市、蘇州市及び無錫市などの地元旅行社17社が参加した。商談会では中国側の旅行会社と日本のホテル、旅行、観光協会等の関係者が直接面談し、観光地や施設等の説明、交渉を行った。中国側の旅行会社にとっては日本に視察しなくとも、日本の観光関係者と面談できる機会は珍しいことから、限れた面談時間の中で、積極的なやり取りが見られるなど、会場は活気に溢れていた。上海市における説明会においても、上海市、杭州市の旅行社15社が参加し、活発な商談会となったほか、大野副知事は上海市旅遊局の道局長と会見し、今後の交流と連携についての意見交換が行われた。
 新潟県は日中国交正常化に貢献した田中角栄元首相のふるさとであり、中国とのゆかりが深い地域である。また、中国駐新潟総領事館が設置されたことも踏まえ、今回のミッションでは、新潟県が観光プラス青少年交流教育旅行の適切な目的地であることを、江蘇省と上海市の旅行業界に十分にアピールすることができた。新潟県側は近く上海市、江蘇省、黒龍江省に招聘視察事業を行う予定であり、当事務所は引き続き海外事務所として中国との架け橋となり、交流に取り組んでまいりたい。(しゃ)

○日系コンビニが大連で開店
 11月23日、ローソン第1号店が大連市内にオープンした。ローソンと大連市内で飲食チェーンを経営する地元企業の合弁企業が直営するもので、ソフトウェアパーク内に開店した。これは日系コンビニとしては東北三省への初出店になるそうだ。
 大連には台湾系のコンビニ「快客」が街のあちこちに立地するほか、「太陽系」という中国系のコンビニもある。営業時間や品揃えは店によって大きく異なるし、品質管理や衛生面でちょっと心配な店がある。
 24時間いつでも、どこの店でも一定品質の商品を購入することができる日系コンビニが、大連に進出したことは、駐在する日本人にとっては、とてもありがたい。また、あのパリっとした食感の海苔で、美味しいご飯を包んだおにぎりの魅力は、日本人だけでなく、日本に滞在したことのある中国人もよく知られている。既存のコンビニ店よりも少し割高感があるが、昼食などで、例えば3元のおにぎり2個と3元のお茶を合わせて買っても、トータル9元なので、普通の人々でも、価格的に求めやすい。
 今後、日本のコンビニの丁寧な接遇サービスが、大連の人たちに受け入れられるかどうかはわからない。ただし、少なくとも大連市内の小売店に影響を与えることは間違いなさそうだ。今後、多くの日系企業や県の事務所も入居する森ビル1階に2号店も近くオープンする。(し)

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2011.11.25〈№116〉

○新潟県ハルビンビジネス連絡拠点が開設
 10月21日、新潟県は黒龍江省における連絡体制や情報の収集、発信機能を強化するため、ハルビンビジネス連絡拠点を開設した。同日、森副知事をはじめとする県訪問団や黒龍江省外事弁公室の職員らが参加して、開所式が行われた。
 新潟県と黒龍江省は昭和58年に友好協定を締結し、今年で28年目を数える。これまで留学生や医師等研修生受入、教育や観光面の交流、ハルビン商談会への出展、出展農業や環境面での技術協力など、様々な分野での交流が続き、新潟県との結びつきは非常に強い。また、新潟-ハルビン定期航空路に加え、今夏、新潟-ザルビノ-琿春を結ぶ日本海横断航路が開設したことにより、今後は吉林省を含め、物流の促進を図っていくことになる。そこで、この連絡拠点は、日本海横断航路の周知と荷主発掘、ビジネスマッチングなどの活動を実施していくこととしている。
 同連絡拠点には、専任の連絡員のチーフ1名を置き、情報ネットワーク員として黒龍江省政府職員、現地派遣の県職員、アドバイザーとして現地商社が関わっていく。専任の連絡員の房為民氏は、これまで黒龍江省中国国際旅行社に勤め、また、新潟県内の物流会社で8年勤務した経験もあり、物流や人流の両面からの活躍が期待される。中国でのビジネス展開には、政府との協力関係は非常に大切なことであり、黒龍江省の政府職員や現地派遣県職員が随時、こうした連絡調整の機能を果たし、さらに現地商社がアドバイザーとして、関わっていく。新潟県大連経済事務所としても、中国・東北部の経済交流の促進において、同連絡拠点と情報を共有し、連携して取り組んでいくこととしている。(し)

○大連航空会社が設立
 今年の8月8日、「大連航空」が正式に設立した。「大連航空」は7月21日、中国民用航空総局からの許可を受け、8月1日に「大連航空有限責任公司」に登録された。中国国際航空(CA)と国有資産経営の大連保税正通有限公司が10億元を共同出資して設立した、その中、中国国際航空は80%の出資、大連保税区正通は20%の出資となっている。 11月18日第一機目の機材が大連空港に到着した。大連航空は当面国内航空市場に力を入れていく方針として、年内にも初フライトを予定している。機材はB737‐800型3機を使用、北京、上海、深?などの国内主要都市への路線に就航し、徐々に航空運送ネットワークを拡充させ、5年以内に大連を地域のハブ空港として発展いく戦略としている。将来には、日本や韓国への国際便を就航することも視野に入れており、2012年には機材を5機、2015年には機材を20機に拡大する計画がある。
 大連周水子空港は現在、36社の国内外の航空会社によって、国内線で108航路、香港などの特別行政区を含めた国際線で38航路が運航されている。旅客数は2010年で1040万人、全国第16位となっている。大連空港の参入により、大連周水子空港における一層の航路ネットワーク化が期待される。(ぎ)

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2011.10.11〈№115〉

○夏季ダボス会議が大連で開催
 9月14-16日、夏季ダボス会議(世界経済フォーラム主催)が大連市で開催された。同会議は1997年から毎年、中国で行われており、大連市での開催は今回で3度目となる。90カ国から企業経営者、経済学者、政府関係者ら1600人余りが参加した。
 今回は「成長の質や経済の枠組みのコントロール」をテーマに、欧州の債務危機、米国の債務リスクなど、欧米での金融危機による世界経済への影響にどう対応していくかについて、熱い討論が展開されたほか、低炭素成長、変革型イノベーション、モバイル経済、都市発展などについて踏み込んだ議論が行われた。 
 中国やインドなどの新興国は、高い経済成長が続く一方で、インフレの進行や貧富の差拡大といった問題を抱える。中国の温家宝首相は、開会式で「より長期の、より高水準の、より良質の発展を実現しよう」と題する基調演説を行い、労働分配率の向上や都市と農村の格差縮小、社会保障制度の整備に努める方針を示した。
 さらに、今回はエネルギーの安定確保や低炭素社会が注目されていた。新興国における工業の急激な生産拡大が、資源の需要増による価格上昇や環境悪化を招き、また、これによる経済的損失も決して少なくない。今後も、新興国が高度成長を維持するためには、環境、省エネ対策や新エネルギーの活用が大きな課題である。日本は省エネ先進国としての役割は大きく、優れた技術やサービスの提供への期待は、より高まっていきそうだ。
 本県では、新潟版グリーンニューディール政策を推進し、その一環として、雪国型メガソーラー発電所を設置し、積雪地における太陽光発電のノウハウを有している。また、新エネルギー産業の振興策として、にいがた産業創造機構が、中国での商談会・展示会への共同出展など、中国市場への進出を支援している。(し)

○吉林省の博覧会に出展
 
9月6~11日、吉林省長春市で「第7回吉林・東北アジア投資貿易博覧会」が開催された。展示ブースの総数は約2,600、東北地方において有数の規模を誇る展示会である。来場者と出展者を合わせた数は約5万人、うち海外からの参加者数は1万人となった。日本からも東北アジア5カ国(日本、韓国、ロシア、モンゴル、北朝鮮)の商品館において、新潟県、秋田県、宮城県、鳥取県などの自治体や、同地に合弁企業を置くトヨタ自動車や伊藤忠商事などの大手企業が参加した。
 新潟県のブースには、県内企業5社が参加し、包丁、鍋、皮むき器などのキッチンツールや舌ブラシなどの健康商品を展示、販売を行った。こうした製品は地元の人々にとっては高価であるにもかかわらず、ブースには連日、多くの市民らが詰め掛け、期間中の売上総額は過去最高を記録した。
 市民に訊くと「中国各地や海外から商品の集まる絶好の機会、これを見逃せない」。長春市の経済発展により、市民の購買力は明らかに上昇している。また、製品自体の優れた機能性がしっかりと認められていることも実感した。展示会や商談会の出展を通じて、地元市民の輸入品に対する需要や購買力などの市場情況をつかむことは、とても大事である。(しゃ)

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2011.5.24〈№114〉

○大連ラジオ番組にゲスト出演
 5月22日、大連ラジオ局の番組「九州新発見」にゲスト出演した。同番組は毎週日曜日夜7時から8時までの1時間番組で、大連及び福岡で日中同時2元生中継されている。主な内容は、大連在住の日本人をゲストに招くトーク番組で、日本語堪能の中国人司会者が軽妙な語り口で、日中両言語を自在に操り、ゲストとの対談の様子を伝えるほか、両地域のタイムリーな情報なども紹介しながら進められる。大連において、日本語学習者や日本に興味をもつリスナーを中心に人気の高い番組である。当日は、大連の高級百貨店特別催事場で販促活動をしている新潟県産日本酒2銘柄の各1本ずつを提供し、私の方から新潟県ゆかりのクイズ(クイズの正解は「田中角栄」)を出し、正解者の中から2名にプレゼントした。リスナーは、番組放送中に携帯電話のメールでクイズの回答を送信できる仕組み。番組最後に正解者の中から当選者2名を選ぶことにしたが、正解発表までの数十分間で70通を超えるメールが瞬時にスタジオに届き、反響の大きさを感じた。

○各種商談会等の参加募集
 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等に出展する予定です。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行っていきますので、参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。別途、詳細事項をご連絡いたします。
 現段階での計画は下記のとおり(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますのでご注意ください)。
・8月28~30日  延吉国際投資貿易商談会(吉林省延吉市)
・9月6~11日  吉林北東アジア投資貿易博覧会(吉林省長春市) ・9月22~25日  北東アジア(瀋陽)輸入商品博覧会(遼寧省瀋陽市)
・10月28~29日 大連中日貿易投資展示商談会(遼寧省大連市)
 なお、出展に係る費用負担は、これまで同様、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。 (わ)

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2011.3.23〈№113〉

○大震災後の影響
 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、日本国内観測史上最大のマグニチュードを記録し、甚大な被害をもたらしました。当紙面を借り、被災地の皆様に、謹んでお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。
 さて、ここ中国でも、地震関連のニュースは、衝撃的な映像も交えながら、連日大々的に報道されてきました。中国大使館及び在新潟中国総領事館のバックアップの下、多くの中国人が新潟空港経由で帰国していたこともあり、その際のインタビューや帰国ラッシュの様子を伝える報道も多く、テレビや新聞で「新潟」(私の見た限り「新?」標記はほとんどなし)の文字を見る機会が数多くありました。また、被害状況に関する報道以外に、日本の被災民の秩序ある冷静な行動を称賛する記事が数多く発表されていました。
  しかし最近の報道は、福島原発の放射能漏れに関する直接的、間接的影響がその中心となっています。もっと言えば、隣国である中国にとって今回の地震は、決して対岸の火事ではなく、むしろ、噂話等への過度な反応により冷静さをやや欠いた行動に波及する事態に発展するなど、混乱の引き金になっています。例えば、放射能漏れによる海洋汚染で塩が入手困難になるとの噂が瞬く間に中国全土を駆け巡り、塩の買占めによる混乱が各地に広がり、大連のスーパーや商店でも塩の売切れが相次ぎました。そのほか、被災地以外からの中国人大量帰国ラッシュ、中国各地で日本産粉ミルクの売切れ続出等が起こっています。また、16日、大連空港着の貨物便が放射能検査の結果により、貨物を下すことができず、そのまま日本に戻る事態が起こるなど、放射能漏れの影響を懸念する雰囲気が広く蔓延している実態があります。今後は、ビジネスだけでなく、訪日観光や日本への留学動向に大きな影響を与えていくことになるほか、安心安全で信頼性が高かった日本産食品への風評対策が求められるなど、被災地だけではなく日本全体としての取組が必要になってくるものと考えられます。
  一方、近年の中国経済の急速な発展に伴い、拡大し続ける電力需要に対応するため、2005年以降、中国全土で原子力発電所の建設が急ピッチに進められてきたところでしたが、今回の福島原発の放射能漏れを受け、中国国内の原子力発電の中長期計画を見直し、新規建設の審査認可を暫定的に凍結するとの報道がありました。どうやら、今後の中国エネルギー政策にも大きな影響を与えることになりそうです。(わ)

○第四銀行上海駐在員事務所の開設
 
去る3月10日に、上海市内高級ホテルで第四銀行上海駐在員事務所の開業記念式典が行われました。当日は、新潟県関係企業をはじめ、在上海日本総領事館や江蘇省政府の関係者等、多数の参加者が詰めかけ、賑やかな雰囲気の中での新しい門出となりました。
 今回の上海駐在員事務所の開設は、大連所在の当事務所にとって、北京の新潟市事務所に加えて、広い中国で協力をお願いできる新しい拠点が増えたことになり、その意味で、大いに連携しつつ、今後の事務所の活動に活かしていきたいと考えています。(わ)

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2011.1.31〈№112〉

○旺盛な春節消費で新潟米売れ行き好調
 今年もまもなく春節を迎える。赤を基調とした装飾で街中が最も輝きを放つ時期でもある。そして、年間で最も財布の紐が緩くなる時期でもあり、春節消費がまさにピークを迎えている。周知のとおり、新潟米は春節用贈答品としてすでに定着しており、今年も1月上旬に、北京及び上海等の高級百貨店等で新潟米試食宣伝会を行ったところ、非常に良い売れ行きであった。なかには、春節時期特有の購買形態として、数百袋をまとめて購入する者もいたという。
 基本的には、現在でも2007年に輸入再開した当時の価格帯(1袋2キロ198元、約2,500円)で販売されているが、その当時は、中国産米との価格差(約10~20倍)から「高額な超高級米」という見方が一般的だった。安全安心な高級米という捉え方は現在でも変わっていないが、約4年を経ての経済状況の変化、具体的には、物価上昇や所得水準の向上、中間富裕層の増大により、日本米1袋198元という商品価格や贈答品市場中で許容できる商品価格の捉え方が、数年という短い時間の中で確実に変わってきている。また、中国の贈答品市場では、希少な優良品と認知されると、極めて価格感度が低くなり、高額商品でも売れるという特殊性を持つとの指摘がある。ある高級百貨店の食品売り場責任者の言葉を借りれば、「さらに高い価格帯の極上米」も一定の需要があるはずとのこと。
 北京のある民間調査機関等が今年1月に実施したアンケート調査によると、北京市民が春節期間にかける予算は1世帯当たり8,000元超(約10万円)で、多くの家庭が少なくとも1人あたりの月収に相当する金額を春節につぎ込むとの実態が明らかになり、9割超の家庭が春節用の予算は前年よりも多いと回答している。主な予算の使い道は、親族友人宅への挨拶回り用の贈答品購入、春節用グッズ購入、年夜飯(大晦日の晩餐)となっていたが、そのほかに春節期間に旅行を計画する家庭が約2割に上り、概ね1~2万元の旅行予算は確保しているという。
 旺盛な春節消費という強力なエンジンにより、中国の内需拡大がより一層進み、消費市場の拡大に大きく寄与している。(わ)

○「新潟-上海線」増便で週4便へ
 新潟上海線が、今年3月27日より、現行週2便から週4便に倍増することが決まった。上海は新潟県関係企業が数多く立地する地域であり、そもそもビジネス用務での利用需要は潜在的に高い。ところが、これまでの週2便では、ビジネス用務での利便性が低いとの声をよく聞いていた。今後の増便により、渡航頻度の高いビジネス客の取込みが期待できそう。また、ビザ緩和が進む中国人訪日観光客の新潟県誘客の面でも、有利な条件となろう。さらには、昨年6月の在新潟中国総領事館の設置を契機として始まりつつある江蘇省と新潟県との交流についても、航空路拡充により、弾みがつくことを期待したい。(わ)

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2010.12.28〈№111〉

○大連郊外に温泉・スキー場開発相次ぐ
 ここ数年、大連では温泉とスキーに流行の兆しが見られる。大連市政府は、「温泉+スキー」の観光商品を造成し、冬季の観光誘客に力を入れていくことを打ち出している。そのような中、大連郊外に温泉リゾート地5箇所及びスキー場4箇所が最近数年間で相次いで開発され、スキー愛好者が急速に増えている。
 今月19日に、2010年大連国際温泉スキー祭が安波温泉スキーリゾート地で始まった。統計によると、過去3年間の温泉スキー祭開催の成功などにより、観光客及び観光収入は各々17%、21%と着実に増加しており、現在、安波地域の年間受入観光客は60万人、年間観光収入は約1.2億元に上っている。
 安波温泉は、大連市内中心部から約150km離れた安波鎮に位置し、四方を山で囲まれ、清新な空気と絶景が楽しめるリゾート地。12棟の洋式及び日本式の宿泊施設が立地しており、温泉ジャグジー浴・露天風呂などの特色ある養生浴は、同時に約700人の利用が可能。一方、安波スキー場は日本人経営として知られ、温泉地の宿泊施設まで約2km、スキーの後に温泉が手軽に楽しめる立地条件となっている。スキー場総面積は30万㎡、中級コース2本、初級コース2本、初心者及びキッズ専用のゲレンデも完備。なお、レンタルスキー及びリフト代込み料金は、休日の一日券で320元(約4千円)と日本のスキー場と比べ若干低めではあるが、地元民の所得水準と比較すれば、けっして安い価格設定ではない。
  ほかにも、大連郊外の瓦房店駝山村に約1,500万㎡を有する広大なリゾート区の建設が着工したばかり。日本式温泉・リゾートホテル・体育施設付きの公園などを建設する一大プロジェクトとなる予定で、大連最高水準のリゾート地を目指すとのこと。
  温泉施設の建設、さらには、ウインタースポーツの代表格であるスキー場の開設は、好奇心溢れる多くの中国人の心をとらえる一方で、相次ぐリゾート地開発ラッシュは中国経済の旺盛な内需拡大の牽引役にもなっている。(ぎ)

○労働争議後の先行き
 大連経済技術開発区立地の新潟県関係企業への年末挨拶をさせていただいたが、多くの企業から耳にした話題は、今後の人件費上昇に係る先行き不安であった。
 今年は、中国南方の労働争議の多発が大きく報道されていたことは記憶に新しいところであるが、ここ大連市においても7月をピークに、数多くの日系企業で労働争議が発生した年であった。大連市の最低賃金が約3割弱引き上げられる中、労働争議が発生し、多くの日系企業が賃金改定を余儀なくされた。加えて、新年の定期昇給の時期を向かえ、具体的な対応を検討している企業も少なくない。
 思い起こせば、2005年に大連市において労働争議が続発した際には、地元政府による積極的な意思表明(企業側への賃金対応ガイドライン表明等)により、事態が比較的早期に収束するに至ったとのことだが、今年の労働争議に関しては、政府からの積極的な介入はほとんどなく、事態収拾に向けた地元政府からの対応が不十分と評価する声が一部ある。
 大連日本商工会が今年10月に行ったアンケートによれば、回答企業の中で、今回の労働争議後の対応として既に大連撤退を決めたとする企業はなく、約9割は大連からの撤退予定なしと回答していることから、当面は、現在の雇用環境において維持する方向で努力し、撤退等の判断にまで至っていない企業が大多数であることが予想できるが、外資企業に対する中国政府の優遇政策が基本的に消滅した今、製造業を中心に今後の対応に苦慮している様子が鮮明になっている。 (わ)

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2010.10.31〈№110〉

○上海万博「新潟フェア」開催
 上海万博日本館イベントステージにて、10月13日から3日間の日程で開催された「新潟フェア」は、多くの来場者で賑わいを見せ、成功裏に終了した。展示物の一つに新潟産錦鯉の生体展示があったが、本来、錦鯉の日本からの輸入は中国国内検疫上の理由から禁止扱いとされているところを、関係機関の協力のもと、上海万博展示目的に限定した特別許可により実現したもの。出展期間を通じて、5匹の錦鯉は「泳ぐ宝石」として元気な姿を見せ、多くの来場者を魅了していた。そのほか、旅館女将による佐渡おけさ実演及び着物ファッションショー、新潟下駄総踊り、佐渡の伝統芸能「鬼太鼓」披露など多彩なメニューで日本館イベントステージを沸かせていた。
 ところで、万博開催前の上海は、急ピッチなインフラ整備や外灘周辺の工事等が一斉に行われ、常に大量の埃と塵が舞っていた感があったが、万博開催後の上海の空気が随分きれいになっているように感じた。聞くところによると、万博期間中は強制的に工事停止となっているとのこと。もっとも、万博終了後は、各所で工事再開となることが予想され、もとの上海に戻ってしまうだろう。
 さて、6ヶ月にわたる万博開催期間で、万博会場を計7回訪問する機会を得たが、心に強く残っていることは、人気パビリオンの前を長時間行列待ちしている方々の忍耐強い姿とボランティアスタッフの親切で優しい笑顔であった。来場者の服装や身なり等を注意深く見ると、中国国内の地方からの来場者が非常に多いことに気が付く。万博から受けるインパクトは、上海市民と地方出身者とでは微妙に温度差があるはずで、地方出身者の中には、公共マナー、主催者側の来場者に対する気配りやホスピタリティを相当程度感じつつ、帰途に着いた方々も多かったことだろう。(わ)

○上海市、江蘇省で観光説明会開催
  新潟県観光交流促進ミッションが、10月25日から28日までの日程で、上海市及び江蘇省3都市(南京市、無錫市、蘇州市)を相次いで訪問し、地元旅行社及び関係政府機関を対象とする観光説明会及び商談会を開催した。
 同ミッションは、行政関係者はもとより、当県及び近県(山形県及び長野県)のホテル旅館関係者を含めた総勢37名の訪問団で、そのコンセプトは「高級旅行」である。格式の高い施設と一流のサービスを提供できる宿泊施設の責任者が集まり、地元旅行社との個別商談会は活気に溢れていた。また、本格的なスノーシーズンを間近に、初心者でも手軽に安心して楽しめるスノーモービルを紹介するなど、スキーリゾートでの新しい楽しみ方も提案した。新潟といえば、雪国情緒と美味しいお米のイメージが定着しつつあるが、総体的にみて、中国での知名度はそれほど高くはない。今回の訪問は、官民共同による、中国富裕層向けの本格的なPR活動でもあり、当事務所としても、この取組みを継承し、多くの機会を捉えて宣伝していくこととしたい。(わ)

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2010.9.17〈№109〉

○中国東北部の商談会に相次いで出展
 去る8月28日から30日まで第6回中国延吉・図們江国際投資貿易商談会が吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市で開催された。当事務所取りまとめによる6社5ブースの出展のほか、新潟市取りまとめによる出展ブースと合わせ、合計9ブースの出展となり、昨年に引き続き、日本からの出展規模では最大規模となっていた。なお、新しい動きとして、延吉市内の百貨店にある新潟県常設展示場の隣に、鳥取県の貿易会社がこの9月に日本産の加工食品及び贈答品を展示することが決まり、この宣伝を兼ねて、商談会に出展していた。鳥取県関係企業の代表者が多数かけつけ、地元政府機関との交流を図り、日本産加工食品の中国市場投入に向けた強い意欲を示していた。延吉商談会全体の規模は昨年より大きくなっていたが、商談相手と想定される企業関係者やバイヤーの来場者は少なく、やや期待外れの感は否めない。表看板は商談会であるが、実質的には普段手に入りにくい商品を物色する「市場(いちば)」的な要素が強い商談会であった。来年以降の開催に当たり、商談会事務局等の関係機関には、商談機会の増加につながるような事前準備と工夫を要請していきたい。
 続いて、9月2日から6日まで第6回中国吉林東北アジア投資貿易博覧会が吉林省長春市で開催され、当事務所取りまとめにより、新潟県関係企業7社4ブースで出展した。当該商談会は中央政府主催の国家級博覧会で、海外からの招待者を交えた国際フォーラムも同時開催され、国内外の要人が長春市内に参集、例年同様、街全体が博覧会開催一色の華やかな様相を呈していた。新潟県からも森副知事を団長とする代表団が派遣され、図們江区域重点フォーラム及び北東アジア地域発展フォーラムに相次いで出席、日本海横断航路に関する今後の取組についての発表を行った。
 博覧会の会場では、日本商品をはじめとする海外からの価格帯の高い商品に対して、高い関心が寄せられている様子で、長春市を中心とする地元民の購買力向上を実感させられる。すでに世界中から様々な商品の流入が続いており、急拡大する市場にあっても、そのビジネスチャンスは必ずしも容易に獲得できるわけではない。また、日本製であることをセールスポイントにできる商品の幅も年々縮小しているように感じられる。いずれにしろ、新潟県と吉林省とのビジネス機会創出、それに伴う物流量の増加は、両県省がその具体化に高い期待を寄せる日本海横断航路の再開及び安定就航の実現に欠くことができない要素であることから、両県省の経済交流拡大のため、当事務所としても地道に活動していくことにしたい。
 さらに続いて、9月9日から12日まで第4回中国東北アジア(瀋陽)輸出入商品博覧会が遼寧省瀋陽市で開催され、新潟県関係企業6社5ブースで出展した。今年は、日本関係企業を集めた「日本館」を展示場中心部に単独設置し、開催方法に工夫が見られた。事前周知の徹底により、多くのバイヤーや関係業者を効率的に集めるという主催者側の事前説明があったが、実際には、課題も残る運営体制となった。なお、新潟県の出展企業の中に、中国の商談会に初参加の企業があった。「中国で売れるものは何か」という視点で、商談会来訪者との個別商談に臨み、かつ、他の出展企業の商品、さらには瀋陽の高級百貨店での商品ラインアップを確認していたが、あまりの品揃えの良さに驚いていた様子。急拡大が続く市場は、同時に急速な勢いで成熟化している。(わ)

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2010.7.10〈№108〉

○「新潟ーハルビン線」利用促進に向けたプロモーション活動
 「新潟-ハルビン線」は1998年6月の開設以来、今年で就航12周年を迎えた。開設当時は週1便だった定期航空路も、現在では週4便に拡大し、友好県省を結ぶ交流基盤として、家族や友人訪問を支える生活路線として、比較的安定した需要を得てきた。しかし、羽田空港及び成田空港の発着枠拡大など新潟空港を取り巻く環境は絶えず変化している。このような中、新潟空港発着のハルビン線利用促進を官民一体となって取組む「新潟空港オンリーワン路線活性化実行委員会」のメンバーが、7月2日から3日間の日程でハルビンを訪れ、中国南方航空ハルビン支社など関係機関を訪問して現在の取組を説明するとともに、ハルビンでプロモーション活動等を展開した。
 まずは、中国南方航空との共催により、ハルビン及び新潟双方の旅行社参加による交流会を実施、この中で、新潟県及び新潟市の助成制度等の取組を説明するとともに、黒龍江省旅遊局及び新潟県観光振興課の担当者から地元観光資源に関する説明を行った。県からは、佐渡及び東京を周遊するモデルルートの提案や学校訪問、ホームステイなど新潟への教育旅行誘致のための取組も紹介され、今後一層の拡大が実現できるよう尽力していきたい。
 さて、ハルビンは、「氷祭り」「国際スキー祭り」「冬季アジア大会やユニバーシヤードの開催地」など、冬のイメージが強いが、夏は内陸特の猛暑に見舞われることが多く、特に今年の夏は記録的な猛暑が続いているとのこと。このような中、観光名所として名高い太陽島を会場にハルビン国際ビール祭りが7月1日から開幕していたが、同会場に新潟県専用ブースを設置、PR活動を行った。世界各国のビールが並ぶ祭典であるが、有料入場券必要で、かつ、普通のレストランの平均的ビール売価の2倍以上にもかかわらず、多くの来場者が詰めかけ、大きな賑わいを見せていた。新潟県地図入りのダーツボードに記載された「新潟-ハルビン線」の航空時刻表を見て「週4便も飛んでいるのか」という驚きの声、「新潟はすでに行ったことがある。きれいなところだ」という感想、「新潟は友好都市。一度行ってみたいと思っていたが、どれくらいの費用で旅行できるのか」という細かい質問など、予想どおり様々な反応があった。
 折りしも、今月から中国全土で個人観光ビザの発給要件緩和がスタートした。大手クレジットカード会社のアンケート(今年5月実施)によると、今後2年間で訪問したい国として日本を選択した中国本土の回答者は52%(前回調査より17ポイント上昇)で、オーストラリア(53%)に次ぐ僅差の2位であったという。今後、中国人の訪日観光客が拡大していくことは間違えなく、日本各地からの中国人誘客のためのPR活動はますます過熱しそうだ。  (わ)

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2010.5.4〈№107〉

○上海万博が開催
 2010年上海世界博覧会(上海万博)が5月1日、ついに開幕した。同日、日本館開館式に招待された泉田知事をはじめとする新潟県訪問団の一員として、開幕初日の万博会場を視察できる幸運に恵まれた。当日は快晴、気温がぐんぐん上がり、25度を越えたとのこと。広い万博会場には、日を避けて座る場所が少なく、これから本格的に暑い季節を迎える上海では、かなりの体力消耗を覚悟しなければならないことがわかった。
 初日の来場者数は約20万人とのこと。日本の報道機関では、一番人気の中国館の参観予約券を巡るトラブルや混雑ぶりが大きく取り上げられていたようだが、一部の人気パビリオンを除けば、広い会場をゆっくりと歩く空間は十分に確保されていた。ただし、日本館は、人気パビリオンの一つで、開館直後から長蛇の列、黄浦江を挟んだ対岸に位置する日本産業館も長い行列が続いていた。
 なお、日本館の催し物の一つに、朱鷺(トキ)をモチーフにした音楽劇があり、新潟県関係者にとって大変興味深いステージとなっている。日本館イベントスペースで、10月13日から3日間開催予定の「新潟フェア」との相乗効果も大いに期待できる内容であろう。
 来場者数の目標は、今後6か月の開催期間中で、延べ7千万人とのこと。世界各国の多くの人々が、万博開催地である上海を訪れることになる。万博パビリオンにある世界各国の最先端の展示物もさることながら、上海万博を目標に整備されてきたインフラや美しい景観など、グレードアップした新しい上海の魅力に大きな衝撃を受ける人も多いことだろう。このことは、中国国内各地から来場する中国人にとっても同様で、かつ、これら来場者たちが、マナーや高いサービスの提供など、ソフト面での充実ぶりを大いに感じつつ、それぞれの地元に持ち帰ることになり、上海のみならず、中国各都市への影響は計り知れない。(わ)

○各種商談会等の参加募集
 当事務所の中国ビジネスサポートの一環として、昨年度同様、中国各地の各種商談会等に出展する予定です。いずれもブース費用は当方負担とするなど、出展に係るサポートを最大限行っていきますので、参加を検討される企業については、随時、お気軽にご相談ください。別途、詳細事項をご連絡いたします。
 現段階での計画は下記のとおり(主催者側の都合等で日程変更となる場合がありますのでご注意ください)。
・8月28~30日   延吉国際投資貿易商談会(吉林省延吉市)
・9月2~6日     吉林北東アジア投資貿易博覧会(吉林省長春市)
・9月9~12日    北東アジア(瀋陽)輸入商品博覧会(遼寧省瀋陽市)
・10月21~22日  大連中日貿易投資展示商談会(遼寧省大連市)
 なお、出展に係る費用負担は、これまで同様、出展料(ブース費用)及び商談通訳は当事務所負担、出展品輸送費(関税含む)及び派遣者旅費等は出展企業負担とします。(わ)

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2010.2.27〈№106〉

○高級百貨店で新潟食品物産展を開催
 春節(中国の旧正月)気分が色濃く残る2月20日から25日の日程で、黒龍江省ハルビン市で新潟食品物産展を開催した。開催場所である遠大百貨店は、高めの価格帯の商品を品揃え良く取扱う高級百貨店で、外国からの輸入品コーナーを設置する等、富裕層から広く支持されている百貨店でもある。地下1階食品売り場の特設スペースに専用の装飾を施し、新潟県産の食品を試食・販売した。最終的には、餅、日本酒、地ビール、味噌など9企業36アイテムの商品を揃えたが、日本からの輸入商品としては新しい商品ばかりであり、販売までに至る過程は苦労の連続であった。「テスト販売」的な目的で参加した商品が多かったが、実は、この物産展の実施目的は、単なる販売だけでなく、今後の中国市場に県産食品を投入する上での準備から販売に至るまでの課題抽出や市場調査の要素が含まれており、その意味において非常に有意義な試みであった。
 輸出業務は専門の会社に委託して行ったが、実際、食品の中国向け輸出に関しては、食品衛生検査の手続き、通関手続きなど中国側が示す厳しい条件をクリアーする必要があり、これらの手続きに要する時間をあらかじめ見積りながらの事務作業が必要であることがわかった。当然、商品自体が持つ賞味期限との兼ね合いで対象商品も限定されてしまうケースが多々ある。中国現地市場の類似商品や競合商品に関する状況把握、商品ごとに異なる関税率を加味した価格帯の設定、商標権の問題も踏まえたパッケージの工夫など、個別商品ごとに具体の課題として認識するに至った。日本の食品は、価格は高いが高品質で安全でおいしい、中国の富裕層は食に対して敏感で、高くても安心安全なものを選んで買うという漠然とした神話が流布されているが、実際にビジネスとして商流に乗せていくまでに乗り越えるべきハードルは高いと言えるだろう。今後は、本物産展の対象商品が百貨店の定番商品となることを期待しているところであるが、一方で、今回の経験を踏まえ、中国市場に受け入れられそうな商品を発掘していく試みも必要であると考えている。
 なお、本物産展の開催地が新潟県の友好提携先の黒龍江省であり、かつ、新潟と直行便で結ばれているハルビンということもあり、1階中央のフロアーで、新潟県観光PRを中心としたイベントを同時開催した。迫力ある万代太鼓でオープニングを飾り、県内旅館女将による踊りの披露、交流の歴史を伝えるパネル展の開催、県観光パンフ配布や新潟ハルビン線を活用した旅行商品宣伝など、新潟に関する情報発信を行う良い機会となった。さらに、ハルビンで開業中の新潟県の飲食店(店名「徳菜華」)が同百貨店6階のレストラン街で「新潟ラーメン」を提供した。期間限定ではあるが、普段は日本のラーメンを提供していないレストラン街だけに、多くの来場者から関心が寄せられ、賑やかな雰囲気に華を添えていた。(わ)

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2010.1.23〈№105〉

○新潟ラーメン店、ハルビンで開業
 先月末、新潟ラーメン及び日式焼肉をメインとする飲食店「徳菜華(とくさいか)」が黒龍江省ハルビン市にオープンした。出店者は、糸魚川市及び上越市で中華料理店等を営業する㈲月徳飯店(本社・糸魚川市、月岡浩徳社長)で、同飯店にとっての中国進出の第1号店となった。新潟県の友好交流先である黒龍江省への出店ということもあり、県としても、同店協力のもと、店内の一角に新潟県PRコーナーを設置し、県特産品の紹介や県観光情報の提供など、新潟県の情報発信の場となっていることが大きな特色である。ハルビンは他の大都市と比べ、日本人在住者が必ずしも多くないことから、地元中国人にどれだけ支持されるかが成功の鍵になってくるものと思われる。一方で、同店の店主は、新潟で提供している本場の味をハルビンでも味わうことができるようにする「こだわり」を大切にするとしており、新潟の食文化の紹介にもつながることが期待されている。
 今後は、黒龍江省政府関係者、元県費留学生等の県留学経験者など、友好県省26年の財産である新潟県ゆかりの“老朋友”のネットワークを通じて、同店の宣伝活動に一役買っていきたいと考えている。(わ)

○新潟米、春節商戦で売上げ好調
 中国全土で春節商戦が熱を帯びている中、新潟米販売促進のためのプロモーションが上海、北京で相次いで行われた。2kgで198元の小売価格は、普通の中国米の約10倍以上にも相当する高級米であるが、この時期の贈答品市場において、高すぎるということはないようである。今回は日本から30トン輸出されたが、卸では在庫切れ、上海の高級百貨店でも売行き好調で、在庫切れ目前の中で追加発注もできないという盛況振りである。北京の高級百貨店の店頭では、新潟米の隣に、中国産の特別栽培米が新潟米よりも高い価格帯で大きなスペースをとって並べられており、日本産米を筆頭とする高級極上米が春節向け贈答品市場の中で、すでに一定の広がりを見せている様子がうかがえる。まさに「価格が高いからこそ売れる」贈答品市場に大変マッチした商品ともいえる。
 今回の販促プロモーションは、従来行われてきた百貨店での試食宣伝会に加えて、中国の高級日本食レストランのオーナーやシェフ等を対象に業務店用需要の掘り起こしを目的とした食材提案会を実施し、通年での需要拡大に向けた布石を打っている。業務店用としては価格が高すぎるという声、通年で安定的に仕入できれば使ってみたいという声など様々な意見が交錯している現状であるが、「変わり身」が早い中国巨大市場において、新潟米が通年で着実に広がっていく可能性は十分にある。新潟米の美味しさ認知は、中国においての新潟への観光誘客PRにもつながり、大きな相乗効果を生み出していくことは間違いない。(わ)

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